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511/518

511 その、なんだ、まあ、おまえしか

「うん。もっとしなくちゃいけないことがあるって気がついた。子供を産んでホメムの血を守って、そんなことじゃなく」



 私そもそも、時間を遡って、純正のホメムって、もう言えないかもしれないし。

 若返ってるし。

 つまり、体も変わってるんだし。

 セオジュンが用意してくれていたエリアREFの部屋で寝ながら、真剣に考えた。

 自分に何ができる、って。



「普通に友達とおしゃべりして、誰かを好きになったり。そして、時には真剣に何かに取り組んだり……」


「そうしてるじゃないか」

「ううん。長官らしいこと、みんなの役に立つこと、何もしてない」

「そんなことはないさ」


「ううん。それでね。さっきパリサイドの船長に話したの」

「ん?」

「長官を辞めますって」

「えっ」

「もう、ニューキーツの街もないんだし。もし、市民を纏める誰かが必要なら、適任者を推薦しますって」

「おい!」

「ンドペキを、って」


「なに!」

「そう思うって」


「ふざけるな! そんな気はない。絶対に断る! 勝手なことを言うな!」

「そう言うと思った。でも」

「でももしかもあるか! おまえ、いい加減にしろ!」

「そうよね。じゃ、選挙ってのは? もう廃れてしまった方法だけど」


「いい方法にも聞こえるけど、それはダメだよ」

 ライラが久しぶりに口を開いた。

「市民の代表になれる奴なんて、いないよ、今は。それに、レイチェルが適任だとみんなが知っている」



 ふとンドペキは思い出した。

 長官として重責に耐えながら恋人探しをするレイチェルを、かわいそうだと思った日のことを。


「レイチェル」

「なに?」


「その、なんだ、まあ、おまえしか。ライラも言ったように……」

「……うーん。ごめんなさい」

「またそれか」

「さっきのはうそ」

「はあ!」

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