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513 ひどいよ…… 口を尖らせて
「強いて答えて欲しいとは思わないが」
「なんだ?」
「ん……、ンドペキ、おまえとイコマ、もしかして、同一人物なんじゃないか?」
んっ!
「最初、アヤはイコマを父親だと言った。今は、ンドペキと家族だという」
「……」
「そう感じることがある。というだけのこと。たいしたことじゃない」
思わずユウとイコマを振り返った。
どうする?
頷くユウ。
そして、ゆっくり口を開いた。
「そういうことにしたのは私。個人的な事情があって。それはね」
六百年前にユウが仕組んだことの大半を語った。
自分が何者か。
そしてイコマと俺に何をしたのか。
ごく短く。
触りだけを。
部屋から驚きの声が上がった。
「すまない。隠していて」
「なんてことはないさ。大助かりだったんだから」
「いや、まことにすまない」
案の定、チョットマが呟いた。
「パパ、ひどいよ……」
そして、俺には、口を尖らせてみせた。
顔を赤らめ。




