42 ああいう言葉って、現在進行形?
ここを通るたびに、あの日のことが思い出される。
嫌がるチョットマをおぶって。
ふと思うことがある。
わずか二か月ほどの間に、色々なことがあった。
ここ数百年間の、もっとも密度の濃い日々だったといえる。
自分にとって、最大の変化は、人を好きになる、そんな感情を思い出したことではなかったか。
チョットマとはGFEを守る同じチームだ。
自分が再生されて合流した時、チョットマに抱きつかれた時の感触はまだ胸に背に残っている。
今も、出会えば、少し親密感を出して話をする。
なんとなく照れている自分をもてあましながら。
「なんかさあ、ああいう言葉って、現在進行形とは限らないと思わない?」
武闘派シルバックがまた言った。
GFEのチームの最大戦力。隊の準幹部の一人。
その彼女がこのところ、女性っぽい言葉を使う。
「うん?」
「だってさ、過去のことを言ってるのかもしれないし、未来のことかもしれないなって」
「なるほど」
二人はゴミ捨て場の橋の中央にまだ佇んでいる。
いつもと変わらず、下には大量のゴミが傲然と燃え、激しい煙が部屋中に渦巻いている。
「で、君の推理では、どういうことになる?」
「推理? 違うよ。ぜんぜん分からない」
「なんだよ」
「というかさ、考える必要なんてないのかも」
「はあ?」
「本当は、謎掛けなんて面倒くさいことじゃなく、単に意味のない尾ひれが付いているだけなのかもって」
火というキーワードだけがあって、その他の言葉には意味がないか、あるいは惑わせるだけのものではないか、というのだ。
「つまり、それでどういうことになるんだ?」
この場所を示しているだけだとしても、進展はない。
出入り口はもう十分、探したのだ。




