43 でもさ、火の下は探してないよ
「でもさ、火の下は探してないよ」
確かにその通りである。
「この火は消せないんだよ」
以前、消火してみたことがある。
しかし、ものの一分もしないうちにまた轟然と炎を上げ始めるのだ。
「ふうん。そうなのか」
シルバックは手すりにもたれ、ゴミが燃え盛るのを見下ろしている。
「でも、もう一度やってみない?」
「消すのか?」
「うん。たとえ十秒でも。私たちなら降りていくことができるだろうし」
プリブは思い出そうとした。
以前、消火してみたとき、出入口らしきものがあったかどうか。
「少なくとも、壁に横道なんてなかったと思うな」
「ううん。そんな単純なことじゃなくて……」
「下に?」
「なんとなく」
どうしても調べてみたい、と言い出した。
「大蛇がいるなんてことは考えないで、降りてみようよ」
「ううむ」
プリブは思った。
シルバックは、隊の現状に倦んでいる。
事態展開の糸口を自分なりに探そうとしているのだ。
気持ちはよく分かる。
小規模な敵襲ではなく、いつ何時、本格的な戦闘が始まるかもしれない。
勝てるかどうか分からない。
エリアREFの住人達からは、とりあえずは受け入れられているようには感じる。
が、さして応援はされてはいない。
無言のうちに、居ても良いといわれているような状況だ。
それはレイチェルを擁していると考えられているからではないのか。
いずれ、レイチェルがもういないと知れるだろう。
そのときも、住人たちは今までと同じように接してくれるだろうか。




