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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第99話:ただのほころび繕いと、深淵の邪神の強制クッション化(大宇宙の黒幕の完全なる解体と、究極の平穏)

第99話:ただのほころび繕いと、深淵の邪神の強制クッション化(大宇宙の黒幕の完全なる解体と、究極の平穏)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝は、迫り来る大宇宙の終焉など微塵も感じさせない、大宇宙の理すらも平伏す圧倒的な平穏と、魂の底から歓喜の涙を呼び覚ますような極上の匂いと共に幕を開ける。

 今日のアルドは、朝からキッチンの特大フライパンと寸胴鍋に向かい、見事な手首のスナップと火加減で『特製・飛竜ワイバーンの黄金オムライスと、世界樹の雫の特濃デミグラスソース』を仕上げていた。

「よし! メインは、大精霊の加護を受けた幻獣卵を限界まで空気を含ませてフワッフワの半熟に焼き上げた特大オムレツだ。それを、飛竜の粗挽き肉と星屑トマトで炒めた極上のチキン(飛竜)ライスの上に乗せて……ナイフで真ん中をスッと開く!」

 アルドが包丁の先でオムレツに切れ目を入れた瞬間、トロトロの黄金色の卵が花開くようにライスを包み込む。

「最後に、幻獣の牛骨と世界樹の雫を三日三晩煮込んで裏ごしした、特濃の絶品デミグラスソースをたっぷりとかけて……熱々のうちに完成だ!」

 アルドがエプロン姿で、湯気と共に圧倒的な生命力と香ばしいソースの匂いを放つ大皿をダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチとモフモフの星狼シロがテーブルの下でちぎれんばかりに尻尾を振って待機していた。

 このオムライス、一口食べれば幻獣卵と飛竜肉の極上のアミノ酸が全身の魔力回路を限界突破させ、デミグラスソースの圧倒的な包容力が致死の呪いや精神的摩耗すらも完全に無効化し、魂の底から尽きることのない多幸感を湧き上がらせる『究極の神仙・超覚醒食』である。

「うむ……! この卵のトロトロ具合と、デミグラスソースの黒真珠のような輝き! ナイフを入れた瞬間に立ち昇る芳醇な香り! 見るだけで我が魔界の闘争本能が、休日の昼下がりに二度寝をむさぼる老犬のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 元・魔界大帝サタナスが、スプーンを震わせながら握りしめ、あまりの美味さにワナワナと肩を震わせて感涙に咽いでいた。

 そんな賑やかなダイニングの喧騒から少し離れた、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブル。

 そこでは、大公レオハルト、情報局長アーキヴァル、元・大賢者ゾルタンの三人が、アステリア王国のはるか上空、次元の壁そのものを指し示す立体地図を広げ、かつてないほど深刻な顔つきで極秘の『戦術会議』を行っていた。

「……大公閣下。先日の『大宇宙の暴食渦ブラックホール』を我々に(極上のゴミ箱として)無力化され、最高位使徒までもがゴミの分別係に転職したことで、大宇宙の黒幕はいよいよ完全に理性を失いました」

 アーキヴァルが、手元の分厚い機密書類を指先で弾きながら冷徹に報告する。

「先兵も、魔法も、超重力も通じないと悟り、ついに自ら出向いてきたか。……次元の外側の存在が、強引にこの世界の殻を破って侵入してくるとはな」

 大公レオハルトは、地図の王都上空……空そのものに走った、おぞましい巨大な「亀裂」を睨みつけた。

「はい。次元の壁を物理的に引き裂いて顕現しようとしているのは、大宇宙の破滅そのものを司る真の黒幕……『深淵の邪神・ゼロ・アポカリプス』の本体です」

 ゾルタンが、魔力測定器に映る、測定限界を突破して文字通り計器を粉砕しかけている漆黒の波形を指し示す。

「この邪神は、星一つを容易く握り潰すほどの巨大な腕と、見た者の精神を即座に崩壊させる狂気の神核を持っています。奴の狙いは、次元の裂け目からこの星の内部へと完全に這い出し、大地も海も空も全てを物理的に『握り潰して』、完全なる無へと還元することでしょう」

「我々の住むこの美しい世界を、まるで卵の殻でも割るかのように握り潰すだと。……生命の尊厳に対する、決して許されざる大宇宙の暴挙だな」

 大公レオハルトは、怒りで拳を強く握りしめ、テーブルをミシミシと軋ませた。

「ええ、まさに絶対的な終焉です。ですが、我々が『事前に』その空間のほころびと不法侵入者の存在を完全に把握している以上、この星の大地一寸すら触れさせはしません。敵の邪神が完全に這い出す前に、次元の裂け目ごと綺麗に縫い合わせてお掃除して差し上げましょう。……破れた布地の修繕と、はみ出した綿の処理といえば、アルド様にとって最も得意とする『お裁縫』の領域ですからね」

 アーキヴァルは、悪魔のように完璧な微笑みを浮かべた。

 相手はもはや大宇宙の理そのものを終わらせる真の黒幕、邪神の本体である。しかし、アーキヴァルの手帳の新たなページには、一切の躊躇いもなく『対・大宇宙の黒幕・ご請求書(最終完済版)』と優雅な筆記体で書き込まれていく。

 彼はそのままペンを滑らせ、一枚の『依頼書』を迅速に作成した。

 ちょうどそこへ、食後の極上ハーブティーを運んできたアルドに、アーキヴァルは深々と頭を下げて依頼書を差し出した。

「アルド様、美味しい朝食の最中に申し訳ありません。大公閣下より、急ぎの『お裁縫とクッション作りの依頼』が入っております」

「おや、急ぎのお仕事かい? どれどれ……『空の天幕テントに巨大なほころびができてしまい、そこから真っ黒で悪趣味な巨大な綿わたの化け物がはみ出してきている。このままでは空のテントが完全に破れてしまうので、至急ほころびの縫合と、はみ出した綿を使ったクッションへのリメイクをお願いしたい』……なるほど!」

 アルドは、依頼書を見て真剣な表情でコクリと頷いた。

「空のテントがビリビリに破けちゃうなんて一大事だ! 隙間風が入ってくるし、変な綿が落ちてきたら景観も最悪だね。よっぽど風雨に晒されて、布地が劣化して中身が飛び出しちゃってるんだろう。よーし、今日は僕の特製『事象縫合の裁縫針』と、『次元紡ぎの星屑糸』を持って、空のほころびをピカピカに縫い直してこよう!」

 アルドが意気揚々と作業着(宇宙空間の真空や邪神の狂気を完全に無効化する特製エプロン)に着替え、巨大な縫い針とキラキラ輝く糸の束が入った裁縫箱を抱えて部屋を出て行った後。

 リビングの影から、レイヴンとシノンが音もなく立ち上がった。

「主の『お裁縫』の邪魔をする、薄汚い邪神の抵抗は、俺たちが縫い目の内側(事象の地平線)で待ち構え、完全に押さえつけておく。……さあ、大宇宙の黒幕を完全に解体し、究極の平穏を手に入れるための、最後の集金ざまぁの時間だ」

 クランメンバーたちによる、星の存亡をかけた壮大な大戦――能動的な悪の事前粉砕が、ついに大宇宙の根源たる黒幕との最終局面へと突入したのである。

 ***

 その頃、アステリア王国の王都はるか上空。

 次元の壁がガラスのように砕け散り、その巨大な裂け目から、名状しがたい漆黒の腕と、無数の狂気の瞳を持った『深淵の邪神・ゼロ・アポカリプス』が、この世界へと物理的に這い出ようとしていた。

『フハハハハ……! 脆弱ナル星ノ住人ドモヨ! 我ガ次元ノ壁ヲ破リ、直々ニ下ッテヤッタゾ! 見ヨ、コノ絶対的ナル絶望ノ巨躯ヲ! アステリアノ小賢シイ策ナド、全テヲ握リ潰ス我ガ腕ノ前ニハ無力!』

 邪神は、大気を震わせる狂気の思念波を放ちながら、傲慢に世界を見下ろした。

『ブラックホールスラモ退ケタコノ星ノ特異点ヨ、ドコニイル! 貴様カラ先ニ、原子ノ一ツ一ツマデ磨リ潰シテクレルワ! サア、コノ世界ヲ我ガ手デ完全ナル無ヘト……』

「おーい! そこ、動かないでねー! 今からほころびを縫い合わせるから!」

『……ハ?』

 邪神が狂気の瞳を下へ向けると、そこには、王都の地上から成層圏を越え、次元の裂け目まで届く『信じられないほど高い脚立』の最上段に立ち、巨大な針と糸を持った一人の人間の青年アルドの姿があった。

「うわぁ……。大公様が言っていた通り、これはひどいな。空のテントが真っ二つに裂けてて、中からドス黒くて悪趣味な『巨大な綿の塊』がはみ出してきてるぞ。おまけに、静電気(破壊のオーラ)がすごくて、ビリビリしてる」

 アルドは、首に巻いたタオルで汗を拭いながら、プロの裁縫職人(便利屋)としてのダメ出しを始めた。

 彼の驚異的な「日常フィルター(事象の誤認)」は、大宇宙の星を握り潰す邪神の本体を、「長年の放置でテントが破れ、そこから飛び出してきた極度に不気味でガンコな古いクッションの綿の塊」だと完全に誤認していた。

「よし! こんなに中身が飛び出してたら、テントが使い物にならない! 飛び出してる変な綿をギュッと丸めて、一気に針と糸で縫い閉じてやるぞ!」

『コ、コザカシイ! 我ヲタダノ綿クズ扱イダト!? ナラバ、ソノ脚立ゴト絶対破壊ノ波動デ消シ飛バシテクレルワァァァッ!』

 邪神から、全てを無に還す漆黒の破壊エネルギーが、アルドに向かって嵐のように放たれた。

「うわっ! この綿、静電気が強すぎてバチバチ反発してくる! でも、この特製・事象縫合の裁縫針の前には、どんな反発もただの『縫い目』の一部だ!」

 アルドが巨大な針に『次元紡ぎの星屑糸』を通し、手首のスナップを利かせて、放たれた破壊エネルギーごと、邪神の巨大な腕に向かって針を突き立てた。

 ――プスッ、キュッキュッ!!!!

 星を消滅させるはずの破壊波動と邪神の絶対装甲は、アルドの「はみ出した綿を綺麗に丸めて縫い込みたい」という圧倒的で暴力的なまでの意思の前に、物理的に「フギュッ!」と情けない音を立てて、まるでただの柔らかい布地のように、一瞬にして糸でグルグル巻きに縫い合わされ始めた。

『ギ、ギィィィィィィッ!? な、何ダコノ異常ナ縫合力ハ!? 我ガ大宇宙ノ絶望ノ巨躯ガ、タダノ裁縫セットデ簡単ニ折リ畳マレテ、縫イ込マレテイクゥゥゥッ!?』

「よし、はみ出た綿がどんどんまとまってきたぞ! このまま一気に丸め込んで、可愛い形にしてあげるからね!」

 アルドが脚立の上で、超高速の針さばきを披露すると、次元の裂け目からはみ出そうとしていた邪神の本体は、「キュルルルッ!」と無数の糸によって強制的に圧縮・成形されていく。

「よしよし、これで完全に綿はまとまったぞ! 最後に、この『次元紡ぎの星屑糸』で空のテントのほころびをピッチリ縫い合わせて……ついでに、まとめた綿を可愛いカバーで包んで『特大のフカフカクッション』にリメイクだ!」

 アルドが空の裂け目をジグザグに縫い合わせ、最後にキュッと糸を結んでハサミで切り落とすと、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 世界を滅ぼすはずだった邪神の本体と次元の裂け目は、アルドの裁縫を受けた瞬間に、禍々しい破壊の力を完全に調律された。

 代わりにアルドの手仕事が持つ『究極の快適さと癒やし』という概念が、物理的な限界と次元の壁を超えて、邪神の存在そのものを書き換えていった。

『ア……ァァ……。我ノ、大宇宙ノ星ヲ握リ潰スハズノ破壊ノ腕ガ、マルデ都合ノイイ【背中ヲ優シク包ミ込ム為ノモチモチ素材】ノヨウニ……!? イヤ、縫イ合ワサレル度ニ、神核ノ狂気ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安眠ヲ誘ス低反発ウレタン】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ無ニ還スノデハナク、コウシテアステリアノ城塞ニ永遠ノ癒ヤシヲ提供スル「極上ノ全自動・神仙モチモチクッション」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 大宇宙の真の黒幕としての邪神の意思は、アルドの「お裁縫とリメイク」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を消滅させる禍々しい神体は、気がつけば「日だまり郷のリビングに鎮座し、座った者の疲労を一瞬で完全に抜き去り、極上の座り心地を提供する、超高性能な『永久・神仙安眠クッション(見た目は黒くて丸い、少し不満そうな顔をした可愛いマスコット)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 空のテントのほころびは綺麗に直って、風も入らなくなったぞ! おまけに、あの悪趣味だった綿の塊が、すっごく可愛いモチモチのクッションに生まれ変わった。これなら、リビングのソファに置いてもみんな喜ぶね!」

 アルドが裁縫箱を片付けて額の汗を拭うと、王都上空を覆っていたドス黒い次元の亀裂は、可愛い星型の縫い目を残して完全に塞がり、眼上の空は雲一つない美しい青空へと完全修復されていた。

 ***

 一方その頃、日だまり郷のリビングに置かれたソファの上。

 特大のモチモチクッションに改造され、ほのかにラベンダーの安眠アロマを放ち始めた元・深淵の邪神の内部(わずかに残された意識の領域)では、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開されていた。

「な、なんだこれはァァァッ!?」

 邪神ゼロ・アポカリプスが絶叫する。

 彼が世界を滅ぼすために振るうはずだった権能は、いつの間にか『座った人の体重に合わせて沈み込み、腰痛を治す低反発機能』に書き換えられていた。

 彼が放つはずだった狂気の波動は全て『ポカポカと温かいシートヒーター機能』に変わり、彼の誇り高き神体は、毎日ポチ(神竜)やシロ(星狼)に踏みつけられ、もふもふされる運命を強制的に受け入れさせられてしまっていた。

 アルドの「みんながリラックスできるフカフカのクッションが必要だ」という無自覚な意思は、大宇宙の黒幕を「最高級のリビング用品」と認識し、そのあらゆる邪悪な魔力を強制的に【安全で快適なインテリア】へと書き換えてしまったのだ。

「ば、馬鹿な……。大宇宙の理の外側にいるこの私が、ただの『座布団』に変わるだと……!? 大宇宙の深淵が、ただの『犬猫のベッド兼、腰痛対策グッズ』にされたというのか……!」

 邪神がクッションの中でへたり込み、絶望の涙を流したその時。

「――ご苦労だったな、薄汚い宇宙のダニの親玉。随分と『触り心地が良くて実用的なクッション』になったじゃないか」

 リビングのソファの横に、音もなくシノンの短剣が閃いた。

 その奥からは、神具の斧を肩に担いだレイヴンが、凄まじい威圧感を放ちながら現れる。そしてその後ろには、冷徹な執事服に身を包んだアーキヴァルと、大公レオハルトの姿があった。

 シノンは無慈悲にクッション(邪神)のど真ん中にドスッと腰を下ろし、レイヴンは汚れたブーツの足をクッションの上に乗せた。

「主の『お裁縫』のおかげで、貴様らの薄汚い宇宙の綿の打ち直しは済んだようだな。大宇宙の黒幕とやらのタグの裏側まで、きっちり集金に来てやったぞ」

 レイヴンが、冷酷な瞳で足元のクッションを見下ろす。

「ヒィッ……! き、貴様ら、大宇宙の邪神である私を尻に敷いて……!」

「証拠も大義名分も、そして『大宇宙のバグ取り作業』も完全に完了しましたよ、ゼロ・アポカリプス殿。これにて、真の黒幕は完全な無力化(リビングの備品への強制転換)です。そして、貴方には、いよいよ『永遠の奉仕』の時間が始まることをお伝えします」

 アーキヴァルが、分厚いバインダーから【大宇宙の黒幕への最終完済請求書】を取り出し、クッションの顔の部分にドンッと突きつけた。

「さあ、この莫大な『事象縫合とリメイクの手数料』、貴様の身と魂を弾力に変えて、このリビングで永遠に我々の尻と腰を支え続けてもらいましょうか。大宇宙を滅ぼそうとした邪神の末路としては、最高に平和で実用的な舞台ざまぁですね」

 シノンの冷たい宣告と共に、深淵の邪神は完全に心をへし折られ、ポカポカと温かいヒーター機能を放ちながら、大人しくクッションとしての業務へと就かされていった。

 ***

 数日後。日だまり郷の黄金の城塞。

「……終わりましたね。星を握り潰すはずだった大宇宙の邪神が、アルド様の腕によって見事な超高性能モチモチクッションに成り下がりました。そして、捕らえられた邪神は、リビングのソファの上で立派な『座布団』として、毎日我々の疲労を癒やしてくれています」

 記録係のアーキヴァルが、大公から送られてきた莫大な報酬と、平和を取り戻した王都の住民たちからの手紙を確認しながら、手帳の『対・大宇宙の黒幕・請求書』の最後のページに、万感の思いを込めて『完済』のスタンプを押した。

「アルド殿が縫い合わせたあの空のほころびも、可愛い星型の雲として残り、王都の新たな名物になっているそうだな。大宇宙の終焉計画など、完全に極上のリビング用品作りの手伝いにされたというわけだ」

 レイヴンが、ソファの上でスヤスヤと眠るシロ(星狼)の下敷きになっている黒いクッション(邪神)を眺めながら、不敵に笑う。

「ええ。国内の悪徳貴族に始まり、他国の暗躍組織、古代狂信教団、超大国の軍事帝国、そして最後には大宇宙の邪神まで。全てを『快適なインフラと日用品』に変え、我々の手で集金ざまぁを完了させました」

 アーキヴァルの眼鏡の奥で、全てを計算し尽くした冷徹な光が、どこまでも優しく、そして誇らしげに細められた。

「我々の完璧な情報網とアルド様の【究極の家事】が、世界中の、いや、大宇宙の全ての悪意を完全に根絶やしにしました。これにて、クラン『黄昏の守護者』の『能動的な悪の粉砕』という壮大な大掃除は、完璧な形で完了したのです」

 その時、キッチンからアルドの明るい声が響いた。

「みんなー! 今日はお祝いに『幻獣の極厚ステーキと、世界樹の果実のタルト』だよー! 早く手ぇ洗っておいでー!」

 最強の便利屋の「ただのお裁縫」は、大宇宙の終焉の危機をただのテント修理として解決し、真の黒幕の野望を完全に終わらせただけでなく、日だまり郷に最高の癒やしをもたらす奇跡のクッションを誕生させてしまったのである。

 城塞の住人たちによる「能動的な悪の粉砕」は、ついに大宇宙の全てのバグを取り除き、壮大な転換期を越えて、アルドと仲間たちの永遠に続く『究極の平和な日常』へと、完璧な形で帰結したのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!

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