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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第98話:ただの掃除機がけと、大宇宙の暴食渦の強制ゴミ箱化(真の黒幕の焦燥と、吸い込まれる絶望)

第98話:ただの掃除機がけと、大宇宙の暴食渦の強制ゴミ箱化(真の黒幕の焦燥と、吸い込まれる絶望)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝は、大宇宙の理すらも平伏す圧倒的な平穏と、魂をふんわりと包み込むような極上の甘い匂いと共に幕を開ける。

 今日のアルドは、朝からキッチンの特大フライパンに向かい、見事な手首のスナップで『特製・幻獣卵の極厚スフレパンケーキと、星屑蜂蜜の特濃シロップ』を仕上げていた。

「よし! メインは、大精霊の加護を受けた幻獣卵の白身を限界まで泡立て、空気のように軽く焼き上げた極厚のパンケーキだ。そこに、世界樹の花から採れた星屑蜂蜜と、幻獣のミルクから作った神仙バターをたっぷり乗せて……熱々のうちに完成だ!」

 アルドがエプロン姿で、まるで雲のようにぷるぷると揺れる三段重ねのパンケーキをダイニングテーブルに運ぶと、その圧倒的な生命力と香ばしいバターの匂いに引き寄せられ、神竜ポチとモフモフの星狼シロがテーブルの下でちぎれんばかりに尻尾を振って待機していた。

 このパンケーキ、一口食べれば幻獣卵の極上のタンパク質が全身の魔力回路を限界突破させ、星屑蜂蜜の圧倒的な癒やしの力が致死の呪いや精神的摩耗すらも完全に無効化し、魂の底から尽きることのない多幸感を湧き上がらせる『究極の超覚醒・癒やしスイーツ』である。

「うむ……! このナイフを入れた瞬間にシュワッと鳴る神聖なる響きと、黄金のシロップが染み込む様! 見るだけで我が魔界の闘争本能が、休日の朝のベッドから出られない子供のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 元・魔界大帝サタナスが、フォークとナイフを震わせながら握りしめ、あまりの美味さにワナワナと肩を震わせて感涙に咽いでいた。

 そんな賑やかなダイニングの喧騒から少し離れた、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブル。

 そこでは、大公レオハルト、情報局長アーキヴァル、元・大賢者ゾルタンの三人が、アステリア王国のはるか上空、次元の壁の外側に広がる宇宙空間を指し示す立体地図を広げ、極めて深刻な顔つきで極秘の『戦術会議』を行っていた。

「……大公閣下。先日の『銀河崩壊の流星群』を我々に(極上のイルミネーションとして)無力化された大宇宙の黒幕ですが、度重なる先兵の敗北にいよいよ焦りを通り越し、狂乱状態に陥ったようです」

 アーキヴァルが、手元の分厚い機密書類を指先で弾きながら冷徹に報告する。

「世界の屋根を破る物理攻撃が通じないと悟り、次はどう出る気だ。……次元の外側の存在ともなれば、もはや星を滅ぼす手段など無数にあるのだろうが」

 大公レオハルトは、地図の王都上空に現れ始めた、光すらも逃れられない漆黒の渦を睨みつけた。

「はい。邪神本体が直接この宇宙に顕現するための前段階として、空間そのものを抉り取る超重力崩壊……『大宇宙の暴食渦コズミック・ブラックホール』を発生させました」

 ゾルタンが、魔力測定器に映る、星の質量はおろか、時間や空間の概念すらも吸い尽くす絶望的な波形を指し示す。

「この暴食渦は、あらゆる物質、魔力、光、そして次元の壁すらも跡形もなく呑み込み、完全なる『無』へと還元する大宇宙の究極の掃除機のようなものです。奴の狙いは、もはや星の地表を焼くなどという生ぬるいものではなく、この星そのものを丸ごと飲み込み、邪神顕現のための巨大な空洞スペースを作り出すことでしょう」

「星を丸ごと飲み込む超重力の渦だと。……もはや災害などという言葉では生ぬるい、大宇宙の摂理に反する究極の暴挙だな」

 大公レオハルトは、怒りで拳を強く握りしめ、テーブルを軋ませた。

「ええ、まさに星の終わりです。ですが、我々が『事前に』その空間の異常な吸引力を完全に把握している以上、この星の大気一握りすら吸わせることはありません。敵の暴食渦が牙を剥く前に、根こそぎ吸い取ってお掃除して差し上げましょう。……厄介なホコリの渦や、変な隙間風の元凶を吸い取るといえば、アルド様にとって最も得意とする『掃除機がけ』の領域ですからね」

 アーキヴァルは、悪魔のように完璧な微笑みを浮かべた。

 相手はもはや大宇宙の理そのものを捻じ曲げるブラックホールである。しかし、アーキヴァルの手帳の新たなページには、一切の躊躇いもなく『対・大宇宙の黒幕・ご請求書(第三弾)』と優雅な筆記体で書き込まれていく。

 彼はそのままペンを滑らせ、一枚の『依頼書』を迅速に作成した。

 ちょうどそこへ、食後の極上ハーブティーを運んできたアルドに、アーキヴァルは深々と頭を下げて依頼書を差し出した。

「アルド様、美味しい朝食の最中に申し訳ありません。大公閣下より、急ぎの『お部屋の掃除機がけの依頼』が入っております」

「おや、急ぎのお仕事かい? どれどれ……『空の天井の隙間に、真っ黒で巨大なホコリのブラックホールが渦を巻いていて、そこからものすごい勢いで隙間風が吸い込まれている。このままではお城の空気が全部持っていかれてしまうので、至急ホコリの吸引と隙間風の対処をお願いしたい』……なるほど!」

 アルドは、依頼書を見て真剣な表情でコクリと頷いた。

「天井の隙間にそんなガンコなホコリの渦ができてるなんて一大事だ! 隙間風でお城の暖かい空気が全部吸い出されちゃうし、ホコリが落ちてきたらハウスダストでみんながくしゃみしちゃう。静電気でガチガチに固まってるんだろうね。よーし、今日は僕の特製『事象吸引の魔導サイクロン掃除機』を持って、空の天井のホコリを根こそぎ吸い取ってこよう!」

 アルドが意気揚々と作業着(静電気や超重力を完全に無効化する特製エプロン)に着替え、巨大なホースのついた見慣れぬ形の掃除機をゴロゴロと引きながら部屋を出て行った後。

 リビングの影から、レイヴンとシノンが音もなく立ち上がった。

「主の『掃除機がけ』の邪魔をする、薄汚い邪神の眷属どもは、俺たちがホコリの渦の中(事象の地平線)で待ち構え、処理しておく。……さあ、大宇宙の黒幕を完全に解体するための、壮大な集金ざまぁの続きだ」

 クランメンバーたちによる、星の存亡をかけた大戦――能動的な悪の事前粉砕が、ついに大宇宙の極限空間へと突入したのである。

 ***

 その頃、アステリア王国の王都はるか上空、大気圏外にぽっかりと口を開けた漆黒の『大宇宙の暴食渦ブラックホール』。

 その渦の中心、事象の地平線の内側から星の崩壊を指揮する、邪神の最高位使徒ゴルゴダは、眼下に広がる星の大気が凄まじい勢いで吸い上げられていく様を眺めながら、狂気に満ちた高笑いを上げていた。

「フハハハハ! 素晴らしいぞ! ついに我らが『真の黒幕』たる深淵の王の胃袋が、この星を飲み込み始めた! 見よ、この圧倒的な超重力を! アステリアの小賢しい策など、光すら逃れられぬこの暴食の渦の前には一瞬で飲み込まれるわ!」

 最高位使徒ゴルゴダは、血走った目で暗黒の渦が全てを削り取る様を眺めながら傲慢に叫んだ。

「小手先の流星群を防いだところで無駄なこと! このブラックホールが限界まで膨張すれば、星の地殻ごと粉々に砕け散り、深淵へと還元される! さあ、もっとだ! 重力の渦を広げ、この星を丸ごと喰らい尽くせ!」

「ゴルゴダ様! 暴食渦の吸引力、臨界点に達しようとしています! しかし……」

 付き従う狂信者が、下界の王都から空へ向かって伸びてくる『謎の管』を見て声を震わせた。

「王都の地上から、信じられない長さの『ホース(掃除機のノズル)』が、ブラックホールに向かって伸びてきています! その根元には、変な機械を持った男が……!」

「なんだと!? アステリアの抵抗か!? 構わん、ブラックホールの超重力で、その管ごと原子レベルでスパゲッティ状に引き裂いて飲み込んでしまえェェェッ!」

 最高位使徒の狂笑が、全てを飲み込む轟音と共に宇宙空間の真空に虚しく響き渡っていた。

 ***

「よし、掃除機がけの準備は完璧だ!」

 アルドは、先日の雨漏り修理で組み上げた足場の最上段に立ち、手作りの『事象吸引の魔導サイクロン掃除機』の電源コードを(なぜか空中に存在する謎のコンセントに)差し込み、巨大なホースの先端をブラックホールに向けて構えた。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。掃除機のモーターは、神話の嵐の神を封じ込めて超高速回転させる『大宇宙のいかなる重力をも凌駕する究極の吸引機関』。ダストカップは、空間を無限に圧縮する次元の袋で作られた、いかなる質量や暗黒物質も安全に圧縮・無害化する『絶対隔離のゴミ箱』である。

「うわぁ……。大公様が言っていた通り、これはひどいな。空の隙間に、真っ黒で巨大なホコリの塊が渦を巻いてて、周りの空気をものすごい勢いで吸い込んでるぞ。おまけに、静電気(超重力場)がすごくて、服が引っ張られるみたいだ」

 アルドは、首に巻いたタオルで汗を拭いながら、プロの清掃員(便利屋)としてのダメ出しを始めた。

 彼の驚異的な「日常フィルター(事象の誤認)」は、大宇宙の星を飲み込むブラックホールを、「長年の放置で静電気を帯び、異常な吸引力で周囲の空気を巻き込んでいる極度にガンコで巨大なホコリの渦」だと完全に誤認していた。

「よし! こんなに隙間風が強かったら、みんな風邪を引いちゃう! 掃除機のスイッチを『強』にして、あのホコリの渦ごと一気に吸い取ってやるぞ!」

『標的確認。事象ノ地平線、拡大』

 ブラックホールから、全てを無に還す漆黒の重力波が、アルドの立つ足場とホースに向かって一直線に襲い掛かってきた。

「うわっ! このホコリ、静電気が強すぎてこっちを引っ張ってくる! でも、この特製・事象吸引の魔導サイクロンの前には、どんなにガンコなホコリも一発でダストカップ行きだ!」

 アルドが掃除機のスイッチを『MAX』にカチッと切り替えた瞬間。

 ――ギュイィィィィィィィィィィンッ!!!!

 星を飲み込むはずのブラックホールの超重力は、アルドの「ガンコなホコリの渦を強力な掃除機で吸い取りたい」という圧倒的で暴力的なまでの意思の前に、物理的に「スポポポポッ!」と情けない音を立てて、まるで絨毯の上の綿埃のように、一瞬にして掃除機のノズルへと吸い込まれ始めた。

『ギ、ギィィィィィィッ!? な、何ダコノ異常ナ吸引力ハ!? 我ガ大宇宙ノ暴食ノ渦ガ、タダノ家庭用掃除機ニ真正面カラ吸イ込マレテイクゥゥゥッ!?』

「よし、ホコリがどんどん吸い込めてるぞ! 吸引力が落ちないサイクロン式だから、どれだけホコリがあっても平気だ!」

 アルドが掃除機のノズルを左右に振りながら、空の隙間にこびりついたブラックホールの残骸を「ズゴゴゴゴッ!」と完全に吸い尽くしていった。

「よしよし、これで完全にホコリの渦は消えたぞ! でも、この掃除機の中に溜まった真っ黒なゴミ(ブラックホール)、ただ捨てるのはもったいないな。……そうだ! この圧縮された重力の塊、お城の地下に置けば『なんでも吸い込んで綺麗にしてくれるエコなゴミ箱』に作り直せるぞ!」

 アルドが掃除機のダストカップを取り外し、仕上げの『絶対安全・自動分別機能』を付与して城塞の地下のゴミ捨て場に設置すると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 星を滅ぼすはずだったブラックホールは、アルドの工作を受けた瞬間に、禍々しい破壊の力を完全に調律された。

 代わりにアルドの清掃が持つ『究極の衛生管理とリサイクル』という概念が、物理的な限界と次元の壁を超えて、ブラックホールの存在そのものを書き換えていった。

『ア……ァァ……。我ノ、大宇宙ノ星ヲ飲ミ込ムハズノ超重力ガ、マルデ都合ノイイ【生ゴミヲ圧縮シテ消滅サセル為ノダストボックス】ノヨウニ……!? イヤ、分別機能ヲ付与サレル度ニ、事象ノ地平線ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ防臭能力ヲ持ツプラズマクラスター】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ無ニ還スノデハナク、コウシテアステリアノ環境ヲ永遠ニ美シク保ツ「極上ノ全自動・神仙エコゴミ箱」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 邪神の最高位使徒としてのブラックホールの意思は、アルドの「掃除機がけとゴミ捨て」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を飲み込む禍々しい渦は、気がつけば「城塞の地下に静かに鎮座し、投げ込まれたゴミを一瞬で原子レベルに分解・圧縮し、綺麗なマナの結晶として再利用する、超高性能な『永久・神仙次元ダストボックス(見た目はスタイリッシュな黒いゴミ箱)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌な隙間風は完全に止まって、代わりにすっごく便利なゴミ箱が完成したぞ! おまけに、あの真っ黒だったホコリの塊が、嫌な臭いを防いでくれるから衛生的だね。これでみんな、ゴミ捨てが楽になるよ!」

 アルドが掃除機を片付けて額の汗を拭うと、王都上空を覆っていたドス黒い超重力の歪みは一瞬にして完全に消え去り、眼上の空は雲一つない青空へと修復されていた。

 ***

 一方その頃、次元ダストボックスの内部(ゴミの分別ルーム)に改造され、無菌状態の綺麗な空気が循環し始めた元・ブラックホールの中心部では、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開されていた。

「な、なんだこれはァァァッ!?」

 最高位使徒ゴルゴダが絶叫する。

 彼がブラックホールを制御するために握っていた邪神の心臓は、いつの間にか『燃えるゴミと燃えないゴミを分けるためのトング』に書き換えられていた。

 事象の地平線にいた狂信者たちが着ていた禍々しいローブは全て『清潔感のある清掃業者の作業着』に変わり、彼らの手には『指定ゴミ袋と、分別用のカゴ』が強制的に握らされてしまっていた。

 アルドの「ゴミ箱の中を綺麗に保ち、正しく分別するスタッフが必要だ」という無自覚な意思は、邪神の眷属たちを「優秀なゴミ処理施設の分別スタッフ」と認識し、彼らの持つあらゆる邪悪な魔力を強制的に【安全で衛生的なリサイクルセンター】へと書き換えてしまったのだ。

「ば、馬鹿な……。我らが邪神の放った大宇宙の終焉の渦が、ただの『ゴミ箱』に変わるだと……!? 大宇宙の深淵が、ただの『ゴミの分別作業所』にされたというのか……!」

 最高位使徒がへたり込み、トングを抱えて絶望の涙を流したその時。

「――ご苦労だったな、薄汚い宇宙の生ゴミども。随分と『衛生的でリサイクルに熱心な職場』になったじゃないか」

 浄化された分別ルームの空間が歪み、音もなくシノンの短剣が閃いた。

 空間の奥からは、神具の斧を肩に担いだレイヴンが、凄まじい威圧感を放ちながら現れる。そしてその後ろには、冷徹な執事服に身を包んだアーキヴァルと、大公レオハルトの姿があった。

「主の『掃除機がけ』のおかげで、貴様らの薄汚い宇宙のホコリの吸引は済んだようだな。大宇宙の黒幕とやらのゴミ袋の中まで集金に来てやったぞ」

 レイヴンが、冷酷な瞳で見下ろす。

「ヒィッ……! き、貴様ら、邪神の最高位使徒である私に向かって……!」

「証拠も大義名分も十分に揃いましたよ、ゴルゴダ殿。これにて、真の黒幕の最終兵器は完全な無力化(清掃スタッフへの強制転換)です。そして、貴方たちの邪神本体には、いよいよ『物理的な解体工事』の時間が迫っていることをお伝えください」

 アーキヴァルが、分厚いバインダーから【大宇宙の黒幕への第三の請求書】を取り出し、最高位使徒の目の前にドンッと突きつけた。

「さあ、この莫大な『事象吸引とゴミ処理の手数料』、貴様らの身と魂を労働力に変えて、このゴミ箱の中で永遠に生ゴミとプラスチックの分別を続けてもらいましょうか。星を飲み込む邪神の眷属の末路としては、最高にエコで社会貢献度の高い舞台ざまぁですね」

 シノンの冷たい宣告と共に、最高位使徒ゴルゴダと狂信者たちは完全に心をへし折られ、トングと指定ゴミ袋を持ったまま大人しくゴミ分別の業務へと就かされていった。

 ***

 数日後。日だまり郷の黄金の城塞。

「……終わりましたね。星を飲み込む大宇宙のブラックホールが、アルド様の腕によって見事な超高性能ゴミ箱に成り下がりました。そして、捕らえた邪神の眷属たちは、ダストボックスの中で立派な『清掃スタッフ』として汗を流し、毎日真面目にゴミの分別を行っております」

 記録係のアーキヴァルが、大公から送られてきた莫大な報酬と、王都の住民たちから届いた感謝の手紙の山を確認しながら、手帳の『対・大宇宙の黒幕・請求書』の第三ページ目に羽ペンを走らせる。

「アルド殿が吸い取ったあのホコリの渦、今では『奇跡のエコダストボックス』と呼ばれ、王都中のゴミ問題を一手に解決する最高のインフラになっているそうだな。邪神の世界消滅計画など、完全に極上の衛生管理の手伝いにされたというわけだ」

 レイヴンが、暖炉の前でシロ(星狼)にブラッシングをしてやるアルドを眺めながら、不敵に笑う。

「ええ。ですが、これは真の黒幕との最終決戦の、最後の引き金に過ぎません。先兵を電球にされ、次鋒を点灯係にされ、最高位使徒をゴミ分別の清掃員にされた邪神本体は、いよいよ次元の壁を完全に引き裂いて、自らの手でこの世界そのものを物理的に握り潰しにやってくるでしょう」

 アーキヴァルの眼鏡の奥で、全てを計算し尽くした冷徹な死神の光が、鋭く、そして喜悦に満ちて煌めいた。

「しかし、我々の完璧な情報網とアルド様の【究極の家事】が、大宇宙の邪神すらも完全に解体し、最後は宇宙の果てまでチリトリで掃除して差し上げます。いよいよ次なる段階……究極の『大掃除(大宇宙のバグ取り)』の真の幕開けが近づいています」

 最強の便利屋の「ただの掃除機がけ」は、星の消滅の危機をただのホコリ吸引として解決し、大宇宙の邪神の侵略を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の衛生環境をもたらす奇跡のゴミ箱を誕生させてしまったのである。

 城塞の住人たちによる「能動的な悪の粉砕」は、ついに次元の外側の黒幕本体を敵に回し、大宇宙のバグ取りとも言える壮大なクライマックスへの道筋を、完璧に整え終えたのであった。


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