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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第97話:ただの雨漏り修理と、銀河崩壊の流星群の強制イルミネーション化(大宇宙の黒幕の侵食と防がれた終末)

第97話:ただの雨漏り修理と、銀河崩壊の流星群の強制イルミネーション化(大宇宙の黒幕の侵食と防がれた終末)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝は、大宇宙の理すらも平伏す圧倒的な平穏と、前世の記憶を優しくくすぐる極上の和の香り、そして胃袋の底から歓喜を呼び覚ますような出汁の匂いと共に幕を開ける。

 今日のアルドは、朝からキッチンの土鍋に向かい、見事な火加減と蒸らしで『特製・天界鯛の土鍋炊き込みご飯と、世界樹の根の豚汁』を仕上げていた。

「よし! メインは、大精霊の海で育った天界鯛を丸ごと一匹使って、昆布の極上出汁でふっくらと炊き上げた鯛めしだ。そして、幻獣の豚肉と世界樹の根(ゴボウに似た風味の神仙野菜)をごま油で炒めてコクを出した、具だくさんの特製豚汁! 最後に三つ葉を散らして……完成だ!」

 アルドがエプロン姿で、黄金色に輝くお焦げが美しい土鍋をダイニングテーブルに運ぶと、その圧倒的な生命力と香ばしい醤油の匂いに引き寄せられ、神竜ポチとモフモフの星狼シロがテーブルの下でちぎれんばかりに尻尾を振って待機していた。

 この鯛めし、一口食べれば天界鯛の極上の旨味成分が全身の魔力回路を限界突破させ、世界樹の豚汁の圧倒的な滋養強壮力が致死の呪いや精神的摩耗すらも完全に回復し、魂の底から尽きることのない活力を湧き上がらせる『究極の長寿・超覚醒食』である。

「うむ……! この土鍋を開けた瞬間に立ち昇る湯気の神々しさと、豚汁から漂う圧倒的な包容力! 見るだけで我が魔界の闘争本能が、田舎の祖母の家に帰省した孫のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 元・魔界大帝サタナスが、お椀とお箸を震わせながら握りしめ、あまりの美味さにワナワナと肩を震わせて感涙に咽いでいた。

 そんな賑やかなダイニングの喧騒から少し離れた、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブル。

 そこでは、大公レオハルト、情報局長アーキヴァル、元・大賢者ゾルタンの三人が、アステリア王国の上空、さらにはるか次元の壁の外側を指し示す立体地図を広げ、極めて深刻な顔つきで極秘の『戦術会議』を行っていた。

「……大公閣下。先日の『虚空の星喰い竜』を我々に(極上のプラネタリウムとして)無力化された大宇宙の黒幕、すなわち邪神本体ですが、先兵を失ったことでいよいよこの星の『防護結界(次元の壁)』そのものを直接破壊しにかかりました」

 アーキヴァルが、手元の分厚い機密書類を指先で弾きながら冷徹に報告する。

「ついに世界の屋根を破って侵入してくるか。……次元の外側の存在が、強引にこの星を滅ぼそうというのだな」

 大公レオハルトは、地図の王都上空に現れ始めた、幾つもの無数の空間のひび割れを睨みつけた。

「はい。次元の壁がひび割れた箇所から、大宇宙の星々を砕いて作られた破壊の雨……『銀河崩壊の流星群ギャラクティカ・メテオフォール』が降り注ごうとしています」

 ゾルタンが、魔力測定器に映る、星の地表を全てクレーターに変えるような絶望的な波形を指し示す。

「この流星群は、ただの隕石ではありません。一つ一つが超高密度の暗黒物質ダークマターで構成されており、王城の結界だろうが山脈だろうが、触れた瞬間に原子レベルで消滅させます。奴の狙いは、次元の壁を蜂の巣にして、この星の地表を完全に更地にすることでしょう」

「星の空に穴を開け、絶望の雨を降らせて全てを消し飛ばすとは。……生命の営みを根本から否定する、決して許されざる究極の暴挙だな」

 大公レオハルトは、怒りで拳を強く握りしめ、テーブルを軋ませた。

「ええ、まさに神話級の災害です。ですが、我々が『事前に』その次元の雨漏りを完全に把握している以上、この星の屋根瓦一枚すら抜かせはしません。敵の流星群が地表に落ちる前に、根こそぎ塞いでお掃除して差し上げましょう。……高い場所のひび割れと、そこから漏れてくる厄介な雨の修理といえば、アルド様にとって最も得意とする『屋根の雨漏り修理』の領域ですからね」

 アーキヴァルは、悪魔のように完璧な微笑みを浮かべた。

 相手はもはや大宇宙の法則の外側にいる神話的脅威、邪神の直接攻撃である。しかし、アーキヴァルの手帳の新たなページには、一切の躊躇いもなく『対・大宇宙の黒幕・ご請求書(第二弾)』と優雅な筆記体で書き込まれていく。

 彼はそのままペンを滑らせ、一枚の『依頼書』を迅速に作成した。

 ちょうどそこへ、食後の極上ほうじ茶を運んできたアルドに、アーキヴァルは深々と頭を下げて依頼書を差し出した。

「アルド様、美味しい朝食の最中に申し訳ありません。大公閣下より、急ぎの『屋根の修理依頼』が入っております」

「おや、急ぎのお仕事かい? どれどれ……『王城を覆う大結界(空の屋根)に酷いひび割れができており、そこから真っ黒で汚い大粒の雨(暗黒物質の流星)が漏れてきている。お城が水浸しになる前に、至急ひび割れのコーキングと、屋根の補修をお願いしたい』……なるほど!」

 アルドは、依頼書を見て真剣な表情でコクリと頷いた。

「空の屋根がひび割れて雨漏りしちゃうなんて一大事だ! お城が水浸しになったら、大切な本や家具が全部ダメになっちゃうし、カビが生えて大変だ。よっぽど風雨に晒されて、屋根の素材が劣化しちゃってるんだろうね。よーし、今日は僕の特製『事象結合のコーキングガン』と、『絶対防壁の神仙防水シート』を持って、空の屋根の雨漏りを完璧に直してこよう!」

 アルドが意気揚々と作業着(宇宙空間の真空や超高熱を完全に無効化する特製作業着)に着替え、巨大な筒状の工具と、分厚い銀色のシートの束を持って部屋を出て行った後。

 リビングの影から、レイヴンとシノンが音もなく立ち上がった。

「主の『雨漏り修理』の邪魔をする、薄汚い邪神の眷属どもは、俺たちがひび割れの向こう側(次元の狭間)で待ち構え、処理しておく。……さあ、大宇宙の黒幕を完全に解体するための、壮大な集金ざまぁの続きだ」

 クランメンバーたちによる、星の存亡をかけた大戦――能動的な悪の事前粉砕が、次元の壁を越えた舞台へと突入したのである。

 ***

 その頃、アステリア王国の王都はるか上空、次元の壁の外側(宇宙空間の狭間)。

 巨大な暗黒の祭壇の上で、邪神の神官長ザラキアの後任である上位神官メギドは、眼下に広がる星の結界のひび割れを眺めながら、狂気に満ちた高笑いを上げていた。

「フハハハハ! 素晴らしいぞ! ついに我らが『真の黒幕』たる深淵の王の力が、この星の次元の壁を砕き始めた! 見よ、この圧倒的な絶望の流星群を! アステリアの小賢しい策など、大宇宙の質量の前には一瞬で消し飛ぶわ!」

 上位神官メギドは、血走った目で暗黒物質の塊が降り注ぐ様を眺めながら傲慢に叫んだ。

「ザラキアは星喰い竜をプラネタリウムにされるという無能を晒したが、この物理的な滅びの雨はどうすることもできまい! この流星群が地表に降り注げば、王都はクレーターすら残らず完全に消滅する! さあ、もっとだ! 次元の裂け目を広げ、この星を暗黒の雨で沈め尽くせ!」

「メギド様! 流星群の投下速度、臨界点に達しようとしています! しかし……」

 付き従う狂信者が、下界の王都から空へ向かって伸びてくる『謎の足場』を見て声を震わせた。

「王都の地上から、信じられない高さの『工事用の足場(単管パイプ)』が、次元の壁まで組み上げられてきています! その最上段には、変な筒を持った男が……!」

「なんだと!? アステリアの抵抗か!? 構わん、銀河崩壊の流星群で、その足場ごと原子レベルで粉砕してしまえェェェッ!」

 上位神官の狂笑が、暗黒の流星の轟音と共に宇宙空間の真空に虚しく響き渡っていた。

 ***

「よし、足場の組み立てと雨漏り修理の準備は完璧だ!」

 アルドは、王都の地上から成層圏を越え、次元の壁の高さまで組み上げた『事象固定の足場』の最上段に立ち、手作りの『事象結合のコーキングガン』を限界まで充填し、次元のひび割れに向けて構えた。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。コーキングガンの中身は、世界樹の樹液と星のコアの結晶を練り合わせた、大宇宙のいかなる次元の裂け目や空間の断裂すらも一瞬で接着・修復する『究極の空間修復剤』。神仙防水シートは、天界の雲海を極限まで圧縮して織り上げた、いかなる暗黒物質や対消滅エネルギーも弾き返し、光だけを通す『絶対防御の屋根材』である。

「うわぁ……。大公様が言っていた通り、これはひどいな。空の屋根に、真っ黒なヒビがいくつも入ってて、そこからドス黒い大粒の雨(暗黒物質の流星)がボロボロ漏れてきてるぞ。おまけに、ヒビの向こう側から嫌な風(次元の嵐)が吹き込んでて、すごく肌寒い」

 アルドは、首に巻いたタオルで汗を拭いながら、プロの屋根修理職人(便利屋)としてのダメ出しを始めた。

 彼の驚異的な「日常フィルター(事象の誤認)」は、大宇宙の星を砕く流星群と次元の裂け目を、「長年の経年劣化で生じた屋根のヒビと、そこから入り込む極度に汚くて冷たい雨水」だと完全に誤認していた。

「よし! こんなに雨漏りしてたら、下の人が大迷惑だ! 一気にコーキングでヒビを埋めて、上から防水シートを貼って完全に直してやるぞ!」

『標的確認。暗黒物質ノ流星、投下』

 次元の裂け目から、全てを無に還す漆黒の巨大な流星が、アルドの立つ足場に向かって一直線に降り注いできた。

「うわっ! 雨粒がすごく大きくて、しかもドス黒い! でも、この特製・神仙防水シートの前には、どんな大雨も一発でシャットアウトだ!」

 アルドが分厚い銀色のシートを空に向かってバサァッと広げると、成層圏まで届く勢いで広がる『絶対防御の天幕』が、迫り来る暗黒の流星群と激突した。

 ――ポヨン、ポヨヨヨンッ!!!!

 星を消滅させるはずの暗黒物質の流星は、アルドの「雨漏りを防ぐために屋根にシートを被せたい」という圧倒的で暴力的なまでの意思の前に、物理的に「ボフッ!」と情けない音を立てて、まるでテントに落ちた雨粒のように、一瞬にして無害な光の粒へと分解・反発されてしまった。

『ギ、ギィィィィィィッ!? な、何ダコノ異常ナ防御力ハ!? 我ガ大宇宙ノ絶望ノ流星ガ、タダノ防水シートデ簡単ニ弾キ返サレテイクゥゥゥッ!?』

「よし、雨は完全に防げたぞ! この隙に、ヒビ割れをコーキング剤でピッチリ埋めてやる!」

 アルドが足場の上から、巨大なコーキングガンのトリガーを引くと、次元の裂け目に向かって黄金に輝く『修復の樹脂』がニュルリと押し出され、ひび割れを「ギュギュギュッ!」と完璧に塞いでいった。

「よしよし、これで完全にヒビは直ったぞ! でも、この弾き返した真っ黒な雨粒(流星群)、ただ捨てるのはもったいないな。……そうだ! 光を当てて反射させれば、夜空を彩る『すっごく綺麗なイルミネーション』に作り直せるぞ!」

 アルドがコーキングガンの先端から、仕上げの『星屑ライトアップ機能』を付与して防水シートの裏側に配線していくと、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暗黒物質を降らせていた流星群と次元の祭壇は、アルドの工作を受けた瞬間に、禍々しい破壊の力を完全に調律された。

 代わりにアルドの修理が持つ『究極の安全性と美しい景観』という概念が、物理的な限界と次元の壁を超えて、流星群と敵の祭壇の存在そのものを書き換えていった。

『ア……ァァ……。我ノ、大宇宙ノ星ヲ砕クハズノ暗黒物質ガ、マルデ都合ノイイ【夜空ヲ飾ル為ノLED電球】ノヨウニ……!? イヤ、配線サレル度ニ、祭壇ノ構造ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ輝キヲ制御スルイルミネーション管理室】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ絶望ニ沈メルノデハナク、コウシテアステリアノ夜空ニ永遠ノ光ノ祭典ヲ提供スル「極上ノ全自動・神仙イルミネーション群」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 邪神の眷属としての流星群の意思は、アルドの「雨漏り修理とイルミネーションの飾り付け」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を消滅させる禍々しい流星雨は、気がつけば「王都の上空に美しく滞空し、そのクリスタルのような光の粒が七色に瞬き、毎晩決まった時間に極上の光のショーを空に描き出す、超高性能な『永久・エコ神仙イルミネーション(見た目は空に浮かぶ無数の光の妖精)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌な雨漏りは完全に直って、代わりにすっごく綺麗な光の飾りができたぞ! おまけに、あの真っ黒だった雨粒がキラキラ光って、夜空を彩ってくれるようになった。これでみんな、毎晩綺麗なイルミネーションを楽しめるね!」

 アルドがコーキングガンを片付けて額の汗を拭うと、王都上空を覆っていたドス黒い絶望のひび割れは一瞬にして完璧な星空へと修復され、眼上の空は七色の光が舞う『奇跡の神仙イルミネーション・ショー』へと進化を遂げていた。

 ***

 一方その頃、イルミネーションの点灯管理室に改造され、陽気なクリスマス風の音楽を放ち始めた元・暗黒の祭壇の内部(邪神の神官たちが潜んでいた空間)では、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開されていた。

「な、なんだこれはァァァッ!?」

 上位神官メギドが絶叫する。

 彼が流星群を制御するために握っていた邪神の石版は、いつの間にか『イルミネーションの点灯パターンを切り替えるスイッチパネル』に書き換えられていた。

 祭壇にいた狂信者たちが着ていた禍々しいローブは全て『電飾を身にまとった陽気なイベントスタッフの制服』に変わり、彼らの手には『光る誘導棒と、予備の電球』が強制的に握らされてしまっていた。

 アルドの「イルミネーションを安全に管理して、時間を守って点灯させるスタッフが必要だ」という無自覚な意思は、邪神の眷属たちを「優秀なイベント照明スタッフ」と認識し、彼らの持つあらゆる邪悪な魔力を強制的に【安全で華やかなイベント管理施設】へと書き換えてしまったのだ。

「ば、馬鹿な……。我らが邪神の放った大宇宙の終末の雨が、ただの『光の飾り付け』に変わるだと……!? 大宇宙の深淵の祭壇が、ただの『イベントの裏方部屋』にされたというのか……!」

 上位神官がへたり込み、予備の電球を抱えて絶望の涙を流したその時。

「――ご苦労だったな、薄汚い宇宙のドブネズミども。随分と『キラキラしてて楽しそうな職場』になったじゃないか」

 浄化された管理室の空間が歪み、音もなくシノンの短剣が閃いた。

 空間の奥からは、神具の斧を肩に担いだレイヴンが、凄まじい威圧感を放ちながら現れる。そしてその後ろには、冷徹な執事服に身を包んだアーキヴァルと、大公レオハルトの姿があった。

「主の『雨漏り修理』のおかげで、貴様らの薄汚い宇宙の漏水の防水工事は済んだようだな。大宇宙の黒幕とやらの分電盤まで集金に来てやったぞ」

 レイヴンが、冷酷な瞳で見下ろす。

「ヒィッ……! き、貴様ら、邪神の御使いである私に向かって……!」

「証拠も大義名分も十分に揃いましたよ、メギド殿。これにて、真の黒幕の第二陣は完全な無力化(照明スタッフへの強制転換)です。そして、貴方たちの邪神には、いよいよ『本格的なお掃除』の時間が迫っていることをお伝えください」

 アーキヴァルが、分厚いバインダーから【大宇宙の黒幕への第二の請求書】を取り出し、上位神官の目の前にドンッと突きつけた。

「さあ、この莫大な『事象結合と屋根修理の手数料』、貴様らの身と魂を労働力に変えて、この管理室で永遠にイルミネーションの点灯と消灯のスイッチを押し続けてもらいましょうか。星を砕く邪神の眷属の末路としては、最高に平和でロマンチックな舞台ざまぁですね」

 シノンの冷たい宣告と共に、上位神官メギドと狂信者たちは完全に心をへし折られ、光る誘導棒を持ったまま大人しく点灯確認の業務へと就かされていった。

 ***

 数日後。日だまり郷の黄金の城塞。

「……終わりましたね。星を消滅させる大宇宙の絶望の雨が、アルド様の腕によって見事な超大型イルミネーションに成り下がりました。そして、捕らえた邪神の眷属たちは、空の上の管理室で立派な『照明スタッフ』として汗を流し、毎晩決まった時間に光のショーを届けております」

 記録係のアーキヴァルが、大公から送られてきた莫大な報酬と、王都の住民たちから届いた感謝の手紙の山を確認しながら、手帳の『対・大宇宙の黒幕・請求書』の第二ページ目に羽ペンを走らせる。

「アルド殿が修理したあの空の屋根、今では『奇跡の神仙イルミネーション』と呼ばれ、王都の夜を彩る最高の観光名所になっているそうだな。邪神の世界破滅計画など、完全に極上の夜景作りの手伝いにされたというわけだ」

 レイヴンが、暖炉の前でシロ(星狼)にブラッシングをしてやるアルドを眺めながら、不敵に笑う。

「ええ。ですが、これは真の黒幕との最終決戦へのカウントダウンに過ぎません。先兵をプラネタリウムの電球にされ、次鋒をイルミネーションの点灯係にされた邪神本体は、いよいよ次元の壁を完全に破壊して、この世界そのものを物理的に飲み込みにやってくるでしょう」

 アーキヴァルの眼鏡の奥で、全てを計算し尽くした冷徹な死神の光が、鋭く煌めいた。

「しかし、我々の完璧な情報網とアルド様の【究極の家事】が、大宇宙の邪神すらも完全に解体し、最後は宇宙の果てまでチリトリで掃除して差し上げます。いよいよ次話……究極の『大掃除(最終決戦)』の幕開けが近づいています」

 最強の便利屋の「ただの雨漏り修理」は、星の滅亡の危機をただのコーキング作業として解決し、大宇宙の邪神の侵略を完全に終わらせただけでなく、世界に最高のイルミネーションをもたらす奇跡の光の祭典を誕生させてしまったのである。

 城塞の住人たちによる「能動的な悪の粉砕」は、ついに次元の外側の黒幕を敵に回し、大宇宙のバグ取りとも言える壮大な第99話へ向けた最終決戦へと、確実な一歩を踏み出したのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!

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