第95話:ただの粗大ゴミ回収と、終焉の機神の強制遊具化(大帝国皇帝の絶望と崩壊の足音)
第95話:ただの粗大ゴミ回収と、終焉の機神の強制遊具化(大帝国皇帝の絶望と崩壊の足音)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝は、大陸全土を巻き込む超大国との大戦が進行中であることなど微塵も感じさせない、大宇宙の理すらも平伏す圧倒的な平穏と、魂を蕩かすような極上の甘い匂いと共に幕を開ける。
今日のアルドは、朝からキッチンのオーブンに向かい、見事な手際で『特製・幻獣イチゴの極上タルトと、大精霊のロイヤルミルクティー』を仕上げていた。
「よし! メインは、神仙小麦と幻獣バターをたっぷり使ってサクサクに焼き上げたタルト生地だ。そこに、大精霊の加護を受けた濃厚なカスタードクリームを敷き詰め、森で採れた幻獣イチゴをこれでもかと山盛りに乗せて……特製シロップでコーティングして完成だ!」
アルドがエプロン姿で、宝石箱のようにキラキラと輝く特大のフルーツタルトをダイニングテーブルに運ぶと、その圧倒的な生命力と甘酸っぱい香りに引き寄せられ、神竜ポチとモフモフの星狼シロがテーブルの下でちぎれんばかりに尻尾を振って待機していた。
このタルト、一口食べれば幻獣イチゴの極上のビタミンが全身の魔力回路を限界突破させ、カスタードクリームの酵素が致死の呪いや精神的疲労すらも完全に中和し、魂の底から尽きることのない幸福感を湧き上がらせる『究極の超回復・覚醒スイーツ』である。
「うむ……! この赤く輝くイチゴの艶と、サクサクの生地が奏でる神聖なる響き! 見るだけで我が魔界の闘争本能が、春の陽だまりで遊ぶ妖精のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
元・魔界大帝サタナスが、フォークを震わせながら握りしめ、あまりの美味さにワナワナと肩を震わせて感涙に咽いでいた。
そんな賑やかなダイニングの喧騒から少し離れた、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブル。
そこでは、大公レオハルト、情報局長アーキヴァル、元・大賢者ゾルタンの三人が、アステリア王国と神聖ザギアス帝国の広域立体地図を広げ、極めて深刻な顔つきで極秘の『戦術会議』を行っていた。
「……大公閣下。先日の『次元歪曲の絶望砲』を我々に(極上の空気清浄機として)無力化された神聖ザギアス帝国ですが、空、陸、海、そして次元兵器という全ての軍事力を完全に失った皇帝アレクサンドロスは、いよいよ帝国の歴史上、絶対に触れてはならない『禁忌中の禁忌』の封印を解きました」
アーキヴァルが、手元の分厚い機密書類を指先で弾きながら冷徹に報告する。
「全軍を失った皇帝が、自暴自棄になって持ち出した最後の兵器か。……今度は何を世界に解き放つ気だ」
大公レオハルトは、地図の帝都の中心、皇帝の居城の地下深くから立ち昇る、おぞましい魔力の波形を睨みつけた。
「はい。帝都の地下最深部に神話の時代から封印されていた、大陸を滅ぼす為の兵器……『終焉の機神』です」
ゾルタンが、魔力測定器に映る、星の寿命すらも削り取るような巨大な漆黒の波形を指し示す。
「この機神は、帝都全域の地脈と民の生命力を強制的に吸い上げて稼働し、その圧倒的な質量と反重力場によって、大陸そのものを物理的に叩き割るという悪魔の自動人形です。奴の狙いは、もはやアステリアへの侵略などではなく、自らの帝国もろともこの大陸全土を道連れにして破滅することでしょう」
「己の覇道が潰えたからといって、世界ごと全てを終わらせようとは。……一国の主として、いや、生命体として決して許されざる究極の暴挙だな」
大公レオハルトは、怒りで拳を強く握りしめ、テーブルを軋ませた。
「ええ、まさに狂気の極みです。ですが、我々が『事前に』その機神の起動シーケンスを完全に把握している以上、大陸の岩肌ひとつすら傷つけさせることはありません。敵の最終兵器が立ち上がる前に、根こそぎ解体してお掃除して差し上げましょう。……巨大な鉄の塊の解体と回収といえば、アルド様にとって最も得意とする『粗大ゴミの片付け』の領域ですからね」
アーキヴァルは、悪魔のように完璧な微笑みを浮かべた。
相手は大陸を支配してきた超大国の皇帝その人であり、立ち上がろうとしているのは世界を滅ぼす神話の機神である。しかし、アーキヴァルの手帳の新たなページには、一切の躊躇いもなく『対・神聖ザギアス帝国・ご請求書(第五弾・最終通告前)』と優雅な筆記体で書き込まれていく。
彼はそのままペンを滑らせ、一枚の『依頼書』を迅速に作成した。
ちょうどそこへ、食後の極上ロイヤルミルクティーを運んできたアルドに、アーキヴァルは深々と頭を下げて依頼書を差し出した。
「アルド様、美味しい朝食の最中に申し訳ありません。大公閣下より、急ぎの『不用品回収の依頼』が入っております」
「おや、急ぎのお仕事かい? どれどれ……『前回の煙突掃除で繋がった古い空調パイプ(次元トンネル)の先に、信じられないほど巨大で危険な鉄くず(スクラップ)が不法投棄されていて、周囲の空気を悪くしている。爆発する前に、至急鉄くずの解体と粗大ゴミとしての回収をお願いしたい』……なるほど!」
アルドは、依頼書を見て真剣な表情でコクリと頷いた。
「巨大な鉄くずが不法投棄されてるなんて一大事だ! 放っておいたら有毒ガスが出たり、崩れて誰かが怪我しちゃうかもしれない。よっぽど悪質な業者が、山奥の見えないところにコッソリ捨てたんだろう。よーし、今日は僕の特製『事象解体のモンキーレンチ』と、『絶対積載の魔導軽トラ』を持って、危ない粗大ゴミを綺麗サッパリ回収してこよう!」
アルドが意気揚々と作業着(油汚れを完全に弾く特製ツナギ)に着替え、巨大なレンチを担いで、日だまり郷に駐めてある手作りの運搬車両(軽トラ)に乗り込んで出発した後。
リビングの影から、レイヴンとシノンが音もなく立ち上がった。
「主の『粗大ゴミ回収』の邪魔をする、薄汚い皇帝と近衛兵どもは、俺たちが先に帝都へ乗り込み、処理しておく。……さあ、皇帝の玉座を完全に解体するための、決定的な集金の始まりだ」
クランメンバーたちによる、大陸全土を巻き込む大戦――能動的な悪の事前粉砕が、ついに帝国の心臓部、皇帝の喉元へと刃を突き立てる段階に入ったのである。
***
その頃、アステリア王国から遥か遠く離れた、神聖ザギアス帝国の帝都。
皇帝の居城の地下深くに広がる巨大な格納庫では、神聖ザギアス帝国皇帝アレクサンドロスが、地響きを立ててゆっくりと起動し始めた『終焉の機神』を見上げながら、狂気に満ちた高笑いを上げていた。
「フハハハハ! 素晴らしいぞ! ついに神話の機神が目覚めた! 見よ、この圧倒的な威容を! アステリアの小賢しい策など、この絶対的な破壊の力の前に一瞬で消し飛ぶわ!」
皇帝アレクサンドロスは、血走った目で傍らに控える近衛騎士たちに傲慢な視線を向けた。
「空も、陸も、海も失った。だが、私にはまだこの『終焉』がある! 帝都の民の命など安いものだ。この大陸全土を叩き割り、アステリアの全てを無に還す! さあ、機神よ! 反重力エンジンを最大出力で稼働させ、大地を砕け!」
「陛下! 機神の反重力エンジン、臨界点に達しようとしています! しかし……」
近衛兵がモニターを見て声を震わせた。
「格納庫の天井に開いた謎の空間の穴(先日の煙突掃除で繋がった次元トンネル)から、四つの車輪がついた奇妙な小型鉄箱(軽トラ)が落下してきます! 中には、レンチを持った男が……!」
「なんだと!? アステリアの刺客か!? 構わん、機神の『対消滅レーザー』で、その鉄箱ごと原子レベルで消し飛ばせェェェッ!」
皇帝の狂笑が、機神の駆動音と共に地下格納庫に虚しく響き渡っていた。
***
「よし、粗大ゴミ回収の準備は完璧だ!」
アルドは、次元トンネルを軽トラで走り抜け、帝都の地下格納庫の床にふわりと着陸すると、目の前にそびえ立つ禍々しい巨大ロボットの前に立ち、手作りの『事象解体のモンキーレンチ』を構えた。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。モンキーレンチは、星を創造した鍛冶神のハンマーを溶かして打ち直し、大宇宙のいかなる強固な結合や概念的装甲すらも『ネジを回すように』簡単に解体する『究極の分解工具』。魔導軽トラは、空間を圧縮して無限の積載量を誇り、いかなる質量も羽のように軽く運ぶ『絶対運搬の荷台』である。
「うわぁ……。大公様が言っていた通り、これはひどいな。こんなにバカでかい鉄くず(機神)をそのまま捨てるなんて、非常識にもほどがあるぞ。おまけに、なんだかギューンって嫌な音(反重力エンジンの暴走音)がするし、あちこちから赤い光(対消滅レーザーの充填)が漏れてて、今にもショートして爆発しそうだ」
アルドは、首に巻いたタオルで汗を拭いながら、プロの不用品回収業者としてのダメ出しを始めた。
彼の驚異的な「日常フィルター(事象の誤認)」は、大宇宙の星を砕く帝国の最終兵器を、「違法業者が不法投棄した、バッテリーが暴走して危険な状態になっている極度に巨大なブリキのおもちゃ」だと完全に誤認していた。
「よし! こんな危ないゴミを放っておいたら大惨事になる! 一気にレンチで解体して、危ない部品は軽トラの荷台に積んで安全に処理してやるぞ!」
『標的確認。対消滅レーザー、発射』
機神の無機質な声と共に、全てを無に還す漆黒のレーザーが、アルドに向かって一直線に放たれた。
「うわっ! このおもちゃ、まだ電気が通っててレーザーポインターみたいなのを光らせてきた! でも、この特製・事象解体のモンキーレンチの前には、どんな装甲もただの『ネジ』だ!」
アルドが巨大なレンチを両手で構え、迫り来る対消滅レーザーと機神の巨大な脚部に向かって、レンチの顎をガチャン!と噛み合わせた。
『な、なんだと!? 機神の絶対装甲に、謎の工具が噛み合っただと!? 構わん、そのまま振り払えェェェッ!』
皇帝アレクサンドロスが叫んだ直後。
超弩級の反重力エネルギーと、アルドの振るう手作りのレンチが真っ向から激突した。
――クルクル、ガシャンッ!!!!
星を消滅させるはずの機神の絶対装甲は、アルドの「危ないゴミのネジを外して解体したい」という圧倒的で暴力的なまでの意思の前に、物理的に「キュルルッ!」と情けない音を立てて、まるでカラーボックスのネジを緩めるように、一瞬にして巨大な脚部のパーツがボロリと外れ落ちてしまった。
『ギ、ギィィィィィィッ!? な、何ダコノ異常ナ解体力ハ!? 我ガ帝国の誇ル最終兵器ノ絶対装甲ガ、タダノ工具デ簡単ニ分解サレテイクゥゥゥッ!?』
「よし、まずは脚のパーツが外れたぞ! この調子で、危ないバッテリー(反重力エンジン)も取り外してしまおう!」
アルドが機神のボディによじ登り、激しくゴシゴシとレンチを回し続けると、世界を滅ぼすはずの機神は、手足のパーツを次々と外され、ただの巨大な金属の塊へと成り下がっていく。
「よしよし、これで完全に分解できたぞ! でも、この鉄くず、ただ捨てるのはもったいないな。……そうだ! 大きさも形もちょうどいいし、これなら『子どもたちが遊べる巨大なアスレチック遊具』に作り直せるぞ!」
アルドが解体した機神のパーツを軽トラの荷台に積むのではなく、その場でパズルのように組み立て直し始めると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
反重力エネルギーを放射していたエンジンと、対消滅レーザーの砲身は、アルドの手によって再構築された瞬間に、禍々しい破壊の力を完全に調律された。
代わりにアルドの工作が持つ『究極の安全性と楽しい遊び場』という概念が、物理的な限界と次元の壁を超えて、機神の存在そのものを書き換えていった。
『ア……ァァ……。我ノ、大宇宙ノ大陸ヲ叩キ割ルハズノ反重力エンジンガ、マルデ都合ノイイ【子どもタチヲ安全ニ浮遊サセル為ノトランポリン】ノヨウニ……!? イヤ、パーツヲ組ミ直サレル度ニ、レーザー砲身ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ滑リ心地ヲ誇ルウォータースライダー】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ破壊スルノデハナク、コウシテ子どもタチニ永遠ノ笑顔ヲ提供スル「極上ノ全自動・神仙アスレチックパーク」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』
帝国の最終兵器としての機神の意思(超高位神話AI)は、アルドの「粗大ゴミの再利用」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を消滅させる禍々しい機神は、気がつけば「帝都の地下格納庫から地上へとせり出し、子どもたちが一日中遊んでも絶対に怪我をしない反重力トランポリンや、光り輝くメリーゴーランドを備えた、超高性能な『永久・エコ神仙遊園地(見た目は色鮮やかで巨大な城のジャングルジム)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌な機械音も消えて、代わりにすっごく楽しそうな遊具が完成したぞ! おまけに、あの危なかったバッテリーのエネルギーが、遊具を動かす安全な動力になってくれてる。これで帝都の子どもたちも、毎日楽しく遊べるね!」
アルドがレンチを片付けて額の汗を拭うと、地下格納庫を覆っていたドス黒い絶望の空気は一瞬にして晴れ渡り、眼下の空間は子どもたちの歓声が響き渡る『奇跡の神仙テーマパーク』へと進化を遂げていた。
***
一方その頃、遊園地の管理棟(チケット売り場)に改造され、陽気な音楽を放ち始めた元・機神のコックピット内部では、阿鼻叫喚の地獄絵図が展開されていた。
「な、なんだこれはァァァッ!?」
皇帝アレクサンドロスが絶叫する。
彼が機神を制御するために握っていた玉座の肘掛けは、いつの間にか『遊園地の入場チケットを発券するレジスター』に書き換えられていた。
格納庫内にいた帝国の近衛兵たちが着ていた重厚な鎧は全て『色鮮やかで親しみやすいテーマパークのキャスト衣装』に変わり、彼らの手には『子どもたちに配るための風船と、綿菓子の機械』が強制的に握らされてしまっていた。
アルドの「遊具を安全に管理して、子どもたちを楽しませるスタッフが必要だ」という無自覚な意思は、皇帝と近衛兵たちを「優秀な遊園地の管理人とキャスト」と認識し、格納庫内のあらゆる設備を強制的に【安全で平和なレジャー施設】へと書き換えてしまったのだ。
「ば、馬鹿な……。我が帝国の誇る無敵の終焉の機神が、ただの『巨大なジャングルジムとメリーゴーランド』に変わるだと……!? 帝国は、世界は、ただの『お遊戯の場』にされたというのか……!」
皇帝がへたり込み、玉座ならぬレジ係の椅子で絶望の涙を流したその時。
「――ご苦労だったな、薄汚い帝国のドブネズミの親玉。随分と『平和で子どもたちの笑顔が溢れるテーマパーク』になったじゃないか」
浄化されたチケット売り場の空間が歪み、音もなくシノンの短剣が閃いた。
扉の奥からは、レイヴンが神具の斧を肩に担ぎ、凄まじい威圧感を放ちながら現れる。そしてその後ろには、冷徹な執事服に身を包んだアーキヴァルと、大公レオハルトの姿があった。
「主の『粗大ゴミ回収と再利用』のおかげで、貴様らの薄汚い兵器のエコサイクルは済んだようだな。ついに直接、玉座まで集金に来てやったぞ」
レイヴンが、冷酷な瞳で見下ろす。
「ヒィッ……! レ、レオハルト大公!? き、貴様ら、皇帝たる私に向かって……!」
「証拠も大義名分も十分に揃いましたよ、アレクサンドロス殿。これにて、神聖ザギアス帝国の軍事力は完全な無力化(レジャー産業への強制転換)です。そして、貴方の帝国は、今日この日を以て実質的に崩壊しました」
アーキヴァルが、分厚いバインダーから【完全なる破滅への第五の請求書(最終通告)】を取り出し、皇帝の目の前にドンッと突きつけた。
「さあ、この莫大な『事象解体とリサイクルの手数料』、貴様らの身と魂を労働力に変えて、この帝都の遊園地で永遠にチケットをもぎり、綿菓子を作り続けてもらいましょうか。覇道を夢見た皇帝の末路としては、最高に平和で滑稽な舞台ですね」
シノンの冷たい宣告と共に、皇帝アレクサンドロスと近衛兵たちは完全に心をへし折られ、風船と綿菓子を持ったまま大人しく遊園地のキャスト業務へと就かされていった。
***
数日後。日だまり郷の黄金の城塞。
「……終わりましたね。大陸を滅ぼすはずだった帝国の最終兵器が、アルド様の腕によって見事な超大型アスレチック遊具に成り下がりました。そして、捕らえた皇帝と近衛兵たちは、帝都のど真ん中で立派な『遊園地のスタッフ』として汗を流し、子どもたちに笑顔を振りまいております」
記録係のアーキヴァルが、大公から送られてきた莫大な報酬と、帝都の住民たちから届いた感謝の手紙の山を確認しながら、手帳の『対・神聖ザギアス帝国・請求書』の最後のページに羽ペンを走らせる。
「アルド殿がリサイクルしたあの機神、今では『奇跡の神仙テーマパーク』と呼ばれ、大陸中から家族連れが押し寄せる極上のレジャー施設になっているそうだな。帝国の世界破滅計画など、完全に極上の遊び場作りの手伝いにされたというわけだ」
レイヴンが、暖炉の前でシロ(星狼)にブラッシングをしてやるアルドを眺めながら、不敵に笑う。
「ええ。空、陸、海、次元兵器、そして最終の機神。全てを『平和なインフラとレジャー設備』に変えられ、皇帝自身がチケットもぎりにされたことで、神聖ザギアス帝国という軍事国家の脅威は大陸から完全に消え去りました」
アーキヴァルの眼鏡の奥で、全てを計算し尽くした冷徹な死神の光が、ついに満足げに細められた。
「我々の完璧な情報網とアルド様の【究極の家事】が、大帝国を完全に瓦解させたのです。しかし……帝国を裏で操っていた『真の黒幕』、大宇宙の理の外側にいる存在が、ついにこの星に直接干渉してくる兆候があります。いよいよ次回、第99話に向けた『最終決戦の序曲』が始まります」
最強の便利屋の「ただの粗大ゴミ回収」は、大陸滅亡の危機をただのリサイクル工作として解決し、超大国の軍事侵攻を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の笑顔をもたらす奇跡の遊園地を誕生させてしまったのである。
城塞の住人たちによる「能動的な悪の粉砕」は、ついに大陸最大の軍事帝国を崩壊させ、次なる第99話――大宇宙を揺るがす真の黒幕との最終決戦へと、壮大な転換期の頂点に立ったのであった。
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