第267話:ただの町内会の溝掃除と浄水器の取り付けと、全自動インフラをフル活用した夢の超絶エコ・スマートシティ『日だまり郷』の究極の水循環ネットワーク完全始動
第267話:ただの町内会の溝掃除と浄水器の取り付け(上下水道・水質管理インフラ整備)と、全自動インフラをフル活用した夢の超絶エコ・スマートシティ『日だまり郷』の究極の水循環ネットワーク完全始動(総合ライフサポート企業の大規模水処理プロデュース業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
庭先では、厳しい木枯らしが吹き荒れる冬の真っ只中でありながら、日だまり郷の中だけは春の陽だまりのような暖かさと清涼な空気に包まれている。かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々、そしてすっかり常連の大家さん候補として定着した勇者パーティの面々が、縁側で湯気を立てる極上ほうじ茶をすすりながら、自らとペットたちに起きているさらなる異常現象について、今日も顔を見合わせていた。
「……なあ。昨日も言ったが、俺たちだけじゃなく、この日だまり郷にいるペットや魔物たちまで、完全に未知の進化領域に突入しているんだ。今朝、日課のランニングで大陸を三周ほど走ってきたんだが、走り終わってから『そういえば三日間ほど息をするのを忘れていた』ということに気づいたんだ。俺の細胞が勝手に大気中の魔素をエネルギーに変換していて、もはや酸素すら必要としていない。それどころか、心拍数すら一切上がらず、筋肉が『疲労』という概念を物理的に拒絶している。俺の肉体が、完全に生物の枠をぶっ壊して、歩く永久機関みたいになっているんだが」
勇者が、己の傷一つない屈強な胸元を見つめながら首を傾げた。彼の肉体は歴戦の傷跡が完全に消え去っているどころか、肌の表面に神話級のオーラが常時コーティングされ、もはや「限界」や「息切れ」という概念そのものが彼を避けて通るようになっている。
「ええ。私もですわ。昨日など、趣味でハンカチを洗っていたのですが、私がただ水に触れただけで、指先から漏れ出す過剰な生命力と魔力が水に還元され、ただの水道水が『あらゆる呪いと死を遠ざける神話級の霊薬』へと変貌してしまいましたの。美容液どころか、ただ私がそこに存在し、無意識に水に触れるだけで、周囲の物質が強制的に神域レベルの奇跡へと引き上げられ、世界そのものの寿命が無限に等しくなっていくのを感じますわ」
魔女グレイシアもまた、自らの白く透き通るような手を見つめながら驚きと共に頷く。
縁側で丸くなっている神竜ポチと星狼シロに目を向けると、彼らの毛並みはただ艶やかという次元を越え、大宇宙のいかなる物理・魔法法則すらも弾き返す『神仙級の絶対防壁』のような神秘の輝きを放ちながら、ただの犬猫のように無防備に腹を見せて寝転がっている。彼らが心地よさそうに微睡みながら時折耳をピクピクと動かすだけで、周囲の空間に局地的な「時間の停滞する絶対治癒領域」が展開され、万病を癒す超高濃度のパワースポットと化しているのだ。
その光景を見て、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)】の元・大賢者ゾルタンが、縁側に腰掛けながら静かに推測を口にした。
「……おそらく、社長の力が影響しているのだろう。社長は『全知全能の神仙』そのもの。そんな彼が、我々社員や大家の面々、そしてペットの魔物たちと『これからもずっと一緒に、楽しく賑やかに暮らしたい。誰も欠けてほしくない』と無意識に願った結果、我々に社長の『不老不死に近い力』が少しずつ分け与えられ続けているのだ。それは人間に限らず、ペットの魔物たちにまで及んでいる」
「な、なんと……! 我々の体調が異常なまでに絶好調なのも、ペットたちが不老不死の神話生物へと自動アップデートされ続けているのも、全ては……」
「左様。社長が寂しくならないように、そしてこの平穏な日常が永遠に続くように、世界が我々の存在を『不老不死』に近い状態へと書き換えているのだ。老いはなくなり、寿命という概念すら消滅し、細胞や魔力回路の一つ一つが宇宙の真理に直結している。我々が何もしていなくとも能力が日々限界突破していくのは、全て我が黄昏の守護者の最高の手厚い福利厚生というわけさ。……特に今日は、都市の『水と衛生』を支えるインフラの整備が控えている。頭脳も肉体も絶好調に越したことはない」
ゾルタンの言葉に、一同はアルドの底知れぬ愛と規格外の力に戦慄しながらも、深い安堵と温かい絆を感じて微笑み合った。
そんな穏やかな閑話が交わされる中、日々のメンテナンス業務と家事への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、香ばしい醤油の焦げる匂いと、濃厚な海の幸の暴力的なまでの香りが漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる、朝から溝掃除のスタミナを全開にする『幻獣鮭の黄金ハラス焼きと世界樹のイクラの特製親子丼〜神仙出汁の熱々アラ汁を添えて〜』だ! まずは、脂が限界まで乗った幻獣鮭のハラスを、神仙の炭火で表面はパリッと、中はフワフワに焼き上げる。そこへ、宝石のように輝く大粒の世界樹のイクラを、神仙醤油と極上の出汁でサッと漬け込むんだ! 炊きたての神仙米の上に、焼きたてのハラスとイクラをドーンと乗せて、最後に天界の海苔を散らす! その横で、幻獣鮭のアラと世界樹の根菜をコトコト煮込んだ、旨味たっぷりの熱々アラ汁を添える。……イクラが温まらないうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、圧倒的な香りを放つ特大のどんぶりをダイニングテーブルに運ぶと、不老の話題で盛り上がっていた勇者たちや魔物たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣鮭の圧倒的なアミノ酸と極上脂が全身の魔力回路を限界突破させ、アラ汁のコラーゲンが血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、不老不死に近づきつつある体にさらなる多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の海鮮ブレックファスト』である。
「うむ……! この熱々のハラスを箸で割り、イクラとご飯と一緒に口に運んだ瞬間に広がる、圧倒的な脂の甘みとイクラの弾ける塩気のビッグバン! 黄金色のイクラが極上の出汁を完全に抱き込み、鮭の旨味を何百倍にも引き立てる! すかさず具沢山のアラ汁をすすれば、魚介の深いコクと大地の甘みが口の中の脂を最高にリセットしてくれる! 美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 全身の細胞が歓喜の声を上げて底知れぬパワーが湧き上がるこの多幸感、我が最高福利厚生責任者の職務が、王都の超高級老舗料亭で至福の朝食を貪る大貴族のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
サタナスが、箸を持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて極上の朝食に感涙して咽いでいた。
――そして、至福の朝食が終わり、食後の極上緑茶が振る舞われた後。
アルドは、作業着の袖をまくり上げながら、やる気に満ちた満面の笑みでリビングの広間に立つ役員たちと大家の面々を見渡した。
「みんな、昨日までの作業で『日だまりエコ・スマートシティ』のみんなもすっかり仲良くなって、最高の町内会ができたよね! でも、人がたくさん住むようになると、どうしても生活排水が出たり、雨の日に落ち葉で溝が詰まったりしちゃうんだ。せっかくの綺麗な町が水浸しになったり、お水が不味くなったりしたら大変だよね。だから今日は『町内会の溝掃除と、浄水器の取り付け(上下水道・水質管理インフラの整備)』をやって、誰もが永遠に美味しいお水を飲めて、絶対に街が汚れない究極の水循環システムを完成させよう!」
「承知いたしました、社長。我が社の理念の集大成たる『都市開発』……ついに都市の血脈たる水資源の完全循環と、絶対浄化体制の確立フェーズに移行します」
【最高財務責任者(CFO)】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いタブレット端末を操作した。
「都市の地下には、既に水魔迷宮から引いた上下水道のネットワークが構築されております。しかし、稼働初期のヘドロや魔力的な不純物がわずかに蓄積している兆候があります。社長が清掃を行い、メインタンクに浄水器をセットし次第、この都市の水は完全な無菌・霊薬レベルのユートピアウォーターとなります」
「その通り! だから今日は、溝に溜まった泥や落ち葉をパパッと綺麗にして、蛇口の元に便利な浄水器を付けるよ! まずは『事象清掃の神仙デッキブラシ』で、下水道の汚れをゴシゴシッ!と一瞬で洗い流す。これを使うと、どんな頑固な汚れも一発で消えて、ピカピカの通り道になるんだ。そして、中央貯水塔に『因果濾過の神仙浄水器』をカチャン!と取り付ける。この浄水器を通ったお水は、泥水でも毒でも全部美味しい天然水に変えてくれる不思議なフィルターだよ! みんなが毎日美味しいお水を飲んで、お風呂を楽しめるように、完璧にセッティングしちゃおう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート(水処理プロデュース部門)』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意に似た作業意欲)に満ちた表情で立ち上がった。
【最高開発・解体執行責任者(CDO)】レイヴンの役割
「社長。下水道にこびりついた鬱陶しいヘドロや、そこに湧き始めた不浄なスライムの粉砕は、この俺にお任せを。邪魔な汚泥どもは専用の高圧洗浄機(神具の斧)で微塵残さず叩き潰し、完璧な『水路の確保と障害物排除』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型のホースノズルのように構えて不敵に笑う。
【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】エルミナの役割
「ええ。下水道から漂う嫌な臭いや、水に混ざる不純物の概念は、私が特製の極大聖光浄化魔法で一瞬にして中和し、都市の水脈を常に清らかな世界樹の泉レベルに保って差し上げますわ。これで水質管理も最高峰の環境が整います」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】シノンの役割
「……清掃中に汚水が飛び散って市民や建物が汚れないよう、『絶対遮断の防水結界(究極のマスカー養生)』を水路全体に展開する。市民の清潔な生活には一滴の泥水も触れさせない」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 溝掃除は泥が跳ねるし、浄水器の取り付けは水漏れしないようにきっちりやらないとね! しっかり長靴を履いて安全第一で作業しようね!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(いかなる汚水や悪臭も弾く特製水回り清掃用・完全防水サロペットとゴム手袋)に着替え、手には「事象清掃の神仙デッキブラシ」と、ピカピカに光る「因果濾過の神仙浄水器」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『上下水道・水質管理道具一式』を持っていくよ! みんなの夢の町を完全に清潔にするために、絶対にピカピカになるブラシと、超美味しいお水が飲める浄水器を『DIY(町内会のお掃除)』してこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、水回り清掃仕様に改造された魔導サービスカーに乗り込み、都市の地下に広がる広大な水処理施設へと向けて出勤したのである。
***
『日だまりエコ・スマートシティ』の地下、中央水管理施設および水路ネットワーク。
そこには、数百万人の生活を支える巨大な水路が張り巡らされていたが、生活の開始とともに、落ち葉やわずかな魔力の淀みがヘドロとなって溜まり始めていた。放っておけば、悪臭や水質悪化の原因になるだろう。
「さあ、社長。まずはこの水路にこびりつく鬱陶しいヘドロと、湧きかけた汚泥スライムの粉砕は俺にお任せを。完璧な『水脈の確保』をしてご覧に入れましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、地下水路に向かって旋風のごとく突っ込む。
「超絶洗浄・汚泥完全解体・水路開通一閃斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、汚れの「因果の隙間(配管の壁面)」だけを完璧に見切り、まるで超絶高圧洗浄機で一瞬にして汚れを吹き飛ばすかのように、スパーンッ!と見事な手際で不要なヘドロのみを粉砕し、誰もが滑れるほどピカピカの地下水路を一瞬にして作り上げてしまった。
「完璧な洗浄ですわ、レイヴンさん。では、私はこれからこの都市の水脈に渦巻く不浄の概念を完全に消し去り、清涼な霊水を調律いたしますわ」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光浄化・水質調律魔法』が光の粒子となって水路に浸透し、万が一ゴミが落ちても水が一切濁らず、常にクリスタルのように透き通る理想的な状態へと変えていく。
「よし、みんなのおかげで下準備は完璧だね! あとは、僕が『事象清掃の神仙デッキブラシ』で細かい溝をゴシゴシして、『因果濾過の神仙浄水器』をメインタンクに取り付けるよ!」
アルドは、特製『神仙デッキブラシ』を構え、ゴム手袋を引き上げて水路の底へと飛び出した。
――当然ながら、その素材と効率は常軌を逸している。神仙デッキブラシは大宇宙のいかなる汚れや停滞をも瞬時に物理的・概念的に洗い流し、擦った場所を「永遠に汚れがこびりつかない防汚コーティング」へと変化させる絶対事象清掃ツールである。そして、因果濾過の神仙浄水器は、あらゆる液体を大宇宙の因果律を通じて自動で濾過し、瞬時に無害かつ極上の旨味を持つ天然水に変換する『究極の持続可能浄水ツール』である。
「まずは、ブラシで溝の隅っこをゴシゴシするね! これで絶対に詰まらないよ!」
アルドが神仙デッキブラシで水路を軽く擦ると、物理法則を完全に無視した洗浄力が都市全域の地下ネットワークに連鎖し、数千キロに及ぶ下水道がわずか数秒で新築同様の輝きを取り戻した。
「よし、お掃除は一瞬で大成功! 次は、みんなの飲み水を綺麗にする浄水器の取り付けだよ!」
アルドは『因果濾過の神仙浄水器(銀色に輝く巨大なカートリッジ)』を中央貯水塔のメインパイプに「カチャン!」と取り付けた。
スタイリッシュなデザインのその浄水器は、設置された瞬間、「コポポポ♪」という心地よい水音と共に、都市全域の水道ネットワークと接続された。
試しに市民の一人が、自宅のキッチンで蛇口をひねると、そこから出てきたのはただの水ではなく、淡く発光する極上の天然水だった。一口飲めば、長年の肩こりや疲れが吹き飛び、最高の多幸感に包まれる魔法の水だ。さらに下水として流れた水も、浄水器のネットワークを通じて瞬時に完璧な純水へと戻り、永遠に循環し続ける。
「うわぁ、凄い! ブラシで擦っただけで下水道がピカピカになって、浄水器を通ったお水がすっごく美味しくなってる! これなら、みんな毎日最高のお水でお料理やお風呂を楽しめるね! シノンの結界のおかげで、泥水も一切跳ねなかったから、お掃除も楽ちんだったよ!」
アルドがブラシを使い、浄水器を設置しただけで、ただの地下水路だった空間が、完全に水不足と汚染をゼロにする究極の絶対水循環システムへと起動した。
労働を免除された市民たちは、水質悪化の恐怖から完全に解放され、日だまりエコ・スマートシティの完璧なシステムを心から満喫していた。
その作業スピードと水処理インフラ構築力は、もはや神話の水神すら裸足で逃げ出すレベルであった。
アルドが溝掃除を行い、浄水器を置いただけで、数百万人の命を潤す究極の水エコ・システムが、わずか数時間のうちに完全稼働していく。
かつて世界を脅かした魔の森の跡地に作られた都市は、アルドの「ただの町内会の溝掃除と浄水器の取り付け(水回りのお手入れ)」によって、一切の汚濁と枯渇が存在しない完全無欠のエコ・スマートシティへと至った。
誰もが永遠の清らかな水を享受し、笑顔で平和に暮らす、美しき超絶エコ・スマートシティ『日だまり郷』の究極の上下水道インフラが、ここに完成を果たしたのである。
「よしよし! 溝もピカピカになったし、便利な浄水器もバッチリ設置できたぞ! これで、みんな毎日美味しくて綺麗なお水を使えるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの健康と清潔な生活を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドが神仙デッキブラシを腰袋に収めて額の汗を拭うと、目に見えない清涼な潤いが都市を包み込み、眼下には活気と安心に溢れた奇跡の巨大な都市の光景が広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮と『上下水道・水質管理インフラ整備』でした、社長。我が社が運営するこのスマートシティは、本日をもって『汚染』や『渇水』という概念を完全に抹消し、全市民の絶対的な水資源を保障する究極の循環システムを確立いたしました。これにより、都市は永遠に潤いを維持し続ける、真のユートピアとなりました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、水道から出る極上の天然水を使って、屋台の特大かき氷を作っている勇者パーティが「俺たちが昔、砂漠で泥水をすすって命を繋いでいたのがバカバカしくなるくらい、この便利屋が設置した浄水器のほうが、よっぽど世界を潤してる……!」とドン引きしながらも、満面の笑みで氷を頬張っている。
「これからは、万が一水路に巨大スライムが湧こうが、社長の作業前に俺が全部『不要なヘドロごと斧で粉砕』して適度に配管洗浄の準備をしてやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに極めて簡素な文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。溝掃除および浄水器設置完了。完全水循環システム確立。異常なし。以上。』
ゾルタンはもはや数秒で記録を終えた。数百万人が汚水から解放され、絶対の純水が約束される究極の循環システムの確立という、歴史に刻まれるべき偉業が達成されようとも、社長の前では「町内会の溝掃除をして、浄水器を付けた」という、便利屋のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす偉業など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の清掃・水回りメンテナンス業務として処理されているのである。
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、都市が真の意味で永遠の潤いを手に入れた事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、お掃除と浄水器の取り付けお疲れ様! 今日の3時のおやつは、綺麗なお水で作った『特製・大精霊のぷるぷる水信玄餅〜世界樹の黒蜜ときな粉をたっぷりと〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が冷やし固める水信玄餅は、ことのほか水の透明感と黒蜜の甘みが、不老不死に近づいた五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただの町内会の溝掃除と浄水器の取り付け」は、世界中のインフラをフル活用した夢の都市に究極の清潔さと潤いをもたらし、真のスマートシティの永遠の循環を約束した。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界最高の大規模水処理プロデュース事業を成功させ、いかなる汚染も入り込めず、渇水すら存在しない究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜
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