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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第263話:ただの町内会のゴミ拾いと資源回収ステーションの設置(廃棄物処理・リサイクルインフラ整備)と、全自動インフラをフル活用した夢の超絶エコ・スマートシティ『日だまり郷』の究極の循環社会完成

第263話:ただの町内会のゴミ拾いと資源回収ステーションの設置(廃棄物処理・リサイクルインフラ整備)と、全自動インフラをフル活用した夢の超絶エコ・スマートシティ『日だまり郷』の究極の循環社会完成(総合ライフサポート企業の環境保全・廃棄物管理業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 庭先では、木枯らしが吹き荒れる冬の真っ只中でありながら、日だまり郷の中だけは春の陽だまりのような暖かさと清涼な空気に包まれている。かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々、そしてすっかり常連の大家さん候補として定着した勇者パーティの面々が、縁側で湯気を立てる極上ほうじ茶をすすりながら、自らとペットたちに起きているさらなる異常現象について、今日も顔を見合わせていた。

「……なあ。昨日も言ったが、俺たちだけじゃなく、この日だまり郷にいるペットや魔物たちまで、完全に未知の進化領域に突入しているんだ。昨夜、うっかりテーブルからガラスのコップを落としてしまったんだが、床に落ちて割れるより早く、俺の体から無意識に溢れ出した闘気が空間の因果律に干渉し、コップが落ちる前の時間へと自動的に逆行して無傷でテーブルの上に戻ったんだ。それどころか、俺の筋肉が物理法則のバグを検知して、勝手に世界のプログラムを書き換えているんだが」

 勇者が、己の傷一つない屈強な腕を見つめながら首を傾げた。彼の肉体は歴戦の傷跡が完全に消え去っているどころか、肌の表面に神話級のオーラが常時コーティングされ、もはや「不注意」や「事故」という概念そのものが彼を避けて通るようになっている。

「ええ。私もですわ。昨日など、少し庭で深呼吸をしただけなのですが、私の呼気に含まれる過剰な生命力と魔力が空間に還元され、ただの空気が『吸うだけで寿命が百年延びる神話級の霊薬エリクサーの気体』へと変貌してしまいましたの。美容液どころか、ただ私がそこに存在し、無意識に呼吸をするだけで、周囲の事象が強制的に神域レベルの奇跡へと引き上げられ、世界そのものの寿命が無限に等しくなっていくのを感じますわ」

 魔女グレイシアもまた、自らの白く透き通るような手を見つめながら驚きと共に頷く。

 縁側で丸くなっている神竜ポチと星狼シロに目を向けると、彼らの毛並みはただ艶やかという次元を越え、大宇宙のいかなる物理・魔法法則すらも弾き返す『神仙級の絶対防壁』のような神秘の輝きを放ちながら、ただの犬猫のように無防備に腹を見せて寝転がっている。彼らが心地よさそうに欠伸をして伸びをするだけで、周囲の空間に局地的な「重力異常の最適化」が展開され、彼らの体はもはや地面に触れることなく、数センチほど空中に浮遊したまま熟睡しているのだ。

 その光景を見て、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)】の元・大賢者ゾルタンが、縁側に腰掛けながら静かに推測を口にした。

「……おそらく、社長アルドの力が影響しているのだろう。社長は『全知全能の神仙』そのもの。そんな彼が、我々社員や大家の面々、そしてペットの魔物たちと『これからもずっと一緒に、楽しく賑やかに暮らしたい。誰も欠けてほしくない』と無意識に願った結果、我々に社長の『不老不死に近い力』が少しずつ分け与えられ続けているのだ。それは人間に限らず、ペットの魔物たちにまで及んでいる」

「な、なんと……! 我々の体調が異常なまでに絶好調なのも、ペットたちが不老不死の神話生物へと自動アップデートされ続けているのも、全ては……」

「左様。社長が寂しくならないように、そしてこの平穏な日常が永遠に続くように、世界が我々の存在を『不老不死』に近い状態へと書き換えているのだ。老いはなくなり、寿命という概念すら消滅し、細胞や魔力回路の一つ一つが宇宙の真理に直結している。我々が何もしていなくとも能力が日々限界突破していくのは、全て我が黄昏の守護者の最高の手厚い福利厚生というわけさ。……特に今日は、お祭り騒ぎの後の『ゴミ拾いと資源回収』が控えている。頭脳も肉体も絶好調に越したことはない」

 ゾルタンの言葉に、一同はアルドの底知れぬ愛と規格外の力に戦慄しながらも、深い安堵と温かい絆を感じて微笑み合った。

 そんな穏やかな閑話が交わされる中、日々のメンテナンス業務と家事への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、甘辛い醤油が煮詰まる匂いと、出汁の暴力的なまでの香りが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる、朝からお掃除のスタミナを全開にする『幻獣豚の極上角煮と世界樹の味玉丼〜特製神仙和風あんかけ〜と、大精霊の森の根菜たっぷり豚汁』だ! まずは、脂が限界まで乗った幻獣豚の分厚いバラ肉を、神仙の特製生姜醤油と極上出汁で三日三晩、箸で切れるほどトロトロになるまで煮込む。そこへ、天界卵で作った半熟の味玉を添えて、旨味が凝縮された煮汁を特製の和風あんかけに仕立てるんだ! 炊きたての神仙米の上にドーンと乗せて、あんかけをたっぷりと掛ける! その横で、世界樹の根菜をコトコト煮込んだ、コク深い熱々の豚汁を添える。……あんかけが冷めないうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、圧倒的な香りを放つ特大のどんぶりをダイニングテーブルに運ぶと、不老の話題で盛り上がっていた勇者たちや魔物たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣豚の圧倒的なアミノ酸と極上ラードが全身の魔力回路を限界突破させ、豚汁の根菜が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、不老不死に近づきつつある体にさらなる多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の肉料理ブレックファスト』である。

「うむ……! この熱々の角煮を箸で割り、ご飯と一緒に口に運んだ瞬間に広がる、圧倒的な肉汁と和風あんかけのビッグバン! 黄金色の半熟味玉が極上のタレを完全に抱き込み、肉の旨味を何百倍にも引き立てる! すかさず具沢山の豚汁をすすれば、味噌のコクと大地の甘みが口の中の脂を最高にリセットしてくれる! 美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 全身の細胞が歓喜の声を上げて底知れぬパワーが湧き上がるこの多幸感、我が最高福利厚生責任者の職務が、王都の超高級老舗割烹で至福の朝食を貪る大貴族のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 サタナスが、箸を持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて極上の朝食に感涙して咽いでいた。

 ――そして、至福の朝食が終わり、食後の極上緑茶が振る舞われた後。

 アルドは、作業着の袖をまくり上げながら、やる気に満ちた満面の笑みでリビングの広間に立つ役員たちと大家の面々を見渡した。

「みんな、昨日の夜は完成記念の花火大会、すっごく楽しかったね! みんなが笑顔でお祝いしてくれて僕も嬉しかったよ。でも、お祭りの後にはどうしても食べ歩きのゴミや空き箱が出ちゃうんだよね。せっかく綺麗に作った『日だまりエコ・スマートシティ』がゴミで汚れたら悲しいから、今日は『町内会のゴミ拾いと、資源回収ステーションの設置(廃棄物処理・リサイクルインフラの整備)』をやって、ゴミが一切出ない、永遠に美しい究極のエコ都市を完成させよう!」

「承知いたしました、社長。我が社の理念の集大成たる『都市開発』……ついにゼロエミッションを達成する循環型社会のフェーズに移行します」

 【最高財務責任者(CFO)】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いタブレット端末を操作した。

「都市の各エリアには、既に資源回収ステーション用の用地が確保されております。また、回収した廃棄物を瞬時にエネルギーや新品の資材へと再変換する『完全リサイクル物流ルート』もシステム上に構築済みです。社長がステーションを設置し次第、この都市から『ゴミ』という概念そのものが消滅いたします」

「その通り! だから今日は、道に落ちてるゴミをパパッと拾って、便利なゴミ箱を設置するよ! まずは『事象回収の神仙トング』で、道端に落ちてる空き缶や紙くずをカチッ!と拾い集める。そして、各ブロックの広場に『因果還元の神仙ゴミリサイクルステーション』をドスン!と置くんだ。このゴミ箱にゴミを入れると、中で自動的に分別されて綺麗なエネルギーや特級魔法石に生まれ変わるスグレモノだよ! みんなが毎日清潔に暮らせるように、完璧にセッティングしちゃおう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート(環境保全・廃棄物管理部門)』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意に似た作業意欲)に満ちた表情で立ち上がった。

【最高開発・解体執行責任者(CDO)】レイヴンの役割

「社長。都市に散らばる厄介な粗大ゴミや、処理に困る魔法由来の廃棄物の粉砕は、この俺にお任せを。邪魔なゴミどもは専用の破砕機(神具の斧)で微塵残さず叩き潰し、完璧な『リサイクルのための下処理(分別・粉砕作業)』をしてご覧に入れましょう」

レイヴンが、神具の斧を大型のスクレーパーのように構えて不敵に笑う。

【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】エルミナの役割

「ええ。ゴミから発生する嫌な臭いや、路面にこびりついた油汚れなどは、私が特製の極大聖光浄化魔法で一瞬にして概念ごと中和し、都市の空気を常に森林浴レベルの快適さに保って差し上げますわ。これで衛生管理も最高峰の環境が整います」

エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】シノンの役割

「……リサイクルステーションの内部でどれだけ激しい事象還元処理が行われようと、外部に一切の音や衝撃、有害物質が漏れ出さないよう、『絶対遮断の防音・防毒結界』をステーション全体に展開する。ゴミを入れた市民には安全しか提供しない」

シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! ゴミ拾いは腰を痛めやすいし、衛生面が大事だから、しっかり軍手とマスクをして安全第一で作業しようね!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(いかなる汚れも弾く特製清掃作業用・完全防汚つなぎと軍手、ゴミ袋)に着替え、手には「事象回収の神仙トング」と、ピカピカに光る「因果還元の神仙ゴミ箱」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『清掃・リサイクル整備道具一式』を持っていくよ! みんなの夢の町を完全に清潔にするために、絶対に落ちているゴミを見逃さないトングと、超便利なゴミ箱を『DIY(町内会の清掃)』してこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、清掃仕様に改造された魔導サービスカーに乗り込み、昨晩の熱狂の余韻が残るスマートシティの市街地へと向けて出勤したのである。

 ***

 『日だまりエコ・スマートシティ』の市街地。

 昨晩の完成記念花火大会と屋台街の盛況により、美しい石畳の道には、食べ歩きの串や紙皿、空き瓶などがポツポツと落ちていた。これだけの数百万人が暮らす都市としては奇跡的な少なさだが、それでも「ゴミ」は存在している。

「さあ、社長。まずはこの道端に散らばる鬱陶しいゴミの山と、処理が面倒な残骸の粉砕は俺にお任せを。完璧な『資源回収の下準備』をしてご覧に入れましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、ゴミが落ちている広場に向かって旋風のごとく突っ込む。

「超絶清掃・粗大ゴミ完全解体・資源粉砕一閃斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、ゴミの「因果の隙間(材質の違い)」だけを完璧に見切り、まるで巨大なサイクロン掃除機で一瞬にして吸い込むかのように、スパーンッ!と見事な手際で紙、木、ガラス、魔石などを瞬時に分別・粉砕し、資源ごとに綺麗なブロックへと圧縮してしまった。

「完璧な分別作業ですわ、レイヴンさん。では、私はこれからこの道にこびりついた汚れと、嫌な臭いの概念を完全に消し去り、清涼な空気を調律いたしますわ」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光浄化・消臭魔法』が光の粒子となって路面に浸透し、ソースのシミや足跡を一瞬で漂白し、街全体をレモンとミントの爽やかな香りへと変えていく。

「よし、みんなのおかげで下準備は完璧だね! あとは、僕が『事象回収の神仙トング』で細かいゴミを拾って、『因果還元の神仙ゴミ箱』を各ブロックに設置するよ!」

 アルドは、特製『神仙トング』を構え、軍手をはめ直して路地裏へと飛び出した。

 ――当然ながら、その素材と効率は常軌を逸している。神仙トングは大宇宙のいかなる微細なチリやホコリ、あるいは有害な呪いの残滓であっても、空間の因果ごと「ゴミ」として確実につまみ上げる絶対事象清掃ツールである。そして、因果還元の神仙ゴミ箱は、投入されたあらゆる廃棄物を瞬時に分子レベルで分解し、都市の稼働に必要なクリーンエネルギーや新品の資材へと再構築する『究極の持続可能リサイクルツール』である。

「まずは、この茂みに落ちてる空き缶をトングでカチッ!と拾うね! 隠れてるゴミも見逃さないよ!」

 アルドが神仙トングを振るうと、見えない場所に落ちていた微小なゴミすらも自動的に吸い寄せられ、アルドの持つゴミ袋へと吸い込まれていく。物理法則を完全に無視した回収力により、数万ヘクタールに及ぶ都市のゴミ拾いが、まるで庭の草むしりをするような手軽さで完了していく。

「よし、街はピカピカになった! 次は、みんなが使いやすい場所にリサイクルステーションを設置するよ!」

 アルドは『因果還元の神仙ゴミ箱』を各居住ブロックの広場に「ドスン、ガシャン!」と設置していく。スタイリッシュなデザインのその箱は、市民がゴミを投入した瞬間、「ポロロン♪」という心地よい電子音と共に、投入者の持つ『特製・町内会回覧板タブレット』に「リサイクルポイント」を付与する機能までついている。

 試しに市民の一人がバナナの皮を投入すると、ゴミ箱の内部で超次元的な事象還元が行われ、瞬時に「特級雷属性魔法石(小型バッテリー)」へと変換され、都市の地下物流網へと自動で送られていった。

「うわぁ、凄い! ゴミを捨てるだけでポイントが貯まって、しかもそれが新しい魔法石やエネルギーに生まれ変わってる! これなら、市民のみんなもゲーム感覚で楽しくゴミ出しをしてくれるね! シノンの結界のおかげで、ゴミ箱の中がどれだけ激しく還元処理をしてても、外には嫌な臭いも音も全く漏れないから最高だ!」

 アルドがトングを振るい、ゴミ箱を設置しただけで、ただの消費都市だった空間が、完全にゴミゼロを実現する究極の循環型社会へと起動した。

 労働を免除された市民たちは、自ら進んで街を綺麗にし、ゴミを捨てるという行為すらも楽しいエンターテインメントとして享受し、日だまりエコ・スマートシティの完璧なシステムを心から満喫していた。

 その作業スピードとインフラ構築力は、もはや神話の浄化神すら裸足で逃げ出すレベルであった。

 アルドがゴミを拾い、ステーションを置いただけで、数百万人の生活から生み出される廃棄物が全て未来の資源へと変わる究極のエコ・システムが、わずか数時間のうちに完全稼働していく。

 かつて世界を脅かした魔の森の跡地に作られた都市は、アルドの「ただの町内会のゴミ拾いとゴミ箱の設置(清掃活動)」によって、一切の汚染と無駄が存在しない完全無欠のエコ・スマートシティへと至った。

 誰もが永遠の清潔さを享受し、笑顔で資源を循環させる、美しき超絶エコ・スマートシティ『日だまり郷』の究極の姿が、ここに完成を果たしたのである。

「よしよし! 街中ピカピカになったし、便利なゴミ箱もバッチリ設置できたぞ! これで、みんな毎日気持ちよく暮らせるし、ゴミ問題も永遠にゼロだね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの清潔な生活を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドが神仙トングを腰袋に収めて額の汗を拭うと、目に見えない清涼な空気が都市を包み込み、眼下には塵一つない奇跡の巨大な都市の美しい街並みが広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮と『廃棄物管理インフラ整備』でした、社長。我が社が運営するこのスマートシティは、本日をもって『ゴミ』という概念を完全に抹消し、全資源の完全循環システムを確立いたしました。これにより、都市は永遠に自己完結し続ける、真のゼロエミッション・エコ・シティとなりました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、試しに折れた剣の刃をゴミ箱に投入し、還元されたポイントで屋台の特大ステーキを交換している勇者パーティが「俺たちが昔、ダンジョンの奥深くで命がけで手に入れていた魔法石が、バナナの皮やゴミから錬成されてるのがバカバカしくなるくらい、この便利屋が設置したゴミ箱のほうが、よっぽど世界を豊かにしてる……!」とドン引きしながらも、満面の笑みで肉を頬張っている。

「これからは、万が一粗大ゴミが出ようが、社長の作業前に俺が全部『不要な廃棄物ごと斧で粉砕』して適度にリサイクル準備をしてやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに極めて簡素な文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。ゴミ拾いとリサイクルステーション設置完了。完全循環社会化。異常なし。以上。』

 ゾルタンはもはや数秒で記録を終えた。数百万人が排出する廃棄物を瞬時に資源へと変換し、ゴミという概念そのものを消し去る究極のエコ・システムの確立という、歴史に刻まれるべき偉業が達成されようとも、社長の前では「町内会のゴミ拾いをして、新しいゴミ箱を置いた」という、便利屋のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす偉業など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の清掃・環境保全業務として処理されているのである。

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、都市が真の意味で永遠の美しさを手に入れた事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、ゴミ拾いとお掃除お疲れ様! 今日の3時のおやつは、労働のあとに甘さが染み渡る『特製・大精霊のサクサクアップルパイ〜世界樹のシナモンとバニラアイスを添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が焼き上げるアップルパイは、ことのほかリンゴの酸味とシナモンの香りが、不老不死に近づいた五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただの町内会のゴミ拾いと資源回収ステーションの設置」は、世界中のインフラをフル活用した夢の都市に究極の清潔さと資源の循環をもたらし、真のスマートシティの永遠の輝きを約束した。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界最高の環境保全・廃棄物管理事業を成功させ、いかなる邪悪も入り込めず、汚れすら存在しない究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜

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