第249話:ただのお風呂場のガンコな水垢と排水溝のヘドロ掃除(剪定)と、水魔と汚泥の深淵迷宮の強制全自動広域水質浄化・無限クリーン水源インフラ化
第249話:ただのお風呂場のガンコな水垢と排水溝のヘドロ掃除(剪定)と、水魔と汚泥の深淵迷宮の強制全自動広域水質浄化・無限クリーン水源インフラ化(総合ライフサポート企業の水回り・配管メンテナンス業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
庭先では、秋の深まりを感じさせる涼やかな風が吹き抜ける中、すっかり常連の大家さん候補として定着した勇者パーティの面々と、天界の神々が、温かいハーブティーをすすりながら自らの体に起きている奇妙な現象について顔を見合わせていた。
「……なあ。最近、俺の体がどうもおかしいんだ。魔王軍の残党が仕掛けてきた極大呪縛陣を真っ向から受けたのに、呪いが俺の肌に触れた瞬間に浄化されて消滅した。それどころか、傷を負うどころか物理防御力が神話の神盾を超越し、どんな毒や呪いも俺の細胞の前にひれ伏して力へと変換されてしまうんだ」
勇者が、己の引き締まった胸板を見つめて首を傾げた。彼の肉体は歴戦の傷跡が完全に消え去り、まるで神々が鍛え上げたオリハルコンのようにツヤツヤと輝き、底なしの生命力が溢れ出している。
「ええ。私もですわ。昨日など、庭の枯れ木に触れただけで、私の体から溢れ出す過剰な生命力に当てられて、枯れ木が一瞬で芽吹き、満開の花を咲かせてしまいましたの。美容液どころか、存在しているだけで世界を癒してしまうような、絶対的な『不変の美と生命』に固定されているのを感じますわ」
創造神が驚きと共に頷く。
縁側で丸くなっている神竜ポチと星狼シロに目を向けると、彼らの毛並みはただ艶やかという次元を越え、大宇宙のいかなる物理・魔法法則すらも完全に弾き返す『神話級の絶対防壁』のような神秘の輝きを放ちながら、ただの犬猫のように無防備に腹を見せて寝転がっている。彼らが心地よさそうに寝息を立てるだけで、周囲の空間の魔素が極限まで浄化され、万病を癒す超高濃度のパワースポットと化しているのだ。
その光景を見て、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)】の元・大賢者ゾルタンが、縁側に腰掛けながら静かに推測を口にした。
「……おそらく、社長の力が影響しているのだろう。社長は『全知全能の神仙』そのもの。そんな彼が、我々社員や大家の面々、そしてペットの魔物たちと『これからもずっと一緒に、楽しく賑やかに暮らしたい。誰も欠けてほしくない』と無意識に願った結果、我々に社長の『不老不死に近い力』が少しずつ分け与えられているのだ」
「な、なんと……! 我々の体調が異常なまでに絶好調なのも、肉体が完全な不老の状態へと自動アップデートされ続けているのも、全ては……」
「左様。社長が寂しくならないように、そしてこの平穏な日常が永遠に続くように、世界が我々の体を『不老不死』に近い状態へと書き換えているのだ。老いはなくなり、寿命という概念すら消滅し、細胞の一つ一つが宇宙の真理に直結している。全ては、我が黄昏の守護者の最高の手厚い福利厚生というわけさ」
ゾルタンの言葉に、一同はアルドの底知れぬ愛と規格外の力に戦慄しながらも、深い安堵と温かい絆を感じて微笑み合った。
そんな穏やかな閑話が交わされる中、日々のメンテナンス業務と家事への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、芳醇な出汁の香りと、香ばしく炙られた魚の暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる、朝から優しく胃腸を温める『幻獣真鯛の極上胡麻だれ茶漬け〜大精霊の森の香味野菜を添えて〜と、天界卵のふんわり厚焼き玉子』だ! まずは、脂が限界まで乗った幻獣真鯛を薄造りにし、神仙の特製胡麻だれでねっとりと漬け込む。そして、炊きたての神仙米の上にたっぷりと乗せ、大精霊の森で採れたミョウガや大葉を散らすんだ! そこへ、幻獣昆布と天界鰹節で引いた、黄金色に輝く極上の熱々出汁を、ジャーッとかける! 真鯛の表面がほんのり白く霜降りになり、胡麻の香りが一気に弾ける! その横で、天界の卵をたっぷりの出汁で巻き上げた、プルプルの厚焼き玉子を添える。……出汁が冷めないうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、圧倒的な香ばしさを放つ特大の和食膳をダイニングテーブルに運ぶと、不老の話題で盛り上がっていた勇者たちや魔物たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣真鯛の圧倒的なアミノ酸と極上出汁が全身の魔力回路を限界突破させ、香味野菜の薬効成分が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、不老不死に近づきつつある体にさらなる多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の出汁茶漬けブレックファスト』である。
「うむ……! この熱々の出汁茶漬けをサラサラと口に運んだ瞬間に広がる、濃厚な胡麻だれと真鯛の甘みのビッグバン! 香味野菜の爽やかな香りが鯛の脂を完璧に引き立て、すかさず厚焼き玉子を頬張れば、噛むほどに溢れ出す黄金の出汁が口の中を最高にリセットしてくれる! 美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 全身の細胞が歓喜の声を上げて胃の底から温まるこの多幸感、我が最高福利厚生責任者の職務が、王都の超高級老舗旅館で至福の朝食を貪る大貴族のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
サタナスが、お椀を持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて極上の朝食に感涙して咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上ほうじ茶が振る舞われた後。
アルドは、脱衣所からお風呂場を覗き込みながら、真剣な表情で首を傾げた。
「……ねえ。今朝、一番風呂を沸かそうと思ってお風呂場を見たら、排水溝に『タチの悪いガンコな髪の毛とヘドロ汚れ』がビッシリ詰まってて、水が逆流してきそうなんだよね。おまけに、壁や鏡には『白くてガンコな水垢』がウロコみたいにこびりついてて凄く不衛生なんだ。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが世界に多大な水資源と極上の水魔法石を供給している『水魔と汚泥の深淵迷宮』の仕業だってわかる。長年の放置で内部の濁流竜やヘドロ魔獣が異常繁殖して汚水が飽和状態になり、お風呂場がガンコな水垢とヘドロでビッシリになって、猛毒汚泥の大洪水寸前になってるみたいだ」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドは、世界の理を「生活設備のメンテナンス」として完璧に把握している。
「みんな、聞いて。ダンジョン(水回り・配管設備)って、生活に必要な綺麗なお水を使ったり、大地を潤すための水源(資源)を供給してくれる凄く大事な生活インフラだよね。だから、気味が悪いからって完全にコンクリートで塞いじゃうと、水が使えなくなるし、水魔法石の資源が枯渇しちゃうんだ。でも、放置しすぎるとヘドロや水垢(魔物)が大量発生して、配管が詰まって逆流し、スタンピード(致死の猛毒汚泥洪水)を起こしてしまう。だからこそ、定期的に危険な場所から優先して『排水溝のヘドロをパイプクリーナーで溶かし、壁の水垢を専用のバスクリーナーで磨き落とす(剪定)』ことで、スタンピードを防ぎつつ、資源が枯渇しないように自動で水質環境を管理する対策が必要なんだ!」
「社長の仰る通りです。ダンジョンの『剪定』と『持続可能な資源管理』……まさに我が社の理念の集大成ですね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「現在、世界で最も危険な水質汚染と有毒汚泥の震源地として警戒されているのが、その『水魔と汚泥の深淵迷宮』です。内部は完全に水・猛毒属性の魔物が飽和状態にあり、いつ致死の汚泥爆発と濁流のスタンピードが決壊してもおかしくない状況。しかし、あの迷宮は世界中に極上の『特級水魔法石』や、生命を育む『最高級の純粋な水源』を提供する『重要な水質・資源設備』でもあります。潰さずに適正な排水と防汚環境に剪定する『定期メンテナンス業務』に最適の現場と言えるでしょう」
「その通り! だから今日は、お風呂場に限界まで溜まったガンコなヘドロと水垢の魔物をしっかり分解・磨き落としして、安全でピカピカな水回りの状態に剪定するよ! まずは専用の『事象溶解の神仙パイプクリーナー』をドロドロの排水溝に注ぎ込んで、詰まったヘドロと髪の毛を根こそぎ溶かす。そして、壁にこびりついたしつこい水垢は『事象研磨の神仙バスクリーナー』とスポンジで、キュッキュッ!と綺麗に磨き上げるんだ。もちろん、資源が枯渇しないように、有用な特級水魔法石や良質な純水成分は『因果抽出のふるいネット』でしっかり残して回収する。最後に詰まったコアを『最新式・自動水質調整・防汚コーティング機能付き神仙エコ・バスコントローラー』にリフォームして、物理的に二度と配管の詰まりや水垢が発生せず、かつ適度な極上の水源を永遠に生み出し続ける完璧なインフラにリセットしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。排水溝にこびりついた鬱陶しいヘドロ魔獣ども(汚泥の群れ)の粉砕と、水の流れを乱している無駄な髪の毛の塊の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用の配管ブラシとスクレーパーで一つ残さず削り落とし、完璧な『下地処理(汚れ落としと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型の配管ブラシのように構えて不敵に笑う。
「ええ。ダンジョン内に漂う危険なドブの臭いや異常な湿気(※致死の環境)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・脱臭魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、安全に風呂掃除ができる爽やかな環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、飛び散る汚泥や水垢の残骸が、外の世界やご近所の脱衣所を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、ダンジョンの入り口と周囲に完璧なマスカー養生と防汚・汚水漏洩防止シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! お風呂場のメンテナンスは足元が滑りやすいし、カビやヘドロが跳ねるから、しっかり防汚・防水養生をして安全第一で作業しようね!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(致死の猛毒汚泥と濁流を完全に弾く特製風呂清掃用・完全防水エプロンと長靴、ゴム手袋)に着替え、手には巨大な「事象溶解の神仙パイプクリーナー」と「事象研磨の神仙バスクリーナー」、プロ仕様の「因果抽出の神仙ふるいネット」、そして「絶対浄化の神仙エコ・バスコントローラー」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『水回り・配管メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの有毒洪水とスタンピードの悩みを解決するために、邪魔なヘドロと水垢を『剪定』して、枯渇しない優良なクリーン水源・配管インフラにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、水回り清掃仕様に改造された魔導サービスカー(強力な高圧洗浄機とバキューム搭載)に乗り込み、空間が視界を遮るほどの激しい猛毒の汚泥と無数のヘドロ魔獣で溢れかえっている次元の迷宮『水魔と汚泥の深淵迷宮』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、次元の迷宮『水魔と汚泥の深淵迷宮』の内部。
そこは、長年の放置により凶悪な濁流竜や異常な悪臭を撒き散らすヘドロ魔獣が異常繁殖し、空間を覆い尽くすほどにひしめき合う、文字通りの猛毒と汚泥の地獄であった。迷宮のコアから溢れ出す無尽蔵の汚水と毒素が魔物たちを際限なく凶暴化させ、今まさに外の世界へと溢れ出そうと(猛毒汚泥のスタンピードを起こそうと)している、世界滅亡のカウントダウンの最中である。
「ボゴボゴボゴッ!! 我ら汚泥の軍勢よ! 溜まりに溜まったこの数億トンの猛毒ヘドロと濁流の怒りを、今こそ地上へ解き放つ時が来た! 全ての文明を悪臭に沈め、この世界を我らの新たなドブ川(迷宮)と変えてくれるわ!」
迷宮の最深部で、無数の水属性・毒属性魔獣たちを統べる超巨大な『汚泥と水魔の濁流竜』が、傲慢な水音の咆哮と共に猛烈な有毒汚泥と鋭い水圧カッターを乱射していた。
「さあ、飲み込め! 地上の脆弱な防壁など、我らの圧倒的な汚水と異常水圧の前には一瞬で腐食し崩れ去る! スタンピードの恐怖を――」
――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!
濁流竜がスタンピードの号令をかけようとしたその瞬間、猛烈な汚水が吹き荒れるダンジョンの入り口付近に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の汚泥の群れをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。
そして、作業車のドアから、巨大なパイプクリーナーとバスクリーナーを持った青年の明るくも呆れた声が、魔物たちの耳障りな濁流音を完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! お風呂場のガンコな排水溝の詰まりと壁にこびりつく水垢さん(魔物たち)、定期的な配管洗浄と磨き落としの間引き作業(剪定)に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい排水溝のドロドロっぷりと、外にまで汚水を逆流させようとしてるタチの悪い配管詰まり(スタンピード寸前)だね! 定期メンテナンスをサボってこんなにヘドロと水垢を溜め込むなんて、水質管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にクリーナーでの溶解と、自動水質調整機能付きエコ・コントローラーへのリフォームのしがいがあるや!」
アルドは、防水エプロンをキュッと締め直しつつ、プロの清掃業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対ノ深淵迷宮ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ! 我ガ猛毒ノ濁流デ、一瞬ニシテ溶カシテクレルワ!」
濁流竜が驚愕の汚泥ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・間引き用具(兵器)」を手にして、汚水の渦巻く地面へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい空間に湧いたヘドロ魔獣ども(汚泥の群れ)の粉砕と、水の流れを乱している無駄な水垢の解体・撤去は、俺にお任せを。邪魔な障害物を専用の配管ブラシとスクレーパーで一つ残さず削り落とし、完璧な『下地処理(汚れ落としと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の迷宮の中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ最凶ノ汚泥軍勢ヲ『風呂のヘドロと水垢』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ汚水ト猛毒ノ群レデ、貴様ラヲ永遠ニドブノ底ニ沈メテクレルワ!」
濁流竜の怒号と共に、空間を覆うほどの猛烈な汚泥と狂暴性を纏った魔獣の群れが、一斉にアルドたちに向かって黒い津波のごとく押し寄せてきた。
「うわっ、このガンコなヘドロたち、すっごく凶暴で排水溝の奥に完全に詰まっちゃってる! 放置してたら水が溢れて家が水浸しになって凄く危険だぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の大群を「長年の放置で限界までこびりついたタチの悪いお風呂場のガンコな汚れ」と完全に認識し、神仙パイプクリーナーのボトルをカチャリと構えた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『水回り設備の放置による配管詰まりと悪臭被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は清掃業者として、こいつらを適度に『剪定』して安全で水はけのいいお風呂場にして、ピカピカのエコ配管にするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常のお風呂掃除現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。吹き出す汚泥や溢れ出す悪臭が外の世界を汚染しないよう、私が完璧にダンジョンの入り口と周囲にマスカー養生と防汚・汚水漏洩防止シートを張り巡らせます」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、迷宮の入り口を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――バサッ! ピィィィィンッ!
瞬間、ダンジョンの入り口全体をすっぽりと覆うように強靭な防汚シートのようなカバーが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の水回り清掃作業用・汚水シールド結界』が展開された。これで、致死の有毒洪水やスタンピードの魔物は一滴の汚水たりとも外の世界に漏れ出すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は迷宮が撒き散らすガンコなドブの臭いや異常な湿気(致死の環境)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・脱臭処理いたしますわ」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力脱臭魔法』が、超強力な清浄の風となって周囲の狂気の湿気を包み込み、一気に中和してお風呂場がスッキリと無臭の清潔な空間へと変えた。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を腐食させる猛烈な悪臭は、その浄化の魔法を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でポロポロと崩れ落ちる乾燥したチリへと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただの悪臭や水垢の塊など、ただのスクレーパーのマトだ! そして、邪魔な過剰な魔物どもは俺が綺麗に削り落として水の流れを良くしてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「迷宮過剰繁殖汚泥獣解体水垢落トシ排水確保斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、魔獣同士の「因果の隙間(汚れの層)」を完璧に見切り、まるで汚れたタイルを専用のブラシでゴシゴシッ!と綺麗に削り落とし、本来の清潔な床面を露出させるかのように、シャリィィィン!と見事な手際で余分な魔物を粉砕(剪定)し、迷宮内の安全なエネルギー導線を確保してしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ汚泥軍団ト絶対ノ濁流暴走ガ、タダノ『脱臭魔法』ト『配管ブラシ』ノ前ニ、一瞬デ間引カレテ適正ナ排水状態ニ下ゲラレテイクゥゥッ!?」
濁流竜は、自らの絶望の軍勢がものの数分で「綺麗に間引かれて水垢が落ちたお風呂場」のように整えられ、スタンピードの脅威が完全に消失した光景に、驚愕のあまり巨大な体を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで安全確保と余分な汚れの剪定は完璧だね! あとは、あの一番デカくて排水溝の奥に陣取っている『ガンコな親玉(濁流竜とコア)』に、事象溶解の神仙パイプクリーナーをドボドボッ!と注いで、ガンコなヘドロと髪の毛を完全に溶かす! そして、残った厄介な壁の水垢には『事象研磨の神仙バスクリーナー』とスポンジで、キュッキュッ!と磨いて根こそぎ落とす! その後、ただ綺麗にするだけじゃなくて、資源が枯渇しないように因果抽出のふるいネットで『有用な極上水魔法石』や『良質な純水成分』だけを綺麗に分別して残しつつ回収する! 最後に絶対浄化の神仙エコ・バスコントローラーをコアにガチャン!と取り付けて、二度と配管の詰まりや水垢が発生せず、永遠に一定の安全な水源を生み出し続けるように自動調整するだけだ!」
アルドは、特製『事象溶解の神仙パイプクリーナー』と『神仙バスクリーナー』を濁流竜の巨大な本体(次元の配管詰まりの中核)へと向けて構え、防水ゴム手袋でしっかりと握りしめて突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙パイプクリーナーは星の因果の過剰な汚泥を物理的に溶解して安全な水流に整える絶対事象剪定ツールであり、神仙バスクリーナーとエコ・バスコントローラーは大宇宙のいかなる次元の水魔迷宮やスタンピードすらも、物理的に『不要な汚れを間引いて溶かし、必要な資源だけを抽出し、水質・配管効率を空間ごと最適化する』だけで完璧に無害化し、極上の安全な水回り環境を枯渇させずに取り戻す『究極の持続可能メンテナンスツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ平穏ヲ汚泥ニ帰ス『終焉ノ絶対濁流』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノヘドロニ飲ミ込ンデクレルワ!」
濁流竜が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを蹂躙する超巨大な猛毒洪水の波を放ってきた。
「うわっ! 奥の方から、すっごく強烈でタチの悪い巨大なヘドロの塊と水垢がせり出してきた! でも、この特製クリーナーとスポンジの前には、どんなにガンコな汚れも一発で綺麗に溶かされて、スッキリと水が流れる安全なお風呂場になるんだ!」
アルドが濁流竜の巨大な洪水暴走(世界の配管詰まりの中心)に向けて、事象溶解の神仙パイプクリーナーを「ドボドボッ!!」と注ぎ込み、続けて事象研磨の神仙バスクリーナーを吹きかけ、スポンジで「キュッキュッ!!」と力強く磨き上げる。事象の濁流の暴走(迷宮の魔力圏)が、強烈な物理的溶解と研磨パワーによって面白いようにシュワシュワと無害化され、そこにアルドがスポンジを滑らせ続けると、強烈な猛毒を持っていた呪いは瞬く間に無臭の安全な純水となって排水溝に吸い込まれ、心地よい水音と共に透明な輝きを取り戻していく。魔界のどんな猛毒の大洪水も、神仙のメンテナンス力の前にはただのクリーナーで落ちるヘドロと水垢となって分解され、濁流竜はあれよあれよという間に、ピカピカに清掃された無害な特注の高級ユニットバスの排水口のような姿へと整えられていく。
同時に、アルドは因果抽出のふるいネットをバサァッ!と広げ、清掃されて崩れ落ちた魔物の残骸から、有用な極上水魔法石や世界を潤す良質な純水成分だけを「シャカシャカッ!」と綺麗に分別し、資源が枯渇しないように適切な量を迷宮に残しつつ、余剰分を収穫用コンテナへと回収していく。
完全にスタンピードの危険が消滅した直後、アルドは迷宮の最深部にある心臓部に、絶対浄化の神仙エコ・バスコントローラーを「ガチャン!」とはめ込み、ダイヤルを回して設定を『自動水質管理・適度な純水供給・防汚コーティングモード』に合わせる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に安全基準でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対にヘドロや水垢が発生せず、いつでも極上の純水と安定した排水を生み出す、最新式自動水質調整機能付き給湯器のように管理されたクリーン水源インフラへと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶大洪水ガ、タダノパイプクリーナーデ一瞬デ溶カサレ、スポンジデ水垢モ綺麗ニ磨キ落トサレ、エコ・コントローラーデ一ミリモ残ラズ配管ヲ詰マラセナクナッタだトォォォッ!? シカモ、私ノ命(水毒マナ)ガ完全ニ枯渇スルコトナク、心地ヨイ水流デ永遠ニ満タサレ続ケルヨウニ調整サレテイル……!?」
「よし、ガンコな排水溝のヘドロと壁の水垢は完全に剪定されて水はけが良くなって、スタンピードの危険もゼロですっごく安全な水質管理設備になったぞ! 枯渇しないように資源の残量もバッチリ管理したからね! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域水質コントロール&無限クリーン水源システム』を稼働させて……あ、そうだ。この迷宮の親玉、綺麗に点検してコントローラーをつけたら、凄く強力で絶対に猛毒洪水を起こさず、定期的に水魔法石や極上の純水をドロップしてくれる、巨大な全自動の広域水質コントロール・無限クリーン水源インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、有害な汚泥暴走を完全に防ぎつつ、代わりに極上のクリーンな純水と無限の安全な水魔法石だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域浄水・無限クリーン配管インフラ』にできそうだよ!」
アルドが迷宮のコアに施した専用の自動調整ユニットを操作し、事象調律のスイッチを「24時間自動水質調整・超エコ防汚・極上純水生産モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な生産施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた迷宮の禍々しい狂気と過剰な水マナは、瞬く間に安全でクリーンな水源エネルギーと無限の安全装置へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ汚泥ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【安全ニ純水ト魔法石オ供給スル為ノ最新ノ自動水質調整機能付キ・エコ給湯器】ノヨウニ……!? イヤ、コントローラーオ設定サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安全管理力ト、極上ノ水源供給環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ汚染サセルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノクリーンナ水ト極上ノ潤イオ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン浄水プラント」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』
かつて世界を脅かした深淵迷宮とスタンピードの化身は、アルドの「お風呂場のガンコな水垢と排水溝のヘドロ掃除(剪定)作業」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を腐食させる禍々しい狂気の汚泥は、気がつけば「世界の水質・配管環境を美しく輝く巨大な安全施設に変え、どんな有毒洪水の暴走も一瞬で無害化し、極上の純水と水魔法石を枯渇することなく24時間安定供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域水質コントロール・無限クリーン水源インフラ(見た目は巨大でピカピカに磨かれた純白の最新式ユニットバスと浄水プラント)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌なスタンピードと猛毒洪水のリスクは片付いて、しかも資源が枯渇しないすっごく綺麗で安全な持続可能バッチリな水質施設になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが魔物のヘドロや悪臭を気にせずに、どんな時でも安心な家で気持ちよくお風呂に入れるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な生活基盤とピカピカのお風呂を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドがスポンジを片付けて額の汗を拭うと、迷宮を覆っていたドス黒い汚泥は一瞬にして晴れ渡り、防汚・汚水漏洩防止シートが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式水回り設備と、澄み切った無臭の空間が広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮と『剪定』でした、社長。我が社の広域水質コントロール・クリーン水源システムは、これより大陸全土の迷宮維持・配管管理基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。枯渇を防ぐための深淵迷宮からの定期水道料金の自動引き落とし設定も完了いたしました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、ダンジョンの視察に同行していた勇者パーティが「俺たちが昔、全身を猛毒のヘドロでドロドロにされながら潜ってた汚泥のダンジョンが、完全にオートメーション化された巨大な無人浄水場と高級住宅のお風呂場みたいになってる……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。
「これからは、どんなヘドロ魔物やガンコな水垢の兆候が出ようが、社長の作業前に俺が全部『余分な汚れごと配管ブラシで粉砕』して適度に剪定してやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで世界中の次元防衛・水道インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに極めて簡素な文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。水魔迷宮。風呂掃除と排水溝の詰まり抜き(スタンピード及び枯渇対策の剪定)完了。全自動水質浄化・水源インフラ化。異常なし。以上。』
ゾルタンはもはや数秒で記録を終えた。世界を滅ぼす深淵迷宮のスタンピードが現れようとも、社長の前では「お風呂場の排水溝が詰まってきたための定期的な配管掃除」という、家事のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす迷宮の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の設備メンテナンス業務として処理されているのである。
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、水魔迷宮すらもピカピカの最新式浄水システムの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、お風呂掃除お疲れ様! 今日の3時のおやつは、回収した極上の純水で作った、口の中でスッと消える『特製・大精霊のぷるぷる水信玄餅〜星屑の黒蜜きな粉を添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げる水信玄餅は、ことのほか純水の透明感と黒蜜の甘みが、不老不死に近づいた五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただのお風呂場のガンコな水垢と排水溝のヘドロ掃除(剪定)作業」は、世界滅亡の有毒汚泥スタンピードの危機をただの水回り・配管メンテナンスとして解決し、資源を枯渇させることなく迷宮の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域水質コントロール・無限クリーン水源インフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界中の次元迷宮防衛と資源インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常の持続可能なメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜
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