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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第248話:ただの電子レンジのガンコな油汚れと焦げ付き落とし(剪定)と、灼熱と雷電の電磁迷宮の強制全自動広域加熱・無限クリーン魔力波インフラ化

第248話:ただの電子レンジのガンコな油汚れと焦げ付き落とし(剪定)と、灼熱と雷電の電磁迷宮の強制全自動広域加熱・無限クリーン魔力波インフラ化(総合ライフサポート企業の厨房家電・電磁波メンテナンス業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 庭先では、秋の深まりを感じさせる涼やかな風が吹き抜ける中、すっかり常連の大家さん候補として定着した勇者パーティの面々と、大公レオハルトが、温かいお茶をすすりながら自らの体に起きている奇妙な現象について顔を見合わせていた。

「……なあ。最近、俺の体がどうもおかしいんだ。魔王軍の残党を討伐するために三日三晩、山脈を越えて剣を振り続けても、息ひとつ上がらない。それどころか、傷を負っても血が一滴出る前に塞がり、かつてないほどに魔力が全身の細胞から無限に湧き上がってくるんだ」

 勇者が、己の引き締まった腕を見つめて首を傾げた。彼の肉体は歴戦の傷跡が綺麗に消え去り、まるで神々が鍛え上げた彫像のようにツヤツヤと輝き、底なしの生命力が溢れ出している。

「私もですわ。徹夜で領地の魔導インフラ整備の決裁書を何千枚と処理しても、目の疲れはおろか肩こりすら一切ありませんの。先日など、うっかり暗殺者の放った猛毒の矢を素手で掴んでしまったのですが、矢のほうが浄化されてただの木の枝になってしまいました」

 大公レオハルトが驚きと共に頷く。

 縁側で丸くなっている神竜ポチと星狼シロに目を向けると、彼らの毛並みはただ艶やかという次元を越え、大宇宙のいかなる物理・魔法法則すらも完全に弾き返す『神話級の絶対防壁』のような神秘の輝きを放ちながら、ただの犬猫のように無防備に腹を見せて寝転がっている。彼らが心地よさそうに寝息を立てるだけで、周囲の空間の魔素が極限まで浄化され、万病を癒す超高濃度のパワースポットと化しているのだ。

 その光景を見て、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)】の元・大賢者ゾルタンが、縁側に腰掛けながら静かに推測を口にした。

「……おそらく、社長アルドの力が影響しているのだろう。社長は『全知全能の神仙』そのもの。そんな彼が、我々社員や大家の面々、そしてペットの魔物たちと『これからもずっと一緒に、楽しく賑やかに暮らしたい。誰も欠けてほしくない』と無意識に願った結果、我々に社長の『不老不死に近い力』が少しずつ分け与えられているのだ」

「な、なんと……! 我々の体調が異常なまでに絶好調なのも、肉体が完全な不老の状態へと自動アップデートされ続けているのも、全ては……」

「左様。社長が寂しくならないように、そしてこの平穏な日常が永遠に続くように、世界が我々の体を『不老不死』に近い状態へと書き換えているのだ。老いはなくなり、寿命という概念すら消滅し、細胞の一つ一つが宇宙の真理に直結している。全ては、我が黄昏の守護者の最高の手厚い福利厚生というわけさ」

 ゾルタンの言葉に、一同はアルドの底知れぬ愛と規格外の力に戦慄しながらも、深い安堵と温かい絆を感じて微笑み合った。

 そんな穏やかな閑話が交わされる中、日々のメンテナンス業務と家事への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、香ばしく脂が弾ける音と、炊きたての白米の暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる、朝から活力をチャージする『幻獣鮭の極厚ハラス焼き〜大精霊の森のふっくら大根おろしを添えて〜と、天界キノコとほうれん草の具沢山味噌汁』だ! まずは、脂が限界まで乗った幻獣鮭の希少なハラスを、神仙の炭火で皮目はパリッと、身はフワフワになるまで絶妙な火加減で焼き上げる。そこに、大精霊の森で採れた瑞々しい大根をふんわりとおろし、特製の神仙醤油をたらりと垂らすんだ! その横で、天界キノコから溢れ出す濃厚な出汁と、幻獣大豆の熟成味噌で作った熱々の具沢山味噌汁を用意する。炊きたての神仙米と一緒に食べると最高なんだよ。……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、圧倒的な香ばしさを放つ特大の和食膳をダイニングテーブルに運ぶと、不老の話題で盛り上がっていた勇者たちや魔物たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣鮭の圧倒的なオメガ3脂肪酸と極上の脂が全身の魔力回路を限界突破させ、大根おろしの消化酵素が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、不老不死に近づきつつある体にさらなる多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の和風ブレックファスト』である。

「うむ……! この極厚のハラスに箸を入れ、ご飯と共に口に運んだ瞬間に広がる、皮のパリッとした食感と、身から溢れ出す暴力的なまでの脂の甘みのビッグバン! さっぱりとした大根おろしと醤油が鮭の脂を完璧に引き立て、すかさずキノコの味噌汁をすすれば、芳醇な出汁の香りが口の中を最高にリセットしてくれる! 美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 全身の細胞が歓喜の声を上げて芯から温まるこの多幸感、我が最高福利厚生責任者の職務が、王都の超高級料亭で至福の朝食を貪る大貴族のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 サタナスが、お椀を持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて極上の朝食に感涙して咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上緑茶が振る舞われた後。

 アルドは、キッチンの棚に置かれた電子レンジの扉を開けたまま、真剣な表情で首を傾げた。

「……ねえ。今朝、作り置きのおかずを温めようと思って電子レンジを使ったら、庫内に『タチの悪いガンコな油跳ねと焦げ付き』がビッシリこびりついてて、温めムラができるし、中から『バチバチッ!』って嫌な放電音がするんだよね。おまけに、焦げた嫌なニオイが染み付いちゃってる。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが世界に多大な熱エネルギーと極上の魔力波を供給している『灼熱と雷電の電磁迷宮』の仕業だってわかる。長年の放置で内部の雷炎竜や電磁魔獣が異常繁殖してマイクロ波が飽和状態になり、電子レンジ(ダンジョン)がガンコな油汚れと焦げ付きでビッシリになって、発火と大爆発のスタンピード寸前になってるみたいだ」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドは、世界の理を「生活設備のメンテナンス」として完璧に把握している。

「みんな、聞いて。ダンジョン(電磁・加熱設備)って、冷めたご飯を温めたり、世界中の通信や加熱に必要な魔力波(マイクロ波)を供給してくれる凄く大事な生活インフラだよね。だから、危険だからって完全にコンクリートで塞いじゃうと、温かいご飯が食べられなくなるし、魔力波の資源が枯渇しちゃうんだ。でも、放置しすぎると油汚れや焦げ(魔物)が大量発生して、異常加熱で発火してスタンピード(致死の電磁爆発と大火災)を起こしてしまう。だからこそ、定期的に危険な場所から優先して『庫内の油汚れを専用のクリーナーで分解し、焦げ付きをマイクロファイバークロスで拭き取る(剪定)』ことで、スタンピードを防ぎつつ、資源が枯渇しないように自動で加熱環境を管理する対策が必要なんだ!」

「社長の仰る通りです。ダンジョンの『剪定』と『持続可能な資源管理』……まさに我が社の理念の集大成ですね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「現在、世界で最も危険な異常発熱と電磁波障害の震源地として警戒されているのが、その『灼熱と雷電の電磁迷宮』です。内部は完全に炎・雷電属性の魔物が飽和状態にあり、いつ致死のプラズマ爆発と異常電磁波のスタンピードが決壊してもおかしくない状況。しかし、あの迷宮は世界中に極上の『特級炎雷魔法石』や、調理や通信に欠かせない『最高級のクリーン魔力波』を提供する『重要な加熱・通信設備』でもあります。潰さずに適正な出力と防汚環境に剪定する『定期メンテナンス業務』に最適の現場と言えるでしょう」

「その通り! だから今日は、電子レンジに限界まで溜まったガンコな油汚れと焦げ付きの魔物をしっかり分解・拭き取りして、安全でニオイのない庫内の状態に剪定するよ! まずは専用の『事象分解の神仙レンジクリーナー』をシュッシュッ!と吹きかけて、こびりついた油をドロドロに溶かす。そして、しつこい焦げ付きは『事象拭き取りの神仙マイクロファイバークロス』で、キュッキュッ!と綺麗に拭き上げるんだ。もちろん、資源が枯渇しないように、有用な特級炎雷魔法石や良質な魔力波成分は『因果抽出のふるいネット』でしっかり残して回収する。最後に詰まったコアを『最新式・自動出力調整・防汚コーティング機能付き神仙エコ・レンジコントローラー』にリフォームして、物理的に二度と油跳ねや発火が発生せず、かつ適度な極上の加熱を永遠に生み出し続ける完璧なインフラにリセットしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。庫内にこびりついた鬱陶しい電磁魔獣ども(油汚れの群れ)の粉砕と、魔力波を乱している無駄な焦げ付きの解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のスクレーパーと耐熱スポンジで一つ残さず削り落とし、完璧な『下地処理(汚れ落としと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧を大型のスクレーパーのように構えて不敵に笑う。

「ええ。ダンジョン内に漂う危険な焦げ臭さや異常な放電現象(※致死の環境)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・脱臭魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、安全に庫内掃除ができるクリアな環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、飛び散るプラズマや油の残骸が、外の世界やご近所の壁を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、ダンジョンの入り口と周囲に完璧なマスカー養生と防汚・電磁波漏洩防止シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 電子レンジのメンテナンスは電磁波が漏れると危険だし、油がこびりついているから、しっかり防汚・電磁波シールド養生をして安全第一で作業しようね!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(致死の電磁爆発と超高温を完全に弾く特製家電清掃用・完全絶縁エプロンとゴーグル、耐熱ゴム手袋)に着替え、手には巨大な「事象分解の神仙レンジクリーナー」と「事象拭き取りの神仙マイクロファイバークロス」、プロ仕様の「因果抽出の神仙ふるいネット」、そして「絶対加熱の神仙エコ・レンジコントローラー」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『厨房家電・電磁波メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの発火被害とスタンピードの悩みを解決するために、邪魔な油汚れと焦げ付きを『剪定』して、枯渇しない優良なクリーン加熱・通信インフラにリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、家電清掃仕様に改造された魔導サービスカー(強力な絶縁コーティングと高圧スチーム搭載)に乗り込み、空間が視界を遮るほどの激しいプラズマと無数の電磁魔獣で溢れかえっている次元の迷宮『灼熱と雷電の電磁迷宮』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、次元の迷宮『灼熱と雷電の電磁迷宮』の内部。

 そこは、長年の放置により凶悪な雷炎竜や異常放電を撒き散らす魔獣が異常繁殖し、空間を覆い尽くすほどにひしめき合う、文字通りの灼熱と雷電の地獄であった。迷宮のコアから溢れ出す無尽蔵のマイクロ波と熱エネルギーが魔物たちを際限なく凶暴化させ、今まさに外の世界へと溢れ出そうと(プラズマ爆発と異常発火のスタンピードを起こそうと)している、世界滅亡のカウントダウンの最中である。

「バリバリバチィッ!! 我ら電磁の軍勢よ! 溜まりに溜まったこの数億ボルトの雷電と灼熱の怒りを、今こそ地上へ解き放つ時が来た! 全ての文明を黒焦げにし、この世界を我らの新たなプラズマの海(迷宮)と変えてくれるわ!」

 迷宮の最深部で、無数の雷属性・炎属性魔獣たちを統べる超巨大な『電磁と灼熱の雷炎竜マイクロウェーブ・ドラゴン』が、傲慢な放電音の咆哮と共に猛烈なプラズマと鋭い熱線を乱射していた。

「さあ、焼き尽くせ! 地上の脆弱な防壁など、我らの圧倒的な電磁波と異常発熱の前には一瞬で発火し灰と化す! スタンピードの恐怖を――」

 ――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!

 雷炎竜がスタンピードの号令をかけようとしたその瞬間、猛烈なプラズマが吹き荒れるダンジョンの入り口付近に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の雷炎の群れをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、作業車のドアから、巨大なレンジクリーナーとマイクロファイバークロスを持った青年の明るくも呆れた声が、魔物たちの耳障りな放電音を完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 電子レンジのガンコな油跳ねと庫内にこびりつく焦げ付きさん(魔物たち)、定期的な拭き取りと脱臭の間引き作業(剪定)に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい庫内のベタベタっぷりと、外にまで電磁波を撒き散らそうとしてるタチの悪い異常発火(スタンピード寸前)だね! 定期メンテナンスをサボってこんなに汚れと焦げを溜め込むなんて、家電管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にクリーナーでの分解と、自動出力調整機能付きエコ・コントローラーへのリフォームのしがいがあるや!」

 アルドは、絶縁ゴーグルの位置をカチリと直しつつ、プロの清掃業者としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対ノ電磁迷宮ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ! 我ガ灼熱ノプラズマデ、一瞬ニシテ炭クズニシテクレルワ!」

 雷炎竜が驚愕のプラズマブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・間引き用具(兵器)」を手にして、雷光の渦巻く地面へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい空間に湧いた電磁魔獣ども(油汚れの群れ)の粉砕と、魔力波を乱している無駄な焦げの解体・撤去は、俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のスクレーパーと耐熱スポンジで一つ残さず削り落とし、完璧な『下地処理(汚れ落としと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の迷宮の中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ最凶ノ雷炎軍勢ヲ『レンジの油汚れと焦げ』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガプラズマト熱線ノ群レデ、貴様ラヲ永遠ニ灰燼ノ底ニ沈メテクレルワ!」

 雷炎竜の怒号と共に、空間を覆うほどの猛烈な電磁波と狂暴性を纏った魔獣の群れが、一斉にアルドたちに向かってプラズマの津波のごとく押し寄せてきた。

「うわっ、このガンコな油汚れたち、すっごく凶暴で庫内の壁面に完全に張り付いちゃってる! 放置してたらマイクロ波が集中して発火して凄く危険だぞ!」

 アルドは、迫り来る魔獣の大群を「長年の放置で限界までこびりついたタチの悪いレンジのガンコな汚れ」と完全に認識し、神仙レンジクリーナーをカチャリと構えた。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『加熱設備の放置による油汚れ発生と発火被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は清掃業者として、こいつらを適度に『剪定』して安全でクリアな庫内にして、ピカピカのエコレンジにするだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の電子レンジ清掃現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。吹き出すプラズマや溢れ出す油が外の世界を汚染しないよう、私が完璧にダンジョンの入り口と周囲にマスカー養生と防汚・電磁波漏洩防止シートを張り巡らせます」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、迷宮の入り口を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――バサッ! ピィィィィンッ!

 瞬間、ダンジョンの入り口全体をすっぽりと覆うように強靭な防汚シートのようなカバーが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の家電清掃作業用・電磁波シールド結界』が展開された。これで、致死のプラズマ爆発やスタンピードの魔物は一筋の電磁波たりとも外の世界に漏れ出すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は迷宮が撒き散らすガンコな焦げ臭さや異常な放電(致死の環境)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・脱臭処理いたしますわ」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力脱臭魔法』が、超強力な清浄の風となって周囲の狂気のプラズマを包み込み、一気に中和して庫内がスッキリと無臭の清潔な空間へと変えた。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を炭化させる猛烈な焦げ臭さは、その浄化の魔法を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でポロポロと崩れ落ちる乾燥した焦げカスへと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただの焦げや油汚れの塊など、ただのスクレーパーのマトだ! そして、邪魔な過剰な魔物どもは俺が綺麗に削り落として魔力波を安定させてやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「迷宮過剰繁殖雷炎獣解体油汚レ落トシ出力安定斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、魔獣同士の「因果の隙間(焦げの層)」を完璧に見切り、まるで汚れたターンテーブルを専用のスクレーパーでガリガリッ!と綺麗に削り落とし、本来の清潔なガラス面を露出させるかのように、シャリィィィン!と見事な手際で余分な魔物を粉砕(剪定)し、迷宮内の安全なエネルギー導線を確保してしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ雷炎軍団ト絶対ノプラズマ暴走ガ、タダノ『脱臭魔法』ト『スクレーパー』ノ前ニ、一瞬デ間引カレテ適正ナ出力状態ニ下ゲラレテイクゥゥッ!?」

 雷炎竜は、自らの絶望の軍勢がものの数分で「綺麗に間引かれて焦げが落ちた電子レンジ」のように整えられ、スタンピードの脅威が完全に消失した光景に、驚愕のあまり巨大な体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげで安全確保と余分な汚れの剪定は完璧だね! あとは、あの一番デカくて庫内の壁に陣取っている『ガンコな親玉(雷炎竜とコア)』の周りに、事象分解の神仙レンジクリーナーをシュッシュッ!と吹きかけて、ガンコな油の塊を完全にドロドロに溶かす! そして、残った厄介な焦げ付きには『事象拭き取りの神仙マイクロファイバークロス』をキュッキュッ!と滑らせて、根こそぎ拭き取る! その後、ただ綺麗にするだけじゃなくて、資源が枯渇しないように因果抽出のふるいネットで『有用な極上炎雷魔法石』や『良質な魔力波成分』だけを綺麗に分別して残しつつ回収する! 最後に絶対加熱の神仙エコ・レンジコントローラーをコアにガチャン!と取り付けて、二度と油跳ねや発火が発生せず、永遠に一定の安全な加熱を生み出し続けるように自動調整するだけだ!」

 アルドは、特製『事象分解の神仙レンジクリーナー』と『神仙マイクロファイバークロス』を雷炎竜の巨大な本体(次元の異常発熱の中核)へと向けて構え、絶縁ゴム手袋でしっかりと握りしめて突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙レンジクリーナーは星の因果の過剰なプラズマを物理的に分解して安全な魔力波に整える絶対事象剪定ツールであり、神仙クロスとエコ・レンジコントローラーは大宇宙のいかなる次元の電磁迷宮やスタンピードすらも、物理的に『不要な汚れを間引いて拭き取り、必要な資源だけを抽出し、加熱・通信効率を空間ごと最適化する』だけで完璧に無害化し、極上の安全な家電環境を枯渇させずに取り戻す『究極の持続可能メンテナンスツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ平穏ヲ発火ニ帰ス『終焉ノ絶対黒焦ゲ(アビス・オーバーヒート)』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノプラズマニ飲ミ込ンデクレルワ!」

 雷炎竜が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを蹂躙する超巨大な異常発熱の波を放ってきた。

「うわっ! 奥の方から、すっごく強烈でタチの悪い巨大な油の塊と焦げ付きがせり出してきた! でも、この特製クリーナーとクロスの前には、どんなにガンコな汚れも一発で綺麗に拭き取られて、スッキリとニオイのない安全な電子レンジになるんだ!」

 アルドが雷炎竜の巨大な発火暴走(世界の異常発熱の中心)に向けて、事象分解の神仙レンジクリーナーを「シュッシュッ!!」と吹きかけ、続けて事象拭き取りの神仙マイクロファイバークロスを「キュッキュッ!!」と力強く滑らせる。事象のプラズマの暴走(迷宮の魔力圏)が、強烈な物理的分解と拭き取りパワーによって面白いようにシュワシュワと無害化され、そこにアルドがクロスを滑らせ続けると、強烈な熱線を持っていた呪いは瞬く間に無臭の安全な油汚れとなって拭き取られ、心地よい加熱音と共に透明な輝きを取り戻していく。魔界のどんな猛毒の大爆発も、神仙のメンテナンス力の前にはただのクロスで落ちる油跳ねと焦げとなって分解され、雷炎竜はあれよあれよという間に、ピカピカに清掃された無害な特注の高級オーブンレンジの庫内壁面のような姿へと整えられていく。

 同時に、アルドは因果抽出のふるいネットをバサァッ!と広げ、清掃されて崩れ落ちた魔物の残骸から、有用な極上炎雷魔法石や世界を豊かにする良質な魔力波成分だけを「シャカシャカッ!」と綺麗に分別し、資源が枯渇しないように適切な量を迷宮に残しつつ、余剰分を収穫用コンテナへと回収していく。

 完全にスタンピードの危険が消滅した直後、アルドは迷宮の最深部にある心臓部ダンジョンコアに、絶対加熱の神仙エコ・レンジコントローラーを「ガチャン!」とはめ込み、ダイヤルを回して設定を『自動出力管理・適度な加熱・防汚コーティングモード』に合わせる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に安全基準でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対に油跳ねや発火が発生せず、いつでも極上の魔力波と安定した加熱を生み出す、最新式自動出力調整機能付き電子レンジのように管理されたクリーン加熱インフラへと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶大発火ガ、タダノクリーナーデ一瞬デ分解サレ、クロスデ焦ゲモ綺麗ニ拭キ取ラレ、エコ・コントローラーデ一ミリモ残ラズ異常発熱ヲ起コセナクナッタだトォォォッ!? シカモ、私ノ命(雷炎マナ)ガ完全ニ枯渇スルコトナク、心地ヨイ出力デ永遠ニ満タサレ続ケルヨウニ調整サレテイル……!?」

「よし、ガンコな電子レンジの油汚れと焦げ付きは完全に剪定されて魔力波が安定して、スタンピードの危険もゼロですっごく安全な加熱設備になったぞ! 枯渇しないように資源の残量もバッチリ管理したからね! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域加熱コントロール&無限クリーン魔力波システム』を稼働させて……あ、そうだ。この迷宮の親玉、綺麗に点検してコントローラーをつけたら、凄く強力で絶対にプラズマ爆発を起こさず、定期的に魔法石や極上の魔力波をドロップしてくれる、巨大な全自動の広域加熱コントロール・無限クリーン魔力波インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、有害な発火暴走を完全に防ぎつつ、代わりに極上のクリーンな加熱と無限の安全な魔力波だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域加熱・無限クリーン通信インフラ』にできそうだよ!」

 アルドが迷宮のコアに施した専用の自動調整ユニットを操作し、事象調律のスイッチを「24時間自動出力調整・超エコ防汚・極上マイクロ波生産モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な生産施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた迷宮の禍々しい狂気と過剰な炎雷マナは、瞬く間に安全でクリーンな加熱エネルギーと無限の安全装置へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ黒焦ゲニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【安全ニ魔力波ト魔法石オ供給スル為ノ最新ノ自動出力調整機能付キ・エコレンジ】ノヨウニ……!? イヤ、コントローラーオ設定サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安全管理力ト、極上ノ加熱供給環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ発火サセルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノクリーンナ温モト極上ノ魔力波オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン加熱プラント」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 かつて世界を脅かした電磁迷宮とスタンピードの化身は、アルドの「電子レンジのガンコな油汚れと焦げ付き落とし(剪定)作業」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を炭化させる禍々しい狂気のプラズマは、気がつけば「世界の加熱・通信環境を美しく輝く巨大な安全施設に変え、どんな異常発熱の暴走も一瞬で無害化し、極上の魔力波と炎雷魔法石を枯渇することなく24時間安定供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域加熱コントロール・無限クリーン魔力波インフラ(見た目は巨大でピカピカに磨かれた純白の最新式オーブンレンジと通信プラント)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌なスタンピードと異常発火のリスクは片付いて、しかも資源が枯渇しないすっごく綺麗で安全な持続可能バッチリな加熱施設になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが魔物の油跳ねや焦げ臭さを気にせずに、どんな時でも安心な家で温かいご飯が食べられるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な生活基盤とピカピカのレンジを守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドがマイクロファイバークロスを片付けて額の汗を拭うと、迷宮を覆っていたドス黒いプラズマは一瞬にして晴れ渡り、防汚・電磁波漏洩防止シートが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式加熱設備と、澄み切った無臭の空間が広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮と『剪定』でした、社長。我が社の広域加熱コントロール・クリーン魔力波システムは、これより大陸全土の迷宮維持・家電管理基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。枯渇を防ぐための電磁迷宮からの定期通信料金の自動引き落とし設定も完了いたしました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、ダンジョンの視察に同行していた勇者パーティが「俺たちが昔、全身をプラズマで黒焦げにされながら潜ってた雷炎のダンジョンが、完全にオートメーション化された巨大な無人通信塔と高級住宅の電子レンジみたいになってる……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。

「これからは、どんな油汚れ魔物やガンコな焦げ付きの兆候が出ようが、社長の作業前に俺が全部『余分な汚れごとスクレーパーで粉砕』して適度に剪定してやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで世界中の次元防衛・通信インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに極めて簡素な文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。電磁迷宮。電子レンジの油汚れと焦げ付き落とし(スタンピード及び枯渇対策の剪定)完了。全自動加熱コントロール・魔力波インフラ化。異常なし。以上。』

 ゾルタンはもはや数秒で記録を終えた。世界を滅ぼす電磁迷宮のスタンピードが現れようとも、社長の前では「電子レンジが焦げ臭くなったための定期的な庫内掃除」という、家事のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす迷宮の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の設備メンテナンス業務として処理されているのである。

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、電磁迷宮すらもピカピカの最新式レンジシステムの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、家電清掃お疲れ様! 今日の3時のおやつは、綺麗になったレンジでふんわり温めて中からチョコがトロッと溶け出す『特製・大精霊の温感フォンダンショコラ〜星屑のバニラアイスを添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるフォンダンショコラは、ことのほかチョコの濃厚さとアイスの冷たさが、不老不死に近づいた五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただの電子レンジのガンコな油汚れと焦げ付き落とし(剪定)作業」は、世界滅亡のプラズマ爆発スタンピードの危機をただの厨房家電・電磁波メンテナンスとして解決し、資源を枯渇させることなく迷宮の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域加熱コントロール・無限クリーン魔力波インフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界中の次元迷宮防衛と資源インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常の持続可能なメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜

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