表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
241/255

第241話:ただのトイレのガンコな黄ばみ落としと排水パイプの詰まり抜き(剪定)と、猛毒と瘴気の腐海迷宮の強制全自動広域下水処理・無限クリーンバイオ肥料インフラ化

第241話:ただのトイレのガンコな黄ばみ落としと排水パイプの詰まり抜き(剪定)と、猛毒と瘴気の腐海迷宮の強制全自動広域下水処理・無限クリーンバイオ肥料インフラ化(総合ライフサポート企業の水回り・衛生メンテナンス業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 庭先では、夏の強い日差しが降り注ぐ中、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々、そしてすっかり常連の大家さん候補として定着した勇者パーティの面々が、冷たい麦茶を飲みながら、自らの体に起きている奇妙な現象について顔を見合わせていた。

「……なぁ。最近、いくら畑の開墾で汗を流しても、徹夜で魔界の書類仕事を片付けても、全く疲れを感じないどころか、翌朝には魔力も生命力も底なしに湧いてこないか?」

 【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、己の逞しく隆起した腕を見つめて首を傾げた。彼の肌は魔界の瘴気で荒れていたかつての面影はなく、まるで生まれたての赤ん坊のようにツヤツヤと輝いている。

「ええ。実は私も、神核の劣化が完全に止まり、むしろかつて宇宙を創造した時以上の力と若さがみなぎっているのを感じますの。先日など、くしゃみをしただけで次元の壁にヒビが入ってしまい、慌てて修復したほどですわ」

 創造神が驚きと共に頷く。

 足元で日向ぼっこをしている神竜ポチと星狼シロに目を向けると、彼らの毛並みはただ艶やかという次元を越え、大宇宙のいかなる物理・魔法法則すらも完全に弾き返す『神話級の絶対防壁』のような神秘の輝きを放ちながら、ただの犬猫のように無防備に腹を見せて寝転がっている。彼らの寝息一つで、周囲の空間の魔素が浄化され、極上のパワースポットと化しているのだ。

 その光景を見て、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)】の元・大賢者ゾルタンが、静かに推測を口にした。

「……おそらく、社長アルドの力が影響しているのだろう。社長は『全知全能の神仙』そのもの。そんな彼が、我々社員や大家の面々、そしてペットの魔物たちと『これからもずっと一緒に、楽しく賑やかに暮らしたい。誰も欠けてほしくない』と無意識に願った結果、我々に社長の『不老不死に近い力』が少しずつ分け与えられているのだ」

「な、なんと……! 我々の体調が異常なまでに絶好調なのも、戦闘力が毎日限界突破して上がり続けているのも、全ては……」

「左様。社長が寂しくならないように、そしてこの平穏な日常が永遠に続くように、世界が我々の体を『不老』に近い状態へと自動アップデートしているのだ。傷は一瞬で治り、老いはなくなり、寿命という概念すら曖昧になりつつある。全ては、我が黄昏の守護者の最高の手厚い福利厚生というわけさ」

 ゾルタンの言葉に、一同はアルドの底知れぬ愛と規格外の力に戦慄しながらも、深い安堵と温かい絆を感じて微笑み合った。

 そんな穏やかな閑話が交わされる中、日々のメンテナンス業務と家事への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、香ばしい肉の焦げる音と、芳醇な赤ワインとスパイスの暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる、夏を乗り切るスタミナ満点『幻獣鹿の極上ローストベニソン〜大精霊の森の完熟ベリーと赤ワインの特製ソース〜と、世界樹のキノコの芳醇リゾット』だ! まずは、クセがなく赤身の旨味が凝縮された幻獣鹿の厚切りモモ肉を、神仙のハーブソルトとガーリックでしっかり下味をつけ、表面を強火でカリッと焼き上げる。その後、低温のオーブンでじっくり火を通し、美しいロゼ色のミディアムレアに仕上げるんだ! そこに、大精霊の森で採れた甘酸っぱい数種類のベリーと天界の赤ワインを煮詰めた、濃厚でフルーティーな特製ソースを滝のようにかける! その横で、神仙米と世界樹の麓で採れた薫り高いポルチーニ茸を、幻獣牛のブイヨンとたっぷりの神仙チーズで炊き上げたリゾットを添える。……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、圧倒的な肉の香りと甘酸っぱいベリーの香りを放つ特大のプレートをダイニングテーブルに運ぶと、不老の話題で盛り上がっていた創造神たちや魔物たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣鹿の圧倒的な鉄分と高タンパク低脂質な栄養素が全身の魔力回路を限界突破させ、ベリーのポリフェノールとキノコのアミノ酸が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、不老不死に近づきつつある体にさらなる多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高のジビエフルコース』である。

「うむ……! この美しいロゼ色の鹿肉をナイフでスッと切り分け、口に運んだ瞬間に広がる、野性味あふれる肉汁の暴力的なまでの旨味と、ベリーソースの甘酸っぱいビッグバン! 驚くほど柔らかな肉質に、赤ワインの深いコクが完璧に絡み合い、すかさずキノコのリゾットを頬張れば、芳醇な香りとチーズの塩気が口の中を最高にリセットしてくれる! 美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 全身の細胞が歓喜の声を上げるこの多幸感、我が最高福利厚生責任者の職務が、王都の三ツ星フレンチで至福の朝食を貪る大貴族のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 サタナスが、ナイフとフォークを持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて極上のローストベニソンに感涙して咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上ハーブティーが振る舞われた後。

 アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたトイレの個室の前で立ち止まり、ドアを開けて真剣な表情で首を傾げた。

「……ねえ。今朝、トイレの掃除をしようと思って中に入ったら、便器の奥に『タチの悪いガンコな黄ばみと尿石』がビッシリこびりついてて、ブラシで擦っても全然落ちないんだよね。おまけに、排水パイプがドロドロのヘドロで詰まってて、『ゴボボッ』って嫌な音がして水が逆流しそうになってるし、下水みたいな酷いニオイがする。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが世界に多大なバイオ肥料の原料と下水処理機能を供給している『猛毒と瘴気の腐海迷宮』の仕業だってわかる。長年の放置で内部の腐敗魔獣やヘドロスライムが異常繁殖して猛毒が飽和状態になり、トイレ(ダンジョン)がガンコな汚れと詰まりでビッシリになって、大瘴気のスタンピード寸前になってるみたいだ」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドは、世界の理を「生活設備のメンテナンス」として完璧に把握している。

「みんな、聞いて。ダンジョン(衛生設備)って、生活で出た汚れを綺麗に処理したり、植物を育てるための豊かな土壌(バイオ肥料)を供給してくれる凄く大事な生活インフラだよね。だから、汚くて危険だからって完全に壊して塞いじゃうと、世界中がゴミだらけになるし、農業の資源が枯渇しちゃうんだ。でも、放置しすぎると尿石やヘドロ(魔物)が大量発生して、パイプが詰まってスタンピード(致死の猛毒氾濫)を起こしてしまう。だからこそ、定期的に危険な場所から優先して『ガンコな黄ばみを強力洗剤で落とし、パイプの詰まりを専用の道具でスッポンと抜く(剪定)』ことで、スタンピードを防ぎつつ、肥料資源が枯渇しないように自動で衛生管理する対策が必要なんだ!」

「社長の仰る通りです。ダンジョンの『剪定』と『持続可能な資源管理』……まさに我が社の理念の集大成ですね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「現在、世界で最も危険な土壌汚染と猛毒の震源地として警戒されているのが、その『猛毒と瘴気の腐海迷宮』です。内部は完全に毒・腐敗属性の魔物が飽和状態にあり、いつ致死の猛毒沼と瘴気のスタンピードが決壊してもおかしくない状況。しかし、あの迷宮は世界中に希少な『極上毒魔法石』や、世界中の農地を豊かにする『最高級の天然バイオ肥料』を提供する『重要な下水処理・衛生設備』でもあります。潰さずに適正な清潔さと処理能力に剪定する『定期メンテナンス業務』に最適の現場と言えるでしょう」

「その通り! だから今日は、便器の奥に限界まで溜まったガンコな黄ばみとパイプの詰まり(魔物)をしっかり洗い落として、安全で清潔なトイレの状態に剪定するよ! まずは専用の『事象溶解の神仙酸性トイレクリーナー』をドバドバッ!と振りかけて、カチカチの尿石をシュワシュワに溶かし落とす。そして、奥のパイプの詰まりは『事象貫通の神仙ラバーカップ(スッポン)』で、スポッ!バコンッ!と強力な吸引力でヘドロを引き抜くんだ。もちろん、資源が枯渇しないように、有用な毒魔法石や良質な肥料成分は『因果抽出のふるいネット』でしっかり残して回収する。最後に詰まったコアを『最新式・自動洗浄・防臭機能付き神仙エコ・トイレコントローラー』にリフォームして、物理的に二度と汚れがこびりつかず、かつ適度な極上のバイオ肥料を永遠に生み出し続ける完璧なインフラにリセットしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。便器の淵にこびりついた鬱陶しいヘドロスライムども(魔獣の群れ)の粉砕と、水の通り道を塞いでいる無駄な尿石の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用の硬質ブラシとスクレーパーで一つ残さず削り落とし、完璧な『下地処理(黄ばみ落としと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧を大型のトイレブラシのように構えて不敵に笑う。

「ええ。ダンジョン内に漂う危険な猛毒の瘴気や異常な悪臭(※致死の環境)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・消臭魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、安全にトイレ掃除ができる澄み切った環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、飛び散る汚水やヘドロの塊が、外の世界やご近所の床を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、ダンジョンの入り口と周囲に完璧なマスカー養生と防水・汚水飛散防止シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! トイレのメンテナンスは臭いもキツいし汚水が跳ねやすいから、しっかり防水養生と換気をして安全第一で作業しようね!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(致死の猛毒と瘴気を完全に弾く特製衛生清掃用・完全防護エプロンとゴム手袋、防毒マスク)に着替え、手には巨大な「事象溶解の神仙酸性トイレクリーナー」と「事象貫通の神仙ラバーカップ」、プロ仕様の「因果抽出の神仙ふるいネット」、そして「絶対衛生の神仙エコ・トイレコントローラー」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『水回り・衛生メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの猛毒被害とスタンピードの悩みを解決するために、邪魔な黄ばみと詰まりを『剪定』して、枯渇しない優良なクリーンバイオ肥料インフラにリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、トイレ清掃仕様に改造された魔導サービスカー(強力なバキュームポンプと洗浄タンク搭載)に乗り込み、空間が視界を遮るほどの激しい瘴気とドロドロの毒沼で溢れかえっている次元の迷宮『猛毒と瘴気の腐海迷宮』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、次元の迷宮『猛毒と瘴気の腐海迷宮』の内部。

 そこは、長年の放置により凶悪な腐敗竜やヘドロスライムが異常繁殖し、地表を覆い尽くすほどにひしめき合う、文字通りの毒の沼地であった。迷宮のコアから溢れ出す無尽蔵の猛毒と瘴気が魔物たちを際限なく凶暴化させ、今まさに外の世界へと溢れ出そうと(大瘴気のスタンピードを起こそうと)している、世界滅亡のカウントダウンの最中である。

「ボゴボゴボォォォッ!! 我ら腐海の軍勢よ! 溜まりに溜まったこの数億トンの猛毒とヘドロの怒りを、今こそ地上へ解き放つ時が来た! 全ての生命を溶かし、この世界を我らの新たな腐敗の海(迷宮)と変えてくれるわ!」

 迷宮の最深部で、無数の毒属性魔獣たちを統べる超巨大な『猛毒の腐敗竜ポイズン・ヘドロ・ドラゴン』が、傲慢な沼の咆哮と共に猛烈な瘴気のガスとドロドロの毒液を乱射していた。

「さあ、腐らせろ! 地上の脆弱な浄化結界など、我らの圧倒的な毒素と悪臭の前には一瞬で溶け落ちる! スタンピードの恐怖を――」

 ――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!

 猛毒の腐敗竜がスタンピードの号令をかけようとしたその瞬間、猛烈な瘴気が吹き荒れるダンジョンの入り口付近に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の毒沼とスライムの群れをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、作業車のドアから、巨大なトイレクリーナーとラバーカップを持った青年の明るくも呆れた声が、魔物たちの耳障りな気泡の音を完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! トイレのガンコな黄ばみとパイプのドロドロ詰まりさん(魔物たち)、定期的な便器洗浄と詰まり抜きの間引き作業(剪定)に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい便器の奥の尿石っぷりと、外にまで下水臭を撒き散らそうとしてるタチの悪い排水不良(スタンピード寸前)だね! 定期メンテナンスをサボってこんなに汚れを溜め込むなんて、衛生管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にクリーナーでの黄ばみ落としと、自動洗浄機能付きエコ・コントローラーへのリフォームのしがいがあるや!」

 アルドは、ゴム手袋をキュッと締め直しつつ、プロの清掃業者としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対ノ腐海迷宮ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ! 我ガ猛毒ノ沼デ、一瞬ニシテ骨マデ溶カシテクレルワ!」

 猛毒の腐敗竜が驚愕の毒液ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・間引き用具(兵器)」を手にして、ヘドロの渦巻く地面へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい空間に湧いたヘドロスライムども(魔獣の群れ)の伐採と、水の通り道を塞いでいる無駄な尿石の解体・撤去は、俺にお任せを。邪魔な障害物を専用の硬質ブラシで一つ残さず削り落とし、完璧な『下地処理(黄ばみ落としと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の迷宮の中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ最凶ノ猛毒軍勢ヲ『トイレの黄ばみとヘドロ詰まり』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ瘴気ノ群レデ、貴様ラヲ永遠ニ腐敗ノ底ニ沈メテクレルワ!」

 腐敗竜の怒号と共に、空間を覆うほどの猛毒のガスと狂暴性を纏った魔獣の群れが、一斉にアルドたちに向かって紫色の津波のごとく押し寄せてきた。

「うわっ、この黄ばみたち、すっごくカチカチで便器の裏側に完全にこびりついちゃってる! 放置してたら悪臭の元になって凄く不衛生だぞ!」

 アルドは、迫り来る魔獣の大群を「長年の放置で限界までこびりついたタチの悪いガンコなトイレの尿石」と完全に認識し、神仙酸性トイレクリーナーのボトルをカチャリと構えた。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『衛生設備の放置による黄ばみ発生と排水不良被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕はメンテナンス業者として、こいつらを適度に『剪定』して安全に水が流れるようにし、ピカピカのエコトイレにするだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常のトイレ大掃除現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。吹き出す汚水や溢れ出す瘴気が外の世界を汚染しないよう、私が完璧にダンジョンの入り口と周囲にマスカー養生と防水・汚水飛散防止シートを張り巡らせます」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、迷宮の入り口を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――バサッ! ピィィィィンッ!

 瞬間、ダンジョンの入り口全体をすっぽりと覆うように強靭な防水シートのようなカバーが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の衛生清掃作業用・汚水飛散防止結界』が展開された。これで、致死の大氾濫やスタンピードの魔物は一滴の毒液たりとも外の世界に漏れ出すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は迷宮が撒き散らすガンコな下水臭さや猛毒の瘴気(致死の環境)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・消臭処理いたしますわ」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力換気魔法』が、超強力な清浄の風となって周囲の狂気の瘴気を包み込み、一気に中和してトイレの個室が爽やかに香る清潔な空間へと変えた。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を溶かす猛毒のガスは、その浄化の魔法を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でポロポロと崩れ落ちる乾燥した石灰の粉へと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただの尿石やヘドロの塊など、ただの硬質ブラシのマトだ! そして、邪魔な過剰な魔物どもは俺が綺麗に削り落として水の通りを良くしてやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「迷宮過剰繁殖猛毒獣解体黄バミ落トシ排水確保斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、魔獣同士の「因果の隙間(尿石の層)」を完璧に見切り、まるで汚れた便器を専用のブラシでゴシゴシッ!と綺麗に擦り落とし、本来の白い陶器を露出させるかのように、シャリィィィン!と見事な手際で余分な魔物を粉砕(剪定)し、迷宮内の安全なエネルギー導線を確保してしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ猛毒軍団ト絶対ノ瘴気暴走ガ、タダノ『消臭魔法』ト『トイレブラシ』ノ前ニ、一瞬デ間引カレテ適正ナ清潔サニ下ゲラレテイクゥゥッ!?」

 猛毒の腐敗竜は、自らの絶望の軍勢がものの数分で「綺麗に間引かれて黄ばみが落ちた便器」のように整えられ、スタンピードの脅威が完全に消失した光景に、驚愕のあまり巨大な体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげで安全確保と余分な黄ばみの剪定は完璧だね! あとは、あの一番デカくてパイプを詰まらせている『ガンコな親玉(腐敗竜とコア)』に、事象溶解の神仙酸性トイレクリーナーをドバドバッ!と振りかけて、カチカチの尿石をシュワシュワに完全に溶かす! そして、奥のパイプの詰まりは『事象貫通の神仙ラバーカップ』を押し当てて、スポッ!バコンッ!と強力な吸引力でドロドロのヘドロを根こそぎ引き抜く! その後、ただ洗い流すだけじゃなくて、資源が枯渇しないように因果抽出のふるいネットで『有用な極上毒魔法石』や『良質なバイオ肥料成分』だけを綺麗に分別して残しつつ回収する! 最後に絶対衛生の神仙エコ・トイレコントローラーをコアにガチャン!と取り付けて、二度と黄ばみや詰まりが発生せず、永遠に一定の安全な肥料を生み出し続けるように自動調整するだけだ!」

 アルドは、特製『事象溶解の神仙酸性トイレクリーナー』と『神仙ラバーカップ』を腐敗竜の巨大な本体(次元の排水不良の中核)へと向けて構え、ゴム長靴で毒沼を踏みしめて突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙酸性クリーナーは星の因果の過剰な猛毒を物理的に中和して安全な水に整える絶対事象剪定ツールであり、神仙ラバーカップとエコ・トイレコントローラーは大宇宙のいかなる次元の腐海迷宮やスタンピードすらも、物理的に『不要な詰まりを間引いて引き抜き、必要な資源だけを抽出し、衛生・下水処理効率を空間ごと最適化する』だけで完璧に無害化し、極上の安全な衛生環境を枯渇させずに取り戻す『究極の持続可能メンテナンスツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ平穏ヲ毒沼ニ帰ス『終焉ノ絶対腐敗アビス・ディケイ』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノヘドロニ溶カシテクレルワ!」

 腐敗竜が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを蹂躙する超巨大な猛毒の波を放ってきた。

「うわっ! 便器の奥から、すっごく強烈でタチの悪い巨大な尿石とヘドロの塊がせり出してきた! でも、この特製クリーナーとラバーカップの前には、どんなに凶暴な汚れも一発で綺麗に溶かされて、ゴォォッて勢いよく水が流れるピカピカのトイレになるんだ!」

 アルドが腐敗竜の巨大な猛毒暴走(世界の土壌汚染の中心)に向けて、事象溶解の神仙酸性トイレクリーナーを「ドバドバッ!!」と力強く振りかける。事象の瘴気暴走(迷宮の魔力圏)が、強烈な物理的酸性パワーによって面白いようにシュワシュワと溶け落ち、そこにアルドが神仙ラバーカップを押し当てて「スポッ! バコンッ!!」と力強く引き抜くと、強烈な腐敗を持っていた呪いは瞬く間に無臭の安全な汚水となって吸い込まれ、心地よい排水音と共に透明な輝きを取り戻していく。魔界のどんな猛毒の大氾濫も、神仙のメンテナンス力の前にはただの酸で落ちる黄ばみと詰まりとなって分解され、腐敗竜はあれよあれよという間に、ピカピカに磨き上げられた無害な特注の高級水洗トイレの排水パイプのような姿へと整えられていく。

 同時に、アルドは因果抽出のふるいネットをバサァッ!と広げ、清掃されて崩れ落ちた魔物の残骸から、有用な極上毒魔法石や農地を豊かにする良質なバイオ肥料成分だけを「シャカシャカッ!」と綺麗に分別し、資源が枯渇しないように適切な量を迷宮に残しつつ、余剰分を収穫用タンクへと回収していく。

 完全にスタンピードの危険が消滅した直後、アルドは迷宮の最深部にある心臓部ダンジョンコアに、絶対衛生の神仙エコ・トイレコントローラーを「ガチャン!」とはめ込み、ダイヤルを回して設定を『自動洗浄管理・適度な排水・防臭コーティングモード』に合わせる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に安全基準でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対に黄ばみが発生せず、いつでも極上のバイオ肥料を生み出す、最新式自動洗浄機能付きトイレのように管理されたクリーン下水処理インフラへと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒氾濫ガ、タダノトイレクリーナーデ一瞬デ溶カサレ、ラバーカップデパイプノ詰マリモ綺麗ニ抜カレ、エコ・コントローラーデ一ミリモ残ラズ排水不良ヲ起コセナクナッタだトォォォッ!? シカモ、私ノ命(毒マナ)ガ完全ニ枯渇スルコトナク、心地ヨイ水流デ永遠ニ処理サレ続ケルヨウニ調整サレテイル……!?」

「よし、ガンコな便器の黄ばみとパイプの詰まりは完全に剪定されて水の通りが良くなって、スタンピードの危険もゼロですっごく安全な衛生設備になったぞ! 枯渇しないように資源の残量もバッチリ管理したからね! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域下水処理&無限クリーンバイオ肥料システム』を稼働させて……あ、そうだ。この迷宮の親玉、綺麗に掃除してコントローラーをつけたら、凄く強力で絶対に毒沼を溢れさせず、定期的に毒魔法石や極上の肥料をドロップしてくれる、巨大な全自動の広域下水処理・無限クリーンバイオ肥料インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、有害な猛毒暴走を完全に防ぎつつ、代わりに極上のクリーンな浄化水と無限の安全なバイオ肥料だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域衛生・無限クリーン肥料インフラ』にできそうだよ!」

 アルドが迷宮のコアに施した専用の自動調整ユニットを操作し、事象調律のスイッチを「24時間自動洗浄・超エコ節水・極上クリーン衛生モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な生産施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた迷宮の禍々しい狂気と過剰な猛毒は、瞬く間に安全でクリーンな下水処理エネルギーと無限の安全装置へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ腐海ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【安全ニ肥料ト魔法石オ供給スル為ノ最新ノ自動洗浄機能付キ・エコトイレ】ノヨウニ……!? イヤ、コントローラーオ設定サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安全管理力ト、極上ノ衛生供給環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ腐ラセルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ清潔サト極上ノ豊饒オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン下水処理プラント」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 かつて世界を脅かした腐海迷宮とスタンピードの化身は、アルドの「トイレのガンコな黄ばみ落としと排水パイプの詰まり抜き(剪定)作業」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を溶かす禍々しい狂気の猛毒は、気がつけば「世界の衛生・土壌環境を美しく輝く巨大な安全施設に変え、どんな土壌汚染の暴走も一瞬で無害化し、極上のバイオ肥料と毒魔法石を枯渇することなく24時間安定供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域下水処理・無限クリーンバイオ肥料インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の最新式水洗トイレと浄化プラント)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌なスタンピードと排水不良のリスクは片付いて、しかも資源が枯渇しないすっごく綺麗で安全な持続可能バッチリな衛生施設になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが魔物の猛毒や悪臭を気にせずに、どんな時でも安心な環境で笑顔で清潔なトイレを使えるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な生活基盤とピカピカの便器を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドがラバーカップを片付けて額の汗を拭うと、迷宮を覆っていたドス黒い瘴気は一瞬にして晴れ渡り、防水・汚水飛散防止シートが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式衛生設備と、澄み切った爽やかな芳香剤の香りが広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮と『剪定』でした、社長。我が社の広域下水処理・クリーンバイオ肥料システムは、これより大陸全土の迷宮維持・衛生管理基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。枯渇を防ぐための腐海迷宮からの定期下水道料金の自動引き落とし設定も完了いたしました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、ダンジョンの視察に同行していた勇者パーティが「俺たちが昔、全身をドロドロに溶かされながら潜ってた猛毒ダンジョンが、完全にオートメーション化された巨大な無人下水処理場と高級ホテルのレストルームみたいになってる……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。

「これからは、どんな尿石魔物やガンコな詰まりの兆候が出ようが、社長の作業前に俺が全部『余分な汚れごと硬質ブラシで粉砕』して適度に剪定してやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで世界中の次元防衛・衛生インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに極めて簡素な文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。腐海迷宮。トイレの黄ばみ落としと詰まり抜き(スタンピード及び枯渇対策の剪定)完了。全自動下水処理・バイオ肥料インフラ化。異常なし。以上。』

 ゾルタンはもはや数秒で記録を終えた。世界を滅ぼす腐海迷宮のスタンピードが現れようとも、社長の前では「トイレの水の流れが悪くなったための定期的なスッポンがけ」という、家事のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす迷宮の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の設備メンテナンス業務として処理されているのである。

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、腐海迷宮すらもピカピカの最新式水洗トイレの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、トイレ掃除お疲れ様! 今日の3時のおやつは、綺麗になった環境で食べるのにピッタリな、爽やかな酸味の『特製・大精霊の極上レアチーズケーキ〜星屑のレモンソースをかけて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるレアチーズケーキは、ことのほかチーズのコクとレモンの爽やかさが、不老に近づいた五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただのトイレのガンコな黄ばみ落としと排水パイプの詰まり抜き(剪定)作業」は、世界滅亡の大瘴気スタンピードの危機をただの水回り・衛生メンテナンスとして解決し、資源を枯渇させることなく迷宮の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域下水処理・無限クリーンバイオ肥料インフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界中の次元迷宮防衛と資源インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常の持続可能なメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜

https://ncode.syosetu.com/n5506ma/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ