第240話:ただのエアコンのガンコなカビ落としと室外機のフィン掃除(剪定)と、雷雲と狂風の天空迷宮の強制全自動広域空調・無限クリーン電力インフラ化
第240話:ただのエアコンのガンコなカビ落としと室外機のフィン掃除(剪定)と、雷雲と狂風の天空迷宮の強制全自動広域空調・無限クリーン電力インフラ化(総合ライフサポート企業の空調・電力メンテナンス業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
庭先では、本格的な夏の訪れを告げる強い日差しが降り注ぐ中、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々、そしてすっかり常連の大家さん候補として定着した勇者パーティの面々が、冷たいお茶を飲みながら顔を見合わせていた。
「……なぁ。最近、いくら畑仕事で汗を流しても、徹夜でゲームをしても、全く疲れを感じないどころか、翌朝には魔力も生命力も底なしに湧いてこないか?」
【最高福利厚生責任者(CHO)】の元・魔界大帝サタナスが、己の逞しい腕を見つめて首を傾げた。
「ええ。実は私も、神核の劣化が完全に止まり、むしろかつて宇宙を創造した時以上の力と若さがみなぎっているのを感じますの」
創造神が驚きと共に頷く。足元で日向ぼっこをしている神竜ポチと星狼シロに目を向けると、彼らの毛並みはただ艶やかという次元を越え、大宇宙のいかなる物理・魔法法則すらも完全に弾き返す『神話級の絶対防壁』のような神秘の輝きを放ちながら、ただの犬猫のように無防備に腹を見せて寝転がっている。
その光景を見て、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)】の元・大賢者ゾルタンが、静かに推測を口にした。
「……おそらく、社長の力が影響しているのだろう。社長は『全知全能の神仙』そのもの。そんな彼が、我々社員や大家の面々、そしてペットの魔物たちと『これからもずっと一緒に、楽しく賑やかに暮らしたい』と無意識に願った結果、我々に社長の『不老不死に近い力』が少しずつ分け与えられているのだ」
「な、なんと……! 我々の体調が絶好調なのも、戦闘力が毎日限界突破しているのも……」
「左様。社長が寂しくならないように、そしてこの平穏な日常が永遠に続くように、世界が我々の体を『不老』に近い状態へと自動アップデートしているのだ。全ては、我が黄昏の守護者の最高の手厚い福利厚生というわけさ」
ゾルタンの言葉に、一同はアルドの底知れぬ愛と規格外の力に戦慄しながらも、深い安堵と温かい絆を感じて微笑み合った。
そんな穏やかな閑話が交わされる中、日々のメンテナンス業務と家事への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、香ばしく焼かれたタレの香りと、爽やかな柑橘の暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる、夏バテ防止の『幻獣鰻の極上ひつまぶし〜天界の秘伝甘辛ダレ〜と、大精霊の森の氷締めスダチうどん』だ! まずは、脂が極限まで乗った肉厚の幻獣鰻を、神仙の炭火で皮目はパリッと、身はフワフワになるまで白焼きにする。そこに、数百年継ぎ足された天界の秘伝の甘辛ダレを何度も絡めながら、香ばしく蒲焼きに仕上げるんだ! それを短冊切りにして、ふっくら炊き上げた神仙米のお櫃の上に敷き詰める。最初はそのまま、次は世界樹のネギやワサビの薬味で、最後は熱々の幻獣一番出汁をかけてお茶漬けにして楽しむんだ! その横で、氷水でキンキンに締めたコシの強い神仙うどんに、大精霊の森のスダチを輪切りにして敷き詰めた冷やしうどんを添える。……冷たいうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、圧倒的な炭火の香りと涼やかなスダチの香りを放つ特大のお膳をダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、不老の話題で盛り上がっていた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣鰻の圧倒的なビタミンと上質な脂質が全身の魔力回路を限界突破させ、スダチうどんのクエン酸と冷たい喉越しが血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、不老不死に近づきつつある体にさらなる多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の和風フルコース』である。
「うむ……! このテリヤキのごとく輝く鰻をご飯と共に口に運んだ瞬間に広がる、炭火の暴力的なまでの香ばしさと、秘伝ダレのコク深い甘みのビッグバン! 皮のパリッとした食感とフワフワの身が口の中で溶け合い、すかさず薬味を乗せて出汁茶漬けにして流し込めば、出汁の旨味とワサビの爽やかな辛味が絶妙なハーモニーを奏でる! そこにキンキンに冷えたスダチうどんをすすり上げれば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 夏の暑さなど一瞬で吹き飛ぶこの多幸感、我が最高福利厚生責任者の職務が、王都の超高級料亭で至福の朝食を貪る将軍のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
サタナスが、お椀を持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて極上のひつまぶしに感涙して咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上冷茶が振る舞われた後。
アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの壁掛け魔導エアコンの前で立ち止まり、真剣な表情で首を傾げた。
「……ねえ。今朝、部屋を涼しくしようと思ってエアコンをつけたら、風がカビ臭いし、全然冷えないんだよね。おまけに、外の室外機から『ガラガラッ、ブォォォ!』って変な爆音がしてる。中を開けてみたら、フィルターに『タチの悪いガンコな黒カビとホコリ』がビッシリ詰まってて、室外機の裏のフィンも目詰まりしてる。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが世界に多大なクリーン電力と雷魔法石を供給している『雷雲と狂風の天空迷宮』の仕業だってわかる。長年の放置で内部の雷魔獣や暴風鳥が異常繁殖して電力と風圧が飽和状態になり、エアコン(ダンジョン)がガンコなカビとホコリでビッシリ詰まって、大雷雨のスタンピード寸前になってるみたいだ」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドは、世界の理を「生活設備のメンテナンス」として完璧に把握している。
「みんな、聞いて。ダンジョン(空調・電力設備)って、夏を涼しく快適に過ごしたり、生活に必要な電力(雷エネルギー)を供給してくれる凄く大事な生活インフラだよね。だから、危険だからって完全に壊して塞いじゃうと、世界中から電力がなくなって資源が枯渇しちゃうし、熱中症になっちゃうんだ。でも、放置しすぎるとカビやホコリ(魔物)が大量発生して、スタンピード(致死の大雷雨と竜巻)を起こしてしまう。だからこそ、定期的に危険な場所から優先して『フィルターのカビを洗い落とし、室外機のフィンを掃除する(剪定)』ことで、スタンピードを防ぎつつ、電力資源が枯渇しないように自動で空調を管理する対策が必要なんだ!」
「社長の仰る通りです。ダンジョンの『剪定』と『持続可能な資源管理』……まさに我が社の理念の集大成ですね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「現在、世界で最も危険な雷害と暴風の震源地として警戒されているのが、その『雷雲と狂風の天空迷宮』です。内部は完全に雷・風属性の魔物が飽和状態にあり、いつ致死の落雷と大竜巻のスタンピードが決壊してもおかしくない状況。しかし、あの迷宮は世界中に希少な『極上雷魔法石』や、世界を動かす『無限のクリーン電力』を提供する『重要な空調・発電設備』でもあります。潰さずに適正な風量と清潔さに剪定する『定期メンテナンス業務』に最適の現場と言えるでしょう」
「その通り! だから今日は、エアコンの奥に限界まで溜まったガンコな黒カビとホコリ(魔物)をしっかり洗い落として、安全に冷たい風が出る状態に剪定するよ! まずは専用の『事象洗浄の神仙エアコンクリーナー』をプシューッ!と吹きかけて、奥のカビを根こそぎ溶かし落とす。そして、外の室外機は『事象研磨の神仙フィンブラシ』でシャッシャッ!と優しくホコリを払い落として熱交換を良くするんだ。もちろん、資源が枯渇しないように、有用な雷魔法石やクリーン電力成分は『因果抽出のふるいネット』でしっかり残して回収する。最後に詰まったコアを『最新式・自動お掃除・省エネ機能付き神仙エコ・エアコンコントローラー』にリフォームして、物理的に二度とカビが発生せず、かつ適度な極上の冷気と電力を永遠に生み出し続ける完璧なインフラにリセットしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。フィルターにこびりついた鬱陶しい暴風鳥ども(魔獣の群れ)の粉砕と、風の通り道を塞いでいる無駄なホコリの解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用の高圧スプレーとハンディクリーナーで一つ残さず吹き飛ばし、完璧な『下地処理(ホコリ落としと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型のクリーナーノズルのように構えて不敵に笑う。
「ええ。ダンジョン内に漂う危険な猛毒のカビの胞子や異常な湿気(※致死の環境)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・除湿魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、安全にエアコン掃除ができるカラッとした環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、飛び散る汚水やカビの塊が、外の世界やご近所の壁紙を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、ダンジョンの入り口と周囲に完璧なマスカー養生と防水・汚水飛散防止シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! エアコンのメンテナンスは汚水が垂れやすいから、しっかり防水養生をして安全第一で作業しようね!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(致死の猛毒カビと落雷を完全に弾く特製空調清掃用・完全絶縁エプロンとゴム手袋、防塵マスク)に着替え、手には巨大な「事象洗浄の神仙エアコンクリーナー」と「事象研磨の神仙フィンブラシ」、プロ仕様の「因果抽出の神仙ふるいネット」、そして「絶対空調の神仙エコ・エアコンコントローラー」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『空調・電力メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの落雷被害とスタンピードの悩みを解決するために、邪魔なカビとホコリを『剪定』して、枯渇しない優良なクリーン電力インフラにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、エアコン清掃仕様に改造された魔導サービスカー(強力な高圧洗浄ポンプと汚水回収タンク搭載)に乗り込み、空間が視界を遮るほどの激しい雷雲と暴風で溢れかえっている次元の迷宮『雷雲と狂風の天空迷宮』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、次元の迷宮『雷雲と狂風の天空迷宮』の内部。
そこは、長年の放置により凶悪な雷竜や暴風鳥が異常繁殖し、空を覆い尽くすほどにひしめき合う、文字通りの荒天地獄であった。迷宮のコアから溢れ出す無尽蔵の電力と風圧が魔物たちを際限なく凶暴化させ、今まさに外の世界へと溢れ出そうと(大雷雨のスタンピードを起こそうと)している、世界滅亡のカウントダウンの最中である。
「バリバリバリッ!! 我ら雷雲の軍勢よ! 溜まりに溜まったこの数億ボルトの雷撃と暴風の怒りを、今こそ地上へ解き放つ時が来た! 全ての文明を黒焦げにし、この世界を我らの新たな嵐の渦(迷宮)と変えてくれるわ!」
迷宮の最深部で、無数の雷属性魔獣たちを統べる超巨大な『狂雷の暴風竜』が、傲慢な雷鳴の咆哮と共に猛烈なカビの胞子と鋭い雷の槍を乱射していた。
「さあ、吹き荒れろ! 地上の脆弱な避雷針など、我らの圧倒的な落雷と竜巻の前には一瞬で消し飛ぶ! スタンピードの恐怖を――」
――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!
狂雷の暴風竜がスタンピードの号令をかけようとしたその瞬間、猛烈な暴風が吹き荒れるダンジョンの入り口付近に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の大竜巻と雷獣の群れをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。
そして、作業車のドアから、巨大なエアコンクリーナーとフィンブラシを持った青年の明るくも呆れた声が、魔物たちの耳障りな雷音を完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! エアコンのガンコな黒カビと室外機の目詰まりさん(魔物たち)、定期的なフィルター洗浄とフィン掃除の間引き作業(剪定)に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい内部のカビだらけっぷりと、外にまで異音を撒き散らそうとしてるタチの悪い冷却不良(スタンピード寸前)だね! 定期メンテナンスをサボってこんなにホコリを溜め込むなんて、空調管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にクリーナーでのカビ落としと、自動お掃除機能付きエコ・コントローラーへのリフォームのしがいがあるや!」
アルドは、絶縁ゴム手袋をキュッと締め直しつつ、プロの清掃業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対ノ天空迷宮ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ! 我ガ狂雷ノ嵐デ、一瞬ニシテ黒焦ゲニシテクレルワ!」
狂雷の暴風竜が驚愕の雷撃ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・間引き用具(兵器)」を手にして、雷雲の渦巻く地面へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい空間に湧いた暴風鳥ども(魔獣の群れ)の伐採と、風の通り道を塞いでいる無駄なホコリの解体・撤去は、俺にお任せを。邪魔な障害物を専用の高圧スプレーで一つ残さず吹き飛ばし、完璧な『下地処理(ホコリ落としと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の迷宮の中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ最凶ノ雷風軍勢ヲ『エアコンのカビとホコリ』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ落雷ノ群レデ、貴様ラヲ永遠ニ嵐ノ底ニ沈メテクレルワ!」
暴風竜の怒号と共に、空間を覆うほどの猛毒のカビ胞子と狂暴性を纏った魔獣の群れが、一斉にアルドたちに向かって黒い雲の津波のごとく押し寄せてきた。
「うわっ、この黒カビたち、すっごく根深くて熱交換器のアルミフィンに完全にこびりついちゃってる! 放置してたら電気代ばっかりかかって部屋が冷えないぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の大群を「長年の放置で限界まで繁殖したタチの悪いガンコなエアコンの汚れ」と完全に認識し、神仙エアコンクリーナーのノズルをカチャリと構えた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『空調設備の放置によるカビ発生と冷却不良被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕はメンテナンス業者として、こいつらを適度に『剪定』して安全に冷たい風が出るようにし、ピカピカのエコエアコンにするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常のエアコンクリーニング現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。吹き出す汚水や溢れ出す暴風が外の世界を汚染しないよう、私が完璧にダンジョンの入り口と周囲にマスカー養生と防水・汚水飛散防止シートを張り巡らせます」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、迷宮の入り口を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――バサッ! ピィィィィンッ!
瞬間、ダンジョンの入り口全体をすっぽりと覆うように強靭な防水シートのようなカバーが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の空調清掃作業用・汚水飛散防止結界』が展開された。これで、致死の大竜巻やスタンピードの魔物は一滴の汚水たりとも外の世界に漏れ出すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は迷宮が撒き散らすガンコなカビ臭さや猛毒の湿気(致死の環境)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・除湿処理いたしますわ」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力除湿魔法』が、超強力な清浄の風となって周囲の狂気の雷雲を包み込み、一気に中和してエアコン内部がカラッと乾く清潔な空間へと変えた。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を腐敗させる猛毒のカビは、その浄化の魔法を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でポロポロと剥がれ落ちる乾燥したホコリへと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただのカビやホコリの塊など、ただの高圧スプレーのマトだ! そして、邪魔な過剰な魔物どもは俺が綺麗に吹き飛ばして風の通りを良くしてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「迷宮過剰繁殖雷風獣解体ホコリ落トシ吸排気確保斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、魔獣同士の「因果の隙間(ホコリの層)」を完璧に見切り、まるで目詰まりしたフィルターを専用のハンディクリーナーでブオォォッ!と綺麗に吸い取り、本来のメッシュを露出させるかのように、シャリィィィン!と見事な手際で余分な魔物を粉砕(剪定)し、迷宮内の安全なエネルギー導線を確保してしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ雷風軍団ト絶対ノ暴風暴走ガ、タダノ『除湿魔法』ト『高圧スプレー』ノ前ニ、一瞬デ間引カレテ適正ナ風量ニ下ゲラレテイクゥゥッ!?」
狂雷の暴風竜は、自らの絶望の軍勢がものの数分で「綺麗に間引かれてホコリが落ちたフィルター」のように整えられ、スタンピードの脅威が完全に消失した光景に、驚愕のあまり巨大な体を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで安全確保と余分なホコリの剪定は完璧だね! あとは、あの一番デカくて冷却を邪魔している『ガンコな親玉(暴風竜とコア)』に、事象洗浄の神仙エアコンクリーナーをプシューッ!と吹きかけて、奥のカビを完全にドロドロに溶かし流す! そして、室外機の役割をしている裏側のフィンは『事象研磨の神仙フィンブラシ』でシャッシャッ!と優しく撫でて目詰まりを綺麗に解消する! その後、ただ洗い流すだけじゃなくて、資源が枯渇しないように因果抽出のふるいネットで『有用な極上雷魔法石』や『良質なクリーン電力成分』だけを綺麗に分別して残しつつ回収する! 最後に絶対空調の神仙エコ・エアコンコントローラーをコアにガチャン!と取り付けて、二度とカビが発生せず、永遠に一定の安全な冷気と電力を生み出し続けるように自動調整するだけだ!」
アルドは、特製『事象洗浄の神仙エアコンクリーナー』と『神仙フィンブラシ』を暴風竜の巨大な本体(次元の冷却不良の中核)へと向けて構え、絶縁シューズで雷雲を踏みしめて突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙エアコンクリーナーは星の因果の過剰な嵐を物理的に洗い流して安全な冷気に整える絶対事象剪定ツールであり、神仙フィンブラシとエコ・エアコンコントローラーは大宇宙のいかなる次元の天空迷宮やスタンピードすらも、物理的に『不要なカビを間引いて洗い流し、必要な資源だけを抽出し、空調・電力供給効率を空間ごと最適化する』だけで完璧に無害化し、極上の安全な空調環境を枯渇させずに取り戻す『究極の持続可能メンテナンスツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ平穏ヲ嵐ニ帰ス『終焉ノ絶対雷雨』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ暴風ニ吹キ飛バシテクレルワ!」
暴風竜が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを蹂躙する超巨大な猛毒の雷雲の波を放ってきた。
「うわっ! エアコンの奥から、すっごく強烈でタチの悪い巨大な黒カビとホコリの塊がせり出してきた! でも、この特製クリーナーとフィンブラシの前には、どんなに凶暴な汚れも一発で綺麗に洗い流されて、爽やかな涼しい風が出るエアコンになるんだ!」
アルドが暴風竜の巨大な雷害暴走(世界の空調不良の中心)に向けて、事象洗浄の神仙エアコンクリーナーを「プシューッ!!」と力強く吹き付ける。事象の雷雨暴走(迷宮の魔力圏)が、強烈な物理的洗浄パワーによって面白いように黒い汚水となって流れ落ち、そこにアルドが神仙フィンブラシを「シャッシャッ!」と優しく滑らせると、強烈な落雷を持っていた呪いは瞬く間に無臭の安全な水滴となって排出され、心地よい送風音と共に透明な輝きを取り戻していく。魔界のどんな猛毒の大竜巻も、神仙のメンテナンス力の前にはただの洗剤で落ちるカビ汚れとなって分解され、暴風竜はあれよあれよという間に、ピカピカに磨き上げられた無害な特注の高級エアコンの熱交換器のような姿へと整えられていく。
同時に、アルドは因果抽出のふるいネットをバサァッ!と広げ、清掃されて崩れ落ちた魔物の残骸から、有用な極上雷魔法石や世界を動かす良質なクリーン電力成分だけを「シャカシャカッ!」と綺麗に分別し、資源が枯渇しないように適切な量を迷宮に残しつつ、余剰分を収穫用バッテリーへと回収していく。
完全にスタンピードの危険が消滅した直後、アルドは迷宮の最深部にある心臓部に、絶対空調の神仙エコ・エアコンコントローラーを「ガチャン!」とはめ込み、ダイヤルを回して設定を『自動お掃除管理・適度な冷気・省エネ発電モード』に合わせる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に安全基準でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対にカビが発生せず、いつでも極上の冷風と電力を生み出す、最新式自動お掃除機能付きエアコンのように管理されたクリーン空調インフラへと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒雷雨ガ、タダノエアコンクリーナーデ一瞬デ洗イ流サレ、フィンブラシデ室外機モ綺麗ニ掃除サレ、エコ・コントローラーデ一ミリモ残ラズ冷却不良ヲ起コセナクナッタだトォォォッ!? シカモ、私ノ命(雷マナ)ガ完全ニ枯渇スルコトナク、心地ヨイ冷気デ永遠ニ満タサレルヨウニ調整サレテイル……!?」
「よし、ガンコなエアコンの黒カビと室外機の目詰まりは完全に剪定されて風の通りが良くなって、スタンピードの危険もゼロですっごく安全な空調設備になったぞ! 枯渇しないように資源の残量もバッチリ管理したからね! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域空調&無限クリーン電力システム』を稼働させて……あ、そうだ。この迷宮の親玉、綺麗に掃除してコントローラーをつけたら、凄く強力で絶対に落雷を起こさず、定期的に雷魔法石や極上の電力をドロップしてくれる、巨大な全自動の広域空調・無限クリーン電力インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、有害な雷害暴走を完全に防ぎつつ、代わりに極上のクリーンな冷気と無限の安全な雷魔法石だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域空調・無限クリーン電力インフラ』にできそうだよ!」
アルドが迷宮のコアに施した専用の自動調整ユニットを操作し、事象調律のスイッチを「24時間自動お掃除・超省エネ発電・極上リラックス冷風モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な生産施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた迷宮の禍々しい狂気と過剰な雷マナは、瞬く間に安全でクリーンな空調エネルギーと無限の安全装置へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ嵐ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【安全ニ冷気ト魔法石オ供給スル為ノ最新ノ自動お掃除機能付キ・エコエアコン】ノヨウニ……!? イヤ、コントローラーオ設定サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安全管理力ト、極上ノ空調供給環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ黒焦ゲニセルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ涼シサト極上ノ電力オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン発電プラント」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』
かつて世界を脅かした天空迷宮とスタンピードの化身は、アルドの「エアコンのガンコなカビ落としと室外機のフィン掃除(剪定)作業」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を吹き飛ばす禍々しい狂気の雷雨は、気がつけば「世界の空調・電力環境を美しく輝く巨大な安全施設に変え、どんな雷害の暴走も一瞬で無害化し、極上の電力と雷魔法石を枯渇することなく24時間安定供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域空調・無限クリーン電力インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の最新式エアコンと風力・雷力発電プラント)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌なスタンピードと冷却不良のリスクは片付いて、しかも資源が枯渇しないすっごく綺麗で安全な持続可能バッチリな空調施設になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが魔物の落雷やカビ臭さを気にせずに、どんな時でも安心な環境で笑顔で涼しいお部屋で過ごせるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な生活基盤とピカピカのエアコンを守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドがフィンブラシを片付けて額の汗を拭うと、迷宮を覆っていたドス黒い雷雲は一瞬にして晴れ渡り、防水・汚水飛散防止シートが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式空調設備と、澄み切った涼しい風が広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮と『剪定』でした、社長。我が社の広域空調・クリーン電力システムは、これより大陸全土の迷宮維持・電力管理基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。枯渇を防ぐための天空迷宮からの定期電気料金の自動引き落とし設定も完了いたしました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、ダンジョンの視察に同行していた勇者パーティが「俺たちが昔、全身を黒焦げにされながら潜ってた嵐のダンジョンが、完全にオートメーション化された巨大な無人発電所と高級空気清浄機みたいになってる……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。
「これからは、どんなカビ魔物やガンコなホコリの兆候が出ようが、社長の作業前に俺が全部『余分な汚れごと高圧スプレーで粉砕』して適度に剪定してやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで世界中の次元防衛・電力インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに極めて簡素な文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。天空迷宮。エアコンのカビ落としと室外機掃除(スタンピード及び枯渇対策の剪定)完了。全自動空調・電力インフラ化。異常なし。以上。』
ゾルタンはもはや数秒で記録を終えた。世界を滅ぼす天空迷宮のスタンピードが現れようとも、社長の前では「エアコンの効きが悪くなったための定期的なフィルター掃除」という、家事のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす迷宮の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の設備メンテナンス業務として処理されているのである。
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、天空迷宮すらもピカピカの最新式エアコンの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、エアコン掃除お疲れ様! 今日の3時のおやつは、涼しくなったお部屋で食べるのにピッタリな、キンキンに冷えた『特製・大精霊のミントチョコアイスクリーム〜星屑のサクサクワッフルコーンに乗せて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるチョコミントアイスは、ことのほかミントの爽快感とチョコの甘さが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただのエアコンのガンコなカビ落としと室外機のフィン掃除(剪定)作業」は、世界滅亡の大雷雨スタンピードの危機をただの空調・電力メンテナンスとして解決し、資源を枯渇させることなく迷宮の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域空調・無限クリーン電力インフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界中の次元迷宮防衛と資源インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常の持続可能なメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜
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