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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第239話:ただのお風呂のガンコな湯垢落としと鏡のウロコ取り(剪定)と、水魔と濃霧の幻視迷宮の強制全自動広域浄水・無限クリーン入浴インフラ化

第239話:ただのお風呂のガンコな湯垢落としと鏡のウロコ取り(剪定)と、水魔と濃霧の幻視迷宮の強制全自動広域浄水・無限クリーン入浴インフラ化(総合ライフサポート企業の浴室・水回りメンテナンス業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々、そしてすっかり常連の大家さん候補として定着した勇者パーティの面々が、初夏の爽やかな風を感じながら「やっぱり一日の終わりは広いお風呂でゆっくり温まりたいよな」「湯船のザラザラした湯垢は入浴の気分を台無しにするぞ」「鏡の白いウロコ汚れはなかなか落ちなくて厄介だからな」などと、ごく一般的な田舎の浴室事情と水回りのメンテナンスについて楽しげに語り合っている。

 世界中のありとあらゆる危険なダンジョンを「ガスコンロの焦げ付き落とし」や「包丁のサビ落とし」、「布団のダニ退治」といった定期メンテナンス業務として処理し、次々と全自動クリーンインフラに改修してきたアルド。彼の手にかかれば、世界を滅ぼすスタンピードなど「生活インフラの掃除や手入れをサボった結果の汚れや劣化」に過ぎない。ダンジョンは生活の一部であり、完全に塞げば資源が枯渇してしまうため、適度な『剪定(間引き)』を行うことで安全で快適な設備へとリメイクされてきた。

 今日もまた、日々のメンテナンス業務と家事への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、爽快なバジルの香りと、濃厚なトマトの暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる『幻獣鶏と天界完熟トマトの極上カチャトーラ〜世界樹の香り高きバジルを添えて〜と、大精霊の森の恵み溢れる彩りシーザーサラダ』だ! まずは、弾力と旨味が桁違いの幻獣鶏の骨付き肉を、神仙の特大フライパンで皮目がパリッとするまで香ばしく焼き上げる! そこに、太陽の恵みをたっぷり浴びた天界完熟トマトと、香味野菜をじっくり炒めた特製ソフリートを加え、コトコトと煮込んでいくんだ。トマトの酸味と鶏の旨味が極限まで濃縮されたソースが完成したら、仕上げに世界樹のバジルをちぎって散らす! その横で、シャキシャキの新鮮な葉野菜に、カリカリに焼いた幻獣豚の厚切りベーコンと神仙チーズをたっぷり削りかけたシーザーサラダを用意する。……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、圧倒的なハーブとトマトの香りを放つ特大の煮込み鍋とサラダボウルをダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、お風呂の話題で盛り上がっていた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣鶏の圧倒的なタンパク質とトマトのリコピンが全身の魔力回路を限界突破させ、特製ソフリートの複雑なコクが血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高のイタリアン・ブレックファスト』である。

「うむ……! このホロホロに煮込まれた幻獣鶏の骨付き肉を口に運んだ瞬間に広がる、肉汁の暴力的なまでの旨味と、完熟トマトの濃厚な酸味のビッグバン! バジルの爽やかな香りが食欲を無限に増進させ、すかさずシーザーサラダのシャキシャキとした食感とチーズのコクを味わえば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 胃袋から全身が情熱的なエネルギーで満たされていくこの多幸感、我が最高福利厚生責任者の職務が、王都の超高級イタリアンレストランで至福の朝食を貪る貴族のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、フォークを持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々のカチャトーラに感涙して咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上カモミールティーが振る舞われた後。

 アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られた浴室の入り口で立ち止まり、真剣な表情で首を傾げた。

「……ねえ。今朝、お風呂掃除をしようと思って中に入ったら、浴槽の内側に『タチの悪いガンコなザラザラした湯垢』がこびりついてて、スポンジで軽く擦っただけじゃ全然落ちないんだよね。おまけに、鏡には『白いウロコ状の水垢』がビッシリついてて、自分の顔が全然見えない。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが世界に多大な清冽な湧き水と高純度の水魔法石を供給している『水魔と濃霧の幻視迷宮』の仕業だってわかる。長年の放置で内部の水属性魔獣やウロコゴーレムが異常繁殖して水マナが飽和状態になり、浴室ダンジョンがガンコな湯垢と水垢でビッシリ詰まって、大洪水のスタンピード寸前になってるみたいだ」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドは、世界の理を「生活設備のメンテナンス」として完璧に把握している。

「みんな、聞いて。ダンジョン(浴室設備)って、毎日一日の疲れを癒やしたり、生活に必要な綺麗な水(水資源)を供給してくれる凄く大事な生活インフラだよね。だから、危険だからって完全に壊して塞いじゃうと、世界中から水がなくなって、水資源が枯渇しちゃうんだ。でも、放置しすぎると湯垢や水垢(魔物)が大量発生して、スタンピード(致死の大洪水)を起こしてしまう。だからこそ、定期的に危険な場所から優先して『専用の洗剤で湯垢を落とし、鏡のウロコを磨き上げる(剪定)』ことで、スタンピードを防ぎつつ、水資源が枯渇しないように自動で水質を管理する対策が必要なんだ!」

「社長の仰る通りです。ダンジョンの『剪定』と『持続可能な資源管理』……まさに我が社の理念の集大成ですね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「現在、世界で最も危険な水質汚染と洪水の震源地として警戒されているのが、その『水魔と濃霧の幻視迷宮』です。内部は完全に水・幻惑属性の魔物が飽和状態にあり、いつ致死の汚水と鉄砲水のスタンピードが決壊してもおかしくない状況。しかし、あの迷宮は世界中に希少な『極上水魔法石』や、世界を潤す『最高純度のクリーン湧水』を提供する『重要な水回り・浄水設備』でもあります。潰さずに適正な清潔さと透明度に剪定する『定期メンテナンス業務』に最適の現場と言えるでしょう」

「その通り! だから今日は、浴槽と鏡に限界まで溜まったガンコな湯垢とウロコ汚れ(魔物)をしっかり落として、ピカピカにして快適にお風呂に入れる状態に剪定するよ! まずは専用の『事象溶解の神仙バスクリーナー』をシュッシュッ!と吹きかけて、ザラザラの湯垢をドロドロに溶かす。そして、鏡のウロコは『事象研磨の神仙ダイヤモンドパッド』でキュッキュッ!と磨き上げるんだ。もちろん、資源が枯渇しないように、有用な水魔法石や綺麗な湧水成分は『因果抽出のふるいネット』でしっかり残して回収する。最後に詰まったコアを『最新式・自動防汚・水質調整機能付き神仙エコ・バスコントローラー』にリフォームして、物理的に二度と湯垢が発生せず、かつ適度な極上の湧水を永遠に生み出し続ける完璧なインフラにリセットしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。浴槽にこびりついた鬱陶しいウロコゴーレムども(魔獣の群れ)の粉砕と、水の流れを塞いでいる無駄な湯垢の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のデッキブラシと高圧洗浄機で一つ残さず削り落とし、完璧な『下地処理(湯垢落としと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧を大型のデッキブラシのように構えて不敵に笑う。

「ええ。ダンジョン内に漂う危険な猛毒の湿気や嫌なカビの匂い(※致死の環境)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・除湿魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、安全にお風呂掃除ができるカラッとした環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、飛び散る汚水や湯垢の欠片が、外の世界やご近所の環境を汚染しないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、ダンジョンの入り口と周囲に完璧なマスカー養生と防水・汚水飛散防止シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 水回りのメンテナンスは滑りやすいし、汚水が飛び散るから、しっかり防水養生と換気をして安全第一で作業しようね!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(致死の猛毒水と洪水を完全に弾く特製浴室清掃用・完全防水エプロンと長靴、ゴム手袋)に着替え、手には巨大な「事象溶解の神仙バスクリーナー」と「事象研磨の神仙ダイヤモンドパッド」、プロ仕様の「因果抽出の神仙ふるいネット」、そして「絶対防汚の神仙エコ・バスコントローラー」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『浴室・水回りメンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの水質汚染とスタンピードの悩みを解決するために、邪魔な湯垢とウロコ汚れを『剪定』して、枯渇しない優良なクリーン入浴インフラにリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、浴室清掃仕様に改造された魔導サービスカー(強力な給排水ポンプと高圧洗浄機搭載)に乗り込み、空間が視界を遮るほどの激しい濃霧と無数の水魔で溢れかえっている次元の迷宮『水魔と濃霧の幻視迷宮』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、次元の迷宮『水魔と濃霧の幻視迷宮』の内部。

 そこは、長年の放置により凶悪な水魔竜やウロコゴーレムが異常繁殖し、地表を覆い尽くすほどにひしめき合う、文字通りの水没地獄であった。迷宮のコアから溢れ出す無尽蔵の水マナと幻惑の霧が魔物たちを際限なく凶暴化させ、今まさに外の世界へと溢れ出そうと(大洪水のスタンピードを起こそうと)している、世界滅亡のカウントダウンの最中である。

「ゴボボボボッ!! 我ら水魔の軍勢よ! 溜まりに溜まったこの数億トンの汚水と幻霧の怒りを、今こそ地上へ解き放つ時が来た! 全ての文明を押し流し、この世界を我らの新たな泥沼(迷宮)と変えてくれるわ!」

 迷宮の最深部で、無数の水属性魔獣たちを統べる超巨大な『幻視の水魔竜ファントム・アクア・ドラゴン』が、傲慢な水音の咆哮と共に猛烈な毒の濃霧と鋭い水刃を乱射していた。

「さあ、呑み込め! 地上の脆弱な防壁など、我らの圧倒的な水圧と洪水の前には一瞬で崩壊する! スタンピードの恐怖を――」

 ――キキィィィィッ!! ドシャァァッ!!

 幻視の水魔竜がスタンピードの号令をかけようとしたその瞬間、猛烈な濁流が吹き荒れるダンジョンの入り口付近に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の大津波とゴーレムの群れをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、作業車のドアから、巨大なバスクリーナーとダイヤモンドパッドを持った青年の明るくも呆れた声が、魔物たちの耳障りな水音を完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 浴室のガンコな湯垢と鏡の白いウロコさん(魔物たち)、定期的なお風呂掃除と水質改善の間引き作業(剪定)に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい浴槽のザラザラっぷりと、外にまで汚水を撒き散らそうとしてるタチの悪い水漏れ(スタンピード寸前)だね! 定期メンテナンスをサボってこんなに湯垢を溜め込むなんて、水回り管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にクリーナーでの湯垢落としと、自動防汚機能付きエコ・バスコントローラーへのリフォームのしがいがあるや!」

 アルドは、ゴム手袋をキュッと締め直しつつ、プロの清掃業者としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対ノ水魔迷宮ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ! 我ガ幻惑ノ濃霧デ、一瞬ニシテ溺レシメテクレルワ!」

 幻視の水魔竜が驚愕の水流ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・間引き用具(兵器)」を手にして、水浸しの地面へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい水脈に湧いたウロコゴーレムども(魔獣の群れ)の伐採と、水の流れを塞いでいる無駄な湯垢の解体・撤去は、俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のデッキブラシと高圧水流で一つ残さず削り落とし、完璧な『下地処理(湯垢落としと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の迷宮の中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ最凶ノ水魔軍勢ヲ『お風呂の湯垢とウロコ汚れ』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ汚水ノ群レデ、貴様ラヲ永遠ニ深海ノ底ニ沈メテクレルワ!」

 水魔竜の怒号と共に、空間を覆うほどの猛毒の濃霧と狂暴性を纏った魔獣の群れが、一斉にアルドたちに向かって濁流のごとく押し寄せてきた。

「うわっ、この湯垢たち、すっごく頑固で浴槽の表面に完全にこびりついちゃってる! 放置してたらカビの温床になって不衛生だぞ!」

 アルドは、迫り来る魔獣の大群を「長年の放置で限界までこびりついたタチの悪いガンコな浴室の汚れ」と完全に認識し、神仙バスクリーナーのトリガーをカチャリと引いた。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『水回り設備の放置による湯垢発生と水質悪化被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕はメンテナンス業者として、こいつらを適度に『剪定』して安全に快適な入浴ができるようにし、ピカピカのエコバスにするだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常のお風呂掃除現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。吹き出す汚水や溢れ出す濃霧が外の世界を汚染しないよう、私が完璧にダンジョンの入り口と周囲にマスカー養生と防水・汚水飛散防止シートを張り巡らせます」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、迷宮の入り口を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――バサッ! ピィィィィンッ!

 瞬間、ダンジョンの入り口全体をすっぽりと覆うように強靭な防水シートのようなカバーが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の浴室清掃作業用・汚水飛散防止結界』が展開された。これで、致死の大洪水やスタンピードの魔物は一滴の汚水たりとも外の世界に漏れ出すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は迷宮が撒き散らすガンコなカビ臭さや猛毒の湿気(致死の環境)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・除湿処理いたしますわ」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力換気魔法』が、超強力な清浄の風となって周囲の狂気の濃霧を包み込み、一気に中和して浴室がカラッと乾く清潔な空間へと変えた。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を狂わせる猛毒の湿気は、その浄化の魔法を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でカラカラに乾いた水垢の粉へと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただの湯垢やウロコゴーレムなど、ただのデッキブラシのマトだ! そして、邪魔な過剰な魔物どもは俺が綺麗に削り落として水の通りを良くしてやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「迷宮過剰繁殖水魔獣解体湯垢落トシ排水確保斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、魔獣同士の「因果の隙間(汚れの層)」を完璧に見切り、まるでザラザラの浴槽を専用のブラシでゴシゴシッ!と綺麗に擦り落とし、本来のツルツルな表面を露出させるかのように、シャリィィィン!と見事な手際で余分な魔物を粉砕(剪定)し、迷宮内の安全なエネルギー導線を確保してしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ水魔軍団ト絶対ノ洪水暴走ガ、タダノ『除湿魔法』ト『デッキブラシ』ノ前ニ、一瞬デ間引カレテ適正ナ水質ニ下ゲラレテイクゥゥッ!?」

 幻視の水魔竜は、自らの絶望の軍勢がものの数分で「綺麗に間引かれて湯垢が落ちた浴槽」のように整えられ、スタンピードの脅威が完全に消失した光景に、驚愕のあまり巨大な体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげで安全確保と余分な湯垢の剪定は完璧だね! あとは、あの一番デカくて鏡を曇らせている『ガンコな親玉(水魔竜とコア)』に、事象溶解の神仙バスクリーナーをシュッシュッ!と吹きかけて、ザラザラの汚れを完全にドロドロに溶かす! そして、鏡の白いウロコは『事象研磨の神仙ダイヤモンドパッド』でキュッキュッ!と残さず擦り落としてピカピカの鏡面になるまで磨き上げる! その後、ただ削るだけじゃなくて、資源が枯渇しないように因果抽出のふるいネットで『有用な極上水魔法石』や『良質なクリーン湧水成分』だけを綺麗に分別して残しつつ回収する! 最後に絶対防汚の神仙エコ・バスコントローラーをコアにガチャン!と取り付けて、二度と湯垢が発生せず、永遠に一定の安全な極上の湧水を生み出し続けるように自動調整するだけだ!」

 アルドは、特製『事象溶解の神仙バスクリーナー』と『神仙ダイヤモンドパッド』を水魔竜の巨大な本体(次元の水質汚染の中核)へと向けて構え、長靴で水垢を踏みしめて突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙バスクリーナーは星の因果の過剰な汚水を物理的に分解して安全な水に整える絶対事象剪定ツールであり、神仙ダイヤモンドパッドとエコ・バスコントローラーは大宇宙のいかなる次元の幻視迷宮やスタンピードすらも、物理的に『不要な湯垢を間引いて洗い流し、必要な資源だけを抽出し、水質管理効率を空間ごと最適化する』だけで完璧に無害化し、極上の安全な水回り環境を枯渇させずに取り戻す『究極の持続可能メンテナンスツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ平穏ヲ泥沼ニ帰ス『終焉ノ絶対大洪水アビス・デリュージ』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ汚水ニ沈メテクレルワ!」

 水魔竜が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを蹂躙する超巨大な猛毒の濁流の波を放ってきた。

「うわっ! 浴槽の奥から、すっごく強烈でタチの悪い巨大な湯垢と白いウロコ汚れがせり出してきた! でも、この特製クリーナーとパッドの前には、どんなに凶暴な汚れも一発で綺麗に溶かされて、キュッキュッと音のするピカピカのお風呂になるんだ!」

 アルドが水魔竜の巨大な水質暴走(世界の水質汚染の中心)に向けて、事象溶解の神仙バスクリーナーを「シュッシュッ!!」と力強く吹きかける。事象の水質暴走(迷宮の魔力圏)が、強烈な物理的溶解パワーによって面白いようにドロドロに溶け落ち、そこにアルドが神仙ダイヤモンドパッドを「キュッキュッ!」と力強く押し当てて磨き上げると、強烈な水圧を持っていた呪いは瞬く間に無臭の安全な泡となって削り落とされ、心地よい研磨音と共に透明な輝きを取り戻していく。魔界のどんな猛毒の大洪水も、神仙のメンテナンス力の前にはただの洗剤で落ちる湯垢汚れとなって分解され、水魔竜はあれよあれよという間に、ピカピカに磨き上げられた無害な特注の高級システムバスの鏡のような姿へと整えられていく。

 同時に、アルドは因果抽出のふるいネットをバサァッ!と広げ、清掃されて崩れ落ちた魔物の残骸から、有用な極上水魔法石や世界を潤す良質なクリーン湧水成分だけを「シャカシャカッ!」と綺麗に分別し、資源が枯渇しないように適切な量を迷宮に残しつつ、余剰分を収穫用水タンクへと回収していく。

 完全にスタンピードの危険が消滅した直後、アルドは迷宮の最深部にある心臓部ダンジョンコアに、絶対防汚の神仙エコ・バスコントローラーを「ガチャン!」とはめ込み、ダイヤルを回して設定を『自動防汚管理・適度な浄水・ウロコ汚れ自動防止モード』に合わせる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に安全基準でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対に湯垢が発生せず、いつでも極上の湧水を生み出す、最新式自動お風呂沸かし機のように管理されたクリーン入浴インフラへと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒洪水ガ、タダノバスクリーナーデ一瞬デ溶カサレ、ダイヤモンドパッドデウロコモ綺麗ニ落トサレ、エコ・バスコントローラーデ一ミリモ残ラズ水漏レヲ起コセナクナッタだトォォォッ!? シカモ、私ノ命(水マナ)ガ完全ニ枯渇スルコトナク、心地ヨイ清流デ永遠ニ満タサレルヨウニ調整サレテイル……!?」

「よし、ガンコなお風呂の湯垢と厄介なウロコ汚れは完全に剪定されて排水の通りが良くなって、スタンピードの危険もゼロですっごく安全な水回り設備になったぞ! 枯渇しないように資源の残量もバッチリ管理したからね! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域浄水&無限クリーン入浴システム』を稼働させて……あ、そうだ。この迷宮の親玉、綺麗に掃除してコントローラーをつけたら、凄く強力で絶対に洪水を起こさず、定期的に水魔法石や極上の湧水をドロップしてくれる、巨大な全自動の広域浄水・無限クリーン入浴インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、有害な水質暴走を完全に防ぎつつ、代わりに極上のクリーンな清流と無限の安全な湧水だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域浄水・無限クリーン入浴インフラ』にできそうだよ!」

 アルドが迷宮のコアに施した専用の自動調整ユニットを操作し、事象調律のスイッチを「24時間自動防汚・超エコ浄水・極上リラックスバスタイムモード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な生産施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた迷宮の禍々しい狂気と過剰な水マナは、瞬く間に安全でクリーンな浄水エネルギーと無限の安全装置へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ泥沼ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【安全ニ水ト魔法石オ供給スル為ノ最新ノ自動防汚機能付キ・エコシステムバス】ノヨウニ……!? イヤ、コントローラーオ設定サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安全管理力ト、極上ノ水回り供給環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ水没サセルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ潤イト極上ノ癒やしオ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン浄水プラント」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 かつて世界を脅かした幻視迷宮とスタンピードの化身は、アルドの「お風呂のガンコな湯垢落としと鏡のウロコ取り(剪定)作業」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を押し流す禍々しい狂気の洪水は、気がつけば「世界の浴室・水回り環境を美しく輝く巨大な安全施設に変え、どんな水質汚染の暴走も一瞬で無害化し、極上の湧水と水魔法石を枯渇することなく24時間安定供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域浄水・無限クリーン入浴インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の最新式システムバスと浄水プラント)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌なスタンピードと水質悪化のリスクは片付いて、しかも資源が枯渇しないすっごく綺麗で安全な持続可能バッチリな水回り施設になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが魔物の水漏れや湯垢を気にせずに、どんな時でも安心な環境で笑顔で温かいお風呂に入れるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な生活基盤とピカピカの浴室を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドがダイヤモンドパッドを片付けて額の汗を拭うと、迷宮を覆っていたドス黒い濃霧は一瞬にして晴れ渡り、防水・汚水飛散防止シートが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式水回り設備と、澄み切った清流の心地よい水音が広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮と『剪定』でした、社長。我が社の広域浄水・クリーン入浴システムは、これより大陸全土の迷宮維持・水回り管理基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。枯渇を防ぐための幻視迷宮からの定期水道料金の自動引き落とし設定も完了いたしました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、ダンジョンの視察に同行していた勇者パーティが「俺たちが昔、全身をずぶ濡れにされながら潜ってた水没ダンジョンが、完全にオートメーション化された巨大な無人浄水場と高級スーパー銭湯みたいになってる……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。

「これからは、どんな湯垢魔物やガンコなウロコ汚れの兆候が出ようが、社長の作業前に俺が全部『余分な汚れごとデッキブラシで粉砕』して適度に剪定してやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで世界中の次元防衛・水資源インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに極めて簡素な文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。幻視迷宮。お風呂の湯垢落としと鏡のウロコ取り(スタンピード及び枯渇対策の剪定)完了。全自動浄水・入浴インフラ化。異常なし。以上。』

 ゾルタンはもはや数秒で記録を終えた。世界を滅ぼす幻視迷宮のスタンピードが現れようとも、社長の前では「浴槽がザラザラしてきたための定期的なバスクリーナーがけ」という、家事のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす迷宮の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の設備メンテナンス業務として処理されているのである。

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、幻視迷宮すらもピカピカの最新式システムバスの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、お風呂掃除お疲れ様! 今日の3時のおやつは、お風呂上がりにピッタリな、キンキンに冷えた『特製・大精霊の極上フルーツ牛乳〜星屑の完熟白桃ブレンド〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるフルーツ牛乳は、ことのほか白桃の甘さとミルクのコクが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただのお風呂のガンコな湯垢落としと鏡のウロコ取り(剪定)作業」は、世界滅亡の大洪水スタンピードの危機をただの浴室・水回りメンテナンスとして解決し、資源を枯渇させることなく迷宮の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域浄水・無限クリーン入浴インフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界中の次元迷宮防衛と資源インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常の持続可能なメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜

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