第242話:ただの床下収納の湿気取りとガンコなシロアリ防除(剪定)と、暗黒と腐土の深淵迷宮の強制全自動広域キノコ栽培・無限クリーン土壌インフラ化
第242話:ただの床下収納の湿気取りとガンコなシロアリ防除(剪定)と、暗黒と腐土の深淵迷宮の強制全自動広域キノコ栽培・無限クリーン土壌インフラ化(総合ライフサポート企業の床下・防腐メンテナンス業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
庭先では、夏の強い日差しが降り注ぐ中、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々、そしてすっかり常連の大家さん候補として定着した勇者パーティの面々が、冷たい麦茶を飲みながら、自らとペットたちに起きている奇妙な現象について顔を見合わせていた。
「……なぁ。最近、畑仕事でどんなに重い土嚢を運んでも、徹夜で魔界の書類仕事を片付けても、腰痛ひとつ起きないどころか、切ったはずの爪や髪が異常なほど艶やかに、そして瞬時に生え揃うんだが」
【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、己の逞しく隆起した腕を見つめて首を傾げた。彼の肌は魔界の瘴気で荒れていたかつての面影はなく、まるで生まれたての赤ん坊のようにツヤツヤと輝いている。
「ええ。実は私も、神核の劣化が完全に止まり、むしろかつて宇宙を創造した時以上の生命力がみなぎっているのを感じますの。先日など、うっかり庭の石に躓いて擦りむいたのですが、血が出る前に傷が塞がってしまいましたわ」
創造神が驚きと共に頷く。
足元で日向ぼっこをしている神竜ポチと星狼シロに目を向けると、彼らの毛並みはただ艶やかという次元を越え、大宇宙のいかなる物理・魔法法則すらも完全に弾き返す『神話級の絶対防壁』のような神秘の輝きを放ちながら、ただの犬猫のように無防備に腹を見せて寝転がっている。彼らの寝息一つで、周囲の空間の魔素が浄化され、極上のパワースポットと化しているのだ。
その光景を見て、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)】の元・大賢者ゾルタンが、静かに推測を口にした。
「……おそらく、社長の力が影響しているのだろう。社長は『全知全能の神仙』そのもの。そんな彼が、我々社員や大家の面々、そしてペットの魔物たちと『これからもずっと一緒に、楽しく賑やかに暮らしたい。誰も欠けてほしくない』と無意識に願った結果、我々に社長の『不老不死に近い力』が少しずつ分け与えられているのだ」
「な、なんと……! 我々の体調が異常なまでに絶好調なのも、戦闘力が毎日限界突破して上がり続けているのも、全ては……」
「左様。社長が寂しくならないように、そしてこの平穏な日常が永遠に続くように、世界が我々の体を『不老』に近い状態へと自動アップデートしているのだ。傷は一瞬で治り、老いはなくなり、寿命という概念すら曖昧になりつつある。全ては、我が黄昏の守護者の最高の手厚い福利厚生というわけさ」
ゾルタンの言葉に、一同はアルドの底知れぬ愛と規格外の力に戦慄しながらも、深い安堵と温かい絆を感じて微笑み合った。
そんな穏やかな閑話が交わされる中、日々のメンテナンス業務と家事への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、香ばしい出汁の香りと、芳醇なキノコの暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる、腸内環境を整えて免疫力を極限まで高める『幻獣キノコと天界鶏の極上薬膳雑炊〜世界樹の三つ葉を添えて〜と、大精霊の森の根菜たっぷり筑前煮』だ! まずは、旨味が凝縮された天界鶏のガラを半日煮込んだ黄金のスープに、大精霊の森で採れた数種類の幻獣キノコをたっぷり投入して、キノコから溢れ出すアミノ酸をスープに完全に溶け込ませる。そこに、ふっくらと炊き上げた神仙米を入れ、卵でとろりと閉じるんだ! 仕上げに世界樹の三つ葉を散らせば、香りが一気に引き立つ! その横で、ゴボウやレンコンなどの根菜を、幻獣豚の脂と特製醤油でテリッテリになるまで煮込んだ筑前煮を添える。……熱々のうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、圧倒的なキノコの香りと出汁の香りを放つ特大の土鍋をダイニングテーブルに運ぶと、不老の話題で盛り上がっていた創造神たちや魔物たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣キノコの圧倒的な菌活効果と食物繊維が全身の魔力回路を限界突破させ、天界鶏のコラーゲンが血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、不老不死に近づきつつある体にさらなる多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の和風薬膳ブレックファスト』である。
「うむ……! この熱々の雑炊をハフハフと口に運んだ瞬間に広がる、鶏の旨味の暴力的なまでのビッグバンと、キノコの芳醇な香りのハーモニー! ご飯一粒一粒に出汁が染み渡り、すかさず筑前煮のゴボウのシャキシャキとした食感を味わえば、甘辛い味が口の中を最高にリセットしてくれる! 美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 胃袋から全身が浄化されていくこの多幸感、我が最高福利厚生責任者の職務が、王都の超高級老舗旅館で至福の朝食を貪る貴族のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
サタナスが、お椀を持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々の雑炊に感涙して咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上緑茶が振る舞われた後。
アルドは、キッチンの足元にある床下収納の扉を開けたまま、真剣な表情で首を傾げた。
「……ねえ。今朝、梅干しの壺を出そうと思って床下収納を開けたら、中が凄く『ジメジメしてカビ臭い』し、奥のほうの木材に『タチの悪いガンコなシロアリ』がビッシリ群がってて、柱を食い荒らそうとしてるんだよね。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが世界に多大な腐葉土とキノコ資源を供給している『暗黒と腐土の深淵迷宮』の仕業だってわかる。長年の放置で内部の腐敗蟲やシロアリ魔獣が異常繁殖して湿気が飽和状態になり、床下がガンコなカビと害虫でビッシリになって、大陥没のスタンピード寸前になってるみたいだ」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドは、世界の理を「生活設備のメンテナンス」として完璧に把握している。
「みんな、聞いて。ダンジョン(床下設備)って、見えないところにあるけど、家全体を支えたり、豊かな土壌(腐葉土)やキノコを育てるための凄く大事な生活インフラだよね。だから、気味が悪いからって完全に塞いじゃうと、通気性が悪くなって逆に家が腐っちゃうし、キノコ資源が枯渇しちゃうんだ。でも、放置しすぎるとカビやシロアリ(魔物)が大量発生して、家の基礎を食い荒らしてスタンピード(致死の大陥没)を起こしてしまう。だからこそ、定期的に危険な場所から優先して『湿気を吸い取り、シロアリを専用の防虫剤で駆除する(剪定)』ことで、スタンピードを防ぎつつ、土壌資源が枯渇しないように自動で床下環境を管理する対策が必要なんだ!」
「社長の仰る通りです。ダンジョンの『剪定』と『持続可能な資源管理』……まさに我が社の理念の集大成ですね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「現在、世界で最も危険な地盤沈下と土壌汚染の震源地として警戒されているのが、その『暗黒と腐土の深淵迷宮』です。内部は完全に暗黒・腐敗属性の虫系魔物が飽和状態にあり、いつ致死の陥没と害虫のスタンピードが決壊してもおかしくない状況。しかし、あの迷宮は世界中に希少な『極上闇魔法石』や、世界中の森林を豊かにする『最高級の腐葉土とキノコ』を提供する『重要な床下・土壌設備』でもあります。潰さずに適正な通気性と防虫環境に剪定する『定期メンテナンス業務』に最適の現場と言えるでしょう」
「その通り! だから今日は、床下に限界まで溜まったガンコな湿気とシロアリ(魔物)をしっかり駆除して、カラッとした安全な基礎の状態に剪定するよ! まずは専用の『事象乾燥の神仙除湿剤』をポンポンッ!と置いて、ジメジメの湿気を一滴残さず吸い取る。そして、木を食い荒らすシロアリは『事象防虫の神仙シロアリスプレー』で、プシューッ!と根こそぎ退治するんだ。もちろん、資源が枯渇しないように、有用な闇魔法石や良質な腐葉土成分は『因果抽出のふるいネット』でしっかり残して回収する。最後に詰まったコアを『最新式・自動換気・防虫機能付き神仙エコ・床下コントローラー』にリフォームして、物理的に二度とカビや害虫が発生せず、かつ適度な極上のキノコを永遠に生み出し続ける完璧なインフラにリセットしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。床下の基礎に群がった鬱陶しいシロアリ魔獣ども(害虫の群れ)の粉砕と、通気を塞いでいる無駄なカビの解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用の床下ブラシとスクレーパーで一つ残さず削り落とし、完璧な『下地処理(カビ落としと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型のスクレーパーのように構えて不敵に笑う。
「ええ。ダンジョン内に漂う危険な猛毒のカビ胞子や異常な湿気(※致死の環境)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・除湿魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、安全に床下点検ができるカラッとした環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、飛び散る汚泥や害虫の残骸が、外の世界やご近所の床を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、ダンジョンの入り口と周囲に完璧なマスカー養生と防虫・汚泥飛散防止シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 床下のメンテナンスは狭くて暗いし、ホコリが舞いやすいから、しっかり防虫養生と換気をして安全第一で作業しようね!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(致死の猛毒カビと害虫の噛みつきを完全に弾く特製床下点検用・完全防護ツナギとヘルメット、防塵マスク)に着替え、手には巨大な「事象乾燥の神仙除湿剤」と「事象防虫の神仙シロアリスプレー」、プロ仕様の「因果抽出の神仙ふるいネット」、そして「絶対環境の神仙エコ・床下コントローラー」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『床下・防腐メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの地盤沈下とスタンピードの悩みを解決するために、邪魔な湿気とシロアリを『剪定』して、枯渇しない優良なクリーンキノコ土壌インフラにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、床下点検仕様に改造された魔導サービスカー(強力な送風機と除湿タンク搭載)に乗り込み、空間が視界を遮るほどの激しい湿気と無数の害虫で溢れかえっている次元の迷宮『暗黒と腐土の深淵迷宮』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、次元の迷宮『暗黒と腐土の深淵迷宮』の内部。
そこは、長年の放置により凶悪な暴食蟲王やシロアリ魔獣が異常繁殖し、地中を這い回るほどにひしめき合う、文字通りの暗黒地獄であった。迷宮のコアから溢れ出す無尽蔵の湿気と腐敗ガスが魔物たちを際限なく凶暴化させ、今まさに外の世界へと溢れ出そうと(大地陥没のスタンピードを起こそうと)している、世界滅亡のカウントダウンの最中である。
「キリキリキリッ!! 我ら深淵の軍勢よ! 溜まりに溜まったこの数億トンの湿気と飢餓の怒りを、今こそ地上の柱へ解き放つ時が来た! 全ての文明の基礎を食い荒らし、この世界を我らの新たな腐葉土(迷宮)と変えてくれるわ!」
迷宮の最深部で、無数の蟲属性魔獣たちを統べる超巨大な『深淵の暴食蟲王』が、傲慢な顎の摩擦音と共に猛烈な酸の粘液とカビの胞子を乱射していた。
「さあ、食い尽くせ! 地上の脆弱な岩盤など、我らの圧倒的な大顎と腐敗の前には一瞬で砂と化す! スタンピードの恐怖を――」
――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!
暴食蟲王がスタンピードの号令をかけようとしたその瞬間、猛烈な湿気が立ち込めるダンジョンの入り口付近に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の蟲の群れをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。
そして、作業車のドアから、巨大な除湿剤とシロアリスプレーを持った青年の明るくも呆れた声が、魔物たちの耳障りな羽音を完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 床下収納のガンコなカビと基礎を食い荒らすシロアリさん(魔物たち)、定期的な湿気取りと防虫の間引き作業(剪定)に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい床下のジメジメっぷりと、外にまで土を撒き散らそうとしてるタチの悪い地盤沈下(スタンピード寸前)だね! 定期メンテナンスをサボってこんなに湿気を溜め込むなんて、家屋管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的に除湿剤でのカビ防止と、自動換気機能付きエコ・コントローラーへのリフォームのしがいがあるや!」
アルドは、防護ヘルメットのライトをカチリと点灯させつつ、プロの点検業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対ノ深淵迷宮ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ! 我ガ猛毒ノ酸デ、一瞬ニシテ跡形モナク溶カシテクレルワ!」
暴食蟲王が驚愕の酸液ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・間引き用具(兵器)」を手にして、腐葉土の渦巻く地面へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい空間に湧いたシロアリ魔獣ども(害虫の群れ)の伐採と、通気を塞いでいる無駄なカビの解体・撤去は、俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のスクレーパーで一つ残さず削り落とし、完璧な『下地処理(防虫と間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の迷宮の中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ最凶ノ蟲軍勢ヲ『床下のカビとシロアリ』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ大顎ノ群レデ、貴様ラヲ永遠ニ腐土ノ底ニ沈メテクレルワ!」
暴食蟲王の怒号と共に、空間を覆うほどの猛毒の胞子と狂暴性を纏った魔獣の群れが、一斉にアルドたちに向かって黒い津波のごとく押し寄せてきた。
「うわっ、このシロアリたち、すっごく凶暴で基礎の木材に完全に食らいついちゃってる! 放置してたら家が傾いて凄く危険だぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の大群を「長年の放置で限界まで繁殖したタチの悪いガンコな床下の害虫」と完全に認識し、神仙シロアリスプレーのノズルをカチャリと構えた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『床下設備の放置による湿気発生と害虫被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕はメンテナンス業者として、こいつらを適度に『剪定』して安全に通気が良くようにし、ピカピカのエコ床下にするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の床下点検現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。吹き出す酸液や溢れ出すカビ胞子が外の世界を汚染しないよう、私が完璧にダンジョンの入り口と周囲にマスカー養生と防虫・汚泥飛散防止シートを張り巡らせます」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、迷宮の入り口を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――バサッ! ピィィィィンッ!
瞬間、ダンジョンの入り口全体をすっぽりと覆うように強靭な防虫シートのようなカバーが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の床下点検作業用・汚泥飛散防止結界』が展開された。これで、致死の大陥没やスタンピードの魔物は一匹のシロアリたりとも外の世界に漏れ出すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は迷宮が撒き散らすガンコなカビ臭さや猛毒の湿気(致死の環境)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・除湿処理いたしますわ」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力換気魔法』が、超強力な清浄の風となって周囲の狂気の湿気を包み込み、一気に中和して床下がカラッと乾く清潔な空間へと変えた。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を腐敗させる猛毒のカビは、その浄化の魔法を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でポロポロと崩れ落ちる乾燥した土の粉へと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただのカビや害虫の塊など、ただのスクレーパーのマトだ! そして、邪魔な過剰な魔物どもは俺が綺麗に削り落として通気を良くしてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「迷宮過剰繁殖蟲獣解体カビ落トシ通気確保斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、魔獣同士の「因果の隙間(カビの層)」を完璧に見切り、まるで汚れた基礎を専用のスクレーパーでガリガリッ!と綺麗に削り落とし、本来の頑丈なコンクリートを露出させるかのように、シャリィィィン!と見事な手際で余分な魔物を粉砕(剪定)し、迷宮内の安全なエネルギー導線を確保してしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ蟲軍団ト絶対ノ湿気暴走ガ、タダノ『除湿魔法』ト『スクレーパー』ノ前ニ、一瞬デ間引カレテ適正ナ乾燥状態ニ下ゲラレテイクゥゥッ!?」
暴食蟲王は、自らの絶望の軍勢がものの数分で「綺麗に間引かれてカビが落ちた床下」のように整えられ、スタンピードの脅威が完全に消失した光景に、驚愕のあまり巨大な体を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで安全確保と余分なカビの剪定は完璧だね! あとは、あの一番デカくて基礎を食い荒らしている『ガンコな親玉(暴食蟲王とコア)』の周りに、事象乾燥の神仙除湿剤をポンポンッ!と置いて、ジメジメの湿気を完全に吸い取る! そして、残った厄介なシロアリには『事象防虫の神仙シロアリスプレー』をプシューッ!と吹きかけて、根こそぎ駆除する! その後、ただ退治するだけじゃなくて、資源が枯渇しないように因果抽出のふるいネットで『有用な極上闇魔法石』や『良質な腐葉土成分』だけを綺麗に分別して残しつつ回収する! 最後に絶対環境の神仙エコ・床下コントローラーをコアにガチャン!と取り付けて、二度とカビやシロアリが発生せず、永遠に一定の安全なキノコを生み出し続けるように自動調整するだけだ!」
アルドは、特製『事象防虫の神仙シロアリスプレー』と『神仙除湿剤』を暴食蟲王の巨大な本体(次元の地盤沈下の中核)へと向けて構え、防護ツナギで腐土を踏みしめて突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙除湿剤は星の因果の過剰な湿気を物理的に吸着して安全な乾燥空気に整える絶対事象剪定ツールであり、神仙シロアリスプレーとエコ・床下コントローラーは大宇宙のいかなる次元の深淵迷宮やスタンピードすらも、物理的に『不要な害虫を間引いて駆除し、必要な資源だけを抽出し、土壌・通気効率を空間ごと最適化する』だけで完璧に無害化し、極上の安全な床下環境を枯渇させずに取り戻す『究極の持続可能メンテナンスツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ平穏ヲ腐土ニ帰ス『終焉ノ絶対陥没』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ暗黒ニ飲ミ込ンデクレルワ!」
暴食蟲王が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを蹂躙する超巨大な猛毒の酸の波を放ってきた。
「うわっ! 奥の方から、すっごく強烈でタチの悪い巨大なシロアリの巣がせり出してきた! でも、この特製除湿剤とスプレーの前には、どんなに凶暴な害虫も一発で綺麗に駆除されて、カラッと乾いた安全な床下になるんだ!」
アルドが暴食蟲王の巨大な陥没暴走(世界の地盤沈下の中心)に向けて、事象乾燥の神仙除湿剤を「ポンポンッ!!」と配置し、続けて事象防虫の神仙シロアリスプレーを「プシューッ!!」と力強く吹き付ける。事象の酸の暴走(迷宮の魔力圏)が、強烈な物理的吸湿と防虫パワーによって面白いようにシュワシュワと無害化され、そこにアルドがスプレーを吹き続けると、強烈な腐敗を持っていた呪いは瞬く間に無臭の安全な乾燥土となって崩れ落ち、心地よい換気音と共に透明な輝きを取り戻していく。魔界のどんな猛毒の大陥没も、神仙のメンテナンス力の前にはただの薬で落ちるカビと害虫となって分解され、暴食蟲王はあれよあれよという間に、ピカピカに清掃された無害な特注の高級床下換気扇のような姿へと整えられていく。
同時に、アルドは因果抽出のふるいネットをバサァッ!と広げ、清掃されて崩れ落ちた魔物の残骸から、有用な極上闇魔法石や森林を豊かにする良質な腐葉土成分だけを「シャカシャカッ!」と綺麗に分別し、資源が枯渇しないように適切な量を迷宮に残しつつ、余剰分を収穫用コンテナへと回収していく。
完全にスタンピードの危険が消滅した直後、アルドは迷宮の最深部にある心臓部に、絶対環境の神仙エコ・床下コントローラーを「ガチャン!」とはめ込み、ダイヤルを回して設定を『自動換気管理・適度な保湿・防虫コーティングモード』に合わせる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に安全基準でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対にシロアリが発生せず、いつでも極上のキノコと腐葉土を生み出す、最新式自動換気機能付き床下のように管理されたクリーン土壌インフラへと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶大陥没ガ、タダノ除湿剤デ一瞬デ乾燥サレ、シロアリスプレーデ害虫モ綺麗ニ駆除サレ、エコ・コントローラーデ一ミリモ残ラズ基礎ヲ食イ荒ラセナクナッタだトォォォッ!? シカモ、私ノ命(闇マナ)ガ完全ニ枯渇スルコトナク、心地ヨイ通気デ永遠ニ満タサレ続ケルヨウニ調整サレテイル……!?」
「よし、ガンコな床下のカビとシロアリは完全に剪定されて通気が良くなって、スタンピードの危険もゼロですっごく安全な土壌設備になったぞ! 枯渇しないように資源の残量もバッチリ管理したからね! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域キノコ栽培&無限クリーン土壌システム』を稼働させて……あ、そうだ。この迷宮の親玉、綺麗に点検してコントローラーをつけたら、凄く強力で絶対に地盤沈下を起こさず、定期的に闇魔法石や極上のキノコをドロップしてくれる、巨大な全自動の広域土壌改良・無限クリーンキノコ栽培インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、有害な腐敗暴走を完全に防ぎつつ、代わりに極上のクリーンな腐葉土と無限の安全なキノコだけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域土壌・無限クリーン栽培インフラ』にできそうだよ!」
アルドが迷宮のコアに施した専用の自動調整ユニットを操作し、事象調律のスイッチを「24時間自動換気・超エコ防虫・極上キノコ栽培モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な生産施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた迷宮の禍々しい狂気と過剰な闇マナは、瞬く間に安全でクリーンな土壌エネルギーと無限の安全装置へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ陥没サセルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【安全ニ腐葉土ト魔法石オ供給スル為ノ最新ノ自動換気機能付キ・エコ床下】ノヨウニ……!? イヤ、コントローラーオ設定サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安全管理力ト、極上ノ土壌供給環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ食イ荒ラスノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ豊饒ト極上ノキノコオ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン土壌プラント」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』
かつて世界を脅かした深淵迷宮とスタンピードの化身は、アルドの「床下収納の湿気取りとガンコなシロアリ防除(剪定)作業」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を崩壊させる禍々しい狂気の陥没は、気がつけば「世界の土壌・基礎環境を美しく輝く巨大な安全施設に変え、どんな地盤沈下の暴走も一瞬で無害化し、極上のキノコと闇魔法石を枯渇することなく24時間安定供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域キノコ栽培・無限クリーン土壌インフラ(見た目は巨大でカラッと乾いた純白の最新式床下換気システムと農園プラント)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌なスタンピードと地盤沈下のリスクは片付いて、しかも資源が枯渇しないすっごく綺麗で安全な持続可能バッチリな土壌施設になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが魔物のシロアリやカビを気にせずに、どんな時でも安心な家で笑顔で暮らせるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な生活基盤とカラッとした床下を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドがシロアリスプレーを片付けて額の汗を拭うと、迷宮を覆っていたドス黒い湿気は一瞬にして晴れ渡り、防虫・汚泥飛散防止シートが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式土壌設備と、澄み切った爽やかな木の香りが広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮と『剪定』でした、社長。我が社の広域キノコ栽培・クリーン土壌システムは、これより大陸全土の迷宮維持・地盤管理基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。枯渇を防ぐための深淵迷宮からの定期害虫駆除料金の自動引き落とし設定も完了いたしました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、ダンジョンの視察に同行していた勇者パーティが「俺たちが昔、全身を酸で溶かされながら潜ってた蟲ダンジョンが、完全にオートメーション化された巨大な無人キノコ農園と高級住宅の床下みたいになってる……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。
「これからは、どんなシロアリ魔物やガンコなカビの兆候が出ようが、社長の作業前に俺が全部『余分な害虫ごとスクレーパーで粉砕』して適度に剪定してやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで世界中の次元防衛・土壌インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに極めて簡素な文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。深淵迷宮。床下の湿気取りとシロアリ駆除(スタンピード及び枯渇対策の剪定)完了。全自動キノコ栽培・土壌インフラ化。異常なし。以上。』
ゾルタンはもはや数秒で記録を終えた。世界を滅ぼす深淵迷宮のスタンピードが現れようとも、社長の前では「床下収納がカビ臭くなったための定期的な除湿剤の交換」という、家事のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす迷宮の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の設備メンテナンス業務として処理されているのである。
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、深淵迷宮すらもピカピカの最新式床下換気システムの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、床下点検お疲れ様! 今日の3時のおやつは、綺麗になった床下収納に仕舞っておいた『特製・大精霊の極上完熟梅酒のひんやりゼリー〜星屑の金箔を添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げる梅酒ゼリーは、ことのほか梅の酸味と甘みが、不老に近づいた五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただの床下収納の湿気取りとガンコなシロアリ防除(剪定)作業」は、世界滅亡の大陥没スタンピードの危機をただの床下・防腐メンテナンスとして解決し、資源を枯渇させることなく迷宮の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域キノコ栽培・無限クリーン土壌インフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界中の次元迷宮防衛と資源インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常の持続可能なメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜
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