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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第233話:ただの掃除機のガンコなフィルター水洗いとダストボックスのゴミ捨て(剪定)と、熱砂と狂風の砂漠迷宮の強制全自動広域換気・無限クリーン風力インフラ化

第233話:ただの掃除機のガンコなフィルター水洗いとダストボックスのゴミ捨て(剪定)と、熱砂と狂風の砂漠迷宮の強制全自動広域換気・無限クリーン風力インフラ化(総合ライフサポート企業の清掃・風力メンテナンス業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々、そしてすっかり常連の大家さん候補として定着した勇者パーティの面々が、爽やかな初夏の風を感じながら「最近は風が強くて家の中にホコリが入りやすいな」「部屋の隅にすぐ綿埃が溜まるから困る」「こまめな換気と掃除が健康の基本だぞ」などと、ごく一般的な田舎の掃除事情とハウスダスト対策について楽しげに語り合っている。

 世界中のありとあらゆる危険なダンジョンを「お風呂のカビ取り」や「加湿器の清掃」、「暖炉の煤落とし」といった定期メンテナンス業務として処理し、次々と全自動クリーンインフラに改修してきたアルド。彼の手にかかれば、世界を滅ぼすスタンピードなど「生活インフラの掃除や手入れをサボった結果のホコリや汚れの詰まり」に過ぎない。ダンジョンは生活の一部であり、完全に塞げば資源が枯渇してしまうため、適度な『剪定(間引き)』を行うことで安全で快適な設備へとリメイクされてきた。

 今日もまた、日々のメンテナンス業務と家事への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、香ばしく焼けた肉の脂の香りと、スパイシーで甘辛いBBQソースの暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる『幻獣牛の極厚粗挽きパティと天界チーズの、絶品とろけるグルメバーガー〜大精霊の特製BBQソースと、サクサク星屑オニオンリングを添えて〜』だ! まずは、赤身の旨味が強烈な幻獣牛を粗挽きにして、つなぎを一切使わずに神仙の岩塩と黒胡椒だけで極厚のパティに練り上げ、鉄板で一気に焼き上げる! 溢れ出す肉汁の上に、天界の濃厚チェダーチーズを乗せてトロトロに溶かすんだ。その横で、外はカリッ、中はフワフワに焼き上げた神仙特製バンズに、シャキシャキのレタス、完熟トマト、そして肉厚パティをドカンと挟み込む。仕上げに、数種類のスパイスとフルーツを煮詰めたスモーキーな特製BBQソースを滝のようにかける! 付け合わせには、甘みを極限まで引き出した大精霊の玉ねぎを天界の衣で揚げたサクサクのオニオンリングだ。……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、圧倒的なジャンクフードの香りを放つ特大の木製プレートをダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、掃除の相談を終えた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣牛の圧倒的な鉄分とタンパク質が全身の魔力回路を限界突破させ、特製BBQソースのスパイスが血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高のハンバーガーフルコース』である。

「うむ……! この巨大なバーガーを両手で押し潰すように持ち、大きく口を開けてかぶりついた瞬間に広がる、バンズの香ばしさと肉から溢れ出す暴力的なまでの肉汁のビッグバン! 粗挽きの肉々しい食感に、濃厚な天界チーズとスモーキーなBBQソースが完璧に絡み合い、レタスとトマトの瑞々しさが脂の重さを完全にリセットしてくれる! すかさずサクサクで甘いオニオンリングを頬張れば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 手をベタベタにしながら無心で食らいつくこの野生の喜び……我が最高福利厚生責任者の職務が、王都の超一流ダイナーで至福の朝食を貪る皇帝のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、両手でハンバーガーを持ちながら熱々の肉汁に感涙して咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上コーラ(神仙の炭酸水とスパイスシロップ割り)が振る舞われた後。

 アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの隅にある魔導掃除機の前で立ち止まり、スイッチを入れて真剣な表情で首を傾げた。

「……ねえ。今朝、部屋の掃除をしようと思って掃除機を回したんだけど、『キュイィィィン!』って苦しそうなモーター音がするだけで、ゴミを全然吸い込まないんだよね。排気口からはモワッとしたホコリっぽい空気が出てくるし。中を開けてみたら、ダストボックスに『タチの悪いガンコな砂埃と綿埃』がビッシリ限界まで詰まってて、奥のHEPAフィルターも真っ黒に目詰まりしてる。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが世界に多大な風力エネルギーと高純度のガラス砂を供給している『熱砂と狂風の砂漠迷宮』の仕業だってわかる。長年の放置で内部の砂魔獣やダストゴーレムが異常繁殖して風圧が飽和状態になり、掃除機ダンジョンがガンコな砂埃でビッシリ詰まって、大砂嵐のスタンピード寸前になってるみたいだ」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドは、世界の理を「生活家電のメンテナンス」として完璧に把握している。

「みんな、聞いて。ダンジョン(掃除機)って、部屋を綺麗にしたり、生活に必要な心地よい風(風力)と素材(ガラス砂)を供給してくれる凄く大事な場所だよね。だから、危険だからって完全に壊して塞いじゃうと、世界中から風がなくなって空気が淀むし、ガラス資源が枯渇しちゃうんだ。でも、放置しすぎるとダストボックスがいっぱいになって、フィルター(魔物)が目詰まりして、スタンピード(致死の大砂嵐)を起こしてしまう。だからこそ、定期的に危険な場所から優先して『溜まったゴミを捨てて、フィルターを水洗いする(剪定)』ことで、スタンピードを防ぎつつ、資源が枯渇しないように自動で風力を管理する対策が必要なんだ!」

「社長の仰る通りです。ダンジョンの『剪定』と『持続可能な資源管理』……まさに我が社の理念の集大成ですね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「現在、世界で最も危険な暴風と砂害の震源地として警戒されているのが、その『熱砂と狂風の砂漠迷宮』です。内部は完全に風・砂属性の魔物が飽和状態にあり、いつ致死の大砂嵐と竜巻のスタンピードが決壊してもおかしくない状況。しかし、あの迷宮は世界中に希少な『極上風魔法石』や、窓ガラスやレンズの原料となる『高純度シリカ砂』を提供する『重要な換気・資源設備』でもあります。潰さずに適正な風量と清潔さに剪定する『定期メンテナンス業務』に最適の現場と言えるでしょう」

「その通り! だから今日は、ダストボックスに限界まで溜まったガンコな砂埃(魔物)をしっかりゴミ袋に捨てて、フィルターを水洗いして安全に風が循環できる状態に剪定するよ! まずは専用の『事象廃棄の神仙ゴミ袋』に、余分な砂とホコリをバサッ!と全部空ける。そして目詰まりしたコア(フィルター)は『事象水洗いの神仙クリーニングブラシ』でゴシゴシッ!と水洗いして、細かいホコリを根こそぎ落とすんだ。もちろん、資源が枯渇しないように、有用な風魔法石や綺麗なガラス砂は『因果抽出のふるいネット』でしっかり残して回収する。最後に詰まったコアを『最新式・自動ゴミ圧縮サイクロン機能付き神仙エコ掃除機チューナー』にリフォームして、物理的に二度とフィルターが詰まらず、かつ適度なクリーンな排気を永遠に生み出し続ける完璧なインフラにリセットしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。ダストボックスにこびりついた鬱陶しい砂ゴーレムども(魔獣の群れ)の粉砕と、吸気を塞いでいる無駄な綿埃の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用の大型ブロワーと布団叩きで一つ残さず吹き飛ばし、完璧な『下地処理(ゴミ出しと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧を大型の強力ブロワーのように構えて不敵に笑う。

「ええ。ダンジョン内に漂う危険な猛毒の砂嵐や嫌な排気臭(※致死の環境)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・空気清浄魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、安全にゴミ捨て作業ができる澄み切った環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、舞い上がった砂埃や飛び散るゴミが、外の世界やご近所の洗濯物を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、ダンジョンの入り口と周囲に完璧なマスカー養生と防塵・飛散防止シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 掃除機のゴミ捨てはホコリが舞うし、吸い込んだら喉を痛める危険があるから、しっかり防塵養生をして安全第一で作業しようね!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(致死の猛毒砂嵐と暴風を完全に弾く特製清掃用・完全防塵エプロンとマスク、ゴーグル)に着替え、手には巨大な「事象廃棄の神仙ゴミ袋」と「事象水洗いの神仙クリーニングブラシ」、プロ仕様の「因果抽出の神仙ふるいネット」、そして「絶対換気の神仙エコ掃除機チューナー」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『清掃・風力メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの砂害被害とスタンピードの悩みを解決するために、邪魔なホコリを『剪定』して、枯渇しない優良なクリーン風力インフラにリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、掃除機メンテナンス仕様に改造された魔導サービスカー(強力なサイクロン吸引機と水洗いタンク搭載)に乗り込み、空間が視界を遮るほどの激しい砂嵐とドス黒い竜巻で溢れかえっている次元の迷宮『熱砂と狂風の砂漠迷宮』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、次元の迷宮『熱砂と狂風の砂漠迷宮』の内部。

 そこは、長年の放置により凶悪な砂嵐竜やダストゴーレムが異常繁殖し、空を覆い尽くすほどにひしめき合う、文字通りの暴風地獄であった。迷宮のコアから溢れ出す無尽蔵の過剰風圧と砂埃が魔物たちを際限なく凶暴化させ、今まさに外の世界へと溢れ出そうと(大砂嵐のスタンピードを起こそうと)している、世界滅亡のカウントダウンの最中である。

「ゴォォォォッ!! 我ら狂風の軍勢よ! 溜まりに溜まったこの数億トンの砂漠の怒りを、今こそ地上へ解き放つ時が来た! 全ての文明を削り取り、この世界を我らの新たな死の砂海(迷宮)と変えてくれるわ!」

 迷宮の最深部で、無数の砂塵魔獣たちを統べる超巨大な『狂風の砂嵐竜ダストストーム・ドラゴン』が、傲慢な竜巻の咆哮と共に猛烈な暴風と鋭い砂の刃を乱射していた。

「さあ、吹き荒れろ! 地上の脆弱な防風林など、我らの圧倒的な風圧と砂埃の前には一瞬で根こそぎ引き抜かれる! スタンピードの恐怖を――」

 ――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!

 狂風の砂嵐竜がスタンピードの号令をかけようとしたその瞬間、猛烈な竜巻が吹き荒れるダンジョンの入り口付近に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の大砂嵐とゴーレムの群れをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、作業車のドアから、巨大なゴミ袋と洗浄ブラシを持った青年の明るくも呆れた声が、魔物たちの耳障りな風切り音を完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 掃除機のガンコなダストボックスの詰まりとフィルターの目詰まりさん(魔物たち)、定期ゴミ捨てと水洗いの間引き作業(剪定)に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどいボックス内のパンパンっぷりと、外にまでホコリっぽい排気を撒き散らそうとしてるタチの悪い吸引力低下(スタンピード寸前)だね! 定期メンテナンスをサボってこんなに砂と綿埃を溜め込むなんて、換気管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にゴミ袋への廃棄と、自動サイクロン機能付きエコ掃除機へのリフォームのしがいがあるや!」

 アルドは、防塵マスクをキュッと締め直しつつ、プロの清掃業者としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対ノ砂漠迷宮ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ! 我ガ竜巻デ、一瞬ニシテ砂ノ塵ニシテクレルワ!」

 狂風の砂嵐竜が驚愕の暴風ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・間引き用具(兵器)」を手にして、砂埃が舞う地面へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい空間に湧いた砂塵塊ども(魔獣の群れ)の伐採と、空気の循環を塞いでいる無駄な綿埃の解体・撤去は、俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のブロワーと布団叩きで一つ残さず吹き飛ばし、完璧な『下地処理(ホコリ落としと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の迷宮の中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ最凶ノ狂風軍勢ヲ『掃除機の砂埃と目詰まり』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ大砂嵐ノ群レデ、貴様ラヲ永遠ニ砂漠ノ底ニ埋メテクレルワ!」

 砂嵐竜の怒号と共に、空間を覆うほどの猛毒の砂塵と狂暴性を纏ったゴーレムの群れが、一斉にアルドたちに向かって茶色い津波のごとく押し寄せてきた。

「うわっ、この砂埃たち、すっごく微細でフィルターの目を完全に塞いじゃってる! 放置してたらモーターに負荷がかかって掃除機が壊れちゃうぞ!」

 アルドは、迫り来る魔獣の大群を「長年の放置で限界まで溜まったタチの悪いガンコな掃除機のゴミ」と完全に認識し、神仙ゴミ袋の口をガバッと開いて構えた。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『換気設備の放置によるフィルター詰まりと排気不良被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は清掃業者として、こいつらを適度に『剪定』して安全に風が回るようにし、ピカピカのエコ掃除機にするだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の掃除機ゴミ捨て現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。舞い上がった砂埃や溢れ出す竜巻が外の世界を汚染しないよう、まずは私が完璧にダンジョンの入り口と周囲にマスカー養生と防塵・飛散防止シートを張り巡らせます」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、迷宮の入り口を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――バサッ! ピィィィィンッ!

 瞬間、ダンジョンの入り口全体をすっぽりと覆うように強靭な防塵シートのようなカバーが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の掃除機清掃作業用・飛散防止結界』が展開された。これで、致死の大砂嵐やスタンピードの魔物は一粒の砂埃たりとも外の世界に漏れ出すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は迷宮が撒き散らすガンコな排気臭や猛毒の砂塵(致死の環境)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・空気清浄処理いたしますわ!」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力空気清浄魔法』が、超強力なマイナスイオンの風とクリアな空気となって周囲の狂気の砂嵐を包み込み、一気に中和して深呼吸したくなるほど清潔な空間へと変えた。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を削り取る猛毒の暴風は、その浄化の清浄効果を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でサラサラと落ちやすい軽い砂埃へと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただの砂の塊や綿埃など、ただのブロワーのマトだ! そして、邪魔な過剰な魔物どもは俺が綺麗に吹き飛ばして空気の通りを良くしてやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「迷宮過剰繁殖砂塵獣解体ホコリ落トシ吸気確保斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、魔獣同士の「因果の隙間(ゴミの繋ぎ目)」を完璧に見切り、まるでパンパンのダストボックス内を専用のブロワーでブワァァッ!と綺麗に吹き飛ばし、空気の循環を良くするかのように、シャリィィィン!と見事な手際で余分な魔物を粉砕(剪定)し、迷宮内の安全なエネルギー導線を確保してしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ砂漠軍団ト絶対ノ暴風暴走ガ、タダノ『空気清浄魔法』ト『ホコリ吹キ飛バシ』ノ前ニ、一瞬デ間引カレテ適正ナ風量ニ下ゲラレテイクゥゥッ!?」

 狂風の砂嵐竜は、自らの絶望の軍勢がものの数分で「綺麗に間引かれて空気が回りやすくなったダストボックス」のように整えられ、スタンピードの脅威が完全に消失した光景に、驚愕のあまり巨大な体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげで安全確保と余分な砂埃の剪定は完璧だね! あとは、あの一番デカくてフィルターを詰まらせている『ガンコな親玉(砂嵐竜とコア)』ごと、事象廃棄の神仙ゴミ袋にバサッ!とひっくり返して余分なゴミを捨てる! そして、細かいホコリがこびりついたコアのフィルターは『事象水洗いの神仙クリーニングブラシ』で流水に当てながらゴシゴシッ!と完全に水洗いする! その後、ただ捨てるだけじゃなくて、資源が枯渇しないように因果抽出のふるいネットで『有用な極上風魔法石』や『良質なシリカ砂成分』だけを綺麗に分別して残しつつ回収する! 最後に絶対換気の神仙エコ掃除機チューナーをコアにガチャン!と取り付けて、二度とフィルターが詰まらず、永遠に一定のクリーンな風を出し続けるように自動調整するだけだ!」

 アルドは、特製『事象廃棄の神仙ゴミ袋』と『神仙クリーニングブラシ』を砂嵐竜の巨大な本体(次元の暴風暴走の中核)へと向けて構え、防塵シューズで砂山を踏みしめて突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙ゴミ袋は星の因果の過剰堆積を物理的に廃棄して安全なダストボックスに整える絶対事象剪定ツールであり、神仙ブラシとエコ掃除機チューナーは大宇宙のいかなる次元の砂漠迷宮やスタンピードすらも、物理的に『不要なゴミを間引いて水洗いし、必要な資源だけを抽出し、換気と資源供給効率を空間ごと最適化する』だけで完璧に無害化し、極上の安全な風力環境を枯渇させずに取り戻す『究極の持続可能メンテナンスツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ平穏ヲ砂ノ底ニ帰ス『終焉ノ絶対砂塵アビス・ダスト』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ暴風ノ中ニ飲ミ込メテクレルワ!」

 砂嵐竜が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを蹂躙する超巨大な猛毒の竜巻の波を放ってきた。

「うわっ! ダストボックスの奥から、すっごく強烈でタチの悪い巨大な砂と綿埃の塊がせり出してきた! でも、この特製ゴミ袋と水洗いブラシの前には、どんなに凶暴なホコリも一発で綺麗に洗い落とされて、ピカピカでクリーンな排気の掃除機になるんだ!」

 アルドが砂嵐竜の巨大な暴風現象(世界の風力暴走の中心)に向けて、事象廃棄の神仙ゴミ袋を「バサッ!!」と被せて一気に余分な魔力を回収する。事象の暴風暴走(迷宮の魔力圏)が、強烈な物理的廃棄パワーによって面白いようにポロポロと崩れ落ち、そこにアルドが神仙クリーニングブラシを当てて「ジャブジャブ、ゴシゴシッ!」と力強く水洗いすると、強烈な排気臭を持っていた竜巻は瞬く間に無臭の安全なそよ風となって落ち着き、心地よいモーター音と共に透明な輝きを取り戻していく。魔界のどんな猛毒の大砂嵐も、神仙の清掃力の前にはただの水洗いされるフィルター汚れとなって分解され、砂嵐竜はあれよあれよという間に、ピカピカに磨き上げられた無害な特注の大型サイクロン掃除機のフィルターユニットのような姿へと整えられていく。

 同時に、アルドは因果抽出の神仙ふるいネットをバサァッ!と広げ、清掃されて崩れ落ちた魔物の残骸から、有用な極上の風魔法石やガラスの原料となる良質なシリカ砂だけを「シャカシャカッ!」と綺麗に分別し、資源が枯渇しないように適切な量を迷宮に残しつつ、余剰分を収穫用コンテナへと回収していく。

 完全にスタンピードの危険が消滅した直後、アルドは迷宮の最深部にある心臓部ダンジョンコアに、絶対換気の神仙エコ掃除機チューナーを「ガチャン!」とはめ込み、ダイヤルを回して設定を『自動風量調節・適度な換気・自動ゴミ圧縮サイクロンモード』に合わせる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に安全基準でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対にフィルターがこびりつかず、排気も綺麗な、最新式サイクロン掃除機のように管理されたクリーン風力インフラへと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒砂嵐ガ、タダノゴミ袋ニ捨テラレ、ブラシデゴシゴシ水洗イサレ、エコ掃除機チューナーデ一ミリモ残ラズ排気不良ヲ起コセナクナッタだトォォォッ!? シカモ、私ノ命(風力)ガ完全ニ枯渇スルコトナク、心地ヨイ風量デ永遠ニ吹キ続ケルヨウニ調整サレテイル……!?」

「よし、ガンコなダストボックスの詰まりとフィルターの汚れは完全に剪定されて排気の循環が良くなって、スタンピードの危険もゼロですっごく安全な風力設備になったぞ! 枯渇しないように資源の残量もバッチリ管理したからね! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域換気&無限クリーン風力システム』を稼働させて……あ、そうだ。この迷宮の親玉、綺麗に掃除してチューナーをつけたら、凄く強力で絶対にホコリを溢れさせず、定期的に風魔法石や極上のガラス砂をドロップしてくれる、巨大な全自動の広域換気・無限クリーン風力インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、有害な砂嵐暴走を完全に防ぎつつ、代わりに極上のクリーンな風と無限の安全なシリカ砂だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域換気&無限クリーン風力インフラ』にできそうだよ!」

 アルドが迷宮のコアに施した専用の自動調整ユニットを操作し、事象調律のスイッチを「24時間自動ゴミ圧縮・超エコ換気・極上クリーン排気モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な生産施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた迷宮の禍々しい狂気と過剰風力の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな風力エネルギーと無限の安全装置へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ砂漠ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【安全ニ風力ト魔法石オ供給スル為ノ最新ノ自動ゴミ圧縮機能付キ・エコ掃除機】ノヨウニ……!? イヤ、チューナーオ設定サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安全管理力ト、極上ノ風力供給環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ削リ取ルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ心地ヨイ風ト極上ノ資源オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン掃除機」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 かつて世界を脅かした砂漠迷宮とスタンピードの化身は、アルドの「掃除機のガンコなフィルター水洗いとダストボックスのゴミ捨て(剪定)作業」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を飲み込む禍々しい狂気の砂嵐は、気がつけば「世界の風力・資源環境を美しく輝く巨大な安全施設に変え、どんな竜巻の暴走も一瞬で無害化し、極上のシリカ砂と風魔法石を枯渇することなく24時間安定供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域換気・無限クリーン風力インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の最新式サイクロン掃除機とガラス精製プラント)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌なスタンピードと排気不良のリスクは片付いて、しかも資源が枯渇しないすっごく綺麗で安全な持続可能バッチリな風力施設になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが魔物の砂嵐暴走やホコリっぽい空気を気にせずに、どんな時でも安心な環境で笑顔で綺麗な空気を吸えるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な生活基盤とピカピカの掃除機を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドがクリーニングブラシを片付けて額の汗を拭うと、迷宮を覆っていたドス黒い砂埃は一瞬にして晴れ渡り、防塵飛散防止シートが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式換気設備と、澄み切った清らかな風が広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮と『剪定』でした、社長。我が社の広域換気・クリーン風力システムは、これより大陸全土の迷宮維持・空気管理基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。枯渇を防ぐための砂漠迷宮からの定期電力料金の自動引き落とし設定も完了いたしました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、ダンジョンの視察に同行していた勇者パーティが「俺たちが昔、全身を砂まみれにされながら潜ってた熱砂ダンジョンが、完全にオートメーション化された巨大な無人風力発電所と巨大空気清浄機みたいになってる……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。

「これからは、どんな砂塵魔物やガンコな目詰まりの兆候が出ようが、社長の作業前に俺が全部『余分なゴミごとブロワーで吹き飛ばし』て適度に剪定してやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで世界中の次元防衛・風力インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに極めて簡素な文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。砂漠迷宮。掃除機のゴミ捨てとフィルター水洗い(スタンピード及び枯渇対策の剪定)完了。全自動換気・風力インフラ化。異常なし。以上。』

 ゾルタンはもはや数秒で記録を終えた。世界を滅ぼす砂漠迷宮のスタンピードが現れようとも、社長の前では「掃除機の吸い込みが悪くなったための定期的なフィルター掃除」という、家事のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす迷宮の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の設備メンテナンス業務として処理されているのである。

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、砂漠迷宮すらもピカピカの最新式サイクロン掃除機の一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、掃除機のメンテナンスお疲れ様! 今日の3時のおやつは、綺麗になった空気の中で食べるのにぴったりの、フワッフワで口の中で溶ける『特製・大精霊のシフォンケーキ〜星屑の純白ホイップクリームと爽やかミントを添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるシフォンケーキは、ことのほか生地の軽さとクリームの甘さが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただの掃除機のガンコなフィルター水洗いとダストボックスのゴミ捨て(剪定)作業」は、世界滅亡の大砂嵐スタンピードの危機をただの清掃・風力メンテナンスとして解決し、資源を枯渇させることなく迷宮の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域換気・無限クリーン風力インフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界中の次元迷宮防衛と資源インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常の持続可能なメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜

https://ncode.syosetu.com/n5506ma/

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