第231話:ただの冷蔵庫のガンコな霜取りと脱臭炭の交換と、極寒の氷河迷宮の強制全自動広域冷却・無限クリーン保冷インフラ化
第231話:ただの冷蔵庫のガンコな霜取りと脱臭炭の交換と、極寒の氷河迷宮の強制全自動広域冷却・無限クリーン保冷インフラ化(総合ライフサポート企業の冷蔵庫・温度管理メンテナンス業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々、そしてすっかり常連の大家さん候補として定着した勇者パーティの面々が、少しずつ暖かくなってきた初夏の陽気の中で「そろそろ冷たい飲み物が美味しくなる季節だな」「食材が傷まないように保存魔法の護符を新調しよう」「キンキンに冷えたエールで乾杯したいものだ」などと、ごく一般的な田舎の夏支度と食糧保存について楽しげに語り合っている。
世界中のありとあらゆる危険なダンジョンを「お風呂のカビ取り」や「庭の草むしり」、「煙突の煤落とし」といった定期メンテナンス業務として処理し、次々と全自動クリーンインフラに改修してきたアルド。彼の手にかかれば、世界を滅ぼすスタンピードなど「生活インフラの掃除や手入れをサボった結果の汚れや詰まり」に過ぎない。ダンジョンは生活の一部であり、完全に塞げば資源が枯渇してしまうため、適度な『剪定(間引き)』を行うことで安全で快適な設備へとリメイクされてきた。
今日もまた、日々のメンテナンス業務と家事への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、爽やかな柑橘の香りと、極上の海鮮の旨味が暴力的なまでに漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる『幻獣サーモンと大精霊の帆立を贅沢に使った、究極の冷製カペッリーニ〜星屑のバジルソースと完熟トマトのジュレを添えて〜』だ! まずは、脂がたっぷり乗った幻獣サーモンと肉厚な帆立を、神仙のオリーブオイルと天界の岩塩でサッとマリネして旨味を極限まで引き出す! その横で、極細のパスタ『カペッリーニ』を氷水でキンキンに締め、コシと喉越しを完璧な状態に仕上げるんだ。そこに、大精霊の森で摘みたてのバジルと松の実をすり潰した濃厚な特製ソースを絡め、マリネした海鮮を山のように盛り付ける! 仕上げに、完熟トマトの旨味だけを抽出して固めた黄金色のジュレを散らし、星屑の黒胡椒をカリッと挽く。……ひんやり冷たいうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、圧倒的な清涼感と海鮮の香りを放つ特大のガラスプレートをダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、夏支度の相談を終えた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣サーモンの圧倒的なアスタキサンチンと良質な脂質が全身の魔力回路を限界突破させ、バジルの爽やかな香りとトマトジュレのクエン酸が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の冷製フルコース』である。
「うむ……! このキンキンに冷えた極細パスタをフォークで巻き取り、帆立と一緒に口に運んだ瞬間に広がる、海鮮の暴力的なまでの甘みとバジルの爽やかな香りのビッグバン! 噛むほどに溢れ出すサーモンの脂が、トマトジュレの酸味と完璧に混ざり合い、初夏の熱気を一瞬で吹き飛ばす! すかさずパスタに絡みつく濃厚なソースを余すことなくすすり上げれば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 冷たい喉越しと圧倒的な旨味の相性が完璧すぎて、我が最高福利厚生責任者の職務が、王都の超一流イタリアンで至福の朝食を貪る大富豪のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、フォークを持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて冷製パスタに感涙して咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上アイスティーが振る舞われた後。
アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたキッチンの大型魔導冷蔵庫の前で立ち止まり、真剣な表情で首を傾げた。
「……ねえ。今朝、パスタを冷やそうと思って冷蔵庫を開けた時から気になってたんだけど。冷凍庫の奥に『タチの悪いガンコな分厚い霜』がビッシリ張り付いてて、冷気が全然循環してないんだよね。おまけに、なんか生臭いような嫌な匂いがこもってる。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが世界に多大な冷却魔法石と氷の資源を供給している『極寒と氷結の氷河迷宮』の仕業だってわかる。長年の放置で内部の氷塊魔獣やフロストゴーレムが異常繁殖して冷気が飽和状態になり、冷蔵庫がガンコな霜と嫌な匂いでビッシリ詰まって、大吹雪のスタンピード寸前になってるみたいだ」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドは、世界の理を「生活家電のメンテナンス」として完璧に把握している。
「みんな、聞いて。ダンジョン(冷蔵庫)って、食材を長持ちさせたり、暑い夏を快適に過ごすための氷(冷却魔法石)を供給してくれる凄く大事な場所だよね。だから、危険だからって完全に壊して塞いじゃうと、世界中から氷がなくなって食材が腐っちゃうし、資源が枯渇するんだ。でも、放置しすぎると霜(魔物)が分厚く成長して、スタンピード(絶対零度の大吹雪)を起こしてしまう。だからこそ、定期的に危険な場所から優先して『余分な霜を削り落とす(剪定)』して、スタンピードを防ぎつつ、氷の資源が枯渇しないように自動で温度管理する対策が必要なんだ!」
「社長の仰る通りです。ダンジョンの『剪定』と『持続可能な資源管理』……まさに我が社の理念の集大成ですね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「現在、世界で最も危険な冷気暴走の震源地として警戒されているのが、その『極寒と氷結の氷河迷宮』です。内部は完全に氷・冷気属性の魔物が飽和状態にあり、いつ大吹雪と絶対零度のスタンピードが決壊してもおかしくない状況。しかし、あの迷宮は世界中に希少な『極低温魔法石』や、夏場の食品保存に欠かせない『永久氷』を提供する『重要な保冷・冷却設備』でもあります。潰さずに適正な霜の量と清潔さに剪定する『定期メンテナンス業務』に最適の現場と言えるでしょう」
「その通り! だから今日は、冷凍庫にこびりついたガンコな分厚い霜(魔物)をしっかり削り落として、安全に冷気を循環できる状態に剪定するよ! まずは専用の『事象解氷の神仙スクレーパー(霜取りヘラ)』で、奥深くまでこびりついた分厚い氷をガリガリッ!と根こそぎ剥がし落とす。そして嫌な匂いの元には『事象脱臭の神仙備長炭』を置いて、空間ごと匂いを吸い取るんだ。もちろん、資源が枯渇しないように、有用な冷却魔法石や綺麗な永久氷は『因果抽出のふるいネット』でしっかり残して回収する。最後に詰まったコアを『最新式・霜取り自動機能付き神仙エコ冷蔵庫チューナー』にリフォームして、物理的に二度と霜が詰まらず、かつ適度な冷気を永遠に生み出し続ける完璧なインフラにリセットしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。冷却板にこびりついた鬱陶しいフロストゴーレムども(魔獣の群れ)の粉砕と、冷気を塞いでいる無駄な氷塊の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のアイスピックとヘラで一つ残さず叩き割り、完璧な『下地処理(霜取りと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型のアイスピックのように構えて不敵に笑う。
「ええ。ダンジョン内に漂う危険な絶対零度の吹雪や嫌な冷気臭(※致死の環境)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・温風魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、安全に霜取り作業ができる適温の環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、削り落とした氷や飛び散る冷気が、外の世界やご近所の畑を凍らせないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、ダンジョンの入り口と周囲に完璧なマスカー養生と防寒・断熱飛散防止シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 霜取り作業は手が冷たくなるし、氷の破片が飛んでくる危険があるから、しっかり断熱養生をして安全第一で作業しようね!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(致死の絶対零度と吹雪を完全に弾く特製冷蔵庫清掃用・完全防寒エプロンと厚手防寒手袋、ゴーグル)に着替え、手には巨大な「事象解氷の神仙スクレーパー」と「神仙備長炭」、プロ仕様の「因果抽出の神仙ふるいネット」、そして「絶対保冷の神仙エコ冷蔵庫チューナー」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『冷蔵庫・温度管理メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの吹雪被害とスタンピードの悩みを解決するために、邪魔な霜を『剪定』して、枯渇しない優良なクリーン保冷インフラにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、霜取り清掃仕様に改造された魔導サービスカー(強力な温風機と霜取りヘラ搭載)に乗り込み、空間が視界を遮るほどの猛吹雪と分厚い氷壁で溢れかえっている次元の迷宮『極寒と氷結の氷河迷宮』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、次元の迷宮『極寒と氷結の氷河迷宮』の内部。
そこは、長年の放置により凶悪なフロストゴーレムやブリザードバードが異常繁殖し、地表を覆い尽くすほどにひしめき合う、文字通りの絶対零度地獄であった。迷宮のコアから溢れ出す無尽蔵の過剰冷気と氷塊が魔物たちを際限なく凶暴化させ、今まさに外の世界へと溢れ出そうと(大吹雪のスタンピードを起こそうと)している、世界滅亡のカウントダウンの最中である。
「ピキィィィンッ!! 我ら氷結の軍勢よ! 溜まりに溜まったこの数億トンの氷塊の怒りを、今こそ地上へ解き放つ時が来た! 全ての生命を凍てつかせ、この世界を我らの新たな氷河(迷宮)と変えてくれるわ!」
迷宮の最深部で、無数の氷魔獣たちを統べる超巨大な『絶対零度の氷竜』が、傲慢な吹雪の咆哮と共に猛烈な氷柱と冷気を乱射していた。
「さあ、凍りつけ! 地上の脆弱な防寒結界など、我らの圧倒的な冷気と氷の槍の前には一瞬で砕け散る! スタンピードの恐怖を――」
――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!
絶対零度の氷竜がスタンピードの号令をかけようとしたその瞬間、猛烈な吹雪が吹き荒れるダンジョンの入り口付近に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の大雪と氷壁の群れをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。
そして、作業車のドアから、巨大な霜取りヘラと脱臭炭を持った青年の明るくも呆れた声が、魔物たちの耳障りな凍結音を完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 冷蔵庫のガンコな分厚い霜と嫌な匂いさん(魔物たち)、定期霜取りと間引き作業(剪定)に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい壁面のガチガチっぷりと、外にまで冷気を撒き散らそうとしてるタチの悪い冷気漏れ(スタンピード寸前)だね! 定期メンテナンスをサボってこんなに霜を溜め込むなんて、温度管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にスクレーパーでの霜落としと、自動霜取り機能付きエコ冷蔵庫へのリフォームのしがいがあるや!」
アルドは、防寒手袋をキュッと締め直しつつ、プロの清掃業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対ノ氷河迷宮ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ! 我ガ絶対零度デ、一瞬ニシテ氷ノ彫刻ニシテクレルワ!」
絶対零度の氷竜が驚愕の吹雪ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・間引き用具(兵器)」を手にして、ツルツルに凍った地面へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい壁面に湧いた霜塊ども(魔獣の群れ)の伐採と、冷気の循環を塞いでいる無駄な氷壁の解体・撤去は、俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のアイスピックとヘラで一つ残さず削り落とし、完璧な『下地処理(霜砕きと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の迷宮の中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ最凶ノ氷結軍勢ヲ『冷蔵庫の霜と嫌な匂い』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ吹雪ノ群レデ、貴様ラヲ永遠ニ氷河ノ底ニ沈メテクレルワ!」
氷竜の怒号と共に、空間を覆うほどの猛毒の冷気と狂暴性を纏ったゴーレムの群れが、一斉にアルドたちに向かって氷の雪崩のごとく押し寄せてきた。
「うわっ、この霜たち、すっごく硬くこびりついてて冷気の通り道を完全に塞いじゃってる! 放置してたら他の食材まで匂いが移ってダメになっちゃうぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の大群を「長年の放置で氷化したタチの悪いガンコな冷蔵庫の霜汚れ」と完全に認識し、神仙スクレーパーをカチャリと構えた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『保冷設備の放置による霜詰まりと冷気不良被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は冷蔵庫清掃業者として、こいつらを適度に『剪定』して安全に冷気が回るようにし、ピカピカのエコ冷蔵庫にするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の冷蔵庫霜取り現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。削り落とした氷や溢れ出す吹雪が外の世界を凍らせないよう、まずは私が完璧にダンジョンの入り口と周囲にマスカー養生と防寒・断熱飛散防止シートを張り巡らせます」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、迷宮の入り口を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――バサッ! ピィィィィンッ!
瞬間、ダンジョンの入り口全体をすっぽりと覆うように強靭な断熱シートのようなカバーが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の霜取り清掃作業用・飛散防止結界』が展開された。これで、致死の大吹雪やスタンピードの魔物は一粒の氷の粉たりとも外の世界に漏れ出すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は迷宮が撒き散らすガンコな冷気臭や絶対零度(致死の環境)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・温風処理いたしますわ!」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力換気・温風魔法』が、超強力なドライヤーのような温風とクリアな空気となって周囲の狂気の吹雪を包み込み、一気に中和して霜が溶けやすい適正な温度の空間へと変えた。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を凍らせる猛毒の冷気は、その浄化の温風効果を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でシャーベット状の脆い霜の塊へと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただの霜の塊や氷など、ただのアイスピックのマトだ! そして、邪魔な過剰な魔物どもは俺が綺麗に削り落として冷気の通りを良くしてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「迷宮過剰繁殖氷結獣解体霜落トシ通気確保斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、魔獣同士の「因果の隙間(氷の繋ぎ目)」を完璧に見切り、まるでガチガチの冷蔵庫内壁を専用のヘラでガリガリッ!と綺麗に削り落とし、空気の循環を良くするかのように、シャリィィィン!と見事な手際で余分な魔物を粉砕(剪定)し、迷宮内の安全なエネルギー導線を確保してしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ氷結軍団ト絶対ノ吹雪暴走ガ、タダノ『温風魔法』ト『霜削リ落トシ』ノ前ニ、一瞬デ間引カレテ適正ナ冷却量ニ下ゲラレテイクゥゥッ!?」
絶対零度の氷竜は、自らの絶望の軍勢がものの数分で「綺麗に間引かれて冷気が回りやすくなった冷凍庫」のように整えられ、スタンピードの脅威が完全に消失した光景に、驚愕のあまり巨大な体を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで安全確保と余分な霜の剪定は完璧だね! あとは、あの一番デカくて冷蔵庫を詰まらせている『ガンコな親玉(氷竜とコア)』に、事象解氷の神仙スクレーパーを当てて、ガリガリガリッ!と分厚い氷を徹底的に剥がし落とす! そして、嫌な匂いがこもってるコアのそばには『事象脱臭の神仙備長炭』をポンッと置いて空間の匂いを一気に吸い取る! その後、ただ削るだけじゃなくて、資源が枯渇しないように因果抽出のふるいネットで『有用な極低温魔法石』や『良質な永久氷成分』だけを綺麗に分別して残しつつ回収する! 最後に絶対保冷の神仙エコ冷蔵庫チューナーをコアにガチャン!と取り付けて、二度と霜が詰まらず、永遠に一定の冷気を出し続けるように自動調整するだけだ!」
アルドは、特製『事象解氷の神仙スクレーパー』と『神仙備長炭』を氷竜の巨大な本体(次元の吹雪暴走の中核)へと向けて構え、防寒シューズで氷の破片を踏みしめて突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙スクレーパーは星の因果の過剰凍結を物理的に削り落として安全な冷蔵庫に整える絶対事象剪定ツールであり、神仙備長炭とエコ冷蔵庫チューナーは大宇宙のいかなる次元の氷河迷宮やスタンピードすらも、物理的に『不要なゴミを間引いて必要な資源だけを抽出し、保冷と資源供給効率を空間ごと最適化する』だけで完璧に無害化し、極上の安全な冷却環境を枯渇させずに取り戻す『究極の持続可能メンテナンスツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ平穏ヲ氷漬ケニ帰ス『終焉ノ絶対吹雪』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ氷塊ノ中ニ封ジ込メテクレルワ!」
氷竜が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを蹂躙する超巨大な猛毒の冷気の波を放ってきた。
「うわっ! 冷凍庫の奥から、すっごく強烈でタチの悪い巨大な霜と氷の塊がせり出してきた! でも、この特製スクレーパーと備長炭の前には、どんなに凶暴な汚れも一発で綺麗に削り落とされて、ピカピカで無臭の安全な冷蔵庫になるんだ!」
アルドが氷竜の巨大な吹雪現象(世界の冷気暴走の中心)に向けて、事象解氷の神仙スクレーパーを「ガリッ、バリバリッ!!」と力強く当てて剥がしにかかる。事象の吹雪暴走(迷宮の魔力圏)が、強烈な物理的解氷パワーによって面白いようにボロボロと崩れ落ち、そこにアルドが神仙備長炭を「ポンッ」と置くと、強烈な冷気臭を持っていた吹雪は瞬く間に無臭の安全な冷気となって落ち着き、心地よいコンプレッサーの稼働音と共に透明な輝きを取り戻していく。魔界のどんな猛毒の大吹雪も、神仙の清掃力の前にはただの削り落とされる霜汚れとなって分解され、氷竜はあれよあれよという間に、ピカピカに磨き上げられた無害な特注の大型冷蔵庫の冷却ユニットのような姿へと整えられていく。
同時に、アルドは因果抽出の神仙ふるいネットをバサァッ!と広げ、清掃されて崩れ落ちた魔物の残骸から、有用な極上の極低温魔法石や食材を冷やす良質な永久氷の素材だけを「シャカシャカッ!」と綺麗に分別し、資源が枯渇しないように適切な量を迷宮に残しつつ、余剰分を収穫用クーラーボックスへと回収していく。
完全にスタンピードの危険が消滅した直後、アルドは迷宮の最深部にある心臓部に、絶対保冷の神仙エコ冷蔵庫チューナーを「ガチャン!」とはめ込み、ダイヤルを回して設定を『自動温度調節・適度な冷却・霜取り自動モード』に合わせる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に安全基準でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対に霜がこびりつかず、匂いもない、最新式自動霜取り機能付き大型冷蔵庫のように管理されたクリーン冷却インフラへと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒吹雪ガ、タダノヘラデガリガリ削ラレ、備長炭デ匂イヲ吸イ取ラレ、エコ冷蔵庫チューナーデ一ミリモ残ラズ冷気漏レヲ起コセナクナッタだトォォォッ!? シカモ、私ノ命(冷気)ガ完全ニ枯渇スルコトナク、心地ヨイ温度デ永遠ニ冷ヤシ続ケルヨウニ調整サレテイル……!?」
「よし、ガンコな冷凍庫の霜と嫌な匂いは完全に剪定されて冷気の循環が良くなって、スタンピードの危険もゼロですっごく安全な保冷設備になったぞ! 枯渇しないように資源の残量もバッチリ管理したからね! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域冷却&無限クリーン保冷システム』を稼働させて……あ、そうだ。この迷宮の親玉、綺麗に掃除してチューナーをつけたら、凄く強力で絶対に霜を溢れさせず、定期的に冷却魔法石や極上の氷をドロップしてくれる、巨大な全自動の広域冷却・無限クリーン保冷インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、有害な吹雪暴走を完全に防ぎつつ、代わりに極上のクリーンな冷気と無限の安全な氷の魔石だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域冷却&無限クリーン保冷インフラ』にできそうだよ!」
アルドが迷宮のコアに施した専用の自動調整ユニットを操作し、事象調律のスイッチを「24時間自動霜取り・超エコ保冷・極上キンキン冷却モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な生産施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた迷宮の禍々しい狂気と過剰冷気の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな冷却エネルギーと無限の安全装置へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ氷河ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【安全ニ冷気ト魔法石オ供給スル為ノ最新ノ自動霜取リ機能付キ・エコ冷蔵庫】ノヨウニ……!? イヤ、チューナーオ設定サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安全管理力ト、極上ノ保冷供給環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ凍ラセルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ涼シサト極上ノ氷オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン冷蔵庫」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』
かつて世界を脅かした氷河迷宮とスタンピードの化身は、アルドの「冷蔵庫のガンコな霜取りと脱臭炭の交換(剪定)作業」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を凍らせる禍々しい狂気の吹雪は、気がつけば「世界の保冷・冷却環境を美しく輝く巨大な安全施設に変え、どんな絶対零度の暴走も一瞬で無害化し、極上の永久氷と冷却魔法石を枯渇することなく24時間安定供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域冷却・無限クリーン保冷インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の最新式大型冷蔵庫と製氷プラント)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌なスタンピードと冷気不良のリスクは片付いて、しかも資源が枯渇しないすっごく綺麗で安全な持続可能バッチリな保冷施設になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが魔物の吹雪暴走や食材の腐敗を気にせずに、どんな時でも安心な環境で笑顔で冷たい飲み物を楽しめるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な生活基盤とピカピカの冷蔵庫を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドが霜取りヘラを片付けて額の汗を拭うと、迷宮を覆っていたドス黒い吹雪は一瞬にして晴れ渡り、断熱飛散防止シートが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式保冷設備と、澄み切ったヒンヤリと心地よい空気が広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮と『剪定』でした、社長。我が社の広域冷却・クリーン保冷システムは、これより大陸全土の迷宮維持・温度管理基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。枯渇を防ぐための氷河迷宮からの定期冷却利用料金の自動引き落とし設定も完了いたしました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、ダンジョンの視察に同行していた勇者パーティが「俺たちが昔、全身を凍傷にされながら潜ってた氷結ダンジョンが、完全にオートメーション化された巨大な無人製氷工場と業務用冷凍庫みたいになってる……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。
「これからは、どんな氷塊の魔物やガンコな霜の兆候が出ようが、社長の作業前に俺が全部『余分な霜ごとヘラで削り落とし』て適度に剪定してやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで世界中の次元防衛・冷却インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに極めて簡素な文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。氷河迷宮。冷蔵庫の霜取りと脱臭(スタンピード及び枯渇対策の剪定)完了。全自動保冷・冷却インフラ化。異常なし。以上。』
ゾルタンはもはや数秒で記録を終えた。世界を滅ぼす氷河迷宮のスタンピードが現れようとも、社長の前では「冷凍庫の冷えが悪くなったための定期的な霜取り掃除」という、家事のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす迷宮の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の設備メンテナンス業務として処理されているのである。
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、氷河迷宮すらもピカピカの最新式冷蔵庫の一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、霜取りお疲れ様! 今日の3時のおやつは、綺麗になった冷蔵庫から新しく採れた永久氷で作った『特製・大精霊の果汁たっぷり・極上フワフワかき氷〜星屑の練乳と幻獣マンゴーシロップをかけて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるかき氷は、ことのほか氷の口溶けと果実の甘さが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただの冷蔵庫のガンコな霜取りと脱臭炭の交換(剪定)作業」は、世界滅亡の大吹雪スタンピードの危機をただの空調保冷メンテナンスとして解決し、資源を枯渇させることなく迷宮の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域冷却・無限クリーン保冷インフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界中の次元迷宮防衛と資源インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常の持続可能なメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
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