表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
223/251

第223話:ただの換気扇のガンコな油汚れ落としとフィルター交換と、猛毒の腐海迷宮の強制全自動広域換気・無限クリーン抽出インフラ化

第223話:ただの換気扇のガンコな油汚れ落としとフィルター交換と、猛毒の腐海迷宮の強制全自動広域換気・無限クリーン抽出インフラ化(総合ライフサポート企業の空調排気・油汚れメンテナンス業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々、そしてすっかり常連の大家さん候補として定着した勇者パーティの面々が、吐く息が白く染まる冬の朝の空気の中で「そろそろ灯油ストーブの芯を交換する時期だな」「結露対策に窓ガラスにプチプチを貼っておこう」などと、ごく一般的な田舎の冬支度について真剣に語り合っている。

 世界中のありとあらゆる危険なダンジョンを「庭の剪定」や「ボイラー清掃」、「掃除機のパック交換」といった定期メンテナンス業務として処理し、次々と全自動クリーンインフラに改修してきたアルド。彼の手にかかれば、世界を滅ぼすスタンピードなど「生活インフラの掃除をサボった結果の汚れや詰まり」に過ぎず、適度な間引きと清掃によって、資源を枯渇させることなく安全で快適な設備へとリメイクされてきた。

 今日もまた、日々のメンテナンス業務と家事への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、香ばしい胡麻油の香りと、海鮮の旨味が極限まで焦がされた暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる『幻獣タラバ蟹の身を贅沢に使った、究極の黄金パラパラ炒飯〜大精霊の森のキノコを使った特製フカヒレ風とろみスープを添えて〜』だ! まずは、熱々に熱した神仙の中華鍋に、天界鶏の特濃卵を流し込み、すぐさま神仙米を投入して一粒一粒に卵をコーティングする! 鍋を豪快に振りながら、水分を飛ばしてパラパラに仕上げたら、幻獣タラバ蟹の極太のほぐし身と、刻んだネギを大量に投入し、神仙醤油と胡麻油で香ばしく味を整えるんだ。その横で、大精霊の森で採れたエノキやシイタケを細切りにし、幻獣鶏の出汁でトロトロに煮込んだ『フカヒレ風とろみスープ』を作る! 炒飯をドーム状にお皿に盛り付け、この熱々のスープと一緒に食べるんだ。……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、圧倒的な中華の香りを放つ特大の朝食お盆をダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、結露対策の相談を終えた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣タラバ蟹の圧倒的なタウリンと卵のタンパク質が全身の魔力回路を限界突破させ、とろみスープの薬効成分が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の中華朝食フルコース』である。

「うむ……! この黄金色に輝くパラパラの炒飯をレンゲですくい、口に運んだ瞬間に広がる、蟹の暴力的なまでの旨味と卵の甘みのビッグバン! 噛むほどに米の一粒一粒から香ばしい胡麻油の香りが抜け、そこにフカヒレ風とろみスープをすすれば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! スープのトロミが炒飯を優しく包み込み、我が最高福利厚生責任者の職務が、王都の超高級中華料理店で至福の朝食を貪る皇帝のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、レンゲを持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々の炒飯に感涙して咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上ウーロン茶が振る舞われた後。

 アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座り、ふとキッチンのコンロの上を見上げて首を傾げた。

「……ねえ。今朝、中華鍋を振ってた時から気になってたんだけど、換気扇レンジフードの吸い込みがすごく悪くて、フィルターから『ドロドロのタチの悪いガンコな黄色い油汚れ』が垂れ落ちそうになってるんだよね。おまけに中のシロッコファンから『ブオォォ……ガタガタッ』って異音がしてる。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが世界に多大な錬金素材と薬効オイルを供給している『猛毒と瘴気の腐海迷宮』の仕業だってわかる。長年の放置で内部の腐海竜や粘液魔獣が異常繁殖して瘴気が飽和状態になり、換気扇ダンジョンのフィルターがガンコな猛毒の油汚れでビッシリ詰まって、大気汚染のスタンピード寸前になってるみたいだね。完全に定期的な換気扇の油汚れ落としをサボったせいで発生する、排気不良とキッチン(世界)のベタベタトラブルだよ」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「換気扇の油汚れと異音」。それはすなわち、世界の錬金術の要となる薬品や希少な油を司る最重要ダンジョンの一つ『猛毒と瘴気の腐海迷宮』が限界を迎え、無数の粘液魔獣と猛毒の瘴気を率いて外の世界へ溢れ出し、大陸全土を致死の毒沼と腐海の底へと沈めようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。

 しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界を油汚れのベタベタや悪臭の心配がない、いつでも綺麗な空気が循環する極上のクリーンキッチンにする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。

「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた腐海ダンジョンの瘴気飽和と、スタンピードの危機……間違いありませんね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「現在、世界で最も危険な汚染源として警戒されているのが、その『猛毒と瘴気の腐海迷宮』です。内部は完全に毒・粘液属性の魔物が飽和状態にあり、いつ猛毒のスタンピードが決壊してもおかしくない状況。しかし、あの迷宮は世界中に希少な錬金素材や薬効オイル、そして燃料用の油を供給する『重要な抽出・排気設備(資源)』でもあります。潰すわけにはいかないため、適正な排気と清潔さに調整する『定期メンテナンス業務』に最適の現場と言えるでしょう」

「なるほど! やっぱりダンジョンは生活の一部インフラだから、完全に塞いじゃうとみんなが薬を作れなくなるし、機械の潤滑油も無くなっちゃうんだね!」

 アルドはバインダーの報告書を見て、プロのハウスクリーニング業者としての血を騒がせた。

「換気扇の奥で固まった油汚れ(魔物)を溶かして、ガンコなフィルターを綺麗に交換し、安全に空気を排気できる状態を維持する。これが持続可能な環境管理の鉄則だよ! まずは専用の『事象分解の神仙アルカリ油汚れクリーナー』を吹きかけて、ドロドロの油を根こそぎ溶かしてスポンジで拭き取る! さらに不要な魔物を間引きつつ、有用な薬効オイルや錬金エキスは『因果抽出のふるいネット』でしっかり回収。最後にベタベタになった排気コアを『最新式・自動ファン洗浄機能付き神仙エコ換気扇チューナー』にリフォームして、物理的に二度と油がこびりつかない完璧なインフラにリセットしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。換気扇の奥にこびりついた鬱陶しい粘液魔獣ども(魔獣の群れ)の伐採と、排気を塞いでいる無駄な油の塊の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のドライバーとスクレーパーで一つ残さず引っ剥がし、完璧な『下地処理(ファンの分解と間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧を大型のシロッコファン外し用工具のように構えて不敵に笑う。

「ええ。ダンジョン内に漂う危険な猛毒の瘴気や油の悪臭(※致死の環境)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・脱臭魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、安全に油汚れ掃除ができる無臭の環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、溶け落ちた油や猛毒の飛沫が、外の世界やご近所の壁紙を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、ダンジョンの入り口と周囲に完璧なマスカー養生と防汚飛散防止シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 換気扇の掃除は油が垂れてくるし、強いアルカリ洗剤を使うから、しっかり防汚養生と換気をして安全第一で作業しようね!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(致死の猛毒と粘液を完全に弾く特製油汚れ清掃用・完全防汚エプロンと厚手ゴム手袋、保護メガネ)に着替え、手には巨大な「事象分解の神仙アルカリ油汚れクリーナー」と、プロ仕様の「因果抽出の神仙ふるいネット」、そして「絶対排気の神仙エコ換気扇チューナー」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『空調排気・油汚れメンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの猛毒汚染とスタンピードの悩みを解決するために、邪魔な油汚れと魔物を間引いて、迷宮を優良なクリーン換気インフラにリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、換気扇清掃仕様に改造された魔導サービスカー(強力なアルカリ洗剤と分解工具搭載)に乗り込み、空間がドス黒い瘴気と粘液で溢れかえっている次元の迷宮『猛毒と瘴気の腐海迷宮』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、次元の迷宮『猛毒と瘴気の腐海迷宮』の内部。

 そこは、長年の放置により凶悪な粘液魔獣や毒スライムが異常繁殖し、地底を覆い尽くすほどにひしめき合う、文字通りの腐海地獄であった。迷宮のコアから溢れ出す無尽蔵の毒エネルギーが魔物たちを際限なく凶暴化させ、今まさに外の世界へと溢れ出そうと(大気汚染のスタンピードを起こそうと)している、世界滅亡のカウントダウンの最中である。

「ブクブクブクッ!! 我ら腐海の軍勢よ! 溜まりに溜まったこの数億トンの猛毒の怒りを、今こそ地上へ解き放つ時が来た! 全ての生命を溶かし、この世界を我らの新たな毒沼(迷宮)と変えてくれるわ!」

 迷宮の最深部で、無数の魔獣たちを統べる超巨大な『猛毒の腐海竜』が、傲慢な咆哮と共に猛烈な瘴気とドロドロの粘液を噴き上げていた。

「さあ、溢れ出せ! 地上の脆弱な浄化結界など、我らの圧倒的な毒素と粘着力の前には一瞬で腐食される! スタンピードの恐怖を――」

 ――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!

 猛毒の腐海竜がスタンピードの号令をかけようとしたその瞬間、猛烈な瘴気が吹き荒れるダンジョンの入り口付近に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の猛毒と粘液をものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、作業車のドアから、巨大なアルカリクリーナーとふるいネットを持った青年の明るくも呆れた声が、魔物たちの泡立つ音を完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 換気扇のガンコな油汚れとフィルター詰まりさん(魔物たち)、定期分解清掃とフィルター交換に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい内部のベタベタっぷりと、外にまで悪臭を撒き散らそうとしてるタチの悪い排気不良(スタンピード寸前)だね! 定期メンテナンスをサボってこんなに油を溜め込むなんて、排気設備管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にアルカリ洗剤での溶解と、自動ファン洗浄機能付きエコ換気扇への交換のしがいがあるや!」

 アルドは、防汚ゴム手袋をキュッと締め直しつつ、プロの清掃業者としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対ノ腐海迷宮ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」

 猛毒の腐海竜が驚愕の粘液ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・間引き用具(兵器)」を手にして、ドロドロの地面へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しいシロッコファンに湧いた油汚れども(魔獣の群れ)の伐採と、排気を塞いでいる無駄な粘液の解体・撤去は、俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のドライバーで一つ残さず分解し、完璧な『下地処理(換気扇の分解と油落とし作業)』をしてご覧に入れましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の迷宮の中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ最凶ノ腐海軍勢ヲ『換気扇のガンコな油汚れ』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ猛毒ノ群レデ、貴様ラヲ永遠ニドロドロニ溶カシテクレルワ!」

 腐海竜の怒号と共に、空間を覆うほどの真っ黒な瘴気と狂暴性を纏った粘液魔獣の群れが、一斉にアルドたちに向かってヘドロの津波のごとく押し寄せてきた。

「うわっ、この油汚れたち、すっごくベタベタしててファンの羽にビッシリ絡みついてる! 放置してたらキッチン中がギトギトになって大惨事になっちゃうぞ!」

 アルドは、迫り来る魔獣の大群を「長年の放置で酸化したタチの悪いガンコな換気扇の油汚れ」と完全に認識し、神仙アルカリ油汚れクリーナーのボトルをカチャリと構えた。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『排気設備の放置による油詰まりと悪臭被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕はハウスクリーニング業者として、こいつらを完璧に溶かして分解処理して、ピカピカのエコ換気扇にするだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の換気扇清掃現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。溶け落ちる油や飛び散る猛毒が外の世界を汚さないよう、まずは私が完璧にダンジョンの入り口と周囲にマスカー養生と防汚飛散防止シートを張り巡らせます」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、迷宮の入り口を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――バサッ! ピィィィィンッ!

 瞬間、ダンジョンの入り口全体をすっぽりと覆うように強靭な防汚シートのようなカバーが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の防汚清掃作業用・飛散防止結界』が展開された。これで、致死の猛毒やスタンピードの魔物は一滴の粘液たりとも外の世界に漏れ出すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は迷宮が撒き散らすガンコな悪臭や猛毒の瘴気(致死の環境)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・脱臭処理いたしますわ!」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力脱臭魔法』が、超強力なオゾンと清浄な空気となって周囲の狂気の瘴気を包み込み、一気に中和して深呼吸できるほどクリーンな空間へと変えた。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を腐食させる猛毒の瘴気は、その浄化の脱臭効果を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でツンとしない微かな洗剤の匂いへと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただの油汚れや粘液など、ただの分解工具のマトだ! そして、邪魔な過剰な魔物どもは俺が綺麗に分解して排気の通りを良くしてやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「迷宮過剰繁殖粘液獣解体換気扇分解排気確保斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、魔獣同士の「因果の隙間(ファンの固定ネジ)」を完璧に見切り、まるでベタベタのパーツを専用のドライバーでクルクルッ!と綺麗に外し、排気の通りを良くするかのように、シャリィィィン!と見事な手際で余分な魔物を粉砕し、迷宮内の安全なエネルギー導線を確保してしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ腐海軍団ト絶対ノ瘴気暴走ガ、タダノ『脱臭魔法』ト『換気扇分解』ノ前ニ、一瞬デ間引カレテ適正ナ排気量ニ下ゲラレテイクゥゥッ!?」

 猛毒の腐海竜は、自らの絶望の軍勢がものの数分で「綺麗に分解されて並べられた換気扇のパーツ」のように整えられ、スタンピードの脅威が完全に消失した光景に、驚愕のあまり巨大な体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげで安全確保と余分な油汚れの分解は完璧だね! あとは、あの一番デカくて換気扇を詰まらせている『ガンコな親玉(腐海竜とコア)』に、事象分解の神仙アルカリ油汚れクリーナーをシュッシュッ!と吹きかけて数分放置し、ドロドロに溶け出したところをスポンジで一気に拭き取る! そして、拭き取った魔物から因果抽出のふるいネットで有用な薬効オイルや錬金エキスだけを綺麗に分別して回収する! 最後に絶対排気の神仙エコ換気扇チューナーをコアにガチャン!と取り付けて、二度と油がこびりつかないように自動調整するだけだ!」

 アルドは、特製『事象分解の神仙アルカリ油汚れクリーナー』と『ふるいネット』を腐海竜の巨大な本体(次元の汚染暴走の中核)へと向けて構え、防汚長靴で毒沼を踏みしめて突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙アルカリクリーナーは星の因果の汚れを物理的に分解・溶解して適正な清潔さに整える絶対事象洗浄ツールであり、神仙ふるいネットとエコ換気扇チューナーは大宇宙のいかなる次元の腐海迷宮やスタンピードすらも、物理的に『不要なゴミを溶かして必要な資源だけを抽出し、排気と抽出効率を空間ごと最適化する』だけで完璧に無害化し、極上の安全な抽出資源を取り戻す『究極の持続可能メンテナンスツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ平穏ヲ溶カシ尽クス『終焉ノ絶対腐敗アビス・メルトダウン』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ毒沼ノ底ニ沈メテクレルワ!」

 腐海竜が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを蹂躙する超巨大な猛毒の粘液の波を放ってきた。

「うわっ! 換気扇の奥から、すっごく強烈でタチの悪い巨大な酸化した油の親玉がせり出してきた! でも、この特製アルカリクリーナーとエコ換気扇チューナーの前には、どんなに凶暴な油汚れも一発で綺麗に分解されて、安全なクリーンオイルになるんだ!」

 アルドが腐海竜の巨大な粘液(世界の汚染暴走の中心)に向けて、事象分解の神仙アルカリ油汚れクリーナーを「シュッシュシュッ!!」と満遍なく吹き付ける。事象の汚染暴走(迷宮の魔力圏)が、強烈な物理的アルカリパワーによって面白いようにドロドロと溶け出し、アルドが神仙スポンジでサッと撫でるだけで完全に拭き取られていく。魔界のどんな猛毒も、神仙の清掃力の前にはただの乳化した油汚れとなって落ち、腐海竜はあれよあれよという間に、ピカピカに磨き上げられた無害なステンレス製シロッコファンのような姿へと整えられていく。

 同時に、アルドは因果抽出の神仙ふるいネットをバサァッ!と広げ、清掃されて溶け落ちた魔物の残骸から、有用な錬金薬エキスや極上の薬効オイルだけを「シャカシャカッ!」と綺麗に分別し、収穫用の専用ボトルへと次々に回収していく。

 完全にスタンピードの危険が消滅した直後、アルドは迷宮の最深部にある心臓部ダンジョンコアに、絶対排気の神仙エコ換気扇チューナーを「ガチャン!」とはめ込み、ダイヤルを回して設定を『自動ファン洗浄・快適排気モード』に合わせる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に安全基準でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対に油がこびりつかない、最新式自動洗浄レンジフードのように管理されたクリーン抽出インフラへと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒腐敗ガ、タダノ洗剤デドロドロニ溶カサレ、ふるいネットデ薬効オイルダケ抽出サレ、エコ換気扇チューナーデ一ミリモ残ラズ大気汚染ヲ起コセナクナッタだトォォォッ!?」

「よし、ガンコな換気扇の油汚れは完全に落ちて排気力が戻って、スタンピードの危険もゼロですっごく安全な抽出設備になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域換気&無限クリーン抽出システム』を稼働させて……あ、そうだ。この迷宮の親玉、綺麗に掃除してチューナーをつけたら、凄く強力で絶対に瘴気を溢れさせず、定期的に錬金素材や綺麗なオイルをドロップしてくれる、巨大な全自動の広域換気・無限クリーン抽出インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、有害な汚染暴走を完全に防ぎつつ、代わりに極上のクリーンな薬効資源と無限の綺麗な空気だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域換気&無限クリーン抽出インフラ』にできそうだよ!」

 アルドが迷宮のコアに施した専用の自動調整ユニットを操作し、事象調律のスイッチを「24時間自動ファン洗浄・超エコ排気・良質オイル抽出モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な生産施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた迷宮の禍々しい狂気と過剰瘴気の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな薬効エネルギーと無限の安全装置へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ毒沼ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【安全ニ薬効オイルト排気オ供給スル為ノ最新ノ自動洗浄機能付キ・レンジフード】ノヨウニ……!? イヤ、チューナーオ設定サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安全管理力ト、極上ノ錬金資源供給環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ汚スノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ良質ナ油ト極上ノ空気オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン換気扇」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 かつて世界を脅かした腐海迷宮とスタンピードの化身は、アルドの「換気扇のガンコな油汚れ落としとフィルター交換作業」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を腐食させる禍々しい猛毒の大気は、気がつけば「世界の薬効資源供給を美しく輝く巨大な安全施設に変え、どんな瘴気の暴走も一瞬で無害化し、極上のオイルと綺麗な空気を24時間安定供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域換気・無限クリーン抽出インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の最新式自動洗浄レンジフードと精製プラント)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌なスタンピードと換気扇故障のリスクは片付いて、すっごく綺麗で安全な持続可能バッチリな資源抽出所になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが魔物の瘴気暴走やキッチンのベタベタを気にせずに、どんな時でも安心な環境で笑顔で薬や油を使えるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な生活基盤と綺麗な空気を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドがアルカリ洗剤を片付けて額の汗を拭うと、迷宮を覆っていたドス黒い瘴気は一瞬にして晴れ渡り、防汚飛散防止シートが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式排気・抽出設備と、澄み切った清らかな空気が広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域換気・クリーン抽出システムは、これより大陸全土の迷宮維持・錬金資源供給基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。腐海迷宮からの定期メンテナンス費用の自動引き落とし設定も完了いたしました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、ダンジョンの視察に同行していた勇者パーティが「俺たちが昔、防毒マスクを着けながら潜ってた猛毒ダンジョンが、完全にオートメーション化された巨大な無人精油工場と最新レンジフードみたいになってる……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。

「これからは、どんな猛毒の魔物やガンコな油汚れの兆候が出ようが、社長の作業前に俺が全部『余分な部品ごとドライバーで分解』してやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで世界中の次元防衛・錬金資源インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに極めて簡素な文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。腐海迷宮のスタンピード危機を「換気扇の油汚れ落としとフィルター交換」として処理。全自動排気・抽出インフラ化完了。異常なし。以上。』

 ゾルタンはもはや数秒で記録を終えた。世界を滅ぼす腐海迷宮のスタンピードが現れようとも、社長の前では「換気扇の吸い込みが悪くなったための定期的な大掃除」という、家事のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす迷宮の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の設備メンテナンス業務として処理されているのである。

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、腐海迷宮すらもピカピカの最新式レンジフードの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、換気扇の掃除お疲れ様! 今日の3時のおやつは、新しく採れた最高級のクリーンな油でサクッと揚げた『特製・大精霊のハチミツたっぷり・極上揚げたてチュロス〜星屑のシナモンシュガーをまぶして〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるチュロスは、ことのほか油の軽さとシナモンの香りが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただの換気扇のガンコな油汚れ落としとフィルター交換作業」は、世界滅亡の猛毒スタンピードの危機をただの空調排気メンテナンスとして解決し、迷宮の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域換気・無限クリーン抽出インフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界中の次元迷宮防衛と資源インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜

https://ncode.syosetu.com/n5506ma/

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ