第222話:ただの分厚いカーペットのダニ退治と掃除機の紙パック交換と、轟震の岩竜迷宮の強制全自動広域採掘・無限クリーン資源インフラ化
第222話:ただの分厚いカーペットのダニ退治と掃除機の紙パック交換と、轟震の岩竜迷宮の強制全自動広域採掘・無限クリーン資源インフラ化(総合ライフサポート企業の床面・吸塵メンテナンス業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々、そしてすっかり常連の大家さん候補となった勇者パーティの面々が、吐く息が真っ白になる冬の朝の空気の中で「そろそろコタツの出番だな」「天気がいいから座布団やラグを天日干しにして、布団叩きでホコリを落としておこう」などと、ごく一般的な田舎の冬支度について楽しげに語り合っている。
世界中のありとあらゆる危険なダンジョンを「水回りの清掃」や「エアコン室外機の修理」といった定期メンテナンス業務として処理し、次々と全自動クリーンインフラに改修してきたアルド。彼の手にかかれば、世界を滅ぼすスタンピードなど「生活インフラの掃除をサボった結果のホコリやカビの詰まり」に過ぎず、適度な間引きと清掃によって、資源を枯渇させることなく安全で快適な設備へとリメイクされてきた。
今日もまた、日々のメンテナンス業務と家事への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、香ばしく揚がった衣の香りと、甘酸っぱい特製ソースの暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる『幻獣黒豚の極厚ロース肉を使った、究極のサクサク・トリュフカツサンド〜大精霊のシャキシャキ千切りキャベツと星屑の特製マスタードソースを添えて〜』だ! まずは、指で押すだけで肉汁が溢れる幻獣黒豚の極厚ロース肉に、天界の特製生パン粉をまぶし、数百年熟成の神仙ラードでカラッと黄金色に揚げる! 揚げたての極厚カツを、星屑のトリュフを贅沢にブレンドした甘辛い特製濃厚ソースにドボンとくぐらせるんだ。その横で、神仙小麦で焼き上げたフワフワの高級食パンを軽くトーストし、大精霊の森で採れた瑞々しい春キャベツの千切りを山のように乗せる。そこにソースが滴る極厚カツを乗せ、ピリッと辛い星屑のマスタードを塗ったもう一枚のパンでギュッと挟み込む! ザクッ!と半分にカットすれば、肉汁とソースがパンに染み込む最高の一品が完成だ。……熱々のうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、圧倒的な揚げ物とソースの香りを放つ特大の朝食プレートをダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、布団干しの相談を終えた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣黒豚の圧倒的なビタミンB群と良質な脂質が全身の魔力回路を限界突破させ、トリュフの香りとマスタードの刺激が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の揚げ物フルコース』である。
「うむ……! この極厚カツサンドを両手で持ち、大きく口を開けてかぶりついた瞬間に広がる、サクッという衣の音と肉汁の暴力的なまでのビッグバン! 噛むほどに黒豚の甘い脂が口いっぱいに広がり、そこにトリュフソースの芳醇な香りとキャベツのシャキシャキ感が完璧なアクセントを加える! すかさず溢れたソースをパンごと頬張れば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! マスタードの酸味が揚げ物の重さを完全に中和し、我が最高福利厚生責任者の職務が、王都の一等地の洋食屋で至福の朝食を貪る大富豪のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、カツサンドを持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々の肉汁に感涙して咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上ストレートティーが振る舞われた後。
アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座り、ふと足元の分厚いカーペットと、部屋の隅にある掃除機を見て首を傾げた。
「……ねえ。今朝からなんだけど、リビングの分厚いカーペットに『タチの悪いガンコなホコリとダニ』がいっぱい潜んでて、歩くたびにハウスダストが舞い上がってる気がするんだよね。おまけに掃除機をかけようとしたら『ギュイィィン……ゴフッ』って変な音がして、全然吸い込まない。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが世界に多大な鉱物資源と豊かな土壌を供給している『轟震と岩盤の土竜迷宮』の仕業だってわかる。長年の放置で内部のゴーレムや岩竜が異常繁殖して魔力が飽和状態になり、掃除機の紙パックがガンコな土砂と魔物の抜け殻でビッシリ詰まって、大地震のスタンピード寸前になってるみたいだね。完全に定期的なカーペットのダニ退治と掃除機のパック交換をサボったせいで発生する、吸引力低下とアレルギー(地震)のトラブルだよ」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「カーペットのダニと掃除機の詰まり」。それはすなわち、世界の大地と鉱脈を司る最重要ダンジョンの一つ『轟震と岩盤の土竜迷宮』が限界を迎え、無数の岩石魔獣と大地震を率いて外の世界へ溢れ出し、大陸全土を地割れと土砂崩れの底へと沈めようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。
しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界をハウスダストやアレルギーの心配がない、いつでも寝転がれる清潔なカーペット空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。
「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた鉱物ダンジョンの土砂飽和と、スタンピードの危機……間違いありませんね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「現在、世界で最も危険な震源地として警戒されているのが、その『轟震と岩盤の土竜迷宮』です。内部は完全に土・岩属性の魔物が飽和状態にあり、いつ大地震と土砂崩れのスタンピードが決壊してもおかしくない状況。しかし、あの迷宮は世界中に希少なミスリル鉱石や宝石、そして豊かな農地用の土壌を供給する『重要な採掘・土壌設備(資源)』でもあります。潰すわけにはいかないため、適正な地盤と清潔さに調整する『定期メンテナンス業務』に最適の現場と言えるでしょう」
「なるほど! やっぱりダンジョンは生活の一部だから、完全に塞いじゃうとみんなが金属や宝石を使えなくなるし、畑の野菜も育たなくなっちゃうんだね!」
アルドはバインダーの報告書を見て、プロのハウスクリーニング業者としての血を騒がせた。
「カーペットの奥に潜んだダニ(魔物)を吸い出して、ガンコな掃除機の紙パックを綺麗に交換し、安全に資源を採掘できる状態を維持する。これが持続可能な地盤管理の鉄則だよ! まずは専用の『事象吸引の神仙サイクロン掃除機』で、カーペットの奥底に固まったホコリとダニをブワァーッ!と根こそぎ吸い上げる! さらに不要な魔物を間引きつつ、有用なミスリルや宝石は『因果抽出のふるいネット』でしっかり回収。最後にパンパンになった採掘コアを『最新式・自動ゴミ収集機能付き神仙ロボット掃除機チューナー』にリフォームして、物理的に二度とホコリが詰まらない完璧なインフラにリセットしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。カーペットの奥にこびりついた鬱陶しい岩石魔獣ども(魔獣の群れ)の粉砕と、吸引を塞いでいる無駄な土塊の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用の布団叩きと破砕工具で一つ残さず引っ剥がし、完璧な『下地処理(土砂の破砕と間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型のカーペットビーター(布団叩き)のように構えて不敵に笑う。
「ええ。ダンジョン内に漂う危険な土埃やハウスダストの瘴気(※致死の環境)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・空気清浄魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、安全に掃除機がけができる無塵の環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、舞い上がったホコリや土砂が、外の世界やご近所の窓を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、ダンジョンの入り口と周囲に完璧なマスカー養生と防塵飛散防止シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! カーペットの掃除はホコリがすごく舞うし、くしゃみが出るから、しっかり防塵養生と換気をして安全第一で作業しようね!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(致死の土砂崩れと地震を完全に弾く特製室内清掃用・完全防塵エプロンとマスク、スリッパ)に着替え、手には巨大な「事象吸引の神仙サイクロン掃除機」と、プロ仕様の「因果抽出の神仙ふるいネット」、そして「絶対集塵の神仙ロボット掃除機チューナー」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『床面・吸塵メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちのアレルギー(地震)とスタンピードの悩みを解決するために、邪魔なダニと魔物を間引いて、迷宮を優良なクリーン採掘インフラにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、室内清掃仕様に改造された魔導サービスカー(強力なサイクロン吸引機と専用パック搭載)に乗り込み、空間がドス黒い土埃と岩石で溢れかえっている次元の迷宮『轟震と岩盤の土竜迷宮』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、次元の迷宮『轟震と岩盤の土竜迷宮』の内部。
そこは、長年の放置により凶悪なゴーレムや岩竜が異常繁殖し、地底を覆い尽くすほどにひしめき合う、文字通りの土砂地獄であった。迷宮のコアから溢れ出す無尽蔵の大地エネルギーが魔物たちを際限なく凶暴化させ、今まさに外の世界へと溢れ出そうと(大地震と土砂崩れのスタンピードを起こそうと)している、世界滅亡のカウントダウンの最中である。
「ズズズンッ!! 我ら岩盤の軍勢よ! 溜まりに溜まったこの数億トンの地圧の怒りを、今こそ地上へ解き放つ時が来た! 全ての生命を圧殺し、この世界を我らの新たな荒野(迷宮)と変えてくれるわ!」
迷宮の最深部で、無数の魔獣たちを統べる超巨大な『轟震の岩竜』が、傲慢な咆哮と共に猛烈な地響きと土煙を上げていた。
「さあ、隆起せよ! 地上の脆弱な城壁など、我らの圧倒的な質量と振動の前には一瞬で粉砕される! スタンピードの恐怖を――」
――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!
轟震の岩竜がスタンピードの号令をかけようとしたその瞬間、猛烈な土埃が吹き荒れるダンジョンの入り口付近に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の大地震と岩盤をものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。
そして、作業車のドアから、巨大なサイクロン掃除機とふるいネットを持った青年の明るくも呆れた声が、魔物たちの地響きを完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! カーペットのガンコなダニと掃除機の紙パック詰まりさん(魔物たち)、定期吸塵清掃とパック交換に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどいカーペットの奥のホコリっぷりと、外にまで土埃を撒き散らそうとしてるタチの悪いハウスダスト暴走(スタンピード寸前)だね! 定期メンテナンスをサボってこんなにゴミを溜め込むなんて、床面管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にサイクロンでの吸引と、自動ゴミ収集機能付きロボット掃除機への交換のしがいがあるや!」
アルドは、防塵マスクをキュッと締め直しつつ、プロの清掃業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対ノ土竜迷宮ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」
轟震の岩竜が驚愕の土砂ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・間引き用具(兵器)」を手にして、振動する岩肌へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しいカーペットに湧いたダニども(魔獣の群れ)の伐採と、繊維に絡みついている無駄な岩塊の解体・撤去は、俺にお任せを。邪魔な障害物を専用の布団叩きで一つ残さず叩き出し、完璧な『下地処理(土砂の破砕とホコリの叩き出し)』をしてご覧に入れましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の迷宮の中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ最凶ノ岩盤軍勢ヲ『カーペットのダニとホコリ』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ大地震ノ群レデ、貴様ラヲ永遠ニ地底ニ埋メテクレルワ!」
岩竜の怒号と共に、空間を覆うほどの真っ黒な土砂と狂暴性を纏ったゴーレム魔獣の群れが、一斉にアルドたちに向かって地滑りのごとく押し寄せてきた。
「うわっ、このダニたち、すっごく硬く固まっててカーペットの奥にビッシリ絡みついてる! 放置してたらアレルギーでみんなクシャミが止まらなくなっちゃうぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の大群を「長年の放置で繁殖したタチの悪いガンコなカーペットのダニと硬い土砂」と完全に認識し、神仙サイクロン掃除機のスイッチをカチャリと構えた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『床面設備の放置によるホコリ詰まりと吸引力低下被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕はハウスクリーニング業者として、こいつらを完璧に吸い取って分解処理して、ピカピカの自動ロボット掃除機にするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の掃除機がけ現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。舞い上がる土埃や飛び散る岩石が外の世界を汚さないよう、まずは私が完璧にダンジョンの入り口と周囲にマスカー養生と防塵飛散防止シートを張り巡らせます」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、迷宮の入り口を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――バサッ! ピィィィィンッ!
瞬間、ダンジョンの入り口全体をすっぽりと覆うように強靭な防塵シートのようなカバーが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の防塵清掃作業用・飛散防止結界』が展開された。これで、致死の大地震やスタンピードの魔物は一粒の土砂たりとも外の世界に漏れ出すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は迷宮が撒き散らすガンコな土埃やハウスダストの瘴気(致死の環境)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・空気清浄処理いたしますわ!」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力清浄魔法』が、超強力なマイナスイオンと清浄な空気となって周囲の狂気の土埃を包み込み、一気に中和してくしゃみ一つ出ないクリーンな空間へと変えた。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を圧殺する猛毒の土砂は、その浄化の清浄効果を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でポロポロと吸い込みやすい乾燥したホコリへと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただのダニや土塊など、ただの布団叩きのマトだ! そして、邪魔な過剰な魔物どもは俺が綺麗に叩き割って掃除機の通りを良くしてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「迷宮過剰繁殖岩獣解体カーペット叩キ吸塵確保斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、魔獣同士の「因果の隙間(繊維の絡まり)」を完璧に見切り、まるで固まった汚れを専用のビーターでバンッ!と綺麗に叩き出し、吸引の通りを良くするかのように、シャリィィィン!と見事な手際で余分な魔物を粉砕し、迷宮内の安全なエネルギー導線を確保してしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ岩盤軍団ト絶対ノ地震暴走ガ、タダノ『空気清浄』ト『カーペット叩キ』ノ前ニ、一瞬デ間引カレテ適正ナ土量ニ下ゲラレテイクゥゥッ!?」
轟震の岩竜は、自らの絶望の軍勢がものの数分で「綺麗に叩き出された細かいホコリ」のように整えられ、スタンピードの脅威が完全に消失した光景に、驚愕のあまり巨大な体を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで安全確保と余分なダニの叩き出しは完璧だね! あとは、あの一番デカくて掃除機を詰まらせている『ガンコな親玉(岩竜とコア)』に、事象吸引の神仙サイクロン掃除機のノズルを向けてギュイィィンッ!と一気に吸い上げる! そして、吸い込んだ魔物から因果抽出のふるいネットで有用なミスリルや宝石、ふかふかの培養土だけを綺麗に分別して回収する! 最後に絶対集塵の神仙ロボット掃除機チューナーをコアにガチャン!と取り付けて、二度とホコリがこびりつかないように自動調整するだけだ!」
アルドは、特製『事象吸引の神仙サイクロン掃除機』と『ふるいネット』を岩竜の巨大な本体(次元の地震暴走の中核)へと向けて構え、防塵スリッパで岩盤を踏みしめて突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙サイクロン掃除機は星の因果の汚れを物理的に吸引して適正な清潔さに整える絶対事象吸塵ツールであり、神仙ふるいネットとロボット掃除機チューナーは大宇宙のいかなる次元の土竜迷宮やスタンピードすらも、物理的に『不要なゴミを吸い取って必要な資源だけを抽出し、採掘と土壌効率を空間ごと最適化する』だけで完璧に無害化し、極上の安全な鉱物資源を取り戻す『究極の持続可能メンテナンスツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ平穏ヲ圧シ潰ス『終焉ノ絶対地割レ(アビス・クエイク)』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ地底ニ沈メテクレルワ!」
岩竜が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを蹂躙する超巨大な猛毒の土砂の波を放ってきた。
「うわっ! カーペットの奥から、すっごく強烈でタチの悪い巨大なダニの親玉がせり出してきた! でも、この特製サイクロン掃除機とロボット掃除機チューナーの前には、どんなに凶暴な土砂も一発で綺麗に適正量に吸引されて、安全なクリーン資源になるんだ!」
アルドが岩竜の巨大な土砂(世界の地震暴走の中心)に向けて、事象吸引の神仙サイクロン掃除機のスイッチを「強」に入れ、「ギュイィィィィンッ!!」と圧倒的な吸引力で吸い込み始める。事象の地震暴走(迷宮の魔力圏)が、強烈な物理的サイクロンパワーによって面白いようにスポンッ!と吸い込まれ、残った汚れは完全に除去されていく。魔界のどんな地割れも、神仙の清掃力の前にはただの吸い込まれるホコリとなってダストボックスに収まり、岩竜はあれよあれよという間に、ピカピカに磨き上げられた無害なフローリングのような姿へと整えられていく。
同時に、アルドは因果抽出の神仙ふるいネットをバサァッ!と広げ、清掃されて吸い込まれた魔物の残骸から、有用なミスリル鉱石や宝石、そして極上のふかふかの土壌だけを「シャカシャカッ!」と綺麗に分別し、収穫コンテナへと次々に回収していく。
完全にスタンピードの危険が消滅した直後、アルドは迷宮の最深部にある心臓部に、絶対集塵の神仙ロボット掃除機チューナーを「ガチャン!」とはめ込み、ダイヤルを回して設定を『自動ゴミ収集・快適採掘モード』に合わせる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に安全基準でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対にホコリがこびりつかない、最新式自動ロボット掃除機のように管理されたクリーン採掘インフラへと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒地震ガ、タダノ掃除機デギュイィンッ!ト吸イ込マレ、ふるいネットデ宝石ダケ抽出サレ、ロボット掃除機チューナーデ一ミリモ残ラズ土砂災害ヲ起コセナクナッタだトォォォッ!?」
「よし、ガンコなカーペットのダニと紙パックの詰まりは完全に取れて吸引力が戻って、スタンピードの危険もゼロですっごく安全な採掘設備になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域採掘&無限クリーン集塵システム』を稼働させて……あ、そうだ。この迷宮の親玉、綺麗に掃除機がけしてチューナーをつけたら、凄く強力で絶対に土砂を溢れさせず、定期的にミスリルやふかふかの土をドロップしてくれる、巨大な全自動の広域採掘・無限クリーン集塵インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、有害な地震暴走を完全に防ぎつつ、代わりに極上のクリーンな鉱物資源と無限の豊かな土壌だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域採掘&無限クリーン集塵インフラ』にできそうだよ!」
アルドが迷宮のコアに施した専用の自動調整ユニットを操作し、事象調律のスイッチを「24時間自動ホコリ吸引・超エコ採掘・ふかふか土壌モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な生産施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた迷宮の禍々しい狂気と過剰土砂の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな鉱物エネルギーと無限の安全装置へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ地底ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【安全ニ資源ト土壌オ供給スル為ノ最新ノ自動ゴミ収集機能付キ・ロボット掃除機】ノヨウニ……!? イヤ、チューナーオ設定サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安全管理力ト、極上ノ鉱物供給環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ壊スノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ鉱石ト極上ノ土オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン掃除機」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』
かつて世界を脅かした土竜迷宮とスタンピードの化身は、アルドの「カーペットのガンコなダニ退治と掃除機の紙パック交換作業」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を圧殺する禍々しい大地震は、気がつけば「世界の鉱物資源供給を美しく輝く巨大な安全施設に変え、どんな地割れの暴走も一瞬で無害化し、極上のミスリルと土壌を24時間安定供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域採掘・無限クリーン集塵インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の最新式自動ゴミ収集ステーションとロボット掃除機)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌なスタンピードと掃除機故障のリスクは片付いて、すっごく綺麗で安全な持続可能バッチリな採掘源になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが魔物の地震暴走やアレルギーを気にせずに、どんな時でも安心な環境で笑顔で資源を使えるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な生活基盤と綺麗な床を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドがサイクロン掃除機を片付けて額の汗を拭うと、迷宮を覆っていたドス黒い土埃は一瞬にして晴れ渡り、防塵飛散防止シートが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式採掘設備と、澄み切った清らかな空気が広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域採掘・クリーン集塵システムは、これより大陸全土の迷宮維持・鉱物資源供給基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。土竜迷宮からの定期メンテナンス費用の自動引き落とし設定も完了いたしました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、ダンジョンの視察に同行していた勇者パーティが「俺たちが昔、土砂崩れに巻き込まれながら潜ってた岩盤ダンジョンが、完全にオートメーション化された巨大な無人採掘場と最新ルンバの基地みたいになってる……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。
「これからは、どんな大地震の魔物やガンコなダニの兆候が出ようが、社長の作業前に俺が全部『余分なホコリごと布団叩きで間引き』してやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで世界中の次元防衛・鉱物資源インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに極めて簡素な文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。土竜迷宮のスタンピード危機を「カーペットのダニ除去と掃除機のパック交換」として処理。全自動採掘・集塵インフラ化完了。異常なし。以上。』
ゾルタンはもはや数秒で記録を終えた。世界を滅ぼす土竜迷宮のスタンピードが現れようとも、社長の前では「掃除機の吸いが悪くなったための定期的なパック交換とダニ退治」という、家事のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす迷宮の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の設備メンテナンス業務として処理されているのである。
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、土竜迷宮すらもピカピカの最新式ロボット掃除機基地の一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、掃除機がけお疲れ様! 今日の3時のおやつは、新しく採れたホクホクの土(土壌)で育てたサツマイモを使った『特製・大精霊の黄金芋たっぷり・極上モンブラン〜星屑の渋皮栗を乗せて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるモンブランは、ことのほか芋の優しい甘さと栗の風味が五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただの分厚いカーペットのダニ退治と掃除機の紙パック交換作業」は、世界滅亡の大地震スタンピードの危機をただの床面メンテナンスとして解決し、迷宮の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域採掘・無限クリーン集塵インフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界中の次元迷宮防衛と資源インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
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