第224話:ただの生ゴミ処理機のガンコな悪臭詰まり清掃と堆肥化メンテナンスと、不死の冥王迷宮の強制全自動広域リサイクル・無限クリーン培養インフラ化
第224話:ただの生ゴミ処理機のガンコな悪臭詰まり清掃と堆肥化メンテナンスと、不死の冥王迷宮の強制全自動広域リサイクル・無限クリーン培養インフラ化(総合ライフサポート企業の廃棄物処理・土壌再生業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々、そしてすっかり常連の大家さん候補として定着した勇者パーティの面々が、朝の澄み切った空気の中で「今日は燃えないゴミの日だったな」「ペットボトルはちゃんとラベルとキャップを分けておかないと回収してくれないぞ」「生ゴミは水分をしっかり切るのが匂いを防ぐコツだ」などと、ごく一般的な田舎のゴミ出しルールについて真剣に語り合っている。
世界中のありとあらゆる危険なダンジョンを「庭の剪定」や「ボイラー清掃」、「換気扇の油汚れ落とし」といった定期メンテナンス業務として処理し、次々と全自動クリーンインフラに改修してきたアルド。彼の手にかかれば、世界を滅ぼすスタンピードなど「生活インフラの掃除をサボった結果の汚れや詰まり」に過ぎず、適度な間引きと清掃によって、資源を枯渇させることなく安全で快適な設備へとリメイクされてきた。
今日もまた、日々のメンテナンス業務と家事への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、極上の魚介の香りと、芳醇に発酵した味噌の暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる『幻獣本マグロの極厚大トロと大精霊のネギトロを贅沢に乗せた、究極の海鮮丼〜星屑の特製出汁醤油と、神仙納豆の極上発酵味噌汁を添えて〜』だ! まずは、口に入れた瞬間に溶ける幻獣本マグロの大トロを分厚く切り出し、神仙米に特製の赤酢を混ぜ込んだ極上の酢飯の上に、隙間なく敷き詰める! 中央には、大精霊のネギと幻獣マグロの赤身を叩いたネギトロを山のように盛り、天界鶏の黄金の卵黄を乗せるんだ。これに、昆布と鰹の旨味を凝縮した星屑の出汁醤油を回しかける! その横で、数百年熟成させた神仙大豆の納豆と、大精霊の森のなめこをたっぷり入れた、栄養満点の発酵味噌汁を作る。良質な発酵パワーで腸内環境を完璧に整える至高の和定食だ。……熱々のうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、圧倒的な海の幸の香りを放つ特大の朝食お盆をダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、ゴミ出しの確認を終えた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣マグロの圧倒的なDHAとEPAが全身の魔力回路を限界突破させ、納豆となめこの極上発酵成分が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の海鮮&発酵フルコース』である。
「うむ……! この黄金の卵黄を崩し、大トロとネギトロに絡めて酢飯と一緒に口に運んだ瞬間に広がる、マグロの暴力的なまでの脂の甘みと赤酢の爽やかな酸味のビッグバン! 噛む必要すらないほどとろける大トロが舌の上で旨味の海となり、星屑の出汁醤油が完璧に味を引き締める! すかさず熱々の神仙納豆となめこの味噌汁をすすれば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 納豆のコクと味噌の深い発酵の香りが五臓六腑に染み渡り、我が最高福利厚生責任者の職務が、港町の超高級料亭で至福の朝食を貪る大富豪のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、箸を持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々の海鮮丼に感涙して咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上緑茶が振る舞われた後。
アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座り、ふとキッチンの勝手口の外を眺めて首を傾げた。
「……ねえ。今朝からなんだけど、勝手口の横に置いてある『コンポスト(生ゴミ処理機)』から、ツンとするアンモニアみたいなタチの悪いガンコな悪臭が漂ってて、コバエ(ハエ型魔物)がいっぱい湧いてるんだよね。おまけに中から『グチュグチュ……ボコッ』って異音がして、全然発酵が進んでない。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが世界に多大な魂の循環と上質な肥料(魔力土壌)を供給している『不死と腐敗の冥王迷宮』の仕業だってわかる。長年の放置で内部のアンデッドや死霊が異常繁殖して負のエネルギーが飽和状態になり、コンポスト(ダンジョン)がガンコな未分解の生ゴミでビッシリ詰まって、不死者のスタンピード寸前になってるみたいだね。完全に定期的な切り返し(空気の混ぜ込み)とバイオ酵素の投入をサボったせいで発生する、腐敗の進行と悪臭トラブルだよ」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「コンポストの悪臭と未分解の生ゴミ」。それはすなわち、世界の魂の輪廻と豊かな土壌を司る最重要ダンジョンの一つ『不死と腐敗の冥王迷宮』が限界を迎え、無数のアンデッド魔獣と猛毒の死の瘴気を率いて外の世界へ溢れ出し、大陸全土を死者の徘徊する地獄へと沈めようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。
しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界を生ゴミの悪臭やコバエの心配がない、いつでも良質な堆肥が作れて清潔な環境にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。
「社長の『全知全能のセンサー』が捉えたアンデッドダンジョンの瘴気飽和と、スタンピードの危機……間違いありませんね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「現在、世界で最も危険な汚染源として警戒されているのが、その『不死と腐敗の冥王迷宮』です。内部は完全に死霊・アンデッド属性の魔物が飽和状態にあり、いつ死者の大群のスタンピードが決壊してもおかしくない状況。しかし、あの迷宮は世界中に希少な魂の結晶や、農作物を爆発的に育てる『極上の魔力培養土(堆肥)』を供給する『重要なリサイクル・土壌再生設備(資源)』でもあります。潰すわけにはいかないため、適正な発酵と清潔さに調整する『定期メンテナンス業務』に最適の現場と言えるでしょう」
「なるほど! やっぱりダンジョンは生活の一部だから、完全に塞いじゃうと魂の循環が止まって、畑の栄養も無くなっちゃうんだね!」
アルドはバインダーの報告書を見て、プロの廃棄物処理・土壌再生業者としての血を騒がせた。
「コンポストの中で腐りかけてる生ゴミ(アンデッド)を細かく砕いて、専用のバイオ酵素で綺麗に発酵させ、安全に資源を循環できる状態を維持する。これが持続可能なリサイクル管理の鉄則だよ! まずは専用の『事象攪拌の神仙ピッチフォーク(堆肥返し)』で、底の方で固まってる生ゴミをグワッ!とひっくり返して空気をたっぷり送り込む! さらに不要なコバエを間引きつつ、有用なソウルジェムや極上堆肥は『因果抽出のふるいネット』でしっかり回収。最後に悪臭を放つコアを『最新式・自動脱臭・攪拌機能付き神仙エコ生ゴミ処理機チューナー』にリフォームして、物理的に二度と腐敗臭がしない完璧なインフラにリセットしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。コンポストの中にこびりついた鬱陶しい大型アンデッドども(粗大ゴミ)の伐採と、発酵を塞いでいる無駄な骨や肉塊の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のシュレッダーバサミと斧で一つ残さず細断し、完璧な『下地処理(生ゴミの細分化と間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型の園芸用シュレッダーのように構えて不敵に笑う。
「ええ。ダンジョン内に漂う危険な死の瘴気や腐敗の悪臭(※致死の環境)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・酸素供給魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、安全に発酵を促せる好気性・無臭の環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、舞い上がるコバエや悪臭が、外の世界やご近所を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、ダンジョンの入り口と周囲に完璧なマスカー養生と防虫・防臭飛散防止ネット(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! コンポストの切り返しは匂いがキツいし、虫が飛んでくるから、しっかり防虫・防臭養生と換気をして安全第一で作業しようね!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(致死の死の呪いと腐敗液を完全に弾く特製リサイクル作業用・完全防臭ツナギと厚手ゴム手袋、防毒マスク)に着替え、手には巨大な「事象攪拌の神仙ピッチフォーク」と、プロ仕様の「因果抽出の神仙ふるいネット」、そして「絶対発酵の神仙エコ生ゴミ処理機チューナー」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『廃棄物・土壌再生メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの悪臭被害とスタンピードの悩みを解決するために、邪魔な未分解ゴミと魔物を間引いて、迷宮を優良なクリーン・リサイクルインフラにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、リサイクル清掃仕様に改造された魔導サービスカー(強力なバイオ酵素タンクと攪拌機搭載)に乗り込み、空間がドス黒い瘴気と亡者の群れで溢れかえっている次元の迷宮『不死と腐敗の冥王迷宮』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、次元の迷宮『不死と腐敗の冥王迷宮』の内部。
そこは、長年の放置により凶悪なスケルトンやゾンビ、レイスが異常繁殖し、地底を覆い尽くすほどにひしめき合う、文字通りの死者の地獄であった。迷宮のコアから溢れ出す無尽蔵の死霊エネルギーが魔物たちを際限なく凶暴化させ、今まさに外の世界へと溢れ出そうと(不死者のスタンピードを起こそうと)している、世界滅亡のカウントダウンの最中である。
「アァァァッ……!! 我ら不死の軍勢よ! 溜まりに溜まったこの数億の怨念の怒りを、今こそ地上へ解き放つ時が来た! 全ての生者を死に至らしめ、この世界を我らの新たな共同墓地(迷宮)と変えてくれるわ!」
迷宮の最深部で、無数の死霊たちを統べる超巨大な『不死の冥王』が、傲慢な咆哮と共に猛烈な死の瘴気と闇の魔法陣を広げていた。
「さあ、蘇れ! 地上の脆弱な聖なる結界など、我らの圧倒的な呪いと死の軍勢の前には一瞬で腐り落ちる! スタンピードの恐怖を――」
――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!
不死の冥王がスタンピードの号令をかけようとしたその瞬間、猛烈な死の瘴気が吹き荒れるダンジョンの入り口付近に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の呪いと亡者の群れをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。
そして、作業車のドアから、巨大なピッチフォークとバイオ酵素のボトルを持った青年の明るくも呆れた声が、死者たちの怨嗟の声を完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! コンポストのガンコな悪臭と未分解の生ゴミさん(魔物たち)、定期切り返しとバイオ酵素投入に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい内部のヘドロ化っぷりと、外にまでハエを撒き散らそうとしてるタチの悪い腐敗暴走(スタンピード寸前)だね! 定期メンテナンスをサボってこんなに空気を抜かずに放置するなんて、リサイクル管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にピッチフォークでの攪拌と、自動脱臭機能付きエコ処理機への交換のしがいがあるや!」
アルドは、防臭ゴム手袋をキュッと締め直しつつ、プロの廃棄物処理業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対ノ冥王迷宮ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ! 生者ナド、一瞬デ腐リ落チルワ!」
不死の冥王が驚愕の死のブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・間引き用具(兵器)」を手にして、骨と肉片が散乱する地面へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しいコンポストに湧いた粗大ゴミども(大型アンデッドの群れ)の伐採と、発酵を塞いでいる無駄な骨や肉の塊の解体・撤去は、俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のシュレッダーで一つ残さず細かく砕き、完璧な『下地処理(生ゴミの細断と間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の迷宮の中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ最凶ノ不死軍勢ヲ『未分解の生ゴミと粗大ゴミ』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ死ノ群レデ、貴様ラヲ永遠ニアンデッドニシテクレルワ!」
冥王の怒号と共に、空間を覆うほどの真っ黒な怨念と狂暴性を纏ったゾンビやスケルトンの群れが、一斉にアルドたちに向かって死の雪崩のごとく押し寄せてきた。
「うわっ、この生ゴミたち、すっごく形が残ったままで通気性を完全に塞いじゃってる! 放置してたらハエと悪臭でご近所トラブルになっちゃうぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の大群を「長年の放置で腐敗したタチの悪いガンコな未分解の生ゴミ」と完全に認識し、神仙ピッチフォークをカチャリと構えた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『廃棄物処理設備の放置による悪臭と害虫被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕はリサイクル業者として、こいつらを完璧に細かく砕いて発酵処理して、ピカピカのエコ処理機にするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常のコンポスト手入れ現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。舞い上がるコバエや飛び散る悪臭が外の世界を汚さないよう、まずは私が完璧にダンジョンの入り口と周囲にマスカー養生と防虫・防臭飛散防止ネットを張り巡らせます」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、迷宮の入り口を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――バサッ! ピィィィィンッ!
瞬間、ダンジョンの入り口全体をすっぽりと覆うように強靭な防虫ネットのようなカバーが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の防臭清掃作業用・飛散防止結界』が展開された。これで、致死の呪いやスタンピードの魔物は一匹のハエたりとも外の世界に漏れ出すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は迷宮が撒き散らすガンコな腐敗臭や死の瘴気(致死の環境)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・酸素供給処理いたしますわ!」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力酸素供給魔法』が、超強力な浄化の風と新鮮な空気となって周囲の狂気の瘴気を包み込み、一気に中和して発酵が進みやすい好気性のクリーンな空間へと変えた。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を死滅させる猛毒の瘴気は、その浄化の酸素を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害で発酵しやすい微かな土の匂いへと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただの生ゴミや骨の塊など、ただのシュレッダーのマトだ! そして、邪魔な過剰な魔物どもは俺が綺麗に細断して発酵の通りを良くしてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「迷宮過剰繁殖不死獣解体生ゴミ細断発酵確保斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、魔獣同士の「因果の隙間(ゴミの隙間)」を完璧に見切り、まるで巨大な骨や肉を専用の粉砕機でガキィィンッ!と綺麗に砕き、微生物の働きを良くするかのように、シャリィィィン!と見事な手際で余分な魔物を粉砕し、迷宮内の安全なエネルギー導線を確保してしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ不死軍勢ト絶対ノ瘴気暴走ガ、タダノ『酸素供給』ト『生ゴミ細断』ノ前ニ、一瞬デ間引カレテ適正ナ堆肥量ニ下ゲラレテイクゥゥッ!?」
不死の冥王は、自らの絶望の軍勢がものの数分で「綺麗に砕かれて混ぜやすくなった生ゴミ」のように整えられ、スタンピードの脅威が完全に消失した光景に、驚愕のあまり巨大な体を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで安全確保と余分な粗大ゴミの細断は完璧だね! あとは、あの一番デカくてコンポストを腐らせている『ガンコな親玉(冥王とコア)』の根元に、事象攪拌の神仙ピッチフォークをブスッ!と刺してグワァーッ!と底からひっくり返して空気をたっぷり混ぜ込む! そして、特製の『事象発酵の神仙バイオ酵素スプレー』をシュッシュッ!と吹きかけて、一気に良質な堆肥へと分解させる! その後、分解された魔物から因果抽出のふるいネットで有用なソウルジェムや極上のふかふか培養土だけを綺麗に分別して回収する! 最後に絶対発酵の神仙エコ生ゴミ処理機チューナーをコアにガチャン!と取り付けて、二度と悪臭がこびりつかないように自動調整するだけだ!」
アルドは、特製『事象攪拌の神仙ピッチフォーク』と『ふるいネット』を冥王の巨大な本体(次元の腐敗暴走の中核)へと向けて構え、防臭長靴で腐葉土を踏みしめて突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙ピッチフォークは星の因果の腐敗を物理的にひっくり返して適正な発酵に整える絶対事象攪拌ツールであり、神仙ふるいネットとエコ生ゴミ処理機チューナーは大宇宙のいかなる次元の冥王迷宮やスタンピードすらも、物理的に『不要なゴミを分解して必要な資源だけを抽出し、リサイクルと土壌再生効率を空間ごと最適化する』だけで完璧に無害化し、極上の安全な資源培養地を取り戻す『究極の持続可能メンテナンスツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ平穏ヲ腐ラセル『終焉ノ絶対死界』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ墓地ノ底ニ沈メテクレルワ!」
冥王が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを蹂躙する超巨大な猛毒の死の呪いの波を放ってきた。
「うわっ! コンポストの底から、すっごく強烈でタチの悪い巨大なヘドロの親玉がせり出してきた! でも、この特製ピッチフォークとバイオ酵素の前には、どんなに凶暴な腐敗も一発で綺麗に発酵分解されて、安全なクリーン堆肥になるんだ!」
アルドが冥王の巨大な呪い(世界の腐敗暴走の中心)に向けて、事象攪拌の神仙ピッチフォークを「ザクッ、グワァァッ!!」と底深くから豪快にひっくり返す。事象の腐敗暴走(迷宮の魔力圏)が、強烈な物理的攪拌パワーによって面白いように空気を孕んでほぐれ、そこにアルドが神仙バイオ酵素をシュッと吹きかけると、悪臭は瞬く間に消え去り、心地よい森の土の匂いへと変化していく。魔界のどんな死の呪いも、神仙の清掃力の前にはただの発酵を促す栄養分となって分解され、冥王はあれよあれよという間に、サラサラに発酵した無害な極上堆肥のような姿へと整えられていく。
同時に、アルドは因果抽出の神仙ふるいネットをバサァッ!と広げ、清掃されて分解された魔物の残骸から、有用なソウルジェムや極上の栄養満点な魔力培養土だけを「シャカシャカッ!」と綺麗に分別し、収穫用コンテナへと次々に回収していく。
完全にスタンピードの危険が消滅した直後、アルドは迷宮の最深部にある心臓部に、絶対発酵の神仙エコ生ゴミ処理機チューナーを「ガチャン!」とはめ込み、ダイヤルを回して設定を『自動脱臭・快適リサイクルモード』に合わせる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に安全基準でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対に悪臭がこびりつかない、最新式自動バイオ処理機のように管理されたクリーン培養インフラへと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒死界ガ、タダノピッチフォークデグワァットひっくり返サレ、バイオ酵素デ良質ナ堆肥ニ分解サレ、エコ処理機チューナーデ一ミリモ残ラズ腐敗暴走ヲ起コセナクナッタだトォォォッ!?」
「よし、ガンコなコンポストの悪臭と未分解ゴミは完全に発酵してサラサラの土になって、スタンピードの危険もゼロですっごく安全なリサイクル設備になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域リサイクル&無限クリーン培養システム』を稼働させて……あ、そうだ。この迷宮の親玉、綺麗に切り返ししてチューナーをつけたら、凄く強力で絶対に死の瘴気を溢れさせず、定期的にソウルジェムや極上の培養土をドロップしてくれる、巨大な全自動の広域リサイクル・無限クリーン培養インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、有害な腐敗暴走を完全に防ぎつつ、代わりに極上のクリーンな魂の循環と無限の豊かな土壌だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域リサイクル&無限クリーン培養インフラ』にできそうだよ!」
アルドが迷宮のコアに施した専用の自動調整ユニットを操作し、事象調律のスイッチを「24時間自動攪拌・超エコ脱臭・極上堆肥生成モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な生産施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた迷宮の禍々しい狂気と過剰腐敗の魔力は、瞬く間に安全でクリーンなリサイクルエネルギーと無限の安全装置へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ死ノ沼ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【安全ニ生ゴミオ堆肥化スル為ノ最新ノ自動脱臭機能付キ・バイオ処理機】ノヨウニ……!? イヤ、チューナーオ設定サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安全管理力ト、極上ノ土壌再生環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ腐ラセルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ魂ノ循環ト極上ノ土オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン生ゴミ処理機」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』
かつて世界を脅かした冥王迷宮とスタンピードの化身は、アルドの「生ゴミ処理機のガンコな悪臭詰まり清掃と堆肥化メンテナンス作業」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を腐敗させる禍々しい死の瘴気は、気がつけば「世界の土壌・リサイクル供給を美しく輝く巨大な安全施設に変え、どんな腐敗の暴走も一瞬で無害化し、極上の堆肥とソウルジェムを24時間安定供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域リサイクル・無限クリーン培養インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の最新式バイオコンポストと自動攪拌プラント)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌なスタンピードと悪臭被害のリスクは片付いて、すっごく綺麗で安全な持続可能バッチリなリサイクルセンターになったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが魔物の腐敗暴走やコバエを気にせずに、どんな時でも安心な環境で笑顔で豊かな畑を作れるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な生活基盤と綺麗な空気を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドがピッチフォークを片付けて額の汗を拭うと、迷宮を覆っていたドス黒い瘴気は一瞬にして晴れ渡り、防臭飛散防止ネットが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式リサイクル設備と、澄み切った清らかな森の香りが広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域リサイクル・クリーン培養システムは、これより大陸全土の迷宮維持・土壌再生基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。冥王迷宮からの定期メンテナンス費用の自動引き落とし設定も完了いたしました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、ダンジョンの視察に同行していた勇者パーティが「俺たちが昔、聖水を浴びながら潜ってたアンデッドの巣窟が、完全にオートメーション化された巨大な無人バイオ堆肥工場みたいになってる……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。
「これからは、どんな不死の魔物やガンコな粗大ゴミの兆候が出ようが、社長の作業前に俺が全部『余分な生ゴミごとシュレッダーで細断』してやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで世界中の次元防衛・リサイクルインフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに極めて簡素な文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。冥王迷宮のスタンピード危機を「コンポストの悪臭除去と切り返し作業」として処理。全自動リサイクル・土壌再生インフラ化完了。異常なし。以上。』
ゾルタンはもはや数秒で記録を終えた。世界を滅ぼす冥王迷宮のスタンピードが現れようとも、社長の前では「生ゴミが匂ってきたための定期的なコンポストの攪拌」という、庭仕事のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす迷宮の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の設備メンテナンス業務として処理されているのである。
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、冥王迷宮すらもピカピカの最新式コンポストの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、コンポストの手入れお疲れ様! 今日の3時のおやつは、新しく出来た極上の土壌で育てた濃厚な抹茶を使った『特製・大精霊の宇治金時風・極上和風パフェ〜星屑の白玉と黒蜜を添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げる和風パフェは、ことのほか抹茶の深みと小豆の甘さが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただの生ゴミ処理機のガンコな悪臭詰まり清掃と堆肥化メンテナンス作業」は、世界滅亡のアンデッドスタンピードの危機をただのリサイクル・土壌メンテナンスとして解決し、迷宮の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域リサイクル・無限クリーン培養インフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界中の次元迷宮防衛と資源インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
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