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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第220話:ただのエアコン室外機のガンコなホコリ詰まり清掃と漏電修理と、雷鳴の絶嶺迷宮の強制全自動広域発電・無限クリーン送風インフラ化

第220話:ただのエアコン室外機のガンコなホコリ詰まり清掃と漏電修理と、雷鳴の絶嶺迷宮の強制全自動広域発電・無限クリーン送風インフラ化(総合ライフサポート企業の空調・電気設備メンテナンス業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々、そしてすっかり常連の大家さん候補となった勇者パーティの面々が、朝の澄み切った空気の中で「冬場は空気が乾燥するから火の元には気をつけないとな」「加湿器のフィルターもそろそろ掃除する時期だぞ」などと、ごく一般的な田舎の冬の防災について真剣に語り合っている。

 世界最凶の深淵迷宮を「庭の定期剪定」として、灼熱の獄炎迷宮を「ボイラー清掃」として、極寒の氷雪迷宮を「冷凍庫の霜取り」として全自動クリーンインフラに改修したアルド。彼の手にかかれば、ダンジョンのスタンピードなど「生活インフラの定期メンテナンスをサボった結果のトラブル」に過ぎない。

 今日もまた、日々のメンテナンス業務への情熱を燃やすアルドが、キッチンで腕を振るっていた。そこからは、魂の最深部を震わせるような、芳醇なスパイスの香りと、肉の脂が焦げる暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大家の神々や勇者パーティのみんなも一緒に食べる『幻獣豚の極厚角煮と大精霊の豆腐を使った、究極の土鍋麻婆豆腐〜星屑の花椒ホアジャオと特製パリパリ羽付き餃子を添えて〜』だ! まずは、幻獣豚のバラ肉を天界の醤油と八角でトロトロになるまで煮込んだ極厚角煮を作り、それをサイコロ状にカットする。自家製の豆板醤と甜麺醤を神仙胡麻油で香ばしく炒め、そこに角煮と大精霊の絹ごし豆腐を投入して、熱々の土鍋でグツグツと煮込むんだ! 仕上げに、痺れるような辛さと爽やかな香りが特徴の『星屑の花椒』をたっぷりと挽いて振りかける。その横で、幻獣豚の挽肉と大精霊のニラをたっぷり包み込んだ餃子を、神仙小麦の水溶きでパリッパリの巨大な羽をつけて焼き上げる! 神仙米の炊きたて白ご飯を山盛りに用意して……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、圧倒的なスパイスの香りを放つ特大の朝食お盆をダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、火の元確認を終えた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣豚の圧倒的なビタミンBと花椒の薬効成分が全身の魔力回路を限界突破させ、麻婆豆腐の辛味が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時に燃焼し、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の激辛中華フルコース』である。

「うむ……! この土鍋でグツグツ煮え滾る麻婆豆腐をレンゲですくい、山盛りの白ご飯に乗せてかぶりついた瞬間に広がる、角煮の暴力的なまでの旨味と花椒の痺れる辛さのビッグバン! トロトロの豆腐が辛味を優しく包み込み、噛むほどに肉の脂が甘く溶け出す! すかさずパリッパリの羽付き餃子を酢醤油につけて頬張れば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 額に汗をかきながらも止まらないこの痺れる旨さは、我が最高福利厚生責任者の職務が、高級中華料理店の円卓で至福の朝食を貪る大富豪のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、レンゲを持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々の麻婆豆腐に感涙して咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上ジャスミンティーが振る舞われた後。

 アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座り、ふと窓の外を眺めて首を傾げた。

「……ねえ。今朝からなんだけど、外のエアコンの室外機から『ブォンブォンッ……ガガガッ!』って、すごい異音がしてて、しかも配線から『パチパチッ』って火花が散って漏電しかけてるんだよね。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが世界に多大な電力と風力魔力を供給している『雷鳴と暴風の絶嶺迷宮』の仕業だってわかる。長年の放置で内部の雷獣や暴風鳥が異常繁殖してエネルギーが飽和状態になり、室外機のフィルターにガンコなホコリ(魔物の抜け毛)がビッシリ詰まって、スタンピード寸前になってるみたいだね。完全に定期的な室外機の清掃と配線のメンテナンスをサボったせいで発生する、送風効率の低下と漏電火災トラブルだよ」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「室外機のホコリ詰まりと漏電」。それはすなわち、世界の電力と気流を司る最重要ダンジョンの一つ『雷鳴と暴風の絶嶺迷宮』が限界を迎え、無数の雷鳴魔獣と暴風の竜巻を率いて外の世界へ溢れ出し、大陸全土を雷火と大竜巻の底へと沈めようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。

 しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界を漏電火災や室外機の故障の心配がない、いつでも安全に電気が使えて快適な風が送られてくる極上の居住空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。

「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた発電ダンジョンの過負荷と、スタンピードの危機……間違いありませんね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「現在、世界で最も危険なエネルギー源として警戒されているのが、その『雷鳴と暴風の絶嶺迷宮』です。内部は完全に雷・風属性の魔物が飽和状態にあり、いつ大落雷のスタンピードが決壊してもおかしくない状況。しかし、あの迷宮は世界中に雷魔法石やクリーンな風力エネルギーを供給する『重要な発電・送風設備(資源)』でもあります。潰すわけにはいかないため、適正な出力と風通しに調整する『定期メンテナンス業務』に最適の現場と言えるでしょう」

「なるほど! やっぱりダンジョンは生活の一部インフラだから、完全に塞いじゃうとみんなが夜に明かりを使えなくなるし、空気の循環も悪くなっちゃうんだね!」

 アルドはバインダーの報告書を見て、プロの電気設備・空調メンテナンス業者としての血を騒がせた。

「伸びすぎたホコリ(魔物)を吹き飛ばして、ガンコな漏電配線を綺麗に整理し、安全に電気を送れる状態を維持する。これが持続可能な電力管理の鉄則だよ! まずは専用の『事象絶縁の神仙エアダスター』で室外機のフィンに詰まったホコリをブワァーッ!と吹き飛ばし、通気性を良くする! さらに不要な魔物を間引きつつ、有用な雷魔法石や風の魔石は『因果抽出のふるいネット』でしっかり回収。最後にショートしかけてる配線を『神仙絶縁テープ』で巻き直し、古くなった発電コアを『最新式・自動清掃機能付き神仙エコ室外機チューナー』にリフォームして、物理的に二度と漏電しない完璧なインフラにリセットしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。室外機にこびりついた鬱陶しい雷鳴魔獣ども(魔獣の群れ)の伐採と、配線を塞いでいる無駄なホコリの塊の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のニッパーとワイヤーストリッパーで一つ残さず引っ剥がし、完璧な『下地処理(配線の切断と間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧を大型の絶縁ニッパーのように構えて不敵に笑う。

「ええ。ダンジョン内に漂う危険な静電気や暴風の瘴気(※致死の環境)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力アース・除電魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、安全に電気工事ができる無風・絶縁の環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、吹き飛ばしたホコリや散りばめられた火花が、外の世界やご近所を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、ダンジョンの入り口と周囲に完璧なマスカー養生と絶縁飛散防止ネット(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 室外機の清掃はホコリが舞うし、漏電修理は感電の危険があるから、しっかり絶縁養生をして安全第一で作業しようね!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(致死の落雷と暴風を完全に弾く特製電気工事用・完全絶縁ツナギと厚手ゴム手袋、防護ゴーグル)に着替え、手には巨大な「事象絶縁の神仙エアダスター」と、プロ仕様の「因果抽出の神仙ふるいネット」、そして「絶対送風の神仙エコ室外機チューナー」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『空調・電気設備メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの漏電火災とスタンピードの悩みを解決するために、邪魔なホコリと魔物を間引いて、迷宮を優良なクリーン発電インフラにリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、電気工事仕様に改造された魔導サービスカー(強力なコンプレッサーと絶縁道具搭載)に乗り込み、空間がドス黒い雷雲と暴風で溢れかえっている次元の迷宮『雷鳴と暴風の絶嶺迷宮』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、次元の迷宮『雷鳴と暴風の絶嶺迷宮』の内部。

 そこは、長年の放置により凶悪な雷獣や暴風鳥が異常繁殖し、空を覆い尽くすほどにひしめき合う、文字通りの暴風雨地獄であった。迷宮のコアから溢れ出す無尽蔵の雷エネルギーが魔物たちを際限なく凶暴化させ、今まさに外の世界へと溢れ出そうと(雷暴走スタンピードを起こそうと)している、世界滅亡のカウントダウンの最中である。

「バリバリバリォォォォッ!! 我ら雷鳴の軍勢よ! 溜まりに溜まったこの数億ボルトの怒りを、今こそ地上へ解き放つ時が来た! 全ての生命を感電させ、この世界を我らの新たな雷雲(迷宮)と変えてくれるわ!」

 迷宮の最深部で、無数の魔獣たちを統べる超巨大な『絶嶺の雷鳥』が、傲慢な咆哮と共に猛烈な雷撃と竜巻を上げていた。

「さあ、轟け! 地上の脆弱な避雷針など、我らの圧倒的な電圧と風圧の前には一瞬で吹き飛ぶ! スタンピードの恐怖を――」

 ――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!

 絶嶺の雷鳥がスタンピードの号令をかけようとしたその瞬間、猛烈な竜巻が吹き荒れるダンジョンの入り口付近に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の落雷と暴風をものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、作業車のドアから、巨大なエアダスターと絶縁テープを持った青年の明るくも呆れた声が、魔物たちの雷鳴を完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 室外機のガンコなホコリ詰まりと漏電配線さん(魔物たち)、定期清掃と絶縁工事に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどいフィンのホコリっぷりと、外にまで火花を散らそうとしてるタチの悪い漏電暴走(スタンピード寸前)だね! 定期メンテナンスをサボってこんなに汚れを溜め込むなんて、電気設備管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にエアダスターでのブローと、自動清掃機能付きエコ室外機への交換のしがいがあるや!」

 アルドは、絶縁ゴム手袋をキュッと締め直しつつ、プロの電気工事士としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対ノ絶嶺迷宮ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」

 絶嶺の雷鳥が驚愕の雷撃ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・間引き用具(兵器)」を手にして、火花が散る岩肌へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい配線に湧いたホコリども(魔獣の群れ)の伐採と、ショートしかけている無駄なケーブルの解体・撤去は、俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のニッパーと工具で一つ残さず引っ剥がし、完璧な『下地処理(配線整理と間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の迷宮の中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ最凶ノ雷鳴軍勢ヲ『室外機のホコリと漏電』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ数億ボルトノ群レデ、貴様ラヲ永遠ニ黒焦ゲニシテクレルワ!」

 雷鳥の怒号と共に、空間を覆うほどの真っ黒な雷雲と狂暴性を纏った雷魔獣の群れが、一斉にアルドたちに向かって稲妻のごとく押し寄せてきた。

「うわっ、このホコリたち、すっごく静電気を帯びてて配線にビッシリ絡みついてる! 放置してたらショートして大火事になっちゃうぞ!」

 アルドは、迫り来る魔獣の大群を「長年の放置で静電気を帯びたタチの悪いガンコな室外機のホコリと絡まった配線」と完全に認識し、神仙エアダスターのノズルをカチャリと構えた。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『電気設備の放置による漏電と排熱不良被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は電気設備メンテナンス業者として、こいつらを完璧に吹き飛ばして絶縁処理して、ピカピカのエコ室外機にするだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の室外機清掃現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。吹き飛ばしたホコリや飛び散る火花が外の世界を燃やさないよう、まずは私が完璧にダンジョンの入り口と周囲にマスカー養生と絶縁飛散防止ネットを張り巡らせます」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、迷宮の入り口を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――バサッ! ピィィィィンッ!

 瞬間、ダンジョンの入り口全体をすっぽりと覆うように強靭な防炎ネットのようなカバーが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の絶縁清掃作業用・飛散防止結界』が展開された。これで、致死の落雷やスタンピードの魔物は一匹たりとも外の世界に漏れ出すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は迷宮が撒き散らすガンコな静電気や暴風の瘴気(致死の環境)を、環境浄化の力で綺麗に強力アース・除電処理いたしますわ!」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力除電魔法』が、超強力なアース線と清浄な空気となって周囲の狂気の雷雲を包み込み、一気に中和して静電気が起きない無風空間へと変えた。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を感電させる猛毒の雷は、その浄化の除電効果を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でフワフワと舞うホコリ状へと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただのホコリやショートした配線など、ただのニッパーのマトだ! そして、邪魔な過剰な魔物どもは俺が綺麗に切り落として配線の整理をしてやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「迷宮過剰繁殖雷獣解体配線切断漏電阻止斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、魔獣同士の「因果の隙間(配線の絡まり)」を完璧に見切り、まるで絡まりすぎたケーブルを専用のニッパーでパチンッ!と綺麗に切断し、電線の整理を良くするかのように、シャリィィィン!と見事な手際で余分な魔物を粉砕し、迷宮内の安全なエネルギー導線を確保してしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ雷鳴軍団ト絶対ノ落雷暴走ガ、タダノ『除電魔法』ト『配線切リ』ノ前ニ、一瞬デ間引カレテ適正ナ電圧ニ下ゲラレテイクゥゥッ!?」

 絶嶺の雷鳥は、自らの絶望の軍勢がものの数分で「綺麗にケーブルタイでまとめられた配線」のように整えられ、スタンピードの脅威が完全に消失した光景に、驚愕のあまり巨大な体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげで安全確保と余分なホコリの間引きは完璧だね! あとは、あの一番デカくて室外機を詰まらせている『ガンコな親玉(雷鳥とコア)』のフィンに、事象絶縁の神仙エアダスターのノズルを向けてブワァーッ!とホコリを吹き飛ばす! そして、倒した魔物から因果抽出のふるいネットで有用な雷魔法石や風の魔石の成分だけを綺麗に分別して回収する! 最後に絶対送風の神仙エコ室外機チューナーをコアにガチャン!と取り付けて、二度とホコリがこびりつかないように自動調整するだけだ!」

 アルドは、特製『事象絶縁の神仙エアダスター』と『ふるいネット』を雷鳥の巨大な本体(次元の雷暴走の中核)へと向けて構え、絶縁長靴で岩肌を踏みしめて突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙エアダスターは星の因果の詰まりを物理的に吹き飛ばして適正な通気性に整える絶対事象清掃ツールであり、神仙ふるいネットとエコ室外機チューナーは大宇宙のいかなる次元の雷鳴迷宮やスタンピードすらも、物理的に『不要なゴミを飛ばして必要な資源だけを抽出し、送風と発電効率を空間ごと最適化する』だけで完璧に無害化し、極上の安全なエネルギー源を取り戻す『究極の持続可能メンテナンスツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ平穏ヲ焼キ焦ガス『終焉ノ絶対落雷アビス・ライトニング』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ灰ノ底ニ沈メテクレルワ!」

 雷鳥が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを蹂躙する超巨大な猛毒の雷撃の波を放ってきた。

「うわっ! フィンの奥から、すっごく強烈でタチの悪い分厚いホコリの塊がせり出してきた! でも、この特製エアダスターとエコ室外機チューナーの前には、どんなに凶暴な雷も一発で綺麗に適正電圧に調整されて、安全なクリーンエネルギーになるんだ!」

 アルドが雷鳥の巨大なホコリ(世界の雷暴走の中心)に向けて、事象絶縁の神仙エアダスターのトリガーを引き、「ブワァァァァッ!!」と超高圧の圧縮空気をピンポイントで吹き付ける。事象の雷暴走(迷宮の魔力圏)が、強烈な物理的風圧によって面白いように吹き飛び、残った剥き出しの配線には特製の神仙絶縁テープをぐるぐると巻き付けて完全に漏電を防ぐ。魔界のどんな雷光も、神仙の清掃力の前にはただのホコリとなってネットに絡め取られ、雷鳥はあれよあれよという間に、ピカピカに磨き上げられた無害な冷却フィンのような姿へと整えられていく。

 同時に、アルドは因果抽出の神仙ふるいネットをバサァッ!と広げ、清掃されて落ちた魔物の残骸から、有用な雷魔法石や風力魔石だけを「シャカシャカッ!」と綺麗に分別し、収穫コンテナへと次々に回収していく。

 完全にスタンピードの危険が消滅した直後、アルドは迷宮の最深部にある心臓部ダンジョンコアに、絶対送風の神仙エコ室外機チューナーを「ガチャン!」とはめ込み、ダイヤルを回して設定を『自動清掃・快適発電モード』に合わせる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に安全基準でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対にホコリがこびりつかない、最新式エコ室外機のように管理されたクリーン発電インフラへと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒落雷ガ、タダノエアダスターデブワァット吹キ飛バサレ、ふるいネットデ雷魔法石ダケ抽出サレ、エコ室外機チューナーデ一ミリモ残ラズ漏電ヲ起コセナクナッタだトォォォッ!?」

「よし、ガンコなフィンのホコリと漏電は完全に直されて風の通りが良くなって、スタンピードの危険もゼロですっごく安全な発電設備になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域発電&無限クリーン送風システム』を稼働させて……あ、そうだ。この迷宮の親玉、綺麗にホコリ飛ばしてチューナーをつけたら、凄く強力で絶対に落雷を溢れさせず、定期的に雷魔法石やクリーンな風をドロップしてくれる、巨大な全自動の広域発電・無限クリーン送風インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、有害な雷暴走を完全に防ぎつつ、代わりに極上のクリーンな電気エネルギーと無限の爽やかな風だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域発電&無限クリーン送風インフラ』にできそうだよ!」

 アルドが迷宮のコアに施した専用の自動調整ユニットを操作し、事象調律のスイッチを「24時間自動ホコリ除去・超エコ発電・爽快送風モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な生産施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた迷宮の禍々しい狂気と過電圧の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな電力エネルギーと無限の安全装置へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ黒焦ゲニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【安全ニ電気ト風オ供給スル為ノ最新ノ自動清掃機能付キ・エコ室外機】ノヨウニ……!? イヤ、チューナーオ設定サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安全管理力ト、極上ノ電力供給環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ壊スノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ明カリト極上ノ風オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン発電機」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 かつて世界を脅かした雷鳴迷宮とスタンピードの化身は、アルドの「室外機のガンコなホコリ詰まり清掃と漏電修理作業」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を感電させる禍々しい絶嶺の落雷は、気がつけば「世界の電力供給を美しく輝く巨大な安全施設に変え、どんな漏電の暴走も一瞬で無害化し、極上の電気と風を24時間安定供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域発電・無限クリーン送風インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の最新式大型エコ室外機と自動配線システム)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌なスタンピードと室外機故障のリスクは片付いて、すっごく綺麗で安全な持続可能バッチリな発電所になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが魔物の雷暴走や漏電火災を気にせずに、どんな時でも安心な環境で笑顔で電気を使えるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な生活基盤と明るい電気を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドがエアダスターを片付けて額の汗を拭うと、迷宮を覆っていたドス黒い雷雲は一瞬にして晴れ渡り、絶縁飛散防止ネットが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式室外設備と、澄み切った清らかな風が広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域発電・クリーン送風システムは、これより大陸全土の迷宮維持・電力供給基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。雷鳴迷宮からの定期メンテナンス費用の自動引き落とし設定も完了いたしました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、ダンジョンの視察に同行していた勇者パーティが「俺たちが昔、感電しながら潜ってた雷鳴ダンジョンが、完全にオートメーション化された風力・太陽光発電のメガソーラー施設みたいになってる……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。

「これからは、どんな落雷の魔物やガンコなホコリの兆候が出ようが、社長の作業前に俺が全部『余分な配線ごとニッパーで間引き』してやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで世界中の次元防衛・電力インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。雷鳴迷宮によるスタンピードおよび漏電暴走の危機を「室外機のホコリ除去および配線整理作業」として処理完了。世界を感電させる迷宮を事象のエアダスターとコアチューナーで清掃・調整させ、立派な特大全自動広域発電・無限クリーン送風システムへと改修完了。異常なし。以上。』

 ゾルタンは非常に簡潔に、わずか数行で記録を終えた。世界を滅ぼす雷鳴迷宮のスタンピードが現れようとも、社長の前では「エアコンの効きが悪くなったための定期メンテナンスと室外機の掃除」という、家電修理のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす迷宮の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の設備メンテナンス業務として処理されているのである。

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、雷鳴迷宮すらもピカピカの最新式室外機の一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、配線修理お疲れ様! 今日の3時のおやつは、ビリビリ痺れる麻婆豆腐の後にぴったりの、炭酸がシュワッと弾ける『特製・大精霊のレモンスカッシュと極上レアチーズケーキ〜星屑のミントを添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるレモンスカッシュは、ことのほか炭酸の爽快感とレモンの酸味が五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただのエアコン室外機のガンコなホコリ詰まり清掃と漏電修理作業」は、世界滅亡の雷スタンピードの危機をただの電気設備メンテナンスとして解決し、迷宮の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域発電・無限クリーン送風インフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界中の次元迷宮防衛と資源インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜

https://ncode.syosetu.com/n5506ma/

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