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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第218話:ただのボイラー室のガンコな煤落としと配管洗浄と、灼熱の獄炎迷宮の強制全自動広域地熱・無限クリーン給湯インフラ化

第218話:ただのボイラー室のガンコな煤落としと配管洗浄と、灼熱の獄炎迷宮の強制全自動広域地熱・無限クリーン給湯インフラ化(総合ライフサポート企業の給湯・熱源メンテナンス業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々が、「気さくで働き者の大家さんたち」としてすっかり定着し、吐く息が白くなり始めた朝の冷気の中で「そろそろ灯油の巡回販売車が来る季節だな」「落ち葉を集めて焼き芋でも焼こうか」などと、ごく一般的な田舎の冬支度について楽しげに語り合っている。

 魔界の最高戦力たる魔王たちの侵攻を「大掃除の総仕上げ」として完璧に終わらせ、先日には世界最凶の深淵迷宮すら「庭の定期剪定と間引き作業」として全自動クリーンファームへとリフォームしたアルド。

 世界から一切の脅威が消え去り、資源すらも安定供給されるようになった完璧な平和の中で、アルドは再び「日々のメンテナンス業務」への情熱を燃やし始めていた。

 そんな中、キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、赤ワインと肉の旨味が極限まで煮詰まった芳醇な香りと、とろけるチーズの暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大家の神々や居候の勇者パーティのみんなも一緒に食べる『幻獣牛の極厚ホロホロ・特製ビーフシチューと、大精霊の森の恵みたっぷり・極上チーズフォンデュ〜星屑のガーリックトーストを添えて〜』だ! まずは、大人の拳ほどもある幻獣牛の極厚すね肉を、天界の赤ワインで三日三晩じっくりと煮込み、箸で触れただけで崩れるほどホロホロにする! そこに、炒めて甘みを引き出したタマネギと、神仙トマト、数十種類のスパイスを加えてトロトロのシチューに仕上げるんだ。その横で、数百年熟成の天界グリュイエールチーズとエメンタールチーズを白ワインで溶かし、滑らかな特製チーズフォンデュソースを作る! 幻獣ジャガイモやブロッコリー、そして神仙小麦で焼き上げたバゲットにガーリックバターをたっぷり塗ってカリカリに焼いた『星屑のガーリックトースト』を、この熱々のチーズの海にダイブさせるんだ。……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、圧倒的な肉とチーズの香りを放つ特大の朝食お盆をダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、焼き芋の相談を終えた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣牛の圧倒的なアミノ酸と赤ワインのポリフェノールが全身の魔力回路を限界突破させ、濃厚なチーズのコクとガーリックの香ばしさが血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高のウインターフルコース』である。

「うむ……! このホロホロに煮込まれた極厚ビーフをスプーンですくい、口に運んだ瞬間に広がる、肉の暴力的なまでの旨味と赤ワインの深いコクのビッグバン! 噛む必要すらないほど柔らかい肉塊が舌の上で溶け、濃厚なシチューソースが五臓六腑に染み渡る! すかさずカリッカリのガーリックトーストに熱々のチーズをたっぷり絡めて頬張れば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! クリーミーなチーズの塩気とシチューの甘みが完璧なハーモニーを奏で、我が最高福利厚生責任者の職務が、雪山の高級レストランで至福の朝食を貪る貴族のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、スプーンとフォークを持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々のシチューに感涙して咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上ホットコーヒーが振る舞われた後。

 アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座り、ふと首を傾げた。

「……ねえ。今朝からなんだけど、床暖房の効きがちょっと悪い気がするし、キッチンの水道から出るお湯もぬるいんだよね。それに、どこからか『ゴボゴボッ……シュウゥゥゥ』って、ボイラーの配管が詰まって無理をしているような音が聞こえてくる。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが先日剪定した深淵迷宮とは別の、世界に多大な熱源を供給している『灼熱の獄炎迷宮(火山ダンジョン)』の仕業だってわかる。長年の放置で内部の火炎魔物が異常繁殖して熱暴走を起こし、配管にタチの悪いガンコなすすとスケール(湯垢)がビッシリ詰まって、スタンピード寸前になってるみたいだね。完全に定期的なボイラーの煤落としと配管洗浄をサボったせいで発生する、熱源供給の低下と給湯器の故障トラブルだよ」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「お湯のぬるさとボイラーの異音」。それはすなわち、世界の熱源と温泉を司る最重要ダンジョンの一つ『灼熱の獄炎迷宮』が、過剰な魔力によって限界を迎え、無数の獄炎魔獣と猛毒の火山ガスを率いて外の世界へ溢れ出し、大陸全土を灼熱のマグマの底へと沈めようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。

 しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界をガンコな煤や配管詰まりの心配がない、いつでもポカポカの床暖房と熱々のお湯が使える極上の快適空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。

「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた熱源ダンジョンの異常過熱と、スタンピードの危機……間違いありませんね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「現在、世界で最も危険な熱源として警戒されているのが、その『灼熱の獄炎迷宮』です。内部は完全に火炎魔物が飽和状態にあり、いつマグマのスタンピードが決壊してもおかしくない状況。しかし、あの迷宮は世界中に地熱や温泉、良質な魔法鉱石を供給する『重要なボイラー設備(資源)』でもあります。潰すわけにはいかないため、適正な熱量に調整する『定期メンテナンス業務』に最適の現場と言えるでしょう」

「なるほど! やっぱりダンジョンは生活の一部インフラだから、完全に塞いじゃうとみんなが冬に凍えちゃうし、温泉にも入れなくなっちゃうんだね!」

 アルドはバインダーの報告書を見て、プロの給湯・熱源メンテナンス業者としての血を騒がせた。

「伸びすぎた枝葉(魔物)を間引いて、ガンコなボイラーの煤と配管のスケールを綺麗に落とし、安全に地熱を供給できる状態を維持する。これが持続可能な熱源管理の鉄則だよ! まずは『超強力・配管洗浄剤』を流し込んでドロドロに溶かし、専用の『極太パイプブラシ』でゴシゴシとススを擦り落とす! さらに不要な魔物を間引きつつ、有用なレアメタルや温泉成分は『因果抽出のふるいネット』でしっかり回収。最後に古くなった熱源コアを『最新式・神仙エコ給湯器コアチューナー』にリフォームして、物理的に二度と詰まらない完璧なポカポカの給湯インフラにリセットしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。ボイラー室にこびりついた鬱陶しい火炎魔獣ども(魔獣の群れ)の伐採と、配管を塞いでいる無駄なススの塊の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のワイヤーブラシと工具で一つ残さず引っ剥がし、完璧な『下地処理(スス払いと間引き作業)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧を大型の配管清掃用ワイヤーのように構えて不敵に笑う。

「ええ。ダンジョン内に漂うガンコな火山ガスや異常な熱気(※致死の環境)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・冷却魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、快適にボイラー清掃ができる適温の環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、削り落としたススや噴き出す熱湯が、外の世界やご近所を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、ダンジョンの入り口と周囲に完璧なマスカー養生と耐熱飛散防止シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! ボイラーの清掃はススで真っ黒になるし、ヤケドの危険があるから、しっかり耐熱養生をして安全第一で作業しようね!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の火山ガスとマグマを完全に弾く特製ボイラー作業用・完全耐熱防護ツナギと厚手革手袋、防毒マスク)に着替え、手には巨大な「事象研磨の神仙極太パイプブラシ」と、プロ仕様の「因果溶解の神仙配管洗浄剤」、そして「絶対保温の神仙エコ給湯器コアチューナー」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『給湯・熱源メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちのお湯のぬるさとスタンピードの悩みを解決するために、邪魔なススと魔物を間引いて、迷宮を優良なクリーン給湯インフラにリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、熱源清掃仕様に改造された魔導サービスカー(大量の配管洗浄剤とパイプブラシ搭載)に乗り込み、空間がドス黒い火山ガスと灼熱のマグマで溢れかえっている次元の迷宮『灼熱の獄炎迷宮』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、次元の迷宮『灼熱の獄炎迷宮』の内部。

 そこは、長年の放置により凶悪な獄炎魔獣やマグマゴーレムが異常繁殖し、足の踏み場もないほどにひしめき合う、文字通りの灼熱地獄であった。迷宮のコアから溢れ出す無尽蔵の熱エネルギーが魔物たちを際限なく凶暴化させ、今まさに外の世界へと溢れ出そうと(熱暴走スタンピードを起こそうと)している、世界滅亡のカウントダウンの最中である。

「ゴオォォォォッ!! 我ら獄炎の軍勢よ! 溜まりに溜まったこのマグマの怒りを、今こそ地上へ解き放つ時が来た! 全ての生命を灰燼に帰し、この世界を我らの新たな溶岩溜まり(迷宮)と変えてくれるわ!」

 迷宮の最深部で、無数の魔獣たちを統べる超巨大な『獄炎の魔竜』が、傲慢な咆哮と共にドス黒い噴煙を上げていた。

「さあ、噴火せよ! 地上の脆弱な氷の結界など、我らの圧倒的な熱量と数の前には一瞬で蒸発する! スタンピードの恐怖を――」

 ――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!

 獄炎の魔竜がスタンピードの号令をかけようとしたその瞬間、猛烈な熱風が吹き荒れるダンジョンの入り口付近に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の猛毒とマグマをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、作業車のドアから、巨大なパイプブラシと洗浄剤を持った青年の明るくも呆れた声が、魔物たちの咆哮を完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! ボイラーのガンコなスス汚れと詰まりさん(魔物たち)、定期配管洗浄と間引き作業に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい配管の真っ黒っぷりと、外にまで吹き出そうとしてるタチの悪い熱暴走(スタンピード寸前)だね! 定期メンテナンスをサボってこんなにスケールを溜め込むなんて、熱源管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にパイプブラシでのゴシゴシ洗浄と、エコ給湯器への交換のしがいがあるや!」

 アルドは、革手袋をキュッと締め直しつつ、プロのボイラー技士としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対ノ灼熱迷宮ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」

 獄炎の魔竜が驚愕のマグマブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・間引き用具(兵器)」を手にして、熱気が立ち込める岩肌へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい配管に湧いたススども(魔獣の群れ)と、伸び放題で道を塞いでいる無駄な魔力の塊から、綺麗に『下地処理・物理スス払い』して差し上げましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の迷宮の中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ最凶ノ獄炎軍勢ヲ『ボイラーのススと配管の詰まり』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ灼熱ノ群レデ、貴様ラヲ永遠ニ灰ニシテクレルワ!」

 魔竜の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い火山ガスと狂暴性を纏ったマグマ魔獣の群れが、一斉にアルドたちに向かって火砕流のごとく押し寄せてきた。

「うわっ、このススたち、すっごく熱を持ってて配管を完全に塞いじゃってる! 放置してたらボイラーが破裂して家事になっちゃうぞ!」

 アルドは、迫り来る魔獣の大群を「長年の放置で熱を持ったタチの悪いガンコなボイラーの煤と湯垢」と完全に認識し、神仙パイプ洗浄剤のボトルをカチャリと構えた。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『熱源の放置によるボイラーの異音と熱暴走被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕はボイラー技士として、こいつらを完璧に洗い流して適正温度に調整して、ピカピカのエコ給湯器にするだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常のボイラー清掃現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。削り落としたススや噴き出す熱湯が外の世界を汚さないよう、まずは私が完璧にダンジョンの入り口と周囲にマスカー養生と耐熱飛散防止シートを張り巡らせます」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、迷宮の入り口を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――バサッ! ピィィィィンッ!

 瞬間、ダンジョンの入り口全体をすっぽりと覆うように強靭な防炎シートのようなカバーが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の耐熱清掃作業用・飛散防止結界』が展開された。これで、致死のマグマやスタンピードの魔物は一匹たりとも外の世界に漏れ出すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は迷宮が撒き散らすガンコな火山ガスや異常な熱気(致死の環境)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・冷却処理いたしますわ!」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力冷却魔法』が、超強力な冷風と清浄な空気となって周囲の狂気のマグマを包み込み、一気に中和して快適な適温空間へと変えた。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を焼き尽くす猛毒の熱風は、その浄化の冷風を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害で作業がしやすいクリーンなサウナ程度の温度へと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただのススや湯垢など、ただのワイヤーブラシのマトだ! そして、邪魔な過剰な魔物どもは俺が綺麗に削り落として配管の通りを良くしてやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「迷宮過剰繁殖獄炎魔獣解体スス払イ配管貫通斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、魔獣同士の「因果の隙間(配管の詰まり)」を完璧に見切り、まるで密集しすぎたススの塊を専用のワイヤーブラシでガリガリッ!と綺麗に削り落とし、お湯の通り道を良くするかのように、シャリィィィン!と見事な手際で余分な魔物を粉砕し、迷宮内の安全なエネルギー導線を確保してしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ獄炎軍団ト絶対ノ熱暴走ガ、タダノ『冷却魔法』ト『スス払イ』ノ前ニ、一瞬デ間引カレテ適正ナ温度ニ下ゲラレテイクゥゥッ!?」

 獄炎の魔竜は、自らの絶望の軍勢がものの数分で「適度に清掃されたボイラーの配管」のように整えられ、スタンピードの脅威が完全に消失した光景に、驚愕のあまり巨大な体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげで安全確保と余分なススの間引きは完璧だね! あとは、あの一番デカくて配管を詰まらせている『ガンコな親玉(獄炎の魔竜とコア)』の所に、因果溶解の神仙配管洗浄剤をドバーッ!と流し込んで、事象研磨の神仙極太パイプブラシでゴシゴシと洗い落とす! そして、倒した魔物から因果抽出のふるいネットで有用な耐熱レアメタルや極上温泉の成分だけを綺麗に分別して回収する! 最後に絶対保温の神仙エコ給湯器コアチューナーをコアにガチャン!と取り付けて、二度と熱暴走が起きないように自動調整するだけだ!」

 アルドは、特製『事象研磨の神仙極太パイプブラシ』と『ふるいネット』を魔竜の巨大な本体(次元の熱暴走の中核)へと向けて構え、耐熱長靴で岩肌を踏みしめて突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙パイプブラシは星の因果の詰まりを物理的に擦り落として適正なサイズに整える絶対事象研磨ツールであり、神仙ふるいネットとエコ給湯器コアチューナーは大宇宙のいかなる次元の灼熱迷宮やスタンピードすらも、物理的に『不要なゴミを落として必要な資源だけを抽出し、熱効率を空間ごと最適化する』だけで完璧に無害化し、極上の安全な熱源供給地を取り戻す『究極の持続可能メンテナンスツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ平穏ヲ焼キ尽クス『終焉ノ絶対噴火アビス・イラプション』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノマグマノ底ニ沈メテクレルワ!」

 魔竜が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを蹂躙する超巨大な猛毒のマグマの波を放ってきた。

「うわっ! ボイラーの奥から、すっごく強烈でタチの悪い真っ赤なマグマが逆流してきた! でも、この特製パイプブラシとエコ給湯器チューナーの前には、どんなに凶暴な熱も一発で綺麗に適温に調整されて、安全なポカポカのお湯になるんだ!」

 アルドが魔竜の巨大なマグマ(世界の熱暴走の中心)に向けて、因果溶解の神仙配管洗浄剤を「ドバーッ!」と惜しげもなく注ぎ込む。事象の熱暴走(迷宮の魔力圏)が、強烈な中和成分によってドロドロに溶かされ、アルドが神仙極太パイプブラシで「ゴシゴシッ、ゴシゴシッ!」とリズミカルに擦り落としていく。魔界のどんな熱量も、神仙の清掃力の前にはただの黒いススとなって水に流され、魔竜はあれよあれよという間に、ピカピカに磨き上げられた無害な銅パイプのような姿へと整えられていく。

 同時に、アルドは因果抽出の神仙ふるいネットをバサァッ!と広げ、清掃されて落ちた魔物の残骸から、有用な火炎魔法石やレアメタル、そして極上の温泉の源泉成分だけを「シャカシャカッ!」と綺麗に分別し、収穫タンクへと次々に回収していく。

 完全にスタンピードの危険が消滅した直後、アルドは迷宮の最深部にある心臓部ダンジョンコアに、絶対保温の神仙エコ給湯器コアチューナーを「ガチャン!」とはめ込み、ダイヤルを回して設定を『快適給湯モード』に合わせる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に安全基準でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対に熱暴走しない、最新式エコ給湯器のように管理されたクリーン地熱インフラへと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒噴火ガ、タダノパイプブラシデゴシゴシ擦リ落トサレ、ふるいネットデ温泉成分ダケ抽出サレ、エコ給湯器チューナーデ一ミリモ残ラズ適温ヲ超エラレナクナッタだトォォォッ!?」

「よし、ガンコな配管のススと魔物は完全に落とされてお湯の通りが良くなって、スタンピードの危険もゼロですっごく安全な熱源になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域地熱&無限クリーン給湯システム』を稼働させて……あ、そうだ。この迷宮の親玉、綺麗に配管洗浄してチューナーをつけたら、凄く強力で絶対にマグマを溢れさせず、定期的に魔法石や極上温泉をドロップしてくれる、巨大な全自動の広域地熱・無限クリーン給湯インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、有害な熱暴走を完全に防ぎつつ、代わりに極上のクリーンな熱エネルギーと無限のポカポカ温泉だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域地熱&無限クリーン給湯インフラ』にできそうだよ!」

 アルドが迷宮のコアに施した専用の自動調整ユニットを操作し、事象調律のスイッチを「24時間自動適温管理・超エコ給湯・極上温泉モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な生産施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた迷宮の禍々しい狂気と過熱の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな地熱エネルギーと無限の安全装置へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ灰塵ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【安全ニ床暖房ト温泉オ供給スル為ノ最新ノ自動温度管理機能付キ・エコ給湯器】ノヨウニ……!? イヤ、チューナーオ設定サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ安全管理力ト、極上ノ熱源供給環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ燃ヤスノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ温モト極上ノ温泉オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン給湯機」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 かつて世界を脅かした灼熱迷宮とスタンピードの化身は、アルドの「ボイラー室のガンコな煤落としと配管洗浄作業」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を焼き尽くす禍々しい灼熱の獄炎は、気がつけば「世界の熱源供給を美しく輝く巨大な安全施設に変え、どんなマグマの暴走も一瞬で無害化し、極上のお湯と温泉を24時間安定供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域地熱・無限クリーン給湯インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の最新式エコ給湯ボイラーと自動配管システム)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌なスタンピードとボイラー故障のリスクは片付いて、すっごく綺麗で安全な持続可能バッチリな熱源になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが魔物の熱暴走や冬の寒さを気にせずに、どんな時でも安心な環境で笑顔でポカポカのお風呂に入れるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な生活基盤と温かいお湯を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドがパイプブラシを片付けて額の汗を拭うと、迷宮を覆っていたドス黒い火山ガスは一瞬にして晴れ渡り、耐熱飛散防止シートが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式ボイラーと、澄み切った清らかな温泉の湯気が広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域地熱・クリーン給湯システムは、これより大陸全土の迷宮維持・熱源供給基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。灼熱迷宮からの定期メンテナンス費用の自動引き落とし設定も完了いたしました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、ダンジョンの視察に同行していた勇者パーティが「俺たちが昔、火傷しながら潜ってた火山ダンジョンが、完全にオートメーション化された温泉旅館の巨大ボイラー室みたいになってる……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。

「これからは、どんな灼熱の魔物やガンコな熱暴走の兆候が出ようが、社長の作業前に俺が全部『余分なススごとワイヤーブラシで間引き』してやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで世界中の次元防衛・熱源インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。灼熱迷宮によるスタンピードおよび熱暴走の危機を「ボイラー室の煤落としおよび配管洗浄作業」として処理完了。世界をマグマに沈める迷宮を事象のパイプブラシとコアチューナーで洗浄・調整させ、立派な特大全自動広域地熱・無限クリーン給湯システムへと改修完了。異常なし。以上。』

 ゾルタンは非常に簡潔に、わずか数行で記録を終えた。世界を滅ぼす灼熱迷宮のスタンピードが現れようとも、社長の前では「冬に向けたボイラー室の定期メンテナンスとエコ給湯器への交換」という、水回りリフォームのスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす迷宮の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の設備メンテナンス業務として処理されているのである。

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、灼熱迷宮すらもピカピカの最新式給湯器の一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、ボイラー清掃お疲れ様! 今日の3時のおやつは、ポカポカの温泉みたいに中から温かいチョコレートがとろけ出す『特製・大精霊の極上フォンダンショコラ〜星屑のバニラアイスとベリーソースを添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるフォンダンショコラは、ことのほかチョコレートの濃厚さと温かさが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただのボイラー室のガンコな煤落としと配管洗浄作業」は、世界滅亡のマグマスタンピードの危機をただの熱源メンテナンスとして解決し、迷宮の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域地熱・無限クリーン給湯インフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界中の次元迷宮防衛と資源インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜

https://ncode.syosetu.com/n5506ma/

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