第215話:ただのリビングのガンコな手垢・ヤニ汚れ洗浄とフローリングの極上ワックス掛けと、魔界の魔王(筆頭)の強制全自動広域空調・無限クリーンルームインフラ化
第215話:ただのリビングのガンコな手垢・ヤニ汚れ洗浄とフローリングの極上ワックス掛けと、魔界の魔王(筆頭)の強制全自動広域空調・無限クリーンルームインフラ化(総合ライフサポート企業のハウスクリーニング総仕上げ業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々が、「気さくで働き者の大家さんたち」としてすっかり定着し、朝の日差しの中で「そろそろ年末の大掃除の時期だから、粗大ゴミの手配をしておかないとな」「窓拭きは古新聞を使うとピカピカになるらしいぞ」などと、ごく一般的な年末の主婦のような会話に花を咲かせている。宇宙の真理からすれば、もはや発狂するしかないほど平和で家庭的な光景が広がっていた。
そんな中、キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、芳醇なスパイスの香りと、肉汁が弾ける暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大家の神々の皆さんも一緒に食べる『幻獣牛の極厚ステーキ肉をゴロゴロ入れた、究極の絶品ビーフカレー〜星屑の特製ナンと大精霊の新鮮サラダを添えて〜』だ。まずは、幻獣牛の極厚赤身肉を表面がカリッとするまで焼き付け、旨味を完全に閉じ込める! その肉を、大量の天界玉ねぎがアメ色になるまで炒めた鍋に投入し、神仙トマト、大精霊のリンゴのすりおろし、そして数十種類のスパイスを独自配合した特製カレールーで、三日三晩トロトロになるまで煮込むんだ! さらに隠し味として、数百年熟成させた幻獣バターと星屑のチョコレートをひとかけら落とし、コクと深みを極限まで引き出す。その横で、神仙小麦を練り上げた生地を高温の石窯の壁に貼り付け、外はパリッと中はモチモチの『特製ナン』を焼き上げる! カレーの辛さを中和するために、大精霊の森で朝摘みしたシャキシャキの冷製サラダを添え、特製オニオンドレッシングをかける。……熱々のうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、圧倒的なスパイスの香りを放つ特大の朝食プレートをダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、大掃除の打ち合わせを終えた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣牛の圧倒的なアミノ酸とスパイスの薬効成分が全身の魔力回路を限界突破させ、特製ナンの炭水化物が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高のスパイスフルコース』である。
「うむ……! この焼きたての特製ナンを手で千切り、トロトロの極厚ビーフカレーにたっぷりとディップしてかぶりついた瞬間に広がる、スパイスの暴力的な香りと牛肉の旨味のビッグバン! 噛む必要すらないほど柔らかく煮込まれた肉塊が舌の上で溶け、タマネギとリンゴの甘みがスパイスの辛さを完璧に包み込む! すかさずシャキシャキの冷製サラダで口内をリフレッシュすれば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 隠し味のチョコレートがもたらす神がかったコクに溺れ、再びナンをカレーに沈めれば、我が最高福利厚生責任者の職務が、高級インド料理店で至福の朝食を貪るマハラジャのようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、ナンを持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々のカレーに感涙して咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上ラッシーが振る舞われた後。
アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える大宇宙最強の経営陣。
しかし、優雅な空気を切り裂くように、リビングの壁紙とフローリングから「ネチャッ……ギシッ」という、汚れがへばりつくような不快な音と共に、ホコリと手垢、そしてタバコのヤニが混ざったような強烈な悪臭が漂ってきた。見れば、白かったはずの壁紙が黄色く変色し、ピカピカだったフローリングは黒ずんでワックスが剥がれ、禍々しい瘴気を放っていたのである。
「……ねえ。今朝からなんだけど、リビングの壁紙に『タチの悪いガンコな手垢とヤニ汚れ』がこびりついてて、フローリングも黒ずんで『歩くたびにベタベタする』んだよね。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが次元の底の『奈落の魔界』から、これまで送られてきた魔王たちを統べる最後の総大将、『魔王級の筆頭(汚損と劣化の支配者)』の仕業だってわかる。魔界の魔王級が次々とやられたから、ついに魔界の頂点中の頂点が、家の中で一番長く過ごすリビングを直接汚しに来たみたいだね。完全に毎日のクイックルワイパーと換気をサボったせいで発生する、タチの悪い居住空間の全体汚損とワックス剥がれトラブルだよ」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「リビングの汚れとフローリングのベタつき」。それはすなわち、これまでの魔王たちの敗北を受け、ついに魔界の全軍を統べる絶対的総大将『汚損の魔王筆頭・ベノム・タール』が、無数の汚濁魔獣と猛毒のヤニを率いて世界の次元の居住空間を完全に破壊し、世界を悪臭と劣化の底へと沈めようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。
しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界をガンコなヤニ汚れやフローリングのベタつきの心配がない、いつでも寝転がれるくらいピカピカで快適なリビングにする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。
「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた魔界・魔王級(筆頭)の侵攻と、次元居住空間の汚損被害……間違いありませんね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「我が社の情報網にも、奈落の魔界からついに魔界総大将たる魔王筆頭の出陣報告が届いております。汚損と劣化を司る『汚損の魔王筆頭・ベノム・タール』が、猛毒のヤニと手垢(致死の腐敗毒)を撒き散らし、我々の世界の次元のリビングを全てスラム街のような汚染空間へと変えようとしております。さらにタチの悪いことに、その魔王が生み出す『黄濁の粘着魔獣ども(※触れるものの次元を劣化させ、強烈な悪臭を放つタール魔獣群)』が壁紙の裏側から溢れ出し、人々の街の居住空間に雪崩れ込んでは、全てを絶望の汚損地獄の底に沈めようと暴れ回っております。まさに大掃除の総仕上げに相応しい相手です」
「なるほど! やっぱり人が集まる場所の掃除を後回しにしたせいで、皮脂汚れやホコリが固まったタチの悪い大親分(魔界総大将)になって、リビング全体を悪臭とベタつきの巣窟にしてるんだね!」
アルドはバインダーの報告書を見て、プロのハウスクリーニング業者としての血を騒がせた。
「僕の力なら魔界の総大将なんて一瞬で塵にできるけど、ガンコな壁紙のヤニ汚れとフローリングの黒ずみの対応はやっぱり、まずは『超強力・壁紙用アルカリ電解水』をシュッシュッと吹きかけて、専用の『マイクロファイバークロス』で傷つけないように優しく、かつ徹底的に拭き上げる! そして、フローリングは『剥離剤』を使って黒ずんだ古いワックスをドロドロに溶かして完全に拭き取り、その上から『高耐久・光沢ウレタン樹脂ワックス』を専用のモップでムラなく均一に塗り広げる! 最後にエアコンのフィルターを丸洗いして『防カビ消臭スプレー』を吹きかけ、物理的に二度と汚れがこびりつかない完璧なピカピカのリビングにリセットするのが一番確実でくつろげるからね! このまま放置すれば、家(世界)中がベタベタして誰もリラックスできなくなっちゃう。安全で清潔な居住環境を守るためにも、リビングをキッチリ清掃・ワックス掛けして、極上のクリーンルームインフラにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。フローリングにこびりついた鬱陶しい粘着魔獣ども(魔獣の群れ)と、黒ずんで使い物にならない古いワックス層の解体・剥離は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のスクレーパーとポリッシャーで一つ残さず引っ剥がし、完璧な『下地処理(古いワックスの完全剥離と素地の露出)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型の電動ポリッシャーのように構えて不敵に笑う。
「ええ。魔王が撒き散らすガンコなヤニの悪臭と劣花の瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・消臭魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、ワックスが早く乾く最適な施工環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、強力な剥離剤や拭き取った汚れが、室内の家具やソファを汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、リビングの家具全体に完璧なマスカー養生と飛散防止シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! フローリングのワックス掛けはホコリが落ちるとムラになるし、剥離剤は強いから、しっかり養生と換気をして安全第一で作業しようね!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒のタールと剥離剤を完全に弾く特製室内作業用・完全防汚エプロンとニトリル手袋、マスク)に着替え、手には巨大な「事象分解の神仙アルカリ電解水」と、プロ仕様の「因果剥離の神仙ワックス剥離剤」、そして「絶対光沢の神仙ウレタン樹脂ワックス」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『リビング・ハウスクリーニング道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちのガンコな壁汚れとフローリングのベタつきの悩みを解決するために、邪魔な汚れを根こそぎ落としてワックスをかけ、リビングを優良なクリーンインフラにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、室内清掃仕様に改造された魔導サービスカー(大量のワックスと電動ポリッシャー搭載)に乗り込み、空間がドス黒い悪臭と黄色いヤニに覆われつつある次元の居住空間『魔界の汚損域』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、次元の居住空間『魔界の汚損域』の中心部。
世界の次元リビングをドロドロのタールで塞ぎ、全ての存在を永遠の悪臭とベタつきの底に沈める『汚損の魔王筆頭・ベノム・タール』が、空間を覆い尽くすほどの巨大な黄色いヤニと黒いタールの塊として蠢き、傲慢な粘着音を響かせていた。
「ネチャァァァッ……!! 素晴らしいぞ! 同格の魔王どもが敗れようとも、魔界全軍を統べる総大将たる我ら汚損の支配力の前では、この軟弱な世界の居住空間など容易くヤニの温床へと変貌する! 我が致死のタールさえあれば、地上の次元フローリングなど一瞬で黒ずみ、永遠の悪臭と不快感に絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の汚損を!」
魔王は、巨大なタールの奥からドス黒い猛毒のヤニを放ち、無数の黄濁の粘着魔獣たちを次元の壁紙へと放った。
「愚かな地上の生命どもめ。我ら魔界の総大将がリビングを陣取ったからには、もはやこの世界のどこにも安心して寝転がれる場所などないと知れ! さあ、もっとだ! 全ての壁紙を真っ黄色なヤニで染め上げ、フローリングをタールでベタベタにし、大陸全土を永遠の汚損地獄へと沈めよ!」
「我ら魔界総大将の汚損の力は絶対だ! この魔界の汚損域まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」
――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!
魔王が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な悪臭が吹き荒れる汚損域のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の猛毒とタールをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。
そして、作業車のドアから、アルカリ電解水とワックスモップを持った青年の明るくも呆れた声が、魔界の粘着ノイズを完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! リビングのガンコなヤニ汚れさん(魔界総大将)、壁紙洗浄とフローリングのワックス掛け工事に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい壁紙の黄ばみっぷりと、床にこびりついてるタチの悪いドロドロの黒ずみ(粘着魔獣)だね! 毎日のクイックルワイパーをサボってこんなに皮脂汚れを固まらせるなんて、居住空間維持の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的に電解水での洗浄と、ワックス剥離からのピカピカ再コーティングのしがいがあるや!」
アルドは、ニトリル手袋をキュッと締め直しつつ、プロの清掃業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対汚損領域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」
魔王筆頭が驚愕のタールブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・解体用具(兵器)」を手にして、悪臭の立ち込める床へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しいフローリングに湧いた粘着魔獣ども(魔獣の群れ)と、黒ずんで使い物にならない古いワックス層から、綺麗に『下地処理・物理剥離』して差し上げましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死のリビングの中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ魔界総大将ヲ『壁のヤニ汚れと床の黒ずみ』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ粘着魔獣群デ、貴様ラノ足ヲ永遠ニタールデ拘束シテ地獄ヘ落トシテクレルワ!」
魔王筆頭の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い悪臭と劣化の呪力を纏った魔獣群が、一斉にアルドたちに向かって致死の汚染弾を放ちながら襲い掛かってきた。
「うわっ、この汚れ、すっごくベタベタで靴下まで真っ黒にしようとしてる! 放置してたらリビング全体がスラム街みたいになっちゃうぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の群れを「皮脂やホコリが長年蓄積して黒ずんだタチの悪いガンコなフローリング汚れ」と完全に認識し、神仙ワックス剥離剤のボトルをカチャリと構えた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『リビングのガンコなヤニと床の黒ずみ被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕はハウスクリーニング業者として、こいつらを完璧に剥がして磨き上げて新品みたいにピカピカにするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常のワックス掛け現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。強力な剥離剤や飛び散る汚れが室内の家具やテレビを汚さないよう、まずは私が完璧に家具全体にマスカー養生と飛散防止シートを張り巡らせます」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、魔界の汚損域とリビングの家具を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――バサッ! ピィィィィンッ!
瞬間、リビングのソファやテレビ全体をすっぽりと覆うように透明なシートが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の清掃作業用・飛散防止結界』が展開された。これで、致死の猛毒のタールや洗剤は一ミリたりとも大切な家具を汚すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は魔界が撒き散らすガンコなヤニの悪臭と劣化の瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・消臭処理いたしますわ!」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力換気魔法』が、超強力なマイナスイオンの光の風となって周囲の狂気の悪臭を包み込み、一気に中和して無臭のクリーンな空気へと変えた。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を劣化させる猛毒のタールは、その浄化の光の風を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害で洗剤が効きやすい状態へと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただの黒ずみや古いワックスなど、ただのポリッシャーのマトだ! そして、邪魔な床の古いコーティングは俺が綺麗に削り落として素地を露出させてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した粘着魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「劣化ワックス剥離及隠蔽黒泥魔獣露出粉砕斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、魔獣とフローリングの古いワックスの「因果の隙間」を完璧に見切り、まるで汚れたコーティング層を専用の電動ポリッシャーでギュイィィンッ!と綺麗に削り落とし、奥に潜むガンコな黒ずみを丸見えにするかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に分解し、フローリングの美しい木目を丸裸にしてしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ粘着魔獣軍団ト絶対ノ汚損力ガ、タダノ『換気魔法』ト『ポリッシャー削り』ノ前ニ、一瞬デ片付ケラレテ床ノ木目ヲ剥キ出シニサレテイクゥゥッ!?」
魔王筆頭は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただの削りカス」として分解・撤去され、本体の急所(巨大な壁紙の黄ばみと床の黒ずみ)が露わになった光景に、驚愕のあまり巨大なタールの体を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで安全確保と古いワックスの剥離は完璧だね! あとは、あの一番デカくてリビングを悪臭まみれにしている『ガンコなヤニの親玉』の壁紙に、事象分解の神仙アルカリ電解水をシュッシュッと吹きかけてマイクロファイバーで優しく拭き上げる! そして、綺麗になったフローリングに絶対光沢の神仙ウレタン樹脂ワックスを専用モップでスィーッと均一に塗り広げて、ピカピカの鏡面仕上げにするだけだ!」
アルドは、特製『事象分解の神仙アルカリ電解水』と『神仙ワックス』を魔王筆頭の巨大な本体(次元の汚損と劣化の中核)へと向けて構え、専用スリッパで床を踏みしめて突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙アルカリ電解水は星の因果のヤニと手垢を物理的にイオンの力で浮かせて分解する絶対事象洗浄ツールであり、神仙ウレタン樹脂ワックスは大宇宙のいかなる次元の魔界の総大将や神話級の猛毒のタールすらも、物理的に『高耐久の樹脂被膜で完全に閉じ込め、傷一つつけさせない』だけで完璧に無害化し、極上のピカピカな空間を取り戻す『究極のハウスクリーニングツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ居住ヲ腐ラセル『終焉ノ絶対汚泥』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノヤニノ底ニ沈メテクレルワ!」
魔王筆頭が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを黄色く染め上げる超巨大な猛毒のタールとヤニの波を放ってきた。
「うわっ! 壁の奥から、すっごく強烈でタチの悪い真っ黄色のヤニが染み出してきた! でも、この特製アルカリ電解水とウレタンワックスの前には、どんなに酷い汚れも一発で完全に浮き上がって拭き取られ、鏡みたいにピカピカだ!」
アルドが魔王筆頭の巨大なヤニ(世界の汚損の中心)が染み付く壁紙に向けて、事象分解の神仙アルカリ電解水を「シュッシュッ!」と惜しげもなく吹き付ける。事象の汚損(魔界の魔力圏)が、アルカリイオンの強烈な分解成分によって根っこからポロポロと浮き上がり、アルドがマイクロファイバークロスで「サッ、サッ」と拭き取るだけで、壁紙が本来の純白の輝きを取り戻していく。
壁が綺麗になった直後、アルドは丸裸になったフローリングに向けて、絶対光沢の神仙ウレタン樹脂ワックスをツーッと垂らし、専用のフラットモップを使って「スィーッ、スィーッ」と一定の方向に、ムラなく均一に塗り広げていく。魔界のどんなベタつきも、神仙の樹脂コーティングの前にはただの下地として封じ込められ、鏡のように風景を反射する美しい床へと変わっていく。
完全にヤニと黒ずみが消滅し、ワックスが乾いた直後、アルドはエアコンのフィルターを丸洗いしてカチャッとはめ込み、「ピッ」とスイッチを入れる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に樹脂コーティングされ、眩く輝く平和で絶対に汚れがこびりつかない、新築のようにピカピカのクリーンルームへと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒汚損ガ、タダノ電解水デ拭キ取ラレ、ワックスデ因果ゴト封ジ込メラレ、エアコン洗浄デ一ミリモ残ラズ悪臭ヲ放テナクナッタだトォォォッ!?」
「よし、ガンコな壁のヤニは完全に取れて真っ白になって、フローリングも顔が映るくらいピカピカになってすっごく清潔なリビングになったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域空調&無限クリーンルームシステム』をエアコンにカチッと取り付けて……あ、そうだ。このヤニの親玉、綺麗に掃除してワックス掛けしたら、凄く強力で絶対に汚れを寄せ付けない、巨大な全自動の広域空調・無限クリーンルームインフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、魔界の有害なヤニやホコリを完全に弾き返して浄化し、代わりに極上のクリーンな空気と無限の快適さだけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域空調&無限クリーンルームインフラ』にできそうだよ!」
アルドが魔王筆頭の本体であったリビング空間に専用の自動空気清浄ユニットを施し、事象調律のスイッチを「24時間自動防汚・超空気清浄クリーンモード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な居住施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた魔界の禍々しい汚損と劣化の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな空調エネルギーと無限の防汚機能へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ汚損ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【家ノリビングオ綺麗ニ保ッテホコリオ防グ為ノ最新ノ自動洗浄機能付キ空気清浄機ト高級コーティング】ノヨウニ……!? イヤ、ワックスオ塗ラレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ防汚力ト、極上ノ居住環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ汚スノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ清潔ト極上ノリラックス空間オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーンルーム」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……! 魔王ドモガ全テ浄化サレタ理由ガ、総大将タル我ニモヨウヤク理解デキタ……!!』
かつて世界を脅かした汚損とヤニの化身たる魔界の魔王筆頭(総大将)は、アルドの「リビングのガンコなヤニ汚れ洗浄とフローリングの極上ワックス掛け」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を汚染する禍々しい魔界の汚損域は、気がつけば「世界の居住機能を美しく輝く巨大な防汚施設に変え、魔界のどんなヤニやホコリも一瞬で無害化し、極上の清潔な空気を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域空調・無限クリーンルームインフラ(見た目は巨大で新築のようにピカピカに輝く純白の最新式空気清浄エアコンと鏡面フローリング)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌なヤニ汚れと床のベタつきのリスクは片付いて、すっごく綺麗でピカピカのワックスバッチリなリビングになったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが大掃除の手間やホコリを気にせずに、どんな時でも安心な環境で笑顔で寝転がれるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの清潔な居住空間とリラックスタイムを守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドがワックスモップを片付けて額の汗を拭うと、汚損域を覆っていたドス黒い悪臭は一瞬にして晴れ渡り、飛散防止シートが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な鏡面フローリングと、澄み切った清らかな空気清浄の風が広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な大掃除の総仕上げでした、社長。我が社の広域空調・クリーンルームシステムは、これより大陸全土の住宅維持・居住空間基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。魔界の絶対総大将・魔王筆頭からのハウスクリーニング代行費用の徴収も完了いたしました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、完全に大家さんとして定着した神々が「ほら見ろ、魔界の総大将といえど、年末の大掃除のワックス掛け扱いでピカピカにされたぞ……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。
「これからは、どんな魔界のバケモノやガンコな古いワックスが出ようが、社長の作業前に俺が全部『ポリッシャーで削って丸裸』にしてやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで魔界側の次元防衛・住宅空調インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。魔界の魔王級筆頭(総大将)による次元汚損・劣化侵攻を「リビングのヤニ洗浄およびワックス掛け」として処理完了。世界をスラム化させる魔王筆頭を事象の電解水とウレタンワックスで洗浄・コーティングさせ、立派な特大全自動広域空調・無限クリーンルームシステムへと改修完了。異常なし。以上。これにて大掃除(魔界侵攻)の全工程を完了とする。』
ゾルタンは非常に簡潔に、わずか数行で記録を終えた。魔界の絶対的総大将が現れようとも、社長の前では「大掃除の最後の総仕上げであるリビングのワックス掛け」という、ハウスクリーニングのスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす魔界の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の清掃業務として処理されているのである。
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、魔界の総大将すらもピカピカのフローリングの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、大掃除お疲れ様! 今日の3時のおやつは、ワックス掛けした床みたいにツヤツヤで甘い『特製・大精霊のリンゴを丸ごと使った極上タルトタタン〜星屑のキャラメルソースとバニラアイスを添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるタルトタタンは、ことのほかリンゴの酸味とキャラメルのほろ苦さが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただのリビングのガンコなヤニ汚れ洗浄とフローリングの極上ワックス掛け」は、世界汚損の危機をただのハウスクリーニングとして解決し、魔界の魔王筆頭(総大将)の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域空調・無限クリーンルームインフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に魔界からの次元居住防衛と住宅設備インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
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