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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第214話:ただのキッチンシンクのガンコな水垢磨きと排水溝のヘドロ除去と、魔界の腐食魔王

第214話:ただのキッチンシンクのガンコな水垢磨きと排水溝のヘドロ除去と、魔界の腐食魔王(同格)の強制全自動広域浄化・無限クリーンキッチンインフラ化(総合ライフサポート企業の水回り・シンクメンテナンス業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々が、「気さくで働き者の大家さんたち」としてすっかり定着し、朝の日差しの中で「資源ごみの日はペットボトルのラベルを剥がすのを忘れるなよ」「ダンボールは紐で十字に縛って出すんだったな」などと、ごく一般的な地域のゴミ出しルールの確認に精を出している。宇宙の真理からすれば、もはや発狂するしかないほど平和で家庭的な光景が広がっていた。

 そんな中、キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、鶏の出汁が極限まで濃縮された黄金色のスープの香りと、胡麻油が焦げる暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大家の神々の皆さんも一緒に食べる『大精霊の朝摘み野菜と幻獣鶏の極上中華粥〜星屑の特製点心三種盛りを添えて〜』だ。まずは、天界の丸鶏をネギと生姜と共に一晩じっくりと煮込み、旨味だけを抽出した『黄金の鶏ガラスープ』を作る! そのスープを使って、神仙米の粒が花開くようにトロトロになるまで弱火でじっくりと炊き上げるんだ! どんぶりに熱々の中華粥をたっぷり注ぎ、その上に大精霊の森で採れたシャキシャキの青梗菜、プリプリの幻獣エビ、そして香ばしく揚げたワンタンの皮と白髪ネギをトッピングする! 仕上げに数百年熟成させた幻獣胡麻油を数滴垂らせば、香りの爆弾が弾ける最高の朝粥の完成だ。さらに、その横にはせいろで蒸し上げた熱々の特製点心を用意する。透き通るような皮に肉汁を閉じ込めた『小籠包』、幻獣黒豚の旨味が詰まった『肉焼売』、そして大精霊の海鮮を贅沢に使った『エビ蒸し餃子』の三種盛りだ。黒酢と針生姜を添えて……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、圧倒的な中華の香りを放つ特大の朝食お盆をダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、ゴミ出しルール会議を終えた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣鶏の圧倒的なコラーゲンとアミノ酸が全身の魔力回路を限界突破させ、点心の肉汁と生姜の薬効成分が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の中華朝食フルコース』である。

「うむ……! この黄金色のスープをたっぷり吸い込んだトロトロのお粥をレンゲですくい、フーフーと冷ましてから口に運んだ瞬間に広がる、鶏の暴力的なまでの旨味と優しい米の甘みのビッグバン! 噛む必要すらないほど滑らかなお粥に、揚げワンタンのサクサク感と青梗菜のシャキシャキ感が完璧なアクセントを加える! すかさず熱々の小籠包をレンゲに乗せ、黒酢を少し垂らして皮を破れば、中から火傷しそうなほどの熱い肉汁がジュワァァァッ!と溢れ出し、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! プリプリのエビ蒸し餃子と肉焼売で胃袋を満たし、再びお粥に挑めば、我が最高福利厚生責任者の職務が、高級ホテルの朝食ビュッフェで至福のひとときを貪る大富豪のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、レンゲを持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々の小籠包の肉汁に感涙して咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上ジャスミンティーが振る舞われた後。

 アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える大宇宙最強の経営陣。

 しかし、優雅な空気を切り裂くように、キッチンのシンクと排水溝の方から「ドロォォッ……ボコッ」という、ヘドロが逆流するような不快な音と共に、生ゴミが腐ったような強烈な悪臭が漂ってきた。見れば、ピカピカだったはずのステンレスのシンクが白く濁った水垢とサビでくすみ、排水溝のゴミ受けからはドス黒い粘液が禍々しい瘴気を放ちながら溢れ出ようとしていたのである。

「……ねえ。今朝からなんだけど、キッチンのシンクが『タチの悪いガンコな水垢とサビ』で真っ白にくすんでて、排水溝の奥からすごく嫌な生ゴミの臭いとヘドロが上がってきてるんだよね。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが次元の底の『奈落の魔界』から、前回のトイレの魔王と同格のライバルとして送られてきた『四人目の魔王級(腐食とヘドロの支配者)』の仕業だってわかる。魔界の魔王級は絶対的な支配者層だから、トイレがダメなら今度は毎日ご飯を作る一番清潔にしたいキッチンの水回りから攻めようってことで、四人目の魔王が名乗りを上げたみたいだね。完全に毎日の食器洗いの後の拭き上げをサボって、生ゴミを放置したせいで発生する、タチの悪いシンクの石灰化と排水パイプの詰まりトラブルだよ」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「シンクの水垢と排水溝のヘドロ」。それはすなわち、トイレの魔王の敗北を受け、魔界の頂点たる魔王のさらなる一柱『腐食の魔王・スラッジ・ラスト』が、無数の腐敗魔獣と猛毒のヘドロを率いて世界の次元の浄化機能(キッチン水回り)を完全に破壊し、世界を悪臭と腐食の底へと沈めようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。

 しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界をガンコな水垢や悪臭の心配がない、いつでも顔が映るくらいピカピカで清潔なシンクにする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。

「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた魔界・魔王級(同格・四人目)の侵攻と、次元キッチンの腐食被害……間違いありませんね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「我が社の情報網にも、奈落の魔界から四人目の魔王級の出陣報告が届いております。腐食とヘドロを司る『腐食の魔王・スラッジ・ラスト』が、猛毒のバクテリア(致死の腐敗菌)を撒き散らし、我々の世界の次元のキッチンを全て汚染空間へと変えようとしております。さらにタチの悪いことに、その魔王が生み出す『白濁と黒錆の粘液魔獣ども(※触れるものの次元を石灰化・酸化させ、強烈な悪臭を放つヘドロ魔獣群)』が排水溝の奥底から溢れ出し、人々の街の水回りに雪崩れ込んでは、全てを絶望の腐食地獄の底に沈めようと暴れ回っております」

「なるほど! やっぱり水道水のミネラルが固まったタチの悪い親玉(同格の魔王)と、油汚れや食べカスを餌に繁殖したバクテリアが合体して、シンク全体を悪臭の巣窟にしてるんだね!」

 アルドはバインダーの報告書を見て、プロのキッチン・水回りメンテナンス業者としての血を騒がせた。

「僕の力なら魔界の魔王なんて一瞬で消滅させられるけど、ガンコなシンクの水垢とパイプのヘドロの対応はやっぱり、まずは『超強力・微粒子研磨剤入りクレンザー』を専用の『傷がつかない特殊スポンジ』につけて、ステンレスの目に沿ってシャカシャカと丁寧に磨き上げて水垢とサビを削り落とす! そして、排水溝はゴミ受けとトラップを外して『塩素系パイプクリーナー』をドバーッ!と流し込み、数十分放置して髪の毛やヘドロをドロドロに溶かしてから、一気に大量の水で洗い流す! 最後にシンク全体に『フッ素防汚コーティング』を施して、物理的に二度と水滴が残らず汚れがこびりつかない完璧なピカピカのキッチンにリセットするのが一番確実で料理が楽しくなるからね! このまま放置すれば、家(世界)中が生ゴミの臭いだらけになって食中毒になっちゃう。安全で清潔な食の環境を守るためにも、シンクをキッチリ清掃・コーティングして、極上のクリーンキッチンインフラにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。排水溝にこびりついた鬱陶しい粘液魔獣ども(魔獣の群れ)と、ヘドロまみれで使い物にならない古いゴミ受けと排水トラップの解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用の工具で一つ残さず引っ剥がし、完璧な『下地処理(部品の分解と隠れたヘドロの露出)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧をパイプレンチのように構えて不敵に笑う。

「ええ。魔王が撒き散らすガンコな生ゴミの悪臭と腐敗の瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・消臭魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、塩素系洗剤の匂いがこもらない清潔な施工環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、強力な塩素系洗剤や飛び散る水垢が、室内の床や冷蔵庫周りを汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、キッチンの周囲と床面に完璧なマスカー養生と飛散防止カバー(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 排水溝のヘドロ落としは塩素系の強い洗剤を使うから、絶対に酸性洗剤と『混ぜるな危険』だし、換気をしっかりして安全第一で作業しようね!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の腐敗液と塩素を完全に弾く特製水回り作業用・完全防水エプロンと厚手ゴム手袋、防毒マスク、ゴーグル)に着替え、手には巨大な「事象研磨の神仙クレンザー」と、プロ仕様の「因果溶解の神仙パイプクリーナー」、そして「絶対防汚の神仙フッ素コーティング剤」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『キッチン・水回りメンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちのガンコな水垢と生ゴミ臭の悩みを解決するために、邪魔な汚れを根こそぎ溶かして磨き上げ、キッチンを優良なクリーンインフラにリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、水回り清掃仕様に改造された魔導サービスカー(大量の洗剤とコーティング剤搭載)に乗り込み、空間がドス黒い悪臭と白い水垢に覆われつつある次元の浄化槽『魔界の腐食域』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、次元の浄化槽『魔界の腐食域』の中心部。

 世界の次元キッチンをドロドロのヘドロで塞ぎ、全ての存在を永遠の悪臭と不衛生の底に沈める『腐食の魔王・スラッジ・ラスト』が、空間を覆い尽くすほどの巨大な白い石灰と黒いヘドロの塊として蠢き、傲慢な腐敗ガスを噴き出していた。

「ドブォォォンッ……!! 素晴らしいぞ! 同格の魔王どもが敗れようとも、魔界の頂点たる我ら腐食の支配力の前では、この軟弱な世界のキッチンなど容易く悪臭の巣窟へと変貌する! 我が致死のヘドロさえあれば、地上の次元浄化機能など一瞬でサビと水垢に覆われ、永遠の悪臭と不衛生に絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の腐食を!」

 魔王は、巨大なヘドロの奥からドス黒い猛毒のバクテリアを放ち、無数の白濁と黒錆の粘液魔獣たちを次元のシンクへと放った。

「愚かな地上の生命どもめ。我ら魔界の魔王がキッチンを陣取ったからには、もはやこの世界のどこにも安心して料理を作れる場所などないと知れ! さあ、もっとだ! 全てのシンクを真っ白な水垢で埋め尽くし、排水パイプをヘドロで詰まらせ、大陸全土を永遠の腐食地獄へと沈めよ!」

「我ら魔王級の腐食の力は絶対だ! この魔界の腐食域まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」

 ――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!

 魔王が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な悪臭が吹き荒れる腐食域のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の猛毒とヘドロをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、作業車のドアから、クレンザーとパイプクリーナーを持った青年の明るくも呆れた声が、魔界の増殖ノイズを完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! キッチンのガンコな水垢さん(魔王)、シンクの磨き上げと排水溝のパイプ洗浄工事に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどいステンレスのくすみっぷりと、排水溝にこびりついてるタチの悪いドロドロのヘドロ(粘液魔獣)だね! 毎日の水気拭き取りをサボってこんなに水垢を石灰化させるなんて、キッチン維持の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にクレンザーでの研磨と、パイプクリーナーでのドロドロ溶解のしがいがあるや!」

 アルドは、ゴム手袋をキュッと締め直しつつ、プロの水回り清掃業者としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対腐食領域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」

 魔王が驚愕の腐敗ガスブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・解体用具(兵器)」を手にして、悪臭の立ち込める床へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しいシンクに湧いた粘液魔獣ども(魔獣の群れ)と、ヘドロまみれで使い物にならない古いゴミ受けと排水トラップから、綺麗に『下地処理・物理分解』して差し上げましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死のキッチンの中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ魔界ノ王ヲ『シンクの水垢と排水パイプのヘドロ』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ粘液魔獣群デ、貴様ラノ食卓ヲ永遠ニ生ゴミノ臭イデ汚染シテ地獄ヘ落トシテクレルワ!」

 魔王の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い悪臭と石灰化の呪力を纏った魔獣群が、一斉にアルドたちに向かって致死の汚染弾を放ちながら襲い掛かってきた。

「うわっ、この水垢たち、すっごく硬くて普通の食器用洗剤じゃ全然落ちようとしない! 放置してたらシンク全体が真っ白にくすんじゃうぞ!」

 アルドは、迫り来る魔獣の群れを「水道水のカルキが石のように固まったタチの悪いガンコなシンクの水垢」と完全に認識し、神仙クレンザーのボトルをカチャリと構えた。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『キッチンのガンコな水垢とヘドロ被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は水回り清掃業者として、こいつらを完璧に溶かして削り落として新品みたいにピカピカにするだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常のキッチン清掃現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。強力な塩素系洗剤の匂いや飛び散る汚れが室内の床や冷蔵庫を汚さないよう、まずは私が完璧にキッチンの周囲と床面にマスカー養生と飛散防止カバーを張り巡らせます」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、魔界の腐食域とキッチンの周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――バサッ! ピィィィィンッ!

 瞬間、キッチンの作業台全体をすっぽりと覆うように透明なドーム状のカバーが展開され、床には絶対的な強度を誇る『神仙の清掃作業用・飛散防止結界』が展開された。これで、致死の猛毒のヘドロや洗剤の匂いは一ミリたりとも大切な家を汚すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は魔界が撒き散らすガンコな生ゴミの悪臭と腐敗の瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・消臭処理いたしますわ!」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力換気魔法』が、超強力なプラズマクラスターの光の風となって周囲の狂気の悪臭を包み込み、一気に中和して無臭のクリーンな空気へと変えた。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を腐らせる猛毒のバクテリアは、その浄化の光の風を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害で洗剤が効きやすい状態へと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただのヘドロや汚れたゴミ受けなど、ただの工具のマトだ! そして、邪魔な排水溝のパーツは俺が綺麗に外して奥のパイプを露出させてやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した粘液魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「排水トラップ分解及隠蔽泥濘魔獣露出斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、魔獣と排水溝のゴミ受け・トラップの「因果の隙間」を完璧に見切り、まるで汚れたパーツを専用のレンチでバコッ!と綺麗に外し、奥に潜むガンコなヘドロパイプを丸見えにするかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に分解し、排水管の入り口を丸裸にしてしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ粘液魔獣軍団ト絶対ノ腐食力ガ、タダノ『換気魔法』ト『トラップ外し』ノ前ニ、一瞬デ片付ケラレテ奥ノヘドロヲ剥キ出シニサレテイクゥゥッ!?」

 魔王スラッジ・ラストは、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただのパーツ」として分解・撤去され、本体の急所(巨大な排水パイプの詰まりとシンクの石灰化)が露わになった光景に、驚愕のあまり巨大な黒ずみの体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげで安全確保と排水パーツの分解は完璧だね! あとは、あの一番デカくてキッチンを悪臭まみれにしている『ガンコなヘドロの親玉スラッジ・ラスト』のパイプに、因果溶解の神仙パイプクリーナーをドバーッ!と流し込んで放置し、その間にシンクの石灰化した水垢を事象研磨の神仙クレンザーと特殊スポンジでステンレスの目に沿ってシャカシャカ削り落とす! 最後にヘドロが溶けたパイプを一気に大量の水で洗い流し、絶対防汚の神仙フッ素コーティング剤をシンク全体に塗って、水滴がコロコロ転がるようにするだけだ!」

 アルドは、特製『事象研磨の神仙クレンザー』と『パイプクリーナー』を魔王の巨大な本体(次元の腐食と石灰化の中核)へと向けて構え、長靴で床を踏みしめて突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙クレンザーは星の因果の石灰化を物理的にステンレスを傷つけずに削り落とす絶対事象研磨ツールであり、神仙パイプクリーナーとフッ素コーティング剤は大宇宙のいかなる次元の魔界の魔王や神話級の猛毒のヘドロすらも、物理的に『タンパク質と油を完全に溶かし、ナノレベルの撥水被膜で空間ごと清潔を保つ』だけで完璧に無害化し、極上のピカピカな空間を取り戻す『究極のキッチンメンテナンスツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ清潔ヲ腐ラセル『終焉ノ絶対腐食アビス・スラッジ・ラスト』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ生ゴミノ底ニ沈メテクレルワ!」

 魔王が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを黒く染め上げる超巨大な猛毒のヘドロと水垢の波を放ってきた。

「うわっ! パイプの奥から、すっごく強烈でタチの悪い真っ黒なヘドロが逆流してきた! でも、この特製パイプクリーナーとクレンザーの前には、どんなに酷い汚れも一発で完全に溶けて削り落とされて鏡みたいにピカピカだ!」

 アルドが魔王の巨大なヘドロ(世界の腐食の中心)が詰まる排水管に向けて、因果溶解の神仙パイプクリーナーの原液を「ドバーッ!」と惜しげもなく注ぎ込む。事象の腐食(魔界の魔力圏)が、塩素系の強烈なタンパク質分解成分によって根っこからドロドロに溶かされ、悪臭が消え去っていく。

 パイプの薬効を待つ間、アルドは魔王の石灰化した防御壁(シンクの水垢とサビ)に向けて、事象研磨の神仙クレンザーを特殊スポンジに取り、「シャカシャカシャカッ!!」とステンレスのヘアライン(目)に沿って一定のリズムで磨き上げていく。魔界のどんな硬い防御も、神仙の超微粒子研磨力の前にはただの白い粉となって水に流され、本来の鏡のようなステンレスの輝きが蘇っていく。

 数十分後、アルドは水道の蛇口を全開にし、「ジャバァァァッ!!」と大量の水で溶けた魔界のヘドロを一気に排水管の彼方へと洗い流す。

 完全に水垢と悪臭が消滅した直後、アルドは水気を拭き取ったシンク全体に、絶対防汚の神仙フッ素コーティング剤を「シュッシュッ」とスプレーし、専用のクロスでムラなく塗り広げる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に撥水コーティングされ、眩く輝く平和で絶対に水滴が残らない、新築のようにピカピカのクリーンキッチンへと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒腐食ガ、タダノパイプクリーナーデ溶カサレ、クレンザーデ因果ゴト削リ落トサレ、フッ素コーティングデ一ミリモ残ラズ水滴ヲ留メラレナクナッタだトォォォッ!?」

「よし、ガンコなシンクの水垢は完全に取れて顔が映るくらいピカピカになって、排水パイプもスッキリ通ってすっごく清潔なキッチンになったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域浄化&無限クリーンシンクシステム』をディスポーザーにカチッと取り付けて……あ、そうだ。このヘドロの親玉、綺麗に掃除してフッ素コーティングしたら、凄く強力で絶対に汚れを寄せ付けない、巨大な全自動の広域浄化・無限クリーンキッチンインフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、魔界の有害な生ゴミや水垢を完全に弾き返して浄化し、代わりに極上のクリーンな空間と無限の清潔さだけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域浄化&無限クリーンキッチンインフラ』にできそうだよ!」

 アルドが魔王の本体であったシンク空間に専用の自動洗浄・防汚ユニットを施し、事象調律のスイッチを「24時間自動防汚・超除菌クリーンモード・ON」にバコンッ!と操作して巨大なキッチン施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた魔界の禍々しい腐食と石灰化の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな浄化エネルギーと無限の防汚機能へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ腐食ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【家ノシンクオ綺麗ニ保ッテ水垢オ防グ為ノ最新ノ自動洗浄機能付キシステムキッチン】ノヨウニ……!? イヤ、コーティングサレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ浄化力ト、極上ノ清潔環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ腐ラセルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ清潔ト極上ノ料理空間オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーンキッチン」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……! 同格ノ魔王ドモガ全テ浄化サレタ理由ガ、今ナラ全テ理解デキル……!!』

 かつて世界を脅かした腐食と水垢の化身たる魔界の魔王(四人目)は、アルドの「キッチンシンクのガンコな水垢磨きと排水溝のヘドロ除去」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を汚染する禍々しい魔界の腐食域は、気がつけば「世界の浄化機能を美しく輝く巨大な防汚施設に変え、魔界のどんな水垢や悪臭も一瞬で無害化し、極上の清潔な空間を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域浄化・無限クリーンキッチンインフラ(見た目は巨大で新築のようにピカピカに輝く純白の最新式システムキッチンと超撥水ステンレスシンク)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌な水垢と悪臭のリスクは片付いて、すっごく綺麗でピカピカの撥水バッチリなシンクになったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちがシンク掃除の手間や生ゴミの臭いを気にせずに、どんな時でも安心な環境で笑顔で美味しいご飯を作れるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの清潔なキッチン空間と美味しい食事を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドがクレンザーを片付けて額の汗を拭うと、腐食域を覆っていたドス黒い悪臭は一瞬にして晴れ渡り、飛散防止カバーが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な最新式システムキッチンと、澄み切った清らかな除菌の香りが広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域浄化・クリーンキッチンシステムは、これより大陸全土の住宅維持・水回り基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。魔界の絶対支配者・魔王(四人目)からのシンククリーニングおよびパイプ洗浄代行費用の徴収も完了いたしました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、完全に大家さんとして定着した神々が「ほら見ろ、魔界の魔王が四人来ようが、年末の大掃除のシンク水垢落とし扱いで削り落とされたぞ……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。

「これからは、どんな魔界のバケモノやガンコなヘドロが出ようが、社長の作業前に俺が全部『排水トラップを外して丸裸』にしてやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで魔界側の次元防衛・住宅キッチンインフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。魔界の魔王級(同格・四人目)による次元腐食・水垢侵攻を「シンクの水垢磨きおよび排水溝ヘドロ除去」として処理完了。世界を腐食に沈める魔王を事象のクレンザーとパイプクリーナーで研磨・溶解させ、立派な特大全自動広域浄化・無限クリーンキッチンシステムへと改修完了。異常なし。以上。』

 ゾルタンは非常に簡潔に、わずか数行で記録を終えた。魔界の絶対的支配者たる魔王が何人束になって現れようとも、社長の前では「トイレの次はキッチンの徹底掃除と撥水コーティング」という、水回りリフォームのスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす魔界の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常のハウスクリーニング業務として処理されているのである。

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、魔界の魔王すらもピカピカの最新式シンクの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、キッチン掃除お疲れ様! 今日の3時のおやつは、新しくなったピカピカのシンクみたいにツルツルで丸い『特製・大精霊のタピオカたっぷり・極上黒糖ミルクティー〜星屑のきな粉を添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるタピオカミルクティーは、ことのほか黒糖のコクとタピオカの弾力が五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただのキッチンシンクのガンコな水垢磨きと排水溝のヘドロ除去」は、世界腐食の危機をただの水回りメンテナンスとして解決し、魔界の魔王(四人目)の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域浄化・無限クリーンキッチンインフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に魔界からの次元水回り防衛と住宅設備インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜

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