第211話:ただのお風呂場のガンコな黒カビ除去と鏡のウロコ取りと、魔界の汚濁魔王(同格)の強制全自動広域浄水・無限クリーンバスインフラ化(総合ライフサポート企業のお風呂・水回りメンテナンス業務)
第211話:ただのお風呂場のガンコな黒カビ除去と鏡のウロコ取りと、魔界の汚濁魔王(同格)の強制全自動広域浄水・無限クリーンバスインフラ化(総合ライフサポート企業のお風呂・水回りメンテナンス業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々が、「気さくで働き者の大家さんたち」としてすっかり定着し、朝の日差しの中で「最近、風呂場の鏡が曇って自分の顔がよく見えん」「タイルの目地に黒カビが生え始めているぞ。換気を怠ったのは誰だ」などと、ごく一般的なシェアハウスの住人のようなクレームを言い合っている。宇宙の真理からすれば、もはや発狂するしかないほど平和で家庭的な光景が広がっていた。
そんな中、キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、炊き立ての酢飯の香りと、濃厚な磯の香りが暴力的なまでに漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大家の神々の皆さんも一緒に食べる『幻獣本マグロの極厚大トロと大精霊のウニを贅沢に乗せた、究極の海鮮丼〜星屑の特製出汁醤油と生ワサビを添えて〜』だ。まずは、神仙米を少し硬めに炊き上げ、天界の赤酢と和三盆を合わせた特製すし酢を切り混ぜて、人肌の温度に保った極上の酢飯を作る! その上に、口に入れた瞬間に溶ける幻獣本マグロの極厚大トロ、赤身、そして大精霊の海で採れた黄金色に輝く特大ウニを、これでもかと山盛りに盛り付けるんだ! さらに、プチプチと弾ける大粒のイクラと、甘みが強い幻獣ボタンエビを添えて彩りを加える。そして、数百年熟成させた神仙醤油に天界の昆布出汁を合わせた『特製出汁醤油』に、すりおろしたての星屑の生ワサビを溶かし、ジュワァァァッ!と滝のように回しかけるんだ。付け合わせには、幻獣ハマグリの旨味が溶け出した熱々のお吸い物。……熱々のうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、圧倒的な磯の香りを放つ特大の海鮮丼をダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、風呂の愚痴をこぼしていた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣本マグロの圧倒的なDHAとウニのビタミンが全身の魔力回路を限界突破させ、生ワサビの殺菌作用と赤酢のアミノ酸が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の海鮮フルコース』である。
「うむ……! この黄金色に輝くウニと極厚大トロを酢飯と一緒にすくい、大口でかぶりついた瞬間に響き渡る、マグロの脂が溶け出す『トロッ!』という食感のビッグバン! 噛み締めるたびに溢れ出す強烈な磯の旨味と甘みが、出汁醤油の深いコクと完璧に混ざり合う! すかさず生ワサビの爽やかな辛味が脂を極限までさっぱりとさせれば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 熱々のハマグリのお吸い物で口内をリセットし、再び海鮮丼に挑めば、我が最高福利厚生責任者の職務が、高級寿司屋のカウンターで至福の朝食を貪る大富豪のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、箸を持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々の海鮮丼に感涙して咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上緑茶が振る舞われた後。
アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える大宇宙最強の経営陣。
しかし、優雅な空気を切り裂くように、脱衣所とお風呂場の方から「ヌチャッ……ギチギチッ」という、カビが増殖するような不快な音と共に、ドブと石鹸カスが混ざったような強烈な悪臭が漂ってきた。見れば、お風呂場のドアの隙間から、真っ黒なカビの胞子が禍々しい瘴気を放ちながら漏れ出ようとしていた。
「……ねえ。今朝からなんだけど、お風呂場のタイルの目地に『タチの悪いガンコな黒カビ』がびっしり生えてて、鏡も『白いうろこ汚れ(水垢)』でガチガチになってて全然前が見えないんだよね。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが次元の底の『奈落の魔界』から、前回の雨樋を詰まらせた魔王と同格のライバルとして送られてきた『もう一人の魔王級(汚濁と水垢の支配者)』の仕業だってわかる。魔界の魔王級は絶対的な支配者層だから、外回りがダメなら今度は水回りの奥底から攻めようってことで、二人目の魔王が名乗りを上げたみたいだね。完全に換気扇を回し忘れて湿気を放置したせいで発生する、タチの悪い浴室の黒カビと石灰化した水垢トラブルだよ」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「浴室の黒カビと鏡のウロコ汚れ」。それはすなわち、雨樋の魔王の敗北を受け、ついに魔界の頂点たる魔王のもう一柱『汚濁の魔王・スケール・モールド』が、無数の水垢魔獣と猛毒の黒カビを率いて世界の次元の浄水と浴室(癒やしの空間)を完全に破壊し、世界を悪臭と汚泥の底へと沈めようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。
しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界をガンコな黒カビや鏡のウロコ汚れの心配がない、どんなに疲れて帰ってきてもピカピカのお風呂でリラックスできる極上の癒やし空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。
「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた魔界・魔王級(同格)の侵攻と、次元浴室の汚濁被害……間違いありませんね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「我が社の情報網にも、奈落の魔界から二人目の魔王級の出陣報告が届いております。汚濁と水垢を司る『汚濁の魔王・スケール・モールド』が、猛毒の黒カビ(致死の腐敗菌)を撒き散らし、我々の世界の次元の浴室を全て汚染空間へと変えようとしております。さらにタチの悪いことに、その魔王が生み出す『白濁の鱗魔獣ども(※触れるものの次元と視界を石灰化させて曇らせる水垢魔獣群)』が排水口や鏡から溢れ出し、人々の街の水回りに雪崩れ込んでは、全てを絶望の汚濁地獄の底に沈めようと暴れ回っております」
「なるほど! やっぱりお風呂上がりに冷水をかけて温度を下げたり、水切りワイパーで水滴を落とすのをサボったせいで、水道水のミネラル分が固まったタチの悪い水垢の親玉(同格の魔王)と黒カビが結託して、お風呂場を占拠してるんだね!」
アルドはバインダーの報告書を見て、プロのお風呂・水回りメンテナンス業者としての血を騒がせた。
「僕の力なら魔界の魔王なんて一瞬で蒸発させられるけど、ガンコな黒カビと鏡のウロコ汚れの対応はやっぱり、まずは『超強力・密着ジェル型カビ取り剤』をタイルの目地に塗り込み、上からラップで『湿布パック』をして数時間放置して根っこからカビを死滅させる! そして、ガチガチに固まった鏡のウロコ汚れには、専用の『人工ダイヤモンド配合ガラス磨きパッド』を使って、水をかけながら円を描くようにジョリジョリと削り落とす! 最後に天井から『銀イオン防カビくん煙剤』をモクモク焚いて、物理的に二度とカビが生えない完璧なピカピカのお風呂場にリセットするのが一番確実でリラックスできるからね! このまま放置すれば、家(世界)中がカビの胞子だらけになって喘息になっちゃう。安全で清潔な癒やしの環境を守るためにも、お風呂場をキッチリ清掃して、極上のクリーンバスインフラにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。排水口にこびりついた鬱陶しい鱗魔獣ども(魔獣の群れ)と、カビだらけの浴槽のエプロン(側面カバー)の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用の工具で一つ残さず引っ剥がし、完璧な『下地処理(隠れたカビの露出)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型の清掃用スクレーパーのように構えて不敵に笑う。
「ええ。魔王が撒き散らすガンコなドブの悪臭とカビの瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力換気・除湿魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、塩素系洗剤の匂いがこもらない清潔な施工環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、強力なカビ取り剤や削り落とした水垢が、室内の脱衣所や廊下を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、浴室のドアの周囲に完璧なマスカー養生と室内隔離カバー(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! お風呂場のカビ取りは強い洗剤を使うから絶対に『混ぜるな危険』だし、換気をしっかりして安全第一で作業しようね!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒のカビと水垢を完全に弾く特製水回り作業用・完全防水エプロンとゴム手袋、防毒マスク、ゴーグル)に着替え、手には巨大な「事象死滅の神仙カビ取りジェル」と、プロ仕様の「因果切削の神仙ダイヤモンドパッド」、そして「絶対防カビの神仙くん煙剤」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『お風呂・水回りメンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの黒カビと鏡のウロコ汚れの悩みを解決するために、邪魔な汚れを根こそぎ落として、お風呂場を優良なクリーンバスインフラにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、水回り清掃仕様に改造された魔導サービスカー(大量の洗剤と温水タンク搭載)に乗り込み、空間がドス黒いカビと白い水垢に覆われつつある次元の浴室『魔界の汚濁域』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、次元の浴室『魔界の汚濁域』の中心部。
世界の次元浄水をドロドロの黒カビで塞ぎ、全ての存在を永遠の汚染と石灰化の底に沈める『汚濁の魔王・スケール・モールド』が、空間を覆い尽くすほどの巨大な真っ黒いカビと白いウロコ状の鎧の塊として蠢き、傲慢な増殖音を響かせていた。
「グチャァァァッ……!! 素晴らしいぞ! 同格の魔王が敗れようとも、魔界の頂点たる我ら汚濁の支配力の前では、この軟弱な世界の水回りなど容易くカビの温床へと変貌する! 我が致死の黒カビさえあれば、地上の次元浴室など一瞬で腐り落ち、永遠の悪臭と石灰化に絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の汚濁を!」
魔王は、巨大なカビの奥からドス黒い猛毒の胞子を放ち、無数の白濁の鱗魔獣たちを次元の鏡とタイルへと放った。
「愚かな地上の生命どもめ。我ら魔界の魔王が水回りを陣取ったからには、もはやこの世界のどこにもリラックスできるお風呂などないと知れ! さあ、もっとだ! 全てのタイルの目地を黒カビで埋め尽くし、鏡を水垢で真っ白に曇らせ、大陸全土を永遠の汚濁地獄へと沈めよ!」
「我ら魔王級の汚濁の力は絶対だ! この魔界の汚濁域まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」
――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!
魔王が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な悪臭が吹き荒れる汚濁域のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の猛毒とカビをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。
そして、作業車のドアから、カビ取りジェルとダイヤモンドパッドを持った青年の明るくも呆れた声が、魔界の増殖ノイズを完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! お風呂場のガンコな黒カビさん(魔王)、カビ取り湿布パックと鏡のウロコ削り工事に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどいタイルの真っ黒っぷりと、鏡にこびりついてるタチの悪い白いウロコ(鱗魔獣)だね! 換気扇を回すのをサボってこんなにカビを繁殖させるなんて、水回り維持の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にカビ取りジェルでの根絶やしと、ダイヤモンドパッドでのジョリジョリ削りのしがいがあるや!」
アルドは、ゴム手袋をキュッと締め直しつつ、プロの水回り清掃業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対汚濁領域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」
魔王が驚愕の胞子ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながらヌルヌルの浴室へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい排水口に湧いた鱗魔獣ども(魔獣の群れ)と、カビの温床になっている浴槽の側面カバー(エプロン)から、綺麗に『下地処理・物理解体』して差し上げましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の浴室の中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ魔界ノ王ヲ『お風呂の黒カビと水垢』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ鱗魔獣群デ、貴様ラノ視界ヲ永遠ニ石灰化サセテ地獄ヘ落トシテクレルワ!」
魔王の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒いカビと石灰化の呪力を纏った魔獣群が、一斉にアルドたちに向かって致死の汚染弾を放ちながら襲い掛かってきた。
「うわっ、この水垢たち、すっごく硬くて普通のスポンジじゃ全然落ちようとしない! 放置してたら鏡が使い物にならなくなっちゃうぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の群れを「水道水のミネラルが石のように固まったタチの悪いガンコな鏡のウロコ汚れ」と完全に認識し、神仙ダイヤモンドパッドをカチャリと構えた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『お風呂の黒カビと水垢被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は水回り清掃業者として、こいつらを完璧に溶かして削り落として新品みたいにピカピカにするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の浴室清掃現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。強力なカビ取り剤の匂いや飛び散る水垢が室内の脱衣所を汚さないよう、まずは私が完璧にドアの周囲にマスカー養生と室内隔離カバーを張り巡らせます」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、魔界の汚濁域と浴室ドアの周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――バサッ! ピィィィィンッ!
瞬間、浴室の出入り口全体をすっぽりと覆うように透明なドーム状のカバーが展開され、周囲には絶対的な強度を誇る『神仙の清掃作業用・飛散防止結界』が展開された。これで、致死の猛毒のカビや洗剤の匂いは一ミリたりとも大切な部屋を汚すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は魔界が撒き散らすガンコなドブの悪臭とカビの瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に強力換気・除湿処理いたしますわ!」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力換気魔法』が、超強力なプラズマクラスターの光の風となって周囲の狂気のカビの群れを包み込み、一気に中和してカラカラに乾燥させた。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を腐らせる猛毒のカビ胞子は、その浄化の光の風を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害で洗剤が効きやすい乾燥状態へと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただのカビや浴槽のカバーなど、ただの工具のマトだ! そして、邪魔な隠れたカビの温床は俺が綺麗に引っ剥がしてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した鱗魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「浴槽側面隠蔽黒黴魔獣解体露出斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、魔獣と浴槽エプロンの「因果の隙間」を完璧に見切り、まるでカビだらけのカバーを専用の工具でバコッ!と綺麗に外し、奥に潜むヘドロを露出させるかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に分解し、浴槽の裏側を丸裸にしてしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ鱗魔獣軍団ト絶対ノ汚濁力ガ、タダノ『換気魔法』ト『カバー外し』ノ前ニ、一瞬デ片付ケラレテ裏側ノカビヲ剥キ出シニサレテイクゥゥッ!?」
魔王は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただのゴミ」として撤去され、本体の急所(巨大なタイルの目地と鏡のウロコ)が露わになった光景に、驚愕のあまり巨大なカビの体を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで安全確保と隠れたカビの露出は完璧だね! あとは、あの一番デカくてお風呂場を真っ黒にしている『ガンコな黒カビの親玉』の目地に、事象死滅の神仙カビ取りジェルをピターッ!と塗り込んでラップで湿布パックし、鏡のウロコには因果切削の神仙ダイヤモンドパッドで水をかけながらジョリジョリ削り落とす! 最後に絶対防カビの神仙くん煙剤をモクモク焚いて、二度とカビが生えないようにコーティングするだけだ!」
アルドは、特製『事象死滅の神仙カビ取りジェル』と『ダイヤモンドパッド』を魔王の巨大な本体(次元の汚濁と石灰化の中核)へと向けて構え、長靴でタイルを踏みしめて突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙カビ取りジェルは星の因果の腐敗を物理的に根っこから分解して漂白する絶対事象洗浄ツールであり、神仙ダイヤモンドパッドと防カビくん煙剤は大宇宙のいかなる次元の魔界の魔王や神話級の猛毒の胞子すらも、物理的に『硬度10のダイヤで削り落とし、銀イオンで空間ごと抗菌する』だけで完璧に無害化し、極上の癒やしの空間を取り戻す『究極の水回りメンテナンスツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ癒ヤシヲ腐ラセル『終焉ノ絶対汚泥』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ黒カビノ底ニ沈メテクレルワ!」
魔王が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを黒く染め上げる超巨大な猛毒の黒カビと水垢の波を放ってきた。
「うわっ! タイルの奥から、すっごく強烈でタチの悪い真っ黒なカビが浮き出てきた! でも、この特製カビ取りジェルとダイヤモンドパッドの前には、どんなに酷い汚れも一発で完全に溶けて削り落とされてピカピカだ!」
アルドが魔王の巨大な黒カビ(世界の汚濁の中心)に向けて神仙カビ取りジェルを「ピタッ、ピタッ」と目地に沿って隙間なく塗り込み、その上から特製の神仙ラップを被せて「ピチッ」と密着させる。事象の汚濁(魔界の魔力圏)が、ジェルの強烈な漂白成分によって根っこからドロドロに溶かされ、純白の輝きを取り戻していく。
同時に、アルドは魔王の石灰化した防御壁(鏡のウロコ)に向けて、因果切削の神仙ダイヤモンドパッドを当て、水をかけながら「ジョリジョリジョリッ!!」と円を描くようにリズミカルに削っていく。魔界のどんな硬い防御も、人工ダイヤの研磨力の前にはただの白い粉となって洗い流されていく。
完全にカビと水垢が消滅した直後、アルドは浴室のど真ん中に絶対防カビの神仙くん煙剤を置き、水を注いで「モクモクモクッ!!」と銀イオンの煙を空間全体に充満させる。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に抗菌成分でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対にカビが生えない、新築のようにピカピカのクリーンバスへと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒汚泥ガ、タダノカビ取リジェルデ漂白サレ、ダイヤパッドデ因果ゴト削リ落トサレ、くん煙剤デ一ミリモ残ラズカビヲ生ヤセナクナッタだトォォォッ!?」
「よし、ガンコな目地の黒カビは完全に真っ白になって、鏡のウロコも削り落ちてすっごくピカピカのお風呂場になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域浄水&無限クリーンバスシステム』を換気扇にカチッと取り付けて……あ、そうだ。この汚濁の親玉、綺麗に掃除して防カビコーティングしたら、凄く強力で絶対に汚れを寄せ付けない、巨大な全自動の広域浄水・無限クリーンバスインフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、魔界の有害な黒カビや水垢を完全に弾き返して浄化し、代わりに極上のクリーンなお湯と無限の癒やしだけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域浄水&無限クリーンバスインフラ』にできそうだよ!」
アルドが魔王の本体であった浴室空間に専用の自動洗浄・防カビユニットを施し、事象調律のスイッチを「24時間自動防カビ・超浄水リラックスモード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な浴室施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた魔界の禍々しい汚濁と石灰化の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな浄水エネルギーと無限の防カビ機能へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ汚濁ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【家ノ浴室オ綺麗ニ保ッテカビオ防グ為ノ最新ノ自動洗浄機能付キシステムバス】ノヨウニ……!? イヤ、くん煙剤オ焚カレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ防カビ力ト、極上ノ入浴環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ汚スノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ清潔ト極上ノ癒ヤシオ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーンバス」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……! 同格ノ魔王ガ全テ浄化サレタ理由ガ、今ナラ全テ理解デキル……!!』
かつて世界を脅かした汚濁と水垢の化身たる魔界の魔王(二人目)は、アルドの「お風呂場のガンコな黒カビ除去と鏡のウロコ取り」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を汚染する禍々しい魔界の汚濁域は、気がつけば「世界の浄水を美しく輝く巨大な防カビ施設に変え、魔界のどんなカビや水垢も一瞬で無害化し、極上の綺麗なお湯を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域浄水・無限クリーンバスインフラ(見た目は巨大で新築のようにピカピカに輝く純白の最新式システムバスと曇らない防汚ミラー)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌な黒カビと鏡のウロコ汚れのリスクは片付いて、すっごく綺麗でピカピカの防カビバッチリなお風呂場になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちがお風呂掃除の手間やカビの臭いを気にせずに、どんなに疲れた日でも安心な環境で笑顔でゆっくりお湯に浸かれるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの清潔な癒やし空間と綺麗なお湯を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドがダイヤモンドパッドを片付けて額の汗を拭うと、汚濁域を覆っていたドス黒い悪臭は一瞬にして晴れ渡り、飛散防止カバーが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大なシステムバスと、澄み切った清らかなお湯の香りが広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域浄水・クリーンバスシステムは、これより大陸全土の住宅維持・水回り基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。魔界の絶対支配者・魔王(同格)からの浴室クリーニング代行費用の徴収も完了いたしました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、完全に大家さんとして定着した神々が「ほら見ろ、魔界の魔王が二人来ようが、年末の大掃除の風呂カビ取り扱いで削り落とされたぞ……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。
「これからは、どんな魔界のバケモノやガンコな黒カビが出ようが、社長の作業前に俺が全部『浴槽のエプロン外して丸裸』にしてやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで魔界側の次元防衛・住宅水回りインフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。魔界の魔王級(同格・二人目)による次元汚濁・水垢侵攻を「お風呂場の黒カビ除去および鏡のウロコ取り」として処理完了。世界を汚染に沈める魔王を事象のカビ取りジェルとダイヤパッドで漂白・研磨させ、立派な特大全自動広域浄水・無限クリーンバスシステムへと改修完了。異常なし。以上。』
ゾルタンは非常に簡潔に、わずか数行で記録を終えた。魔界の絶対的支配者たる魔王が二人束になって現れようとも、社長の前では「外回りの次はお風呂場の徹底掃除」という、年末大掃除のスケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす魔界の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常のハウスクリーニング業務として処理されているのである。
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、魔界の魔王すらもピカピカのシステムバスの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、お風呂掃除お疲れ様! 今日の3時のおやつは、綺麗になった鏡みたいにツルツルで透明な『特製・大精霊の天然水で作った極上フルーツゼリー〜星屑のミントと季節の果物をたっぷり閉じ込めて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるフルーツゼリーは、ことのほか果物の甘みとゼリーの喉越しが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただのお風呂場のガンコな黒カビ除去と鏡のウロコ取り」は、世界汚濁の危機をただの水回りメンテナンスとして解決し、魔界の魔王(同格)の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域浄水・無限クリーンバスインフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に魔界からの次元水回り防衛と住宅設備インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
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