第210話:ただの雨樋の落ち葉詰まり清掃と破れた網戸の張り替えと、魔界の閉塞魔王(一人目)の強制全自動広域排水・無限クリーン換気インフラ化
第210話:ただの雨樋の落ち葉詰まり清掃と破れた網戸の張り替えと、魔界の閉塞魔王(一人目)の強制全自動広域排水・無限クリーン換気インフラ化(総合ライフサポート企業の雨樋・建具メンテナンス業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々が、「気さくで働き者の大家さんたち」としてすっかり定着し、朝の日差しの中で「そろそろ台風の季節だから外回りを点検しないとな」「植木鉢も風で飛ばないように避難させておこう」などと、ごく一般的な一軒家の防災対策について真剣に話し合っている。宇宙の真理からすれば、もはや発狂するしかないほど平和で家庭的な光景が広がっていた。
そんな中、キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、魚介の旨味が弾けるパチパチという快音と、サフランとニンニクが焦げる暴力的なまでの香りが漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大家の神々の皆さんも一緒に食べる『幻獣特大エビと大精霊のムール貝を贅沢に使った、極上黄金パエリア〜星屑の特製アイオリソースを添えて〜』だ。まずは、大人の顔ほどもある幻獣特大エビと、プリップリのヤリイカ、幻獣アサリをオリーブオイルとニンニクで香ばしく炒め、魚介の旨味を限界まで引き出した『究極のシーフードスープ』を作る! 次に特大のパエリアパンに神仙米を敷き詰め、その上から最高級の天界サフランで黄金色に染め上げたシーフードスープをたっぷりと注ぎ込むんだ! 具材をこれでもかと美しく並べ、強火で一気に炊き上げる。水分が飛んできたら火を弱め、鍋底に『おこげ(ソカラ)』を絶妙な火加減でパリッと焼き付ける! 蓋を開けた瞬間に立ち昇る、サフランと魚介の暴力的な香りが最高さ。仕上げに、天界レモンをキュッと絞り、卵黄とニンニクで作った濃厚な『特製アイオリソース』を添える。……熱々のうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、圧倒的な地中海の香りを放つ特大のパエリアパンをダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、防災会議を終えた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣特大エビの圧倒的なタウリンとサフランの薬効成分が全身の魔力回路を限界突破させ、アイオリソースの濃厚なコクとレモンのビタミンが血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の地中海フルコース』である。
「うむ……! この黄金色に輝くお米をスプーンですくい、大口でかぶりついた瞬間に響き渡る、鍋底のパリパリおこげの『サクッ!』という快音のビッグバン! 噛み締めるたびに溢れ出すエビと貝の暴力的なまでのシーフードの旨味が、サフランの高貴な香りと完璧に混ざり合う! すかさずニンニクの効いたアイオリソースを少し乗せて味変すれば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 爽やかなレモンの酸味で口内をリセットし、再びパエリアパンに挑めば、我が最高福利厚生責任者の職務が、スペインの高級リゾートで至福のバカンスを貪る貴族のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、スプーンを持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々のおこげに感涙して咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上ハーブティーが振る舞われた後。
アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える大宇宙最強の経営陣。
しかし、優雅な空気を切り裂くように、窓の外から「バチャバチャッ……ドブォォォ」という、雨樋から泥水が溢れ出すような不快な音と共に、劣化した網戸の隙間から、ドブと腐った落ち葉が混ざったような強烈な悪臭が漂ってきた。見れば、庭に面した掃き出し窓の網戸がビリビリに破れ、そこから真っ黒な蚊の大群が禍々しい瘴気を放ちながら侵入しようとしていた。
「……ねえ。今朝からなんだけど、屋根の雨樋に『タチの悪い泥と落ち葉』がびっしり詰まってて、雨水が滝みたいに溢れ出してるんだよね。しかも、その泥水が跳ねて、ビリビリに破れた網戸の隙間から、すごく刺されると痒そうな黒い蚊がたくさん入ってこようとしてる。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが次元の底の『奈落の魔界』から、ついに大公爵たちの上に立つ、魔界の真の支配者層たる『魔王級(閉塞と害虫の支配者)』の仕業だってわかる。魔界の大公爵級が全滅したから、ついに魔界の王様クラスの最初の一人が、家の外回りを直接荒らしに来たみたいだね。完全に台風前の点検をサボったせいで発生する、タチの悪い雨樋の詰まりと網戸の劣化トラブルだよ」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「雨樋のオーバーフローと破れた網戸」。それはすなわち、大公爵たちの相次ぐ敗北を受け、ついに魔界の頂点たる魔王の一柱『閉塞の魔王・ブロック・モスキート』が、無数の泥濘魔獣と疫病の蚊を率いて世界の次元の排水と換気を完全に破壊し、世界を悪臭と感染症の底へと沈めようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。
しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界を雨樋の泥詰まりや破れた網戸の心配がない、どんな大雨でもスムーズに排水し、爽やかな風だけを通す極上の安全空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。
「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた魔界・魔王級(一人目)の侵攻と、次元排水・換気の破壊被害……間違いありませんね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「我が社の情報網にも、奈落の魔界からついに魔王級の出陣報告が届いております。魔王位は魔界の絶対的な支配者層ですが、今回は先陣を切って『閉塞の魔王・ブロック・モスキート』が、猛毒の泥水(致死の腐敗液)を撒き散らし、我々の世界の次元の雨樋を全て詰まらせようとしております。さらにタチの悪いことに、その魔王が生み出す『黒血の吸血蚊魔獣ども(※触れるものの次元と血を吸い尽くし疫病をバラ撒く魔獣群)』が破れた網戸から溢れ出し、人々の街の寝室に雪崩れ込んでは、全てを絶望の感染地獄の底に沈めようと暴れ回っております」
「なるほど! やっぱり秋の落ち葉をそのままにして雨樋を詰まらせたせいで、水はけが悪くなってボウフラ(魔王の眷属)が大量発生し、古くてゴムが劣化した網戸を破って侵入してきてるんだね!」
アルドはバインダーの報告書を見て、プロの雨樋・建具メンテナンス業者としての血を騒がせた。
「僕の力なら魔界の魔王なんて一瞬で塵にできるけど、ガンコな雨樋の詰まりと網戸の張り替えの対応はやっぱり、ハシゴに登って専用の『雨樋用泥すくいトング』でヘドロ化した落ち葉を根こそぎ取り除き、縦樋には『高圧洗浄ノズル』を突っ込んでドバーッ!と貫通させる! そして、サッシから外した網戸は、古いゴムビートをピロッと外し、最新の『24メッシュ・高耐久ステンレス防虫網』を乗せて、専用の『網戸張り替えローラー』でジジジジッ!と新しいゴムを押し込んでピンと張る! 最後に余った網をカッターで綺麗に切り落として、物理的に一匹の虫も通さず、大雨でもサラサラ流れる完璧な外周りにリセットするのが一番確実で家が快適になるからね! このまま放置すれば、家(世界)中が泥水と蚊だらけになって眠れなくなっちゃう。安全で清潔な居住環境を守るためにも、外回りをキッチリ修繕して、極上のクリーンインフラにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。雨樋にこびりついた鬱陶しい泥濘魔獣ども(魔獣の群れ)と、使い物にならないボロボロの古い網の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のスクレーパーとカッターで一つ残さず引っ剥がし、完璧な『下地処理(既存のゴミと網の撤去)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型の網戸用カッターのように構えて不敵に笑う。
「ええ。魔王が撒き散らすガンコなドブの悪臭と疫病の蚊の瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力消臭・防虫魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、張り替えがスムーズに進む清潔な施工環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、雨樋から溢れる泥水や古い網のホコリが、室内のフローリングや外壁を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、サッシの周囲と軒下に完璧なブルーシート養生と飛散防止カバー(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 雨樋の掃除はハシゴから落ちないように気をつけなきゃいけないし、網戸の張り替えは網がたるむとカッコ悪いから、しっかり養生と安全確認をして作業しようね!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の泥水と蚊を完全に弾く特製外回り作業用・防護ツナギと滑り止め手袋、腰袋)に着替え、手には巨大な「事象貫通の神仙泥すくいトング」と、プロ仕様の「因果密封の神仙ゴムビートと網戸ローラー」、そして「絶対防虫の神仙24メッシュ網」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『雨樋・建具メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの泥水溢れと蚊の侵入の悩みを解決するために、邪魔な詰まりを抜いて網戸を張り替え、外回りを優良なクリーンインフラにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、外回り修繕仕様に改造された魔導サービスカー(高圧洗浄機と大量の網戸用資材搭載)に乗り込み、空間がドス黒い泥水と蚊の群れに覆われつつある次元の境界『魔界の閉塞域』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、次元の境界『魔界の閉塞域』の中心部。
世界の次元排水をドロドロの泥で塞ぎ、全ての存在を永遠のオーバーフローと疫病の底に沈める『閉塞の魔王・ブロック・モスキート』が、空間を覆い尽くすほどの巨大な真っ黒い泥と羽音の塊として蠢き、傲慢な羽音を響かせていた。
「ブゥゥゥゥンッ……!! 素晴らしいぞ! 大公爵どもが敗れようとも、魔界の頂点たる我ら魔王の閉塞力の前では、この軟弱な世界の排水など容易く泥沼へと変貌する! 我が致死の吸血蚊さえあれば、地上の次元換気など一瞬で破られ、永遠の疫病と悪臭に絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の詰まりを!」
魔王は、巨大な泥の奥からドス黒い猛毒の蚊を放ち、無数の黒血の吸血蚊魔獣たちを次元の網戸へと放った。
「愚かな地上の生命どもめ。我ら魔界の魔王が外回りを陣取ったからには、もはやこの世界のどこにも爽やかな風など入らないと知れ! さあ、もっとだ! 全ての雨樋を落ち葉で埋め尽くし、網戸を破り、大陸全土を永遠の害虫地獄へと沈めよ!」
「我ら魔王級の閉塞の力は絶対だ! この魔界の閉塞域まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」
――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!
魔王が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な悪臭が吹き荒れる閉塞域のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の猛毒と泥水をものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。
そして、作業車のドアから、泥すくいトングと網戸ローラーを持った青年の明るくも呆れた声が、魔界の羽音のノイズを完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 雨樋のガンコな落ち葉詰まりさん(魔王)、泥の掻き出しと網戸の張り替え工事に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい雨樋のオーバーフローっぷりと、サッシにこびりついてるタチの悪い破れた網(蚊の侵入口)だね! 台風シーズンの前に掃除をサボってこんなに泥を溜め込むなんて、住宅維持の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にトングでの泥すくいと、ローラーでのゴム押し込みのしがいがあるや!」
アルドは、腰袋の位置をキュッと直しつつ、プロの建具メンテナンス業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対閉塞領域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」
魔王が驚愕の泥水ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「修繕・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながらドロドロの足場へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい雨樋に湧いた泥濘魔獣ども(魔獣の群れ)と、ビリビリに破れて使い物にならない古い網から、綺麗に『下地処理・物理撤去』して差し上げましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の外回りの中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ魔界ノ王ヲ『雨樋の詰まりと破れた網戸』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ吸血蚊魔獣群デ、貴様ラノ血ヲ永遠ニ吸イ尽クシテ地獄ヘ落トシテクレルワ!」
魔王の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い蚊と疫病の呪力を纏った魔獣群が、一斉にアルドたちに向かって致死の吸血弾を放ちながら襲い掛かってきた。
「うわっ、この蚊たち、すっごく痒そうで新しいフローリングまで泥水で汚そうとしてる! 放置してたら夜も眠れなくなっちゃうぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の群れを「雨樋の泥水で繁殖したタチの悪いヤブ蚊の群れ」と完全に認識し、神仙泥すくいトングをカチャリと構えた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『雨樋の詰まりと網戸劣化被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は建具修繕業者として、こいつらを完璧に取り除いて新品みたいにピンと張った網戸にするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の網戸張り替え現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。雨樋から溢れる泥水や古い網のホコリが室内の家具を汚さないよう、まずは私が完璧にサッシの周囲と軒下にブルーシート養生と飛散防止カバーを張り巡らせます」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、魔界の閉塞域とサッシの周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――バサッ! ピィィィィンッ!
瞬間、窓枠全体をすっぽりと覆うように透明なドーム状のカバーが展開され、軒下には絶対的な強度を誇る『神仙の修繕作業用・飛散防止結界』が展開された。これで、致死の猛毒の泥水や蚊は一ミリたりとも大切な部屋を汚すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は魔界が撒き散らすガンコなドブの悪臭と疫病の瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に強力消臭・防虫処理いたしますわ!」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力防虫魔法』が、超強力なハーブの香りの光の風となって周囲の狂気の蚊の群れを包み込み、一気に中和して寄せ付けなくした。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を病気にする猛毒の蚊は、その浄化の光の風を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でポトリと落ちるチリへと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただの虫ケラやビリビリの網など、ただのスクレーパーとカッターのマトだ! そして、邪魔な古いゴミは俺が綺麗に引っ剥がしてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した吸血蚊魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「劣化網戸及雨樋泥濘魔獣解体撤去斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、魔獣と劣化した網戸の「因果の隙間」を完璧に見切り、まるで古いゴムビートをピーッと引っ張り出し、ボロボロの網と雨樋の泥を専用の工具で綺麗に剥ぎ取るかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に粉砕し、サッシのアルミ枠と雨樋を丸裸にしてしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ吸血蚊魔獣軍団ト絶対ノ閉塞力ガ、タダノ『防虫魔法』ト『網剥がし』ノ前ニ、一瞬デ片付ケラレテ枠ヲ剥キ出シニサレテイクゥゥッ!?」
魔王は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただのゴミ」として撤去され、本体の急所(巨大な雨樋の詰まりとサッシ枠)が露わになった光景に、驚愕のあまり巨大な泥の体を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで安全確保と古い網の撤去は完璧だね! あとは、あの一番デカくて雨水をせき止めている『ガンコな泥の親玉』の雨樋に、事象貫通の神仙泥すくいトングを突っ込んでガサッ!と落ち葉を取り除き、縦樋に高圧洗浄をドバーッ!と流し込む! そして、外したサッシ枠に絶対防虫の神仙24メッシュ網を乗せて、因果密封の神仙ゴムビートを網戸ローラーでジジジジッ!と押し込んでピンと張り、最後に余った網をカッターでスーッと切り落とすだけだ!」
アルドは、特製『事象貫通の神仙泥すくいトング』と『網戸ローラー』を魔王の巨大な本体(次元の閉塞と害虫侵入の中核)へと向けて構え、脚立を蹴って突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙泥すくいトングは星の因果の詰まりを物理的に取り除いて貫通させる絶対事象清掃ツールであり、神仙24メッシュ網とローラーは大宇宙のいかなる次元の魔界の魔王や神話級の猛毒の蚊すらも、物理的に『極小の網目で完全にブロックし、ゴムで因果ごと密封する』だけで完璧に無害化し、極上の爽やかな風だけを取り戻す『究極の建具メンテナンスツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ呼吸ヲ止メル『終焉ノ絶対泥沼』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ疫病ノ底ニ沈メテクレルワ!」
魔王が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを塞ぎ尽くす超巨大な猛毒の泥水と蚊の大群を放ってきた。
「うわっ! 縦樋の奥から、すっごく強烈でタチの悪い真っ黒な泥が逆流してきた! でも、この特製トングと網戸張り替えセットの前には、どんなに酷い詰まりも一発で完全に開通して、網もピンピンに張れるんだ!」
アルドが魔王の巨大な泥の詰まり(世界の排水の中心)に向けて神仙泥すくいトングを突っ込み、「ガサッ!!」と豪快に落ち葉のヘドロを取り除く。続けて高圧洗浄ノズルを挿し込み、「ドバーッ!!」と一気に水を流すと、事象の閉塞(魔界の魔力圏)が完全に粉砕され、泥水が嘘のようにスムーズに流れ去っていく。
泥が綺麗になった直後、アルドはサッシ枠に絶対防虫の神仙24メッシュ網をふわりと乗せ、因果密封の神仙ゴムビートを角から「グッ」と押し込む。
そして、専用の網戸ローラーを力強く、かつスピーディに「ジジジジッ!!」と溝に沿って転がしていく。たるみが出ないように左手で網を引きながら、四辺すべてにゴムを完璧に押し込み、最後に専用カッターで余分な網を「スーッ」と切り落とす。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に極小メッシュでコーティングされ、眩く輝く平和で絶対に虫が入らない、新築のようにピンと張ったクリーン網戸へと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒泥沼ガ、タダノ泥スクイトングデ開通サレ、網戸ローラーデ因果ゴト密封サレ、24メッシュノ網デ一ミリモ残ラズ蚊ヲ通セナクナッタだトォォォッ!?」
「よし、ガンコな雨樋の泥は完全に流れて、網戸もたるみゼロでピンと張ってすっごく風通しの良い窓になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域排水&無限クリーン換気システム』をサッシにカチッと取り付けて……あ、そうだ。この泥詰まりの親玉、綺麗に掃除して網戸を張り替えたら、凄く強力で絶対に虫や落ち葉を寄せ付けない、巨大な全自動の広域排水・無限クリーン換気インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、魔界の有害な泥水や蚊を完全に弾き返して浄化し、代わりに極上のクリーンな風と無限のスムーズな排水だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域排水&無限クリーン換気インフラ』にできそうだよ!」
アルドが魔王の本体であったサッシ枠に専用のセルフクリーニング網戸ユニットを施し、事象調律のスイッチを「24時間自動防虫・超撥水排水モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な換気施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた魔界の禍々しい閉塞と害虫の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな排水エネルギーと無限の防虫機能へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ疫病ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【家ノ換気オ綺麗ニ保ッテ蚊オ防グ為ノ最新ノ高耐久24メッシュ網戸ト自動排水雨樋】ノヨウニ……!? イヤ、ローラーデゴムオ押シ込マレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ防虫力ト、極上ノ換気環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ塞グノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ安心ト極上ノ爽ヤカナ風オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン網戸」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……! 大公爵ドモガ全テ浄化サレタ理由ガ、魔王タル我ニモヨウヤク理解デキタ……!!』
かつて世界を脅かした閉塞と害虫の化身たる魔界の魔王(一人目)は、アルドの「雨樋の落ち葉詰まり清掃と破れた網戸の張り替え」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を塞ぐ禍々しい魔界の閉塞域は、気がつけば「世界の排水と換気を美しく輝く巨大な防虫施設に変え、魔界のどんな蚊や泥水も一瞬で無害化し、極上の爽やかな風を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域排水・無限クリーン換気インフラ(見た目は巨大で新築のようにピカピカに輝く純黒の高耐久ステンレス網戸と詰まらない雨樋)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌な雨水溢れと蚊の侵入のリスクは片付いて、すっごく綺麗でピンと張った防虫バッチリな網戸になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが雨樋の掃除の手間や虫刺されを気にせずに、どんな台風の後でも安心な環境で笑顔で窓を開けられるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの清潔な家と爽やかな風を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドが網戸ローラーを片付けて額の汗を拭うと、閉塞域を覆っていたドス黒い泥水は一瞬にして晴れ渡り、飛散防止カバーが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大なステンレス網戸と、澄み切った清らかな空気が広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域排水・クリーン換気システムは、これより大陸全土の住宅維持・建具基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。魔界の絶対支配者・魔王(一人目)からの網戸張り替え代行費用の徴収も完了いたしました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、完全に大家さんとして定着した神々が「ほら見ろ、魔界の魔王といえど、台風の前の雨樋掃除と網戸張り替え扱いでローラーで押し込まれたぞ……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。
「これからは、どんな魔界のバケモノやガンコな泥詰まりが出ようが、社長の作業前に俺が全部『古い網ごとカッターで撤去』してやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで魔界側の次元防衛・住宅建具インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。魔界の魔王級(一人目)による次元閉塞・害虫侵攻を「雨樋清掃および網戸の張り替え」として処理完了。世界を疫病に沈める魔王を事象のトングと網戸ローラーで開通・密封させ、立派な特大全自動広域排水・無限クリーン換気システムへと改修完了。異常なし。以上。』
ゾルタンは非常に簡潔に、わずか数行で記録を終えた。魔界の絶対的支配者たる魔王が現れようとも、社長の前では「台風シーズン前のちょっとした外回り点検」という、季節の雑用が一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす魔界の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の建具メンテナンス業務として処理されているのである。
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、魔界の魔王すらもピカピカの網戸の一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、網戸の張り替えお疲れ様! 今日の3時のおやつは、網目みたいに綺麗に焼き色がついた、外はサクッと中はフワッとした『特製・大精霊のハチミツたっぷり・極上厚焼きワッフル〜星屑のバニラアイスを乗せて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるワッフルは、ことのほかバターの香りとハチミツの甘みが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただの雨樋の落ち葉詰まり清掃と破れた網戸の張り替え」は、世界疫病の危機をただの外回りメンテナンスとして解決し、魔界の魔王(一人目)の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域排水・無限クリーン換気インフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に魔界からの次元換気防衛と住宅建具インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
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