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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第209話:ただの駐車場・ブロック塀のガンコな黒ずみ・緑ゴケ洗浄と防汚コーティングと、魔界の腐苔魔大公爵(筆頭)の強制全自動広域外構・無限クリーンエクステリアインフラ化

第209話:ただの駐車場・ブロック塀のガンコな黒ずみ・緑ゴケ洗浄と防汚コーティングと、魔界の腐苔魔大公爵(筆頭)の強制全自動広域外構・無限クリーンエクステリアインフラ化(総合ライフサポート企業の外構・高圧洗浄メンテナンス業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々が、「気さくで働き者の大家さんたち」としてすっかり定着し、朝の日差しの中で「昨日の雨で玄関先のタイルが汚れたな」「ご近所の前までしっかり掃き掃除をしておこう」などと、町内会の美化活動に精を出している。宇宙の真理からすれば、もはや発狂するしかないほど平和で家庭的な光景が広がっていた。

 そんな中、キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、極厚の肉が鉄板で焼ける暴力的なまでの香ばしさと、スモークされたベーコンとチーズがとろける甘美な匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大家の神々の皆さんも一緒に食べる『幻獣和牛の極厚ダブルチーズバーガー〜特製星屑のBBQソースと、大精霊のクリスピーフライドポテトを添えて〜』だ。まずは、赤身の旨味と脂の甘みが完璧な幻獣和牛を粗挽きにし、つなぎを一切使わずに大人の拳ほどもある特大パティを二枚、神仙の鉄板で表面をカリッカリに焼き上げる! 溢れ出す肉汁を閉じ込めたら、その上にチェダーチーズと天界モッツァレラをたっぷり乗せてトロトロに溶かすんだ! その横で、神仙小麦と幻獣バターを限界まで練り込んだ特製ブリオッシュバンズをこんがりとトーストし、大精霊の森で採れた完熟トマトとシャキシャキのレタス、そして厚切りにスモークした幻獣黒豚の極厚ベーコンを積み重ねる。これらを一気にサンドし、天界の果実とスパイスを何日も煮込んで作った『特製星屑のBBQソース』をジュワァァァッ!と滝のようにかけるんだ。付け合わせには、幻獣ジャガイモを二度揚げして外はカリッ、中はホクホクに仕上げたクリスピーフライドポテト。……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、圧倒的な肉とBBQソースの香りを放つ特大のハンバーガープレートをダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、掃き掃除を終えた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣和牛の圧倒的なアミノ酸とベーコンの燻製香が全身の魔力回路を限界突破させ、BBQソースのスパイスとトマトのリコピンが血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高のジャンクフードフルコース』である。

「うむ……! この特大バーガーを両手で押し潰し、大口を開けてかぶりついた瞬間に決壊する、極厚パティ二枚から溢れ出す肉汁の暴力的なビッグバン! 歯を立てるたびに弾ける和牛の旨味と、スモーキーなベーコンの塩気が、濃厚なダブルチーズと完璧に混ざり合う! すかさずフルーティーなBBQソースが口いっぱいに広がり、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! カリッカリのフライドポテトを肉汁とソースにディップして頬張れば、我が最高福利厚生責任者の職務が、アメリカンダイナーで至福のランチを貪る少年のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、ハンバーガーを持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々の肉汁に感涙して咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上コーラ(大精霊のスパイス仕立て)が振る舞われた後。

 アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える大宇宙最強の経営陣。

 しかし、優雅な空気を切り裂くように、窓の外の駐車場とブロック塀の方から「ヌチャッ……ズズズッ」という、苔が増殖するような不快な音と共に、ドブとカビが混ざったような強烈な悪臭が漂ってきた。見れば、真っ白だったはずのコンクリートの床面とブロック塀が、ドス黒いシミと不気味な緑色のコケに完全に覆い尽くされ、足を滑らせそうなほどヌルヌルとした瘴気を放っていた。

「……ねえ。今朝からなんだけど、外の駐車場やブロック塀が『すごくタチの悪い黒ずみと緑の苔』でヌルヌルになってて、見た目も汚いし滑って転びそうなんだよね。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが次元の底の『奈落の魔界』から、前回の屋根裏の害獣(大公爵)と同格で、なおかつその頂点に立つ『魔界大公爵の筆頭(腐苔と汚染の支配者)』の仕業だってわかる。魔界の大公爵級が二人やられたから、ついに大公爵のトップが家の外構全体を汚しに来たみたいだね。完全に長年の雨水と日陰を放置したせいで発生する、タチの悪いコンクリートの黒カビ・苔の固着トラブルだよ」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「駐車場の黒ずみと緑ゴケ」。それはすなわち、二人の大公爵の敗北を受け、ついに魔界の頂点に君臨する大貴族の筆頭たる『腐苔の魔大公爵・モス・グライム』が、無数の腐苔魔獣と汚染の胞子を率いて世界の次元の外構エクステリアを完全に浸食し、世界を悪臭と滑る汚泥の底へと沈めようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。

 しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界をガンコな黒ずみや滑る苔の心配がない、新築のように真っ白で美しいコンクリートに守られた極上の安全空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。

「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた魔界・大公爵級(筆頭)の侵攻と、次元外構の汚染被害……間違いありませんね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「我が社の情報網にも、奈落の魔界からついに大公爵の筆頭の出陣報告が届いております。大公爵位の頂点であり、魔界の汚染を司る『腐苔の魔大公爵・モス・グライム』が、猛毒の緑ゴケ(致死の腐敗胞子)を撒き散らし、我々の世界の次元の地表を全てヌルヌルの汚泥に変えようとしております。さらにタチの悪いことに、その魔大公爵が生み出す『黒苔の滑落魔獣ども(※触れるものの次元と摩擦をゼロにして地獄へ滑り落とすスライム状の魔獣群)』が地面から溢れ出し、人々の街の駐車場や外壁に雪崩れ込んでは、全てを絶望の汚染地獄の底に沈めようと暴れ回っております」

「なるほど! やっぱり雨上がりで日当たりが悪い所をデッキブラシでこすらなかったせいで、タチの悪いガンコな汚れの親玉(大公爵筆頭)がコンクリートの細かい穴の奥深くに根を張って、美観を損ねてるんだね!」

 アルドはバインダーの報告書を見て、プロの外構・高圧洗浄メンテナンス業者としての血を騒がせた。

「僕の力なら魔界の大公爵なんて一瞬で消滅させられるけど、ガンコな駐車場の黒ずみと苔の対応はやっぱり、高圧洗浄機に『専用のサーフェスクリーナー(床面専用の円盤型アタッチメント)』を取り付けて、水しぶきを飛ばさずに均一に超高圧で根こそぎ削り落とす! そして、ブロック塀には『超強力・屋外用コケ除去剤』を散布して根本から枯らし、最後にコンクリート全体に『高耐久・防汚撥水コーティング剤』を塗布して、物理的に二度と雨水が染み込まず苔が生えない完璧な外構にリセットするのが一番確実で家が明るくなるからね! このまま放置すれば、家(世界)中がヌルヌルになって転倒事故が起きちゃう。安全で美しい居住環境を守るためにも、外構をキッチリ高圧洗浄して、極上のクリーンエクステリアインフラにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。ブロック塀にこびりついた鬱陶しい滑落魔獣ども(魔獣の群れ)と、分厚く成長した苔の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のワイヤーブラシと超高圧ノズルで一つ残さず削ぎ落とし、完璧な『下地処理(表面の粗削り)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧を大型のデッキブラシのように構えて不敵に笑う。

「ええ。魔大公爵が撒き散らすガンコなドブ臭さと胞子の瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力殺藻・除菌魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、洗浄がスムーズに進む清潔な施工環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、高圧洗浄で弾け飛ぶ真っ黒な泥水や苔が、ご近所の車や外壁を汚さないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、駐車場の周囲に完璧なブルーシート養生と飛散防止パネル(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 外の高圧洗浄は泥水が跳ねて車や窓ガラスを汚すとご近所トラブルになるし、すごく滑りやすいから、しっかり養生と安全確認をして作業しようね!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の腐苔と高圧水流を完全に弾く特製外構洗浄用・完全防水ツナギと長靴、ゴーグル)に着替え、手には巨大な「事象削ぎ落としの神仙サーフェスクリーナー」と、プロ仕様の「因果枯渇の神仙コケ除去剤」、そして「絶対防汚の神仙撥水コーティング剤」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『外構・高圧洗浄メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの黒ずみと苔の悩みを解決するために、邪魔な汚れを吹き飛ばして、駐車場を優良なクリーンインフラにリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、外構洗浄仕様に改造された魔導サービスカー(超大型コンプレッサーと大容量水タンク搭載)に乗り込み、空間がドス黒い汚れと緑色の苔に覆われつつある次元の外構『魔界の腐苔域』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、次元の外構『魔界の腐苔域』の中心部。

 世界の次元地表をドロドロの緑ゴケで覆い尽くし、全ての存在を永遠の滑落と腐敗の底に沈める『腐苔の魔大公爵・モス・グライム』が、空間を覆い尽くすほどの巨大な黒ずんだ苔の塊として蠢き、傲慢な粘液の音を響かせていた。

「ヌチャァァァッ……!! 素晴らしいぞ! 同格の大公爵どもが敗れようとも、大貴族の筆頭たる我ら腐苔の繁殖力の前では、この軟弱な世界の地表など容易く滑る泥沼へと変貌する! 我が致死の緑ゴケさえあれば、地上の次元コンクリートなど一瞬で腐食し、永遠の転倒と悪臭に絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の汚染を!」

 魔大公爵は、巨大な苔の奥からドス黒い猛毒の胞子を放ち、無数の黒苔の滑落魔獣たちを次元の駐車場へと放った。

「愚かな地上の生命どもめ。我ら魔界の大公爵筆頭が外構を陣取ったからには、もはやこの世界のどこにも安全に歩ける道などないと知れ! さあ、もっとだ! 全てのブロック塀と床面を真っ黒な苔で埋め尽くし、大陸全土を永遠の腐苔地獄へと沈めよ!」

「我ら大公爵筆頭の腐苔の力は絶対だ! この魔界の腐苔域まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」

 ――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!

 魔大公爵が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な悪臭が吹き荒れる腐苔域のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の猛毒と滑る苔をものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、作業車のドアから、サーフェスクリーナーと高圧ノズルを持った青年の明るくも呆れた声が、魔界の粘着ノイズを完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 駐車場のガンコな黒ずみさん(魔大公爵筆頭)、床面の高圧洗浄と防汚コーティング工事に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどいコンクリートの真っ黒っぷりと、ブロック塀にこびりついてるタチの悪い緑の苔(滑落魔獣)だね! 日々の掃除をサボってこんなに汚れを定着させるなんて、家の顔である外観の維持の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にサーフェスクリーナーでの水跳ねなし洗浄とコーティングのしがいがあるや!」

 アルドは、防水長靴の履き心地をキュッと確認しつつ、プロの外構洗浄業者としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対腐苔領域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」

 魔大公爵が驚愕の胞子ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながらヌルヌルの床面へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しいブロック塀に湧いた滑落魔獣ども(魔獣の群れ)と、分厚く育ってしまった古い苔から、綺麗に『下地処理・粗削り作業』して差し上げましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の外構の中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ魔界大公爵筆頭ヲ『駐車場の黒ずみと苔』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ滑落魔獣群デ、貴様ラノ足元ヲ永遠ニ滑ラセテ地獄ヘ落トシテクレルワ!」

 魔大公爵の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い胞子と摩擦ゼロの呪力を纏った魔獣群が、一斉にアルドたちに向かって致死の汚染弾を放ちながら這い寄ってきた。

「うわっ、この苔たち、すっごくヌルヌルで車のタイヤまでスリップさせようとしてる! 放置してたら事故が起きちゃうぞ!」

 アルドは、迫り来る魔獣の群れを「雨水と日陰のせいでコンクリートに深く根を張ったタチの悪いガンコな緑ゴケ」と完全に認識し、神仙高圧洗浄機のエンジンをカチャリと始動させた。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『外構の黒ずみ被害と転倒リスク』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は洗浄業者として、こいつらを完璧に削ぎ落として新品みたいに真っ白なコンクリートにするだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の外構高圧洗浄現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。高圧洗浄で飛び散る泥水や苔がご近所の家や車を汚さないよう、まずは私が完璧に駐車場の周囲にブルーシート養生と飛散防止パネルを張り巡らせます」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、魔界の腐苔域と外構の周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――バサッ! ピィィィィンッ!

 瞬間、駐車場の周囲全体をすっぽりと覆うように巨大な透明パネルが展開され、絶対的な強度を誇る『神仙の洗浄作業用・飛散防止結界』が展開された。これで、致死の猛毒の泥水や胞子は一ミリたりとも外の世界を汚すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は魔界が撒き散らすガンコなドブの悪臭と胞子の瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に強力殺藻・除菌処理いたしますわ!」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力殺藻魔法』が、超強力な次亜塩素酸の光のシャワーとなって周囲の狂気の緑ゴケを包み込み、一気に中和して根を枯らした。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を滑らせる猛毒の苔は、その浄化の光のシャワーを浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でポロポロと剥がれやすい枯れ草へと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただの枯れた苔や表面の黒ずみなど、ただのワイヤーブラシのマトだ! そして、邪魔な壁の汚れは俺が綺麗に削り落としてやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した滑落魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「ブロック塀固着緑苔魔獣解体粗削り斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、魔獣とブロック塀の「因果の隙間」を完璧に見切り、まるで分厚い苔を専用の硬質ブラシと高圧ノズルでガリガリッ!バビィィィンッ!と綺麗に吹き飛ばして削り落とすかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に粉砕し、コンクリートの素地を丸裸にしてしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ滑落魔獣軍団ト絶対ノ汚染力ガ、タダノ『除菌魔法』ト『ワイヤー削り』ノ前ニ、一瞬デ片付ケラレテ素地ヲ剥キ出シニサレテイクゥゥッ!?」

 魔大公爵モス・グライムは、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただの泥汚れ」として削り落とされ、本体の急所(巨大な駐車場の床面全体)が露わになった光景に、驚愕のあまり巨大な苔の体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげで安全確保と壁の苔落としは完璧だね! あとは、あの一番デカくて駐車場全体を真っ黒にしている『ガンコな黒ずみの親玉モス・グライム』の床面に、事象削ぎ落としの神仙サーフェスクリーナーをセットして、水跳ねさせずに均一にズバババッ!と根こそぎ黒ずみを洗い流し、最後に絶対防汚の神仙撥水コーティング剤をローラーでたっぷり塗布して、水を弾くピカピカのコンクリートにするだけだ!」

 アルドは、特製『事象削ぎ落としの神仙サーフェスクリーナー(円盤型洗浄機)』を魔大公爵の巨大な本体(次元の汚染と黒ずみの中核)へと向けて構え、長靴で床を踏みしめて突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙サーフェスクリーナーは星の因果の汚染を物理的に超高圧の回転水流で均等に削ぎ落とす絶対事象洗浄ツールであり、神仙撥水コーティング剤は大宇宙のいかなる次元の魔界の大公爵や神話級の猛毒の胞子すらも、物理的に『ナノレベルの被膜で雨水と汚れを完全に弾く』だけで完璧に無害化し、極上の真っ白な外構を取り戻す『究極のエクステリアメンテナンスツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ地表ヲ腐ラセル『終焉ノ絶対汚泥アビス・モス・スワンプ』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ泥沼ノ底ニ沈メテクレルワ!」

 魔大公爵が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てをヌルヌルにする超巨大な猛毒の黒ずみと苔の波を放ってきた。

「うわっ! コンクリートの奥から、すっごく強烈でタチの悪いガンコな黒ずみが浮き出てきた! でも、この特製サーフェスクリーナーと撥水コーティングの前には、どんなに酷い汚れも一発で真っ白になって完全防汚だ!」

 アルドが魔大公爵の巨大な黒ずみ(世界の地表の中心)に向けて神仙サーフェスクリーナーをピタッと床に置き、高圧洗浄機のトリガーを「ギュゥゥゥッ!!」と握り込む。

 円盤の中で超高圧のノズルが高速回転し、「ズバババババッ!!」という強烈な水圧がコンクリートの細かな穴に突き刺さる。事象の汚染(魔界の魔力圏)の黒ずみが、水圧の力で完全に削ぎ落とされ、サーフェスクリーナーが通った跡だけが、まるで魔法のように新築時の真っ白なコンクリートの姿を取り戻していく。

 泥水が一切周囲に跳ねない完璧な洗浄の後、アルドは乾いた床面に、絶対防汚の神仙撥水コーティング剤をローラーで「コロコロッ」と均等に塗布していく。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に透明なバリアでコーティングされ、眩く輝く平和で絶対に苔が生えない、水を弾いて玉のように転がるクリーンエクステリアへと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒汚泥ガ、タダノ円盤型洗浄機デ均一ニ削ギ落トサレ、撥水コーティングデ因果ゴト弾カレ、一ミリモ残ラズ水ヲ吸イ込メナクナッタだトォォォッ!?」

「よし、ガンコな駐車場の黒ずみは完全に真っ白になって、コーティングもバッチリ効いてすっごく明るい外構になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域外構&無限クリーンエクステリアシステム』を門柱にカチッと取り付けて……あ、そうだ。この黒ずみの親玉、綺麗に洗浄してコーティングしたら、凄く強力で絶対に汚れを定着させない、巨大な全自動の広域外構・無限クリーンエクステリアインフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、魔界の有害な汚泥や苔を完全に弾き返して浄化し、代わりに極上のクリーンな美観と無限の安全な足元だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域外構&無限クリーンエクステリアインフラ』にできそうだよ!」

 アルドが魔大公爵の本体であった駐車場に専用の光触媒コーティングユニットを施し、事象調律のスイッチを「24時間自動防汚・超撥水セルフクリーニングモード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な外構施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた魔界の禍々しい腐苔と汚染の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな防汚エネルギーと無限のセルフクリーニング機能へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ汚泥ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【家ノ外構オ綺麗ニ保ッテ苔オ防グ為ノ最新ノ光触媒・超撥水コンクリート】ノヨウニ……!? イヤ、コーティングオ塗ラレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ防汚力ト、極上ノエクステリア環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ汚スノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ清潔ト極上ノ白サオ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーンエクステリア」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……! 大公爵ドモガ全テ浄化サレタ理由ガ、筆頭タル我ニモヨウヤク理解デキタ……!!』

 かつて世界を脅かした汚染と苔の化身たる魔界の魔大公爵(筆頭)は、アルドの「駐車場のガンコな黒ずみ洗浄と防汚コーティング」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を汚染する禍々しい魔界の腐苔域は、気がつけば「世界の地表を美しく輝く巨大な防汚施設に変え、魔界のどんな苔や黒ずみも一瞬で無害化し、極上の真っ白なコンクリートを24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域外構・無限クリーンエクステリアインフラ(見た目は巨大で新築のようにピカピカに輝く純白の最新式透水性コンクリートと光触媒ブロック塀)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌な床の黒ずみと苔で滑るリスクは片付いて、すっごく綺麗で真っ白な撥水バッチリな駐車場になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが外構の掃除の手間や転倒事故を気にせずに、どんな雨上がりでも安心な環境で笑顔で家を出入りできるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの清潔な家の顔と安全な足元を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドがサーフェスクリーナーを片付けて額の汗を拭うと、腐苔域を覆っていたドス黒い悪臭は一瞬にして晴れ渡り、飛散防止パネルが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な真っ白なコンクリートと、澄み切った清らかな空気が広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域外構・クリーンエクステリアシステムは、これより大陸全土の住宅維持・外構基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。魔界の超大貴族・大公爵(筆頭)からの高圧洗浄代行費用の徴収も完了いたしました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、完全に大家さんとして定着した神々が「ほら見ろ、魔界の大公爵のトップといえど、年末の大掃除の駐車場高圧洗浄扱いで真っ白にされたぞ……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。

「これからは、どんな魔界のバケモノやガンコな緑ゴケが出ようが、社長の作業前に俺が全部『ワイヤーブラシで表面削り』してやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで魔界側の次元防衛・住宅外構インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。魔界の大公爵級(筆頭)による次元外構汚染侵攻を「駐車場の高圧洗浄および撥水コーティング」として処理完了。世界を汚泥に沈める魔大公爵筆頭を事象のサーフェスクリーナーとコーティング剤で洗浄・防汚させ、立派な特大全自動広域外構・無限クリーンエクステリアシステムへと改修完了。異常なし。以上。』

 ゾルタンは非常に簡潔に、わずか数行で記録を終えた。魔界の大公爵の筆頭が現れようとも、社長の前では「家の外周りの大掃除オプション」という、高圧洗浄の定期スケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす魔界の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常のハウスクリーニング業務として処理されているのである。

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、魔界の大公爵筆頭すらもピカピカのコンクリートの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、駐車場の洗浄お疲れ様! 今日の3時のおやつは、高圧洗浄機のホースみたいに長くて真っ直ぐで、外はサクッと中はフワッとした『特製・大精霊の極上チュロス〜星屑の濃厚ホットチョコレートにディップして〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるチュロスは、ことのほかシナモンの香りとチョコレートの甘みが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただの駐車場・ブロック塀のガンコな黒ずみ・緑ゴケ洗浄と防汚コーティング」は、世界汚染の危機をただの外構メンテナンスとして解決し、魔界の大公爵(筆頭)の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域外構・無限クリーンエクステリアインフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に魔界からの次元地表防衛と住宅外構インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜

https://ncode.syosetu.com/n5506ma/

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