第207話:ただの床下のガンコなシロアリ駆除と防湿・換気扇設置と、魔界の虚洞魔大公爵の強制全自動広域防虫・無限クリーン床下インフラ化
第207話:ただの床下のガンコなシロアリ駆除と防湿・換気扇設置と、魔界の虚洞魔大公爵の強制全自動広域防虫・無限クリーン床下インフラ化(総合ライフサポート企業の害虫駆除・住宅基礎メンテナンス業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうとした創造神や天界の神々が、「気さくで働き者の大家さんたち」としてすっかり定着し、朝の日差しの中で「家の周りにダンボールを放置すると虫が湧くからな」「基礎の風通しは大事だぞ」などと、町内会の防犯・美化ルールを厳守しながら家の周囲を点検している。宇宙の真理からすれば、もはや発狂するしかないほど平和で家庭的な光景が広がっていた。
そんな中、キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、豚肉の脂がトロトロに煮込まれる暴力的なまでの香ばしさと、八角やオイスターソースが香る濃厚な中華ダレの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大家の神々の皆さんも一緒に食べる『幻獣黒豚の極厚・黄金角煮(東坡肉)と、天界のフワフワ割包〜大精霊の特大フカヒレ姿煮スープを添えて〜』だ。まずは、皮付きの幻獣黒豚の巨大なバラ肉を、表面がカリッとするまで焼き付けて旨味を閉じ込める。それを、数百年熟成させた神仙醤油、天界の紹興酒、黒砂糖、そして八角や桂皮などの極上スパイスをブレンドした特製ダレで、三日三晩、箸で触れただけで崩れるほどトロトロになるまで煮込むんだ! その横で、神仙小麦を練り上げて蒸し器でふっくらと蒸し上げた、真っ白でフワフワの中華バンズ『割包』を用意する。熱々の割包に、テリッテリに輝く極厚の黄金角煮と、シャキシャキの白髪ネギ、そして特製の甘辛いタレをたっぷりと挟み込む! 付け合わせには、大精霊の海で採れた大人の顔ほどもある特大フカヒレを、幻獣鶏の濃厚な白湯スープで丸ごと煮込んだ、コラーゲンたっぷりの『フカヒレの姿煮スープ』だ。……熱々のうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、圧倒的なスパイスと肉の香りを放つ特大の中華プレートをダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、家の点検を終えた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣黒豚の圧倒的なビタミンB群とフカヒレのコラーゲンが全身の魔力回路を限界突破させ、スパイスの薬効成分と濃厚な甘辛ダレが血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の中華フルコース』である。
「うむ……! この真っ白なフワフワの割包に大口でかぶりついた瞬間に響き渡る、豚の脂が溶け出す『ジュワァッ!』という快音のビッグバン! 歯を立てるまでもなく舌の上でとろける角煮の暴力的なまでの柔らかさと、口いっぱいに広がる豚肉の甘みが、八角の効いた濃厚なタレと完璧に混ざり合う! すかさず白髪ネギの辛味が肉の脂を極限までさっぱりとさせれば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 熱々でトロトロのフカヒレスープで口内を潤し、再び極厚角煮サンドに挑めば、我が最高福利厚生責任者の職務が、宮廷の宴で至福の朝食を貪る皇帝のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、割包を持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々の肉汁に感涙して咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上烏龍茶が振る舞われた後。
アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える大宇宙最強の経営陣。
しかし、優雅な空気を切り裂くように、リビングの床下から「ミシミシッ……ギシッ」という、床板が沈み込むような不快な異音と共に、湿った土とカビが混ざったような強烈な悪臭が漂ってきた。見れば、部屋の隅の巾木の近くに、土のトンネルのような不気味な筋(蟻道)が伸び、ドス黒い瘴気を放っていた。
「……ねえ。今朝からなんだけど、床を歩くと『フカフカ』して沈み込む感じがするし、壁の隅に『タチの悪い土のトンネル(蟻道)』ができてるんだよね。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが次元の底の『奈落の魔界』から、公爵たちの上に立つ、さらに高位の爵位『魔界大公爵(虚洞と崩壊の支配者)』の仕業だってわかる。魔界の公爵級が全滅したから、ついに魔界の最上位クラスである大公爵級の最初の一人が、家の土台から食い破りに来たみたいだね。完全に床下の湿気を放置したせいで発生する、タチの悪いシロアリの大量発生と基礎の腐朽トラブルだよ」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「床がフカフカする現象と蟻道」。それはすなわち、公爵たちの相次ぐ敗北を受け、ついに魔界の頂点に迫る超大貴族たる『虚洞の魔大公爵・ターマイト・グール』が、無数の白蟻魔獣と腐敗の湿気を率いて世界の次元の土台(基礎柱)を完全に食い荒らし、世界をスカスカの空洞にして崩落させようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。
しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界をシロアリや床下のカビの心配がない、どんなに重い家具を置いても絶対に沈まない頑丈な基礎に守られた極上の安全空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。
「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた魔界・大公爵級(一人目)の侵攻と、次元基礎の空洞化被害……間違いありませんね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「我が社の情報網にも、奈落の魔界からついに超大貴族・大公爵級の出陣報告が届いております。大公爵位は魔界の根幹を成す最高戦力ですが、今回は先陣を切って『虚洞の魔大公爵・ターマイト・グール』が、猛毒の湿気(致死の腐敗菌)を撒き散らし、我々の世界の次元の柱を全て食い尽くそうとしております。さらにタチの悪いことに、その魔大公爵が生み出す『白濁の顎魔獣ども(※触れるものの次元と硬度をスカスカのスポンジ状に変えるシロアリ魔獣群)』が床下の土壌から溢れ出し、人々の街の住宅基礎に雪崩れ込んでは、全てを絶望の崩落の底に沈めようと暴れ回っております」
「なるほど! やっぱり床下の換気口の前に物を置いて風通しを悪くしたせいで、ジメジメした所が大好きなタチの悪い害虫の親玉(魔大公爵)が柱の奥深くに巣を作って、家の寿命をゴリゴリ削ってるんだね!」
アルドはバインダーの報告書を見て、プロの害虫駆除・住宅基礎メンテナンス業者としての血を騒がせた。
「僕の力なら魔界の大公爵なんて一瞬で塵にできるけど、ガンコなシロアリ被害の対応はやっぱり、床下点検口から潜り込んで被害状況を確認し、木材にドリルで小さな穴を開けて専用の『超強力・木部処理用シロアリ駆除剤』を奥深くまで『穿孔注入』する! そして土壌には『土壌処理剤』を散布し、巣ごと根絶やしにする『因果連鎖のベイト剤(毒餌)』を設置! 最後にジメジメを根本から解決する『床下換気扇』と『防湿シート』を施工して、物理的に一匹の虫も寄せ付けない完璧な土台にリセットするのが一番確実で家が長持ちするからね! このまま放置すれば、家(世界)中が地震でペチャンコに潰れちゃう。安全で頑丈な居住環境を守るためにも、シロアリをキッチリ駆除して、極上のクリーン床下インフラにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。床下の柱にこびりついた鬱陶しい顎魔獣ども(魔獣の群れ)と、スカスカに食われて使い物にならない古い束柱の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のバールと電動ノコギリで一つ残さず切り落とし、完璧な『下地処理(腐朽木材の撤去と鋼製束への交換)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型の解体バールのように構えて不敵に笑う。
「ええ。魔大公爵が撒き散らすガンコな床下のカビ臭と湿気の瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力除湿・乾燥魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、防湿シートがしっかり機能するカラカラの清掃環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、床下のホコリや駆除剤の匂いが、室内の居住空間に漏れ出ないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、床下点検口の周囲に完璧なマスカー養生と室内隔離カバー(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 床下のシロアリ駆除は狭くてホコリまみれになるし、強い薬を使うから、しっかり養生と除湿をして安全第一で作業しようね!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の腐敗菌と木屑を完全に弾く特製床下作業用・防護ツナギとヘッドライト、防塵マスク)に着替え、手には巨大な「事象注入の神仙シロアリ駆除剤(穿孔用インジェクター)」と、プロ仕様の「因果連鎖の神仙ベイト剤」、そして「絶対換気の神仙床下換気扇」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『害虫駆除・住宅基礎メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの床のフカフカとシロアリの悩みを解決するために、邪魔な害虫を巣ごと根絶やしにして、床下を優良なクリーンインフラにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、害虫駆除仕様に改造された魔導サービスカー(大量の薬剤タンクと換気扇搭載)に乗り込み、空間がドス黒い湿気と木屑に覆われつつある次元の土台『魔界の虚洞域』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、次元の土台『魔界の虚洞域』の中心部。
世界の次元基礎をスカスカのスポンジ状に食い荒らし、全ての存在を永遠の崩落と腐敗の底に沈める『虚洞の魔大公爵・ターマイト・グール』が、空間を覆い尽くすほどの巨大な白く蠢く虫の塊として蠢き、傲慢な木を囓る音を響かせていた。
「カチカチカチッ……!! 素晴らしいぞ! 公爵どもが敗れようとも、我ら大貴族・大公爵の捕食力の前では、この軟弱な世界の柱など容易く中身を食い尽くされる! 我が致死の白蟻軍団さえあれば、地上の次元土台など一瞬で空洞化し、永遠の倒壊に絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の空洞を!」
魔大公爵は、巨大な顎からドス黒い猛毒のフェロモンを放ち、無数の白濁の顎魔獣たちを次元の柱へと放った。
「愚かな地上の生命どもめ。我ら魔界の大公爵が土台を握ったからには、もはやこの世界のどこにも安心して立てる床などないと知れ! さあ、もっとだ! 全ての柱の中身を食い荒らし、大陸全土を永遠の瓦礫の底へと沈めよ!」
「我ら大公爵級の虚洞の力は絶対だ! この魔界の虚洞域まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」
――キキィィィィッ!! ドサァァッ!!
魔大公爵が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な湿気とカビ臭が吹き荒れる虚洞域のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の猛毒と暗闇をものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。
そして、作業車のドアから、ヘッドライトを光らせ、シロアリ駆除剤とドリルを持った青年の明るくも呆れた声が、魔界の虫のノイズを完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 床下のガンコなシロアリさん(魔大公爵)、穿孔注入処理と床下換気扇の設置工事に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい柱の食害っぷりと、土台にこびりついてるタチの悪い蟻道(顎魔獣の通り道)だね! 床下の点検をサボってこんなに木材をスカスカにするなんて、住宅維持の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的にドリルでの穿孔注入とベイト剤設置のしがいがあるや!」
アルドは、ヘッドライトのスイッチをカチッと点灯させつつ、プロの害虫駆除業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対虚洞領域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」
魔大公爵が驚愕のフェロモンブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「駆除・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながらジメジメの土壌へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい柱の表面に湧いた魔獣ども(魔獣の群れ)と、中身がスッカラカンになった古い束柱から、綺麗に『下地処理・物理撤去』して差し上げましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の床下の中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ魔界大公爵ヲ『床下のシロアリ』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ顎魔獣群デ、貴様ラノ足元ヲ永遠ニスカスカニ崩落サセテクレルワ!」
魔大公爵の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い湿気と捕食の呪力を纏った魔獣群が、一斉にアルドたちに向かって致死の食害弾を放ちながら這い寄ってきた。
「うわっ、このシロアリたち、すっごく食欲旺盛で新しい大黒柱までボロボロにしようとしてる! 放置してたら家が傾いちゃうぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の群れを「湿気を含んだ木材を好んで食い荒らすタチの悪いヤマトシロアリの群れ」と完全に認識し、神仙インジェクターのノズルをカチャリと構えた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『シロアリによる床下食害と基礎崩壊被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は駆除業者として、こいつらを完璧に根絶やしにして新品みたいに頑丈な土台にするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常のシロアリ駆除現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。床下のホコリや駆除剤の匂いが居住空間を汚さないよう、まずは私が完璧に点検口周りのマスカー養生と室内隔離カバーを張り巡らせます」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、魔界の虚洞域と点検口の周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――バサッ! ピィィィィンッ!
瞬間、点検口の開口部全体をすっぽりと覆うように透明なドーム状のカバーが展開され、周囲には絶対的な強度を誇る『神仙の駆除作業用・飛散防止結界』が展開された。これで、致死の猛毒のフェロモンや薬剤の匂いは一ミリたりとも外の世界を汚すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は魔界が撒き散らすガンコな床下のカビ臭と湿気の瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に強力除湿・乾燥処理いたしますわ!」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強力除湿魔法』が、超強力なシリカゲルの光の風となって周囲の狂気の湿気を包み込み、一気に中和してカラカラに乾燥させた。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を腐らせる猛毒の湿気は、その浄化の光の風を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でシロアリが最も嫌う乾燥した床下環境へと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただの虫ケラやスカスカの柱など、ただのバールとノコギリのマトだ! そして、邪魔な食い荒らされた木材は俺が綺麗に切り落としてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した顎魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「基礎土台食害白蟻魔獣解体粉砕斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、顎魔獣と腐朽した木材の「因果の隙間」を完璧に見切り、まるで中身が空っぽになった古い束柱を専用の電動ノコギリでギュイィィィンッ!と綺麗に切り落とし、頑丈な鋼製束に交換するかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に粉砕し、基礎の奥へと続く道を丸裸にしてしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ顎魔獣軍団ト絶対ノ食害力ガ、タダノ『除湿魔法』ト『バール解体』ノ前ニ、一瞬デ粉々ニサレテ土台ノ奥ヲ剥キ出シニサレテイクゥゥッ!?」
魔大公爵は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただの虫の死骸」として一掃され、本体の急所(巨大なシロアリの巨大巣・コロニー)が露わになった光景に、驚愕のあまり巨大な白い体を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで安全確保と腐った柱の撤去は完璧だね! あとは、あの一番デカくて木材を食い荒らしている『ガンコなシロアリの親玉』のいる柱にドリルで穴を開け、事象注入の神仙シロアリ駆除剤をプシューッ!と奥深くまで穿孔注入し、巣の周りに因果連鎖の神仙ベイト剤をポイッと置いて働きアリに巣ごと自滅させ、最後に絶対換気の神仙床下換気扇をカチッと設置してカラカラにするだけだ!」
アルドは、特製『事象注入の神仙シロアリ駆除剤』のインジェクターを魔大公爵の巨大な本体(次元の空洞と巨大コロニーの中核)へと向けて構え、床下を這って突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙駆除剤とベイト剤は星の因果の食害を物理的に伝播させて巣ごと根絶やしにする絶対事象駆除ツールであり、神仙床下換気扇は大宇宙のいかなる次元の魔界の大公爵や神話級の猛毒の湿気すらも、物理的に『強力な風量で強制換気して乾燥させる』だけで完璧に無害化し、極上の頑丈な土台を取り戻す『究極の床下メンテナンスツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ土台ヲ食イ破ル『終焉ノ絶対崩落』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ瓦礫ノ底ニ沈メテクレルワ!」
魔大公爵が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを食い尽くす超巨大な猛毒のシロアリの大群を放ってきた。
「うわっ! 柱の奥から、すっごく強烈でタチの悪い羽アリの大群が飛び出してきた! でも、この特製駆除剤とベイト工法の前には、どんなに酷い巨大コロニーも一発で完全に連鎖崩壊してスッキリだ!」
アルドが魔大公爵の巨大な巣(世界の土台の最深部)を支える柱に向けて電動ドリルで「ギュルルルッ!」と小さな穴を開け、事象注入の神仙シロアリ駆除剤のノズルを挿し込み、「プシューッ!!」と高圧で薬剤を注入する。
事象の空洞(魔界の魔力圏)の隅々にまで、薬剤が木の導管を伝って浸透していく。さらに、逃げ出した魔大公爵の分身たちの通り道に、因果連鎖の神仙ベイト剤(毒餌)を設置。魔界のシロアリたちはそれを極上のエサと勘違いして巣に持ち帰り、連鎖的に全滅していく。
数分間の徹底的な薬剤処理の後、アルドは基礎の換気口に絶対換気の神仙床下換気扇を「カチッ」とはめ込み、スイッチを入れる。「ブォォォォォン!!」という力強い排気音と共に、残ったわずかな魔界の湿気ごと完璧に外へ排出され、眩く輝く平和で絶対に虫が湧かない、カラカラに乾燥した新築のように頑丈なクリーン床下へと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒崩落ガ、タダノ駆除剤デ穿孔注入サレ、ベイト剤デ因果ゴト連鎖自滅サセサレ、換気扇デ一ミリモ残ラズ乾燥サセラレタだトォォォッ!?」
「よし、ガンコなシロアリの巣は完全に根絶やしになって、床下の湿気も換気扇で吹き飛ばされてすっごく頑丈な土台になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域防虫&無限クリーン床下システム』を換気口にカチッと取り付けて……あ、そうだ。このシロアリの親玉、綺麗に駆除して換気扇を設置したら、凄く強力で絶対に虫やカビを寄せ付けない、巨大な全自動の広域防虫・無限クリーン床下インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、魔界の有害な食害や湿気を完全に分解して浄化し、代わりに極上のクリーンな乾燥空気と無限の頑丈な土台だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域防虫&無限クリーン床下インフラ』にできそうだよ!」
アルドが魔大公爵の本体であった基礎部分に専用の自動調湿ユニットを施し、事象調律のスイッチを「24時間自動換気・防虫バリアモード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な床下施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた魔界の禍々しい腐敗と空洞の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな防虫エネルギーと無限の乾燥機能へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ崩落ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【家ノ土台オ綺麗ニ保ッテシロアリオ防グ為ノ最新ノ自動床下換気システム】ノヨウニ……!? イヤ、駆除剤オ注入サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ防虫力ト、極上ノ基礎環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ食イ破ルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ安心ト極上ノ頑丈サオ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーン床下」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……! 下位ノ公爵ドモガ浄化サレタ理由ガ、大公爵タル我ニモヨウヤク理解デキタ……!!』
かつて世界を脅かした空洞と食害の化身たる魔界の魔大公爵(一人目)は、アルドの「床下のガンコなシロアリ駆除と防湿・換気扇設置」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を食い尽くす禍々しい魔界の虚洞域は、気がつけば「世界の土台を美しく輝く巨大な防虫施設に変え、魔界のどんな害虫や湿気も一瞬で無害化し、極上の頑丈な基礎を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域防虫・無限クリーン床下インフラ(見た目は巨大で新築のようにピカピカに輝く純白の最新式床下換気扇と防湿コンクリート)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌な床のフカフカとシロアリのリスクは片付いて、すっごく綺麗でピカピカの防虫バッチリな土台になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちがシロアリ被害や床下のカビを気にせずに、どんなに重い家具を置いても安心な環境で笑顔で暮らせるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な家と頑丈な基礎を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドがインジェクターを片付けて額の汗を拭うと、虚洞域を覆っていたドス黒い湿気は一瞬にして晴れ渡り、点検口のカバーが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な床下換気扇と、澄み切った清らかな空気が広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域防虫・クリーン床下システムは、これより大陸全土の住宅維持・基礎基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。魔界の超大貴族・大公爵(一人目)からのシロアリ駆除代行費用の徴収も完了いたしました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、完全に大家さんとして定着した神々が「ほら見ろ、魔界の大公爵といえど、築二十年のシロアリ駆除扱いで根絶やしにされたぞ……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。
「これからは、どんな魔界のバケモノやガンコなシロアリが出ようが、社長の作業前に俺が全部『腐った柱のバール解体』してやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで魔界側の次元防衛・住宅基礎インフラ利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。魔界の大公爵級(一人目)による次元床下浸食侵攻を「シロアリ駆除および床下換気扇設置」として処理完了。世界を倒壊させる魔大公爵を事象の駆除剤とベイト剤で巣ごと根絶させ、立派な特大全自動広域防虫・無限クリーン床下システムへと改修完了。異常なし。以上。』
ゾルタンは非常に簡潔に、わずか数行で記録を終えた。魔界の最高戦力たる大公爵が現れようとも、社長の前では「5年に一度のシロアリ防除工事」という、住宅メンテナンスの定期スケジュールが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす魔界の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の住宅管理業務として処理されているのである。
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、魔界の大公爵すらもピカピカの床下換気扇の一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、シロアリ駆除お疲れ様! 今日の3時のおやつは、何層にも重なって頑丈な年輪みたいな、しっとり甘い『特製・大精霊のハチミツたっぷり・極上バウムクーヘン〜星屑のホイップクリームを添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるバウムクーヘンは、ことのほか生地のしっとり感とハチミツのコクが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただの床下のガンコなシロアリ駆除と防湿・換気扇設置」は、世界崩落の危機をただの住宅基礎メンテナンスとして解決し、魔界の大公爵(一人目)の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域防虫・無限クリーン床下インフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に魔界からの次元基礎防衛と住宅維持インフラの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
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