第204話:ただの屋根瓦のズレ補修と防水ルーフィングの張り替えと、魔界の腐天魔侯爵(同格)の強制全自動広域防雨・無限クリーンルーフインフラ化
第204話:ただの屋根瓦のズレ補修と防水ルーフィングの張り替えと、魔界の腐天魔侯爵(同格)の強制全自動広域防雨・無限クリーンルーフインフラ化(総合ライフサポート企業の屋根・雨漏り修繕業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうとした創造神や天界の神々が、「気さくで働き者の大家さんたち」としてすっかり定着し、前回の作業でピカピカになった外壁を満足げに眺めながら、朝のラジオ体操を元気よくこなしている。宇宙の真理からすれば、もはやツッコミを入れる気すら起きないほど平和で家庭的な光景が広がっていた。
そんな中、キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、芳醇なバターと小麦粉が炒められる甘美な香りと、濃厚なチーズが焦げる暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大家の神々の皆さんも一緒に食べる『幻獣ズワイガニと大精霊の特大ホタテの極上濃厚マカロニグラタン〜星屑の4種の熟成チーズをこんがり焼き上げて〜』だ。まずは、数百年熟成させた幻獣バターを鍋でじっくり溶かし、神仙小麦を焦がさないように炒めてから、天界牛の特濃ミルクを少しずつ加えて、ダマ一つないシルクのように滑らかな『究極のベシャメルソース』を作る! そこへ、幻獣ズワイガニの極太の脚肉をほぐしたものと、大精霊の清流で育った拳ほどもある特大ホタテのソテーを、これでもかと大量に投入するんだ! カニの強烈な旨味とホタテの出汁が、濃厚なホワイトソースに限界まで溶け込んでいく。茹でたてのモチモチした神仙マカロニを絡めて耐熱皿にたっぷりと盛り付け、その上にチェダー、モッツァレラ、ゴーダ、パルミジャーノの『星屑の4種チーズ』を山のように乗せる。これを魔法のオーブンに入れ、表面のチーズがグツグツと泡立ち、黄金色の焦げ目がつくまで一気に焼き上げるんだ! 仕上げに、天界パセリを散らして彩りを添える。……熱々のうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、圧倒的なチーズと海鮮の香りを放つ特大のグラタン皿をダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、外でラジオ体操を終えた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、目を輝かせて席に着いた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣ズワイガニのアミノ酸と特大ホタテのタウリンが全身の魔力回路を限界突破させ、特濃ベシャメルソースと4種チーズの暴力的なカルシウムと脂質が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高のオーブン料理フルコース』である。
「うむ……! この黄金色に焦げた表面のチーズにスプーンを突き立てた瞬間に響き渡る『パリッ!』という快音と、中からマグマのように溢れ出す熱々のホワイトソースの視覚的ビッグバン! フーフーと息を吹きかけて口に運べば、カニとホタテの暴力的なまでの海鮮の旨味が濃厚なミルクのコクと完璧に混ざり合い、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 焦げたチーズの香ばしさとモチモチのマカロニが奇跡のハーモニーを奏で、我が最高福利厚生責任者の職務が、真冬の洋食店で至福のグラタンを貪る美食家のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、スプーンを持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて熱々のグラタンに感涙して咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上ストレートティーが振る舞われた後。
アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える大宇宙最強の経営陣。
しかし、優雅な空気を切り裂くように、リビングの天井付近から「ポタッ……ピチャッ……」という不快な水滴の音と共に、酸っぱくてカビ臭い湿気が漂ってきた。見上げれば、真っ白だった天井の壁紙にドス黒いシミが広がり、そこから禍々しい酸性のしずくが滴り落ちていたのである。
「……ねえ。今朝からなんだけど、天井から『すごくタチの悪い酸っぱい水』が垂れてきて、壁紙に真っ黒なシミができてるんだよね。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが次元の底の『奈落の魔界』から、前回の外壁を壊しに来た侯爵と実力が拮抗している、同格の『魔界侯爵(屋根と酸性雨の支配者)』の仕業だってわかる。魔界の侯爵級は激戦区だから、壁がダメなら次は上から攻めようってことで、二人目の侯爵が名乗りを上げたみたいだね。完全に屋根瓦がズレて防水シートが破れたせいで発生する、タチの悪い雨漏りと天井裏の腐敗被害だよ」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「天井のシミと酸っぱい雨漏り」。それはすなわち、外壁の魔侯爵の敗北を受け、魔界の同位貴族たる『腐天の魔侯爵・アシッド・レイン』が、無数の雨漏り魔獣と腐食の酸性雨を率いて世界の次元の屋根(天蓋)を完全に腐らせ、世界を上空からドロドロに溶かして滅ぼそうとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。
しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界を雨漏りや天井のシミの心配がない、どんな土砂降りでも絶対に水を防ぐ頑丈な屋根に守られた極上の安全空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。
「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた魔界・侯爵級(同格)の侵攻と、次元屋根の雨漏り被害……間違いありませんね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「我が社の情報網にも、奈落の魔界から二人目の侯爵級の出陣報告が届いております。天蓋と腐食を司る『腐天の魔侯爵・アシッド・レイン』が、猛毒の酸性雨(致死の溶解液)を降らせ、我々の世界の次元屋根の瓦をズラし、防水層を破って浸水しようとしております。さらにタチの悪いことに、その魔侯爵が生み出す『腐水のしずく魔獣ども(※触れるものの次元と建材をドロドロに溶かすスライム状の魔獣群)』が天井裏から溢れ出し、人々の街の家屋に雪崩れ込んでは、全てを絶望の水没と腐敗の底に沈めようと暴れ回っております」
「なるほど! やっぱり長年の台風や強風で屋根瓦がズレて、その下にある防水シート(ルーフィング)が破れた隙間から、タチの悪い酸性雨の親玉(同格の魔侯爵)が入り込んでるんだね!」
アルドはバインダーの報告書を見て、プロの屋根・雨漏り修繕業者としての血を騒がせた。
「僕の力なら魔界の侯爵なんて一瞬で蒸発させられるけど、ガンコな雨漏りの対応はやっぱり、屋根に登ってズレた古い瓦を一度全部剥がし、破れた下地の上に最新の『超強力・改質アスファルトルーフィング(防水シート)』を隙間なくタッカーで打ち込んで敷き詰める! そして新しい『神仙の高耐久・防災瓦』を一枚一枚ガッチリと噛み合わせて並べ、漆喰で隙間を完全に埋めて、物理的に一滴の水も通さない完璧な屋根に葺き替えるのが一番確実で家が長持ちするからね! このまま放置すれば、家(世界)中の天井が落ちてきて水浸しになっちゃう。安全で快適な居住環境を守るためにも、屋根をキッチリ修繕して、極上の防雨インフラにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。屋根裏に巣食う鬱陶しいしずくども(魔獣の群れ)と、腐って使い物にならない古い屋根板の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のバールとハンマーで一つ残さず引っ剥がし、完璧な『下地処理(既存屋根材の撤去)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型の解体バールのように構えて不敵に笑う。
「ええ。魔侯爵が撒き散らすガンコな酸っぱいカビ臭と酸性雨の瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力中和・乾燥魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、ルーフィングがしっかり密着する乾燥した施工環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、雨漏りの汚水が室内の家具を濡らしたり、屋根からの転落事故が起きないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、室内に完璧なブルーシートの室内養生と、屋根の周囲に安全帯用親綱ネット(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 屋根の上の作業は滑って落ちると危ないし、室内が水浸しになると大変だから、しっかり養生と安全帯の確保をして安全第一で作業しようね!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の酸性雨を完全に弾く特製屋根修繕用・滑り止め付き防水足袋とツナギ、ヘルメット)に着替え、手には巨大な「事象遮断の神仙アスファルトルーフィング」と、プロ仕様の「因果固定の神仙タッカー(ホッチキス)」、そして「絶対防雨の神仙防災瓦」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『屋根・雨漏り修繕道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの天井のシミと雨漏りの悩みを解決するために、邪魔な隙間を塞いで、屋根を優良なクリーンルーフにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、屋根修繕仕様に改造された魔導高所作業車(大量の防水シートと瓦搭載)に乗り込み、空間がドス黒い酸性雨とシミに覆われつつある次元の天蓋『魔界の腐天域』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、次元の天蓋『魔界の腐天域』の中心部。
世界の次元屋根を酸性雨で溶かし、全ての存在を永遠の水没と腐敗の底に沈める『腐天の魔侯爵・アシッド・レイン』が、空を覆い尽くすほどの巨大なドス黒い雨雲と腐水の塊として蠢き、傲慢な雷雨の音を響かせていた。
「ザァァァァッ……!! 素晴らしいぞ! 外壁の侯爵が敗れようとも、我ら同格の上位貴族・腐天の溶解力の前では、この軟弱な世界の屋根など容易く穴だらけに溶け落ちる! 我が致死の酸性雨さえあれば、地上の次元天蓋など一瞬で腐り落ち、永遠の雨漏りに絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の浸水を!」
魔侯爵は、巨大な雨雲の奥からドス黒い猛毒の酸を放ち、無数の腐水のしずく魔獣たちを次元の天井裏へと放った。
「愚かな地上の生命どもめ。我ら魔界の侯爵が上空を陣取ったからには、もはやこの世界のどこにも雨をしのげる安全な家などないと知れ! さあ、もっとだ! 全ての屋根瓦をズラし、防水シートを溶かし、大陸全土を永遠の腐海へと沈めよ!」
「我ら侯爵級の腐天の力は絶対だ! この魔界の腐天域まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」
――キキィィィィッ!! ガシャンッ!!
魔侯爵が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な酸性雨が吹き荒れる腐天域のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導高所作業車)が、神話級の猛毒と豪雨をものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。
そして、作業車のゴンドラから、防水ルーフィングとタッカーを持った青年の明るくも呆れた声が、魔界の雷雨のノイズを完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 屋根のガンコな雨漏りさん(魔侯爵)、防水シートの張り替えと瓦の葺き替え工事に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい瓦のズレっぷりと、天井裏に湧いてるタチの悪い酸っぱい水滴(しずく魔獣)だね! 台風の後の点検をサボってこんなに下地を腐らせるなんて、建物の維持管理の怠慢も甚だしいよ。こりゃ徹底的に古い屋根材の撤去とルーフィングの敷き直しのしがいがあるや!」
アルドは、防水足袋の紐をキュッと締め直しつつ、プロの屋根修繕業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対腐敗領域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」
魔侯爵が驚愕の酸性雨ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「修繕・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながら滑りやすい屋根の上へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい屋根裏に湧いたしずくども(魔獣の群れ)と、腐ってブヨブヨになった古い屋根板から、綺麗に『下地処理・剥がし作業』して差し上げましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の酸性雨の中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ魔界侯爵ヲ『屋根の雨漏りとズレた瓦』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガしずく魔獣群デ、貴様ラノ防壁ヲ上カラ永遠ニドロドロニ溶カシテクレルワ!」
魔侯爵の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い酸性雨と溶解の呪力を纏った魔獣群が、一斉にアルドたちに向かって致死の腐食弾を放ちながら降り注いできた。
「うわっ、この酸っぱい雨たち、すっごく腐食性が強くて新しいフローリングまでシミにしようとしてる! 放置してたら家が倒壊しちゃうぞ!」
アルドは、降り注ぐ魔獣の群れを「劣化した屋根から侵入したタチの悪い酸性の雨水」と完全に認識し、神仙ルーフィングのロールをカチャリと構えた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『屋根瓦のズレと雨漏り被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は屋根の修繕業者として、こいつらを完璧に防水して新築みたいに水はけを良くするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の屋根修繕現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。室内の家具が濡れないためのブルーシート養生と、屋根からの転落を防ぐため、まずは私が完璧に室内防水隔離と親綱ネットを張り巡らせます」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、魔界の腐天域と室内の周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――バサッ! ピィィィィンッ!
瞬間、室内の家具や家電全体をすっぽりと覆うように分厚いブルーシートが展開され、屋根の周囲には透明で絶対的な強度を誇る『神仙の高所作業用・安全ネット結界』が展開された。これで、致死の猛毒の酸性雨や水滴は一ミリたりとも大切な家具を濡らすことはなく、転落の危険もなくなった。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は魔界が撒き散らすガンコな酸っぱいカビ臭と酸性雨の瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に強力中和・乾燥処理いたしますわ!」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光アルカリ乾燥魔法』が、超強力な天日干しの光の熱風となって周囲の狂気の酸性雨を包み込み、一気に中和してカラカラに乾燥させた。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を溶かす猛毒の酸性雨は、その浄化の光の熱風を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でルーフィングがしっかり密着するカラカラの下地へと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただの水滴や腐った屋根板など、ただのバールのマトだ! そして、邪魔な古い瓦と下地は俺が綺麗に引っ剥がしてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化したしずくの群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「屋根裏腐敗浸水魔獣解体撤去斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、しずく魔獣と古い屋根材の「因果の隙間」を完璧に見切り、まるで腐ってズレた古い瓦と破れた防水シートを専用のバールでメキメキッ!と綺麗に剥がし取るかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に粉砕し、屋根の骨組みを丸裸にしてしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノしずく魔獣軍団ト絶対ノ溶解力ガ、タダノ『乾燥魔法』ト『バール解体』ノ前ニ、一瞬デ防水シートガ張リヤスイ完璧ナ下地ニサレテイクゥゥッ!?」
魔侯爵は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただのゴミ」として撤去され、本体の急所(巨大な雨漏りの穴)が露わになった光景に、驚愕のあまり巨大な雨雲の体を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで安全確保と古い屋根の撤去は完璧だね! あとは、あの一番デカくて雨漏りの原因になってる『ガンコな穴の親玉』の隙間に、事象遮断の神仙アスファルトルーフィングをコロコロッと下から順に重ねて敷き詰め、因果固定の神仙タッカーでバチンッ!バチンッ!と隙間なく打ち込んで完全防水にし、最後に絶対防雨の神仙防災瓦をガッチリと並べて漆喰で固めるだけだ!」
アルドは、特製『事象遮断の神仙アスファルトルーフィング』の重いロールを魔侯爵の巨大な本体(次元の溶解と雨漏りの中核)へと向けて構え、足袋で屋根を蹴って突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙アスファルトルーフィングは星の因果の浸水を物理的に遮断して弾き返す絶対事象防水ツールであり、神仙防災瓦は大宇宙のいかなる次元の魔界の侯爵や神話級の猛毒の酸性雨すらも、物理的に『強靭な瓦の噛み合わせで雨風を完全に防ぐ』だけで完璧に無害化し、極上の雨音すら心地よい鉄壁の屋根を取り戻す『究極の屋根修繕ツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ天井ヲ溶カシ尽クス『終焉ノ絶対豪雨』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ水没ノ底ニ沈メテクレルワ!」
魔侯爵が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを溶かし尽くす超巨大な猛毒の酸性雨の滝を放ってきた。
「うわっ! 空の穴から、すっごく強烈でタチの悪い土砂降りが降ってきた! でも、この特製防水ルーフィングと防災瓦の前には、どんなに酷い雨漏りも一発で完全にシャットアウトだ!」
アルドが魔侯爵の巨大な雨漏りの穴(世界の天蓋の裂け目)に向けて神仙アスファルトルーフィングのロールを転がし、下側から上側へ向かって「コロコロコロッ」と定規を当てたように真っ直ぐに敷き詰めていく。事象の浸水(魔界の魔力圏)の隙間に、絶対に水を通さない神仙のシートが重なり合いながら覆い被さる。
そして、シートがズレないように因果固定の神仙タッカー(巨大ホッチキス)を打ち込み、「バチンッ! バチンッ!」とリズミカルに、かつ強固に屋根の下地へ固定していく。
完全に防水層ができたその上から、アルドは絶対防雨の神仙防災瓦を一枚ずつ「ガチャン、ガチャン」とパズルのように完璧に噛み合わせて並べ、棟の部分には真っ白な神仙の漆喰をコテで「スーッ」と隙間なく塗り込んでいく。こびりついた魔界の魔力ごと完璧に強靭な瓦でコーティングされ、眩く輝く平和で絶対に一滴の雨も通さない、新築のようにピカピカのクリーンルーフへと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒豪雨ガ、タダノ防水ルーフィングデ遮断サレ、タッカーデ因果ゴト打チ込マレ、防災瓦デ一ミリモ世界ニ雨ヲ降ラセラレナクナッタだトォォォッ!?」
「よし、ガンコな屋根の穴は完全に防水シートで塞がって、防災瓦もガッチリ噛み合わさってすっごく頑丈な屋根になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域防雨&無限クリーンルーフシステム』を屋根の裏側にカチッと取り付けて……あ、そうだ。この雨漏りの親玉、綺麗に防水シートを張って瓦を葺き替えたら、凄く強力で絶対に雨漏りしない、巨大な全自動の広域防雨・無限クリーンルーフインフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、魔界の有害な酸性雨や腐敗を完全に弾き返して浄化し、代わりに極上の安全な守りと無限の心地よい雨音だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域防雨&無限クリーンルーフインフラ』にできそうだよ!」
アルドが魔侯爵の本体であった屋根裏に専用の調湿・防水ユニットを施し、事象調律のスイッチを「24時間自動防水・超耐久防風雨モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な屋根施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた魔界の禍々しい腐敗と酸性雨の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな防雨エネルギーと無限の防水機能へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ水没ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【家ノ中オ雨風カラ守ッテ快適ニサセル為ノ最新ノ防水ルーフィングト防災瓦】ノヨウニ……!? イヤ、タッカーデ打チ込マレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ防雨力ト、極上ノ居住環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ溶カスノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ安心ト極上ノ雨宿リオ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーンルーフ」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……! 外壁ノ侯爵ガ抗エナカッタ理由ガ、同格タル我ニモヨウヤク理解デキタ……!!』
かつて世界を脅かした腐敗した天蓋と酸性雨の化身たる魔界の魔侯爵(二人目)は、アルドの「屋根瓦のズレ補修と防水ルーフィングの張り替え」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を溶かす禍々しい魔界の腐天域は、気がつけば「世界の天蓋を美しく輝く巨大な屋根施設に変え、魔界のどんな酸性雨や雨漏りも一瞬で無害化し、極上の頑丈な屋根を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域防雨・無限クリーンルーフインフラ(見た目は巨大で新築のようにピカピカに輝く純黒の高耐久防災瓦と防水シート)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌な天井のシミと雨漏りのリスクは片付いて、すっごく綺麗でピカピカの防水バッチリな屋根になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが屋根の劣化や雨漏り修繕費用を気にせずに、どんな台風の日でも安心な環境で笑顔で頑丈な家で暮らせるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの安全な住まいと綺麗な天井を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドがタッカーを片付けて額の汗を拭うと、腐天域を覆っていたドス黒い酸性雨の雲は一瞬にして晴れ渡り、ブルーシートが魔法のように片付けられ、眼下には美しく輝く奇跡の巨大な瓦屋根と、澄み切った清らかな青空が広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域防雨・クリーンルーフシステムは、これより大陸全土の建築・屋根基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。魔界の上位貴族・侯爵(同格)からの屋根修繕代行費用の徴収も完了いたしました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、完全に大家さんとして定着した神々が「ほら見ろ、魔界の侯爵が二人来ようが、外壁塗装と屋根の張り替えのセット工事扱いで防水されたぞ……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。
「これからは、どんな魔界のバケモノやガンコな古い瓦が出ようが、社長の作業前に俺が全部『バールで引っ剥がし』してやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで魔界側の次元防衛・屋根修繕利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。魔界の侯爵級(二人目)による次元屋根腐敗侵攻を「屋根瓦のズレ補修および防水ルーフィング張り替え」として処理完了。世界を水没に沈める魔侯爵を事象の防水シートとタッカーで遮断・固定させ、立派な特大全自動広域防雨・無限クリーンルーフシステムへと改修完了。異常なし。以上。』
ゾルタンは非常に簡潔に、わずか数行で記録を終えた。魔界の上位貴族たる侯爵が二人束になって現れようとも、社長の前では「外壁塗装のついでに行う屋根の防水工事」という、リフォームのセットプランが一つ消化された程度の意味しか持たない。大宇宙を揺るがす魔界の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常の住宅メンテナンス業務としてルーティン化されているのである。
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、魔界の侯爵すらもピカピカの防水シートの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、屋根の修繕お疲れ様! 今日の3時のおやつは、重なり合った屋根瓦みたいに綺麗に並べた『特製・大精霊の完熟リンゴをたっぷり使った極上サクサク・アップルパイ〜星屑のバニラアイスを添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるアップルパイは、ことのほかパイ生地のサクサク感とリンゴの甘酸っぱさが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただの屋根瓦のズレ補修と防水ルーフィングの張り替え」は、世界水没の危機をただの屋根修繕メンテナンスとして解決し、魔界の侯爵(同格)の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域防雨・無限クリーンルーフインフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に魔界からの次元天蓋防衛と屋根修繕の覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
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