第201話:ただのエアコン内部の徹底高圧洗浄とフィルター交換と、魔界の腐風魔伯爵の強制全自動広域空調・無限クリーンエアコンインフラ化
第201話:ただのエアコン内部の徹底高圧洗浄とフィルター交換と、魔界の腐風魔伯爵の強制全自動広域空調・無限クリーンエアコンインフラ化(総合ライフサポート企業の空調設備メンテナンス業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
リビングのソファでは、かつて全宇宙を滅ぼそうと幾度も襲い掛かってきた創造神や天界の神々が、「家賃(お供え物)を払って居候する気のいい大家さんたち」としてすっかり馴染み、肩を揉み合いながらワイドショーを見て寛いでいる。宇宙の真理からすれば発狂しそうなほど平和で家庭的な光景が、そこにはあった。
そんな中、キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、肉の脂が焦げる暴力的なまでの香ばしさと、赤ワインと肉汁が煮詰まったデミグラスソースの芳醇な匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、神々の皆さんも一緒に食べる『幻獣合挽き肉の極厚・溢れる肉汁ハンバーグ〜数百年熟成の神仙デミグラスソースと、天界のトロトロ炙りチーズを乗せて〜』だ。まずは、幻獣牛と幻獣黒豚の黄金比率で合わせた粗挽き肉に、飴色になるまで炒めた天界玉ねぎ、神仙牛乳に浸したパン粉、そして星屑のナツメグをたっぷりと加え、手のひらで空気を抜きながら極厚の小判型に成形する。これを神仙の極厚鉄板に乗せ、強火で両面にカリッと香ばしい焼き目をつけて肉汁を完全に閉じ込めるんだ! その後、魔法のオーブンで中までじっくり火を通す。ハンバーグを焼いた後の肉汁が残るフライパンに、大精霊の赤ワイン、幻獣牛の骨から三日三晩煮出したフォン・ド・ボー、そして特製ケチャップを加えて一気に煮詰め、黒光りするほど濃厚な『極上デミグラスソース』を仕上げる! 焼き上がった極厚ハンバーグを熱々の鉄板皿に乗せ、その上に天界の熟成チーズを乗せてバーナーでトロトロに炙る。最後に、この暴力的に美味いデミグラスソースをジュワァァァッ!と滝のように回しかけるんだ。付け合わせには、幻獣ジャガイモのホクホクマッシュポテトと、甘い天界ニンジンのグラッセ。……熱々のうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、圧倒的な肉汁とソースの香りを放つ特大のハンバーグプレートをダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、テレビを見ていた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、涎を拭いながら席に押し寄せた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣合挽き肉の圧倒的なアミノ酸と鉄分が全身の魔力回路を限界突破させ、デミグラスソースのコクとチーズの酵素が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の洋食フルコース』である。
「うむ……! この極厚ハンバーグにナイフを入れた瞬間に決壊する、透明な肉汁の視覚的・味覚的ビッグバン! 溢れ出した肉汁が濃厚なデミグラスソースとトロトロの炙りチーズに完璧に混ざり合い、すかさず大口で頬張れば、肉の暴力的な旨味とソースの深いコクが口の中で奇跡のハーモニーを奏でる! 溢れる肉汁をマッシュポテトに吸わせて残さずいただき、炊き立ての神仙米をかき込めば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 我が最高福利厚生責任者の職務が、昔ながらの高級洋食店で至福の大人様ランチを貪る子供のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、ナイフとフォークを持つ両手を震わせ、神々と肩を並べて感涙に咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上アイスコーヒーが振る舞われた後。
アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える大宇宙最強の経営陣。
しかし、優雅な空気を切り裂くように、リビングの壁に設置されたエアコンの吹き出し口から「ゴォォォ……カポッ、カポッ」という不快な異音と共に、カビとホコリが混ざったような生ぬるい悪臭の風が吹き出してきた。風と共に舞い落ちたホコリの塊には、禍々しい文字で新たな挑戦状が記されていた。
「……ねえ。今朝からなんだけど、エアコンの風が全然冷えなくて、生ぬるくてすごくカビ臭い風が出てるんだよね。しかもルーバーの奥を見たら、ホコリと真っ黒なカビがびっしりこびりついてる。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが次元の底の『奈落の魔界』から、前回の連続して現れた子爵たちの上に立つ、さらに高位の爵位『魔伯爵(空気と気温の支配者)』の仕業だってわかる。男爵、子爵とやられて、ついに魔界の『伯爵級』が重い腰を上げたみたいだね。完全にフィルター掃除と内部洗浄を何年もサボったせいで発生する、タチの悪いエアコンの内部汚染と機能低下だよ」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「エアコンから吹き出す生ぬるい悪臭と黒カビ」。それはすなわち、下級の男爵・子爵たちの相次ぐ敗北を受け、ついに魔界の上位貴族たる『腐風の魔伯爵・エアロ・ディケイ』が、無数の汚染魔獣と腐敗の風を率いて世界の気象と大気を完全に狂わせ、世界を灼熱と極寒、そして猛毒の胞子が吹き荒れる死の星へと変えようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。
しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界をホコリやカビの匂いのない、いつでも快適な温度と澄み切った空気が流れる極上の空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。
「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた魔界・伯爵級の侵攻と大気空調の汚染被害……間違いありませんね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「我が社の情報網にも、奈落の魔界から上位貴族たる伯爵の出陣報告が届いております。魔界の気象と大気を支配する『腐風の魔伯爵・エアロ・ディケイ』が、猛毒の腐風(致死のウィルスとカビ胞子)を撒き散らし、我々の世界の空調を完全に支配して腐らせようとしているのです。さらにタチの悪いことに、その魔伯爵が生み出す『黒埃のダニ魔獣ども(※触れるものの次元と肺を真っ黒に蝕む魔獣群)』がエアコンの吹き出し口から溢れ出し、人々の街に雪崩れ込んでは、全てを絶望の汚染大気の底に沈めようと暴れ回っております」
「なるほど! やっぱり季節の変わり目にエアコンの内部洗浄をサボったせいで、タチの悪い黒カビとホコリの親玉(魔伯爵)がアルミフィン(熱交換器)の奥深くまで根を張って、冷暖房の効率をガタ落ちさせてるんだね!」
アルドはバインダーの報告書を見て、プロの空調設備メンテナンス業者としての血を騒がせた。
「僕の力なら魔界の伯爵なんて一瞬で消し去れるけど、エアコンのガンコな内部汚れの対応はやっぱり、フロントパネルとカバーを全部外し、電子基板をしっかりタオルとテープで養生してから、専用の『洗浄用ホッパー(水受けシート)』を被せ、奥のアルミフィンとシロッコファンに『超強力・アルカリ洗浄剤』を吹き付けて汚れを浮かす! そして最後に『神仙の高圧洗浄機』で一気に真っ黒な汚水を洗い流し、最新の『防汚フィルター』を取り付けて、物理的に奥の奥までピカピカにして空気を綺麗にするのが一番確実で風が爽やかになるからね! このまま放置すれば、家(世界)中がウィルスだらけになって息もできなくなっちゃう。安全で快適な空調環境を守るためにも、エアコンをキッチリ分解洗浄して、極上のクリーン空調システムにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。吹き出し口にこびりついた鬱陶しいホコリども(魔獣の群れ)と、邪魔なエアコンの外装カバーの解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のドライバーと内張り剥がしで一つ残さず分解し、完璧な『下地処理(外装パーツの取り外し)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型の電動ドライバーのように構えて不敵に笑う。
「ええ。魔伯爵が撒き散らすガンコなカビ臭さとウィルスの瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力消臭・空気清浄魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、清潔な清掃環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、高圧洗浄の強烈な水しぶきや、真っ黒な汚水が壁や床の家具に飛び散らないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、現場の周囲に完璧なエアコン洗浄用ホッパーカバーと床面防水シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! エアコンの高圧洗浄は電子基板に水がかかるとショートして壊れちゃうし、真っ黒な水が垂れてくるから、しっかり基板の養生と水受けカバーのセッティングをして安全第一で作業しようね!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の腐風と高圧水流を完全に弾く特製空調清掃用・完全防水ツナギとゴーグル)に着替え、手には巨大な「事象分解の神仙エアコン洗浄剤」と、プロ仕様の「因果洗浄の神仙高圧洗浄機」、そして「絶対防汚の神仙スマートフィルター」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『空調設備メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちのカビ臭い風とエアコンの効きの悪さの悩みを解決するために、邪魔な奥の汚れを洗い流して、空調を優良なクリーンインフラにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、空調清掃仕様に改造された魔導サービスカー(超大型コンプレッサーと水タンク搭載)に乗り込み、空間がドス黒いカビの風とホコリに覆われつつある次元の空調室『魔界の腐風域』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、次元の空調室『魔界の腐風域』の中心部。
世界の大気を腐敗した風で満たし、全ての存在を永遠の悪臭と気象異常の底に沈める『腐風の魔伯爵・エアロ・ディケイ』が、空間を覆い尽くすほどの巨大な黒い竜巻として蠢き、傲慢な風切り音を響かせていた。
「ゴォォォォッ……!! 素晴らしいぞ! 下級の男爵や子爵どもが敗れようとも、我ら上位貴族たる伯爵の大気支配力の前では、この軟弱な世界など容易くカビの暴風域へと変貌する! 我が致死の腐風さえあれば、地上の生命など一瞬で肺を冒され、永遠の息苦しさに絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の空調を!」
魔伯爵は、巨大な竜巻の目からドス黒い猛毒の胞子とウィルスを放ち、無数の黒埃のダニ魔獣たちを次元の吹き出し口へと放った。
「愚かな地上の生命どもめ。我ら魔界の伯爵が空調を握ったからには、もはやこの世界のどこにも爽やかな風など吹かないと知れ! さあ、もっとだ! 全てのアルミフィンとファンを真っ黒なホコリで塞ぎ、大陸全土を永遠の腐風の底に変えよ!」
「我ら伯爵級の大気支配力は絶対だ! この魔界の腐風域まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」
――キキィィィィッ!! ガッシャァァンッ!!
魔伯爵が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な悪臭の風が吹き荒れる腐風域のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導サービスカー)が、神話級の猛毒と暴風をものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。
そして、作業車のドアが「ガラッ」と無遠慮に開け放たれ、高圧洗浄機のノズルと洗浄剤を持った青年の明るくも呆れた声が、魔界のノイズを完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! エアコンのガンコな内部汚れさん(魔伯爵)、完全分解高圧洗浄とフィルター交換工事に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどいアルミフィンの目詰まりっぷりと、シロッコファンにこびりついてるタチの悪い黒カビホコリ(ダニ魔獣)だね! 定期的なメンテナンスをサボってこんなにホコリを溜め込むなんて、電気代の無駄遣いと健康被害も甚だしいよ。こりゃ徹底的に分解洗浄と高圧水洗いのしがいがあるや!」
アルドは、防水ゴーグルをカチッと装着しつつ、プロの空調清掃業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対腐風領域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」
魔伯爵が驚愕の腐敗暴風ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながらホコリまみれの空間へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい吹き出し口にこびりついたホコリども(魔獣の群れ)と、邪魔な外装カバーから、綺麗に『下地処理・分解作業』して差し上げましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の腐風の中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ魔界伯爵ヲ『エアコンの内部汚れとホコリ』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガダニ魔獣群デ、貴様ラノ肺ヲ永遠ニ黒ク染メ上ゲテクレルワ!」
魔伯爵の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒いホコリと腐敗風を纏った魔獣群が、一斉にアルドたちに向かって致死の汚染弾を放ちながら襲い掛かってきた。
「うわっ、このホコリたち、すっごくアレルギー成分たっぷりで新しいソファーまで真っ白に汚そうとしてる! 放置してたら咳が止まらなくなっちゃうぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の群れを「エアコンの奥で結露と結びついて異常繁殖したタチの悪い黒カビとホコリの塊」と完全に認識し、神仙高圧洗浄機のトリガーに指をかけた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『エアコンの内部汚染と空調不良被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は清掃業者として、こいつらを完璧に洗い流して澄み切った空気にするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常のエアコン清掃現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。高圧洗浄の水しぶきや真っ黒な汚水が周囲の街に漏れ出ないよう、まずは私が完璧にエアコン洗浄用ホッパーカバーと床面防水シートを張ります」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、魔界の腐風域と魔伯爵の周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――ピィィィィンッ!
瞬間、空間全体をすっぽりと覆うように、漏斗状の透明で絶対的な強度を誇る『神仙のエアコン洗浄用水受け結界』が展開され、排水ホースが安全な場所へと導かれた。これで、致死の猛毒のホコリや真っ黒な汚水は一ミリたりとも外の世界へ漏れ出すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は魔界が撒き散らすガンコなカビ臭さとウィルスの瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に空気清浄・消臭処理いたしますわ!」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光空気清浄魔法』が、超強力なプラズマクラスターの光のイオンとなって周囲の狂気のカビ胞子を包み込み、一気に浄化して無臭にした。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を腐らせる猛毒の胞子は、その浄化の光のイオンを浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害で爽やかな無菌の空気へと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただのホコリや邪魔な外装カバーなど、ただのドライバーのマトだ! そして、邪魔なガワは俺が綺麗に引っ剥がしてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「空調外装被膜魔獣解体分解斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、ダニ魔獣と外装ボディの「因果の隙間」を完璧に見切り、まるでエアコンのフロントパネルやルーバーを専用の工具でパキッ、パキッ!と綺麗にツメを折らずに取り外すかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に分解し、内部のアルミフィンを丸裸にしてしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノダニ魔獣軍団ト絶対ノ防壁ガ、タダノ『空気清浄』ト『パネル外シ』ノ前ニ、一瞬デ丸裸ニサレテイクゥゥッ!?」
魔伯爵は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただのパーツ」に変わり、本体の急所が露わになった光景に、驚愕のあまり巨大な竜巻の体を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで外装の分解と基板の養生は完璧だね! あとは、あの一番デカくて風の通り道を塞いでいる『ガンコな内部汚れの親玉』のアルミフィンとシロッコファンに、事象分解の神仙エアコン洗浄剤をシュパシュパッ!と吹きかけて汚れを根こそぎ浮かせ、因果洗浄の神仙高圧洗浄機で一気に真っ黒な汚水を洗い流し、最後に絶対防汚の神仙スマートフィルターをカチッとはめ込んで試運転するだけだ!」
アルドは、特製『因果洗浄の神仙高圧洗浄機』のノズルを魔伯爵の巨大な本体(次元の大気汚染と内部汚れの中核)へと向けて構え、突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙洗浄剤と高圧洗浄機は星の因果の腐敗を物理的に分解し水圧で吹き飛ばす絶対事象清掃ツールであり、神仙スマートフィルターは大宇宙のいかなる次元の魔界の伯爵や神話級の猛毒の胞子すらも、物理的に『ミクロの網目でキャッチして空気を浄化する』だけで完璧に無害化し、極上の澄み切った微風を取り戻す『究極の空調メンテナンスツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ大気ヲ腐ラセル『終焉ノ絶対腐風』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ窒息ノ底ニ沈メテクレルワ!」
魔伯爵が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを汚染する超巨大な猛毒のホコリの暴風を放ってきた。
「うわっ! アルミフィンの奥から、すっごくガンコな真っ黒いホコリの塊が吹き出してきた! でも、この特製洗浄剤と高圧洗浄機の前には、どんなに酷い汚れも一発で真っ白に丸洗いだ!」
アルドが魔伯爵の巨大な熱交換器(世界の空調のコア)に向けて神仙エアコン洗浄剤を「シュパシュパッ!」と隙間なく吹き付け、事象の黒カビ(魔界の魔力圏)をドロドロに浮かせる。
そして、コンプレッサーのスイッチを入れ、因果洗浄の神仙高圧洗浄機のトリガーを引く。「ビシャァァァァッ!!」という強烈な水圧がアルミフィンの隙間に突き刺さり、頑固な魔力が真っ黒な墨汁のような汚水となって、シノンの張ったホッパーカバーを伝ってバケツへとドバドバと流れ落ちていく。
仕上げに、完全に銀色の輝きを取り戻した本体に、絶対防汚の神仙スマートフィルターを「カチッ」とはめ込み、リモコンのスイッチを『冷房・強』に入れる。すると、「フォォォォォ……」という静かで力強い風の音と共に、こびりついた魔界の魔力ごと完璧に洗い流され、眩く輝く平和でカビの匂いが一切しない極上のクリーン空調へと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒腐風ガ、タダノ洗浄剤デ浮カサレ、高圧洗浄機デ因果ゴト真ッ黒ナ汚水トシテ流サレテ、一ミリモ世界ニ悪臭ヲ放テナクナッタだトォォォッ!?」
「よし、ガンコな内部の黒カビは真っ黒い水になって流れ落ちて、フィルターも新品になってすっごく風が爽やかになったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域空調&無限クリーンエアコンシステム』を基板にカチッと取り付けて……あ、そうだ。この空調の親玉、綺麗に丸洗いしてフィルターをつけたら、凄く強力で絶対にホコリが溜まらない、巨大な全自動の広域空調・無限クリーンエアコンインフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、魔界の有害な腐風やウィルスを完全にろ過して浄化し、代わりに極上の快適な温度と無限の澄み切った空気だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域空調&無限クリーンエアコンインフラ』にできそうだよ!」
アルドが魔伯爵の本体であった場所に専用のスマートリモコンを施し、事象調律のスイッチを「24時間自動洗浄・快適温度キープモード・ON」にピッ!と操作して巨大な空調施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた魔界の禍々しい腐風と黒カビの魔力は、瞬く間に安全でクリーンな気象エネルギーと無限の空調機能へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ窒息ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【部屋ノ温度オ快適ニ保ッテ空気オ綺麗ニスル為ノ最新ノ自動お掃除機能付きエアコン】ノヨウニ……!? イヤ、高圧洗浄サレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ空調力ト、極上ノ大気環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ腐ラセルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ快適サト極上ノ深呼吸オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーンエアコン」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……! 下級貴族ドモガ抗エナカッタ理由ガ、伯爵タル我ニモヨウヤク理解デキタ……!!』
かつて世界を脅かした腐敗した大気と黒カビの化身たる魔界の魔伯爵は、アルドの「エアコン内部の徹底高圧洗浄とフィルター交換」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を腐敗させる禍々しい魔界の腐風域は、気がつけば「世界の気象を美しく輝く巨大な空調施設に変え、魔界のどんなウィルスや悪臭も一瞬で無害化し、極上の爽やかな風を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域空調・無限クリーンエアコンインフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の最新式大型エアコンと室外機群)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌な生ぬるい風と悪臭の被害は片付いて、すっごく綺麗でピカピカの自動お掃除機能付きエアコンになったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちがホコリや電気代を気にせずに、いつでも安心な環境で笑顔で快適な温度で暮らせるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの健康な呼吸と快適なお部屋の温度を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドが高圧洗浄機を片付けて額の汗を拭うと、腐風域を覆っていたドス黒いカビの胞子は一瞬にして晴れ渡り、眼下には美しく輝く奇跡の巨大エアコンと、澄み切った清らかな適温の空気が広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域空調・クリーンエアコンシステムは、これより大陸全土の気象・大気基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。魔界の上位貴族・伯爵からのクリーニング代行費用の徴収も完了いたしました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、完全に大家さんとして定着した神々が「ほら見ろ、魔界の伯爵といえど、数年放置したエアコンの汚れ扱いで洗い流されたぞ……」とドン引きしながらも拍手喝采を送っている。
「これからは、どんな魔界のバケモノやガンコな内部汚れが出ようが、社長の作業前に俺が全部『外装カバーのツメ折り無し分解』してやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで魔界側の気象・空調利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。魔界の伯爵級による大気汚染侵攻を「エアコン内部の徹底高圧洗浄およびフィルター交換」として処理完了。世界を腐敗の暴風に沈める魔伯爵(魔界の上位貴族)を事象の高圧洗浄機と防汚フィルターで丸洗い・ろ過させ、立派な特大全自動広域空調・無限クリーンエアコンシステムへと改修完了。異常なし。以上。』
ゾルタンは非常に簡潔に、わずか数行で記録を終えた。もはや魔界の下級貴族のみならず、上位貴族たる伯爵が現れようとも、社長の前では「季節の変わり目の大掃除案件(エアコン高圧洗浄)」としてあっさり消化されるのみである。大宇宙を揺るがす魔界の脅威など、黄昏の守護者の前では永遠に日常のハウスクリーニング業務としてルーティン化されているのである。
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、魔界の伯爵すらも自動お掃除エアコンの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、エアコン掃除お疲れ様! 今日の3時のおやつは、涼しくなったお部屋にぴったりの、キンキンに冷えた『特製・大精霊のミントと幻獣レモンの極上さっぱりシャーベット〜星屑の炭酸水を添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるシャーベットは、ことのほかレモンの酸味と冷たさが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただのエアコン内部の徹底高圧洗浄とフィルター交換」は、世界大気汚染の危機をただの空調メンテナンスとして解決し、魔界の伯爵の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域空調・無限クリーンエアコンインフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に魔界からの気象防衛と空調環境の覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
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