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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第198話:ただの庭のガンコな雑草の草むしりと防草シート敷きと、魔界の浸食魔子爵の強制全自動広域緑化・無限クリーンガーデンインフラ化

第198話:ただの庭のガンコな雑草の草むしりと防草シート敷きと、魔界の浸食魔子爵の強制全自動広域緑化・無限クリーンガーデンインフラ化(総合ライフサポート企業の造園・庭の手入れ業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 城塞の庭先では、かつて全宇宙を滅ぼそうとした創造神や天界の神々が、「大家さん」や「町内会」としてすっかり改心し、竹箒を持ってニコニコと落ち葉掃きを手伝うという、宇宙の真理からすれば卒倒しそうなほど平和な光景が広がっていた。

 そんな中、キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、数十種類のスパイスがバターと共に炒められる暴力的なまでの香りと、タンドール窯で小麦が香ばしく焼ける匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、神々の皆さんも一緒に食べる『幻獣バターと天界完熟トマトの極上無水バターチキンカレー〜焼きたて神仙小麦のトロトロ・チーズクルチャを添えて〜』だ。まずは、幻獣鶏のモモ肉を、大精霊の濃厚ヨーグルトと神仙のガラムマサラ、すりおろしニンニクで一晩じっくりマリネしておく。そして鍋に数百年熟成させた幻獣バターをたっぷりと溶かし、天界の完熟トマトを形がなくなるまで煮詰めるんだ。水を一滴も使わず、トマトの水分と鶏肉の旨味だけで煮込んだルーに、最後に天界牛の濃厚な生クリームをジュワァァァッ!と回しかけて、極限までマイルドでコク深い黄金のカレーに仕上げる! 一方、主食のナンは、神仙小麦で練り上げた生地の中に、幻獣の森で採れた数種類の熟成チーズを限界まで詰め込み、超高温の魔法タンドール窯の壁面にペタッと貼り付けて一気に焼き上げる! 表面はパリッと香ばしく、中はモチモチで、ちぎった瞬間に滝のようにチーズが溢れ出す『極上チーズクルチャ』の完成さ! 付け合わせには、天界キュウリとヨーグルトのさっぱりとしたライタ(サラダ)。……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、圧倒的なスパイスとバターの香りを放つ特大のカレーポットと、山積みのチーズクルチャをダイニングテーブルに運ぶと、神竜ポチや星狼シロはもちろん、窓の外から覗き込んでいた創造神たちまでもが、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、涎を垂らして合掌していた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣鶏の圧倒的なアミノ酸とトマトのリコピンが全身の魔力回路を限界突破させ、スパイスの薬効成分が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高のインド料理フルコース』である。

「うむ……! この熱々のチーズクルチャをちぎった瞬間に溢れ出す、黄金チーズの視覚的ビッグバン! それを濃厚なバターチキンカレーにたっぷりと浸して口に運べば、バターの暴力的なコクとトマトの酸味、そしてスパイスの香りがチーズの塩気と完璧に絡み合い、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! すかさずホロホロに崩れる幻獣鶏肉を頬張れば、ヨーグルトの爽やかな酸味が鶏の旨味を極限まで引き上げている! 我が最高福利厚生責任者の職務が、マハラジャの宮殿で至福の晩餐を貪る王族のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、ナンを持つ両手を震わせ、あまりの美味さにワナワナと肩を震わせて感涙に咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上チャイが振る舞われた後。

 アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える大宇宙最強の経営陣。

 しかし、平和な空気を切り裂くように、窓の外から「ミシミシッ……」「ゴゴゴ……」という不気味な音と共に、ドス黒い瘴気を放つ異常に成長の早いツル性の植物が、庭のフェンスを乗り越えて窓ガラスにへばりついてきた。植物の葉の表面には、禍々しい文字で『前回の男爵の敗北は我ら魔界の恥。次なるは子爵たる我が、貴様らの庭を死の茨で埋め尽くす』と記されていた。

「……ねえ。今朝からなんだけど、大家さんたち(神々)と和解して平和になったと思ったら、今度は庭に『すごく成長が早くてタチの悪いガンコな雑草』が大量に生えてきてるんだよね。僕の全知全能のセンサーで見ると、それが次元の底の『奈落の魔界』から、世界の土壌を通じて伝わってきているのがわかる。昨日の害虫(下級魔男爵)の駆除に続いて、今度は『魔界の階級社会で一つ上の爵位を持った連中が、雑草のフリをして庭を荒らしに来た』みたいだね。完全に放置された空き地から種が飛んでくる、タチの悪いご近所トラブルの雑草被害だよ」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「庭を覆い尽くす異常な雑草」。それはすなわち、昨日の最底辺たる男爵位の敗北を受け、魔界の厳格な階級社会において一つ上の地位を持つ『浸食の魔子爵・プラント・ベリアル』が、無数の魔界植物を率いて世界の土台を根に絡め取り、世界を猛毒の茨で物理的に締め上げて滅ぼそうとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。

 しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界を雑草やツタの絡まない、美しく手入れされた清潔な庭園にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。

「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた魔界・子爵級の侵攻と次元の緑化被害……間違いありませんね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「我が社の情報網にも、奈落の魔界からの次なる刺客の報告が届いております。魔界の爵位制度において男爵の上位に位置する『浸食の魔子爵・プラント・ベリアル』が、猛毒の茨(致死の浸食魔力)を撒き散らし、我々の世界を物理的に締め上げようとしているのです。さらにタチの悪いことに、その魔子爵が生み出す『絞殺の魔ツタども(※触れるものの次元と生命力を吸い尽くす魔獣群)』が地面の裂け目から溢れ出し、人々の街に雪崩れ込んでは、全てを絶望の密林の底に沈めようと暴れ回っております」

「なるほど! やっぱり隣の空き地(魔界)から、ちょっとだけ偉ぶってるタチの悪い雑草(子爵)が根を伸ばしてきてるんだね!」

 アルドはバインダーの報告書を見て、プロの造園・庭の手入れ業者としての血を騒がせた。

「僕の力なら魔界の植物なんて一瞬で灰にできるけど、ガンコな雑草の対応はやっぱり、伸びきった草をエンジン式の『刈払機』で一気に刈り飛ばし、根っこの親玉を『神仙の草抜き鎌』でスポンッ!と根こそぎ引っこ抜き、最後に『超強力・防草シート』を敷き詰めて上から『防犯砂利』をたっぷり撒いて、物理的に日光を遮断して二度と生えないようにするのが一番確実で庭が綺麗になるからね! このまま放置すれば、家(世界)がツタで覆われて廃墟みたいになっちゃう。安全で美しい景観を守るためにも、お庭をキッチリ草むしりして、極上のクリーンガーデンにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。庭に蔓延る鬱陶しい雑草ども(魔ツタの群れ)と、伸びきった邪魔な枝葉の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用の大型刈払機とチェーンソーで一つ残さず粉砕し、完璧な『下地処理(除草作業)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧を大型のエンジン式刈払機のように構えて不敵に笑う。

「ええ。魔界植物が撒き散らすガンコな毒花粉と浸食の瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力除草・土壌浄化魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、清潔な造園環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、草刈りで飛び散る石や毒の樹液が周囲の家や窓ガラスに飛散しないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、現場の周囲に完璧な草刈り用飛散防止ネットと養生シート(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 草刈りは小石が飛んで窓ガラスが割れると危ないし、毒草の汁が飛ぶかもしれないから、しっかりネットで安全を確保してくれると助かるよ!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の棘と浸食を完全に弾く特製造園作業用・防刃エプロンと厚手革手袋、長靴)に着替え、手には巨大な「事象根絶の神仙草抜き鎌」と、プロ仕様の「因果遮断の神仙防草シート」、そして「絶対防犯の神仙防犯砂利」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『造園・庭の手入れ道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの雑草とツタの悩みを解決するために、邪魔な植物を根こそぎ引っこ抜いて、お庭を優良なクリーンガーデンにリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、造園仕様に改造された魔導軽トラック(大量の砂利と防草シート搭載)に乗り込み、空間がドス黒い茨とツタに覆われつつある次元の庭『魔界の浸食前線』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、次元の庭『魔界の浸食前線』の中心部。

 世界の次元をツタで縛り上げ、全ての存在を永遠の密林と絶望の底に沈める『浸食の魔子爵・プラント・ベリアル』が、大地を覆い尽くすほどの巨大な食虫植物のような体を蠢かせ、傲慢な葉擦れの音を響かせていた。

「シャワシャワシャワッ!! 素晴らしいぞ! 底辺の男爵が敗れたとて、我ら子爵級の浸食力の前では、この軟弱な世界など容易く緑の地獄へと変貌する! 我が致死の茨さえあれば、地上の生命など一瞬で養分として吸い尽くされ、永遠の密林に絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の過密を!」

 魔子爵は、巨大な花弁からドス黒い猛毒の毒花粉を放ち、無数の絞殺の魔ツタたちを次元の庭へと放った。

「愚かな地上の生命どもめ。我ら魔界の貴族が根を下ろしたからには、もはやこの世界のどこにも日光の当たる場所などないと知れ! さあ、もっとだ! 全ての建物をツタで覆い尽くし、大陸全土を永遠の魔界植物の庭に変えよ!」

「我ら子爵級の浸食力は絶対だ! この魔界の庭園まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」

 ――キキィィィィッ!! ドサァァァンッ!!

 魔子爵が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な茨が吹き荒れる庭のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導軽トラ)が、神話級の猛毒と密林をものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、軽トラのドアが「ガラッ」と無遠慮に開け放たれ、草抜き鎌と防草シートを持った青年の明るくも呆れた声が、魔界のノイズを完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! お庭のガンコな雑草さん(魔子爵)、草むしりと防草シートの敷き込み工事に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい雑草の生え放題っぷりと、フェンスに絡みついてるタチの悪いツタ(魔ツタ)だね! 庭の手入れをサボってこんなにジャングルみたいにするなんて、景観条例違反も甚だしいよ。こりゃ徹底的に刈払機での除草と根っこの引き抜きのしがいがあるや!」

 アルドは、厚手の革手袋をキュッと締め直しつつ、プロの造園業者としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対浸食領域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」

 魔子爵が驚愕の毒花粉ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「造園・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながら雑草だらけの土へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい庭に蔓延る雑草ども(魔ツタの群れ)と、伸びきった邪魔な枝葉から、綺麗に『下地処理・刈り取り作業』して差し上げましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の密林の中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ魔界子爵ヲ『ガンコな雑草とツタ』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ魔ツタ群デ、貴様ラノ生命力ヲ永遠ニ吸イ尽クシテクレルワ!」

 魔子爵の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い茨と毒の樹液を纏った魔ツタ群が、一斉にアルドたちに向かって致死の絞殺弾を放ちながら襲い掛かった。

「うわっ、このツタたち、すっごく成長が早くて新しいカーポートの柱まで巻き付こうとしてる! 放置してたら家が倒壊しちゃうぞ!」

 アルドは、迫り来る魔獣の群れを「栄養を吸い尽くして異常繁殖したタチの悪いガンコな雑草」と完全に認識し、神仙の草抜き鎌をカチャリと構えた。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『雑草の大量発生と景観破壊』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は造園業者として、こいつらを完璧に刈り取って綺麗なお庭にするだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の草刈り現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。草刈りで飛び散る小石や毒の樹液が周囲の街に漏れ出ないよう、まずは私が完璧に飛散防止ネットと養生シートを張ります」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、魔界の庭と魔子爵の周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――ピィィィィンッ!

 瞬間、庭全体をすっぽりと覆うように、透明で絶対的な強度を誇る『神仙の草刈り飛散防止結界』が展開された。これで、致死の猛毒の茨や樹液は一ミリたりとも外の世界へ漏れ出すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は魔界が撒き散らすガンコな毒花粉と浸食の瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に除草・土壌浄化処理いたしますわ!」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光土壌浄化魔法』が、超強力な安全除草剤の光の霧となって周囲の狂気の毒花粉を包み込み、一気に浄化した。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を枯らす猛毒の瘴気は、その浄化の光の霧を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害で栄養満点のフカフカの土へと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただの雑草やツタなど、ただの刈払機のマトだ! そして、邪魔な葉っぱは俺が綺麗に刈り飛ばしてやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔ツタの群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「異常繁殖雑草魔獣解体刈払斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、魔ツタボディの「因果の隙間」を完璧に見切り、まるで庭に生い茂ったボウボウの雑草を専用のエンジン草刈り機でギュイィィィンッ!と綺麗に根元から刈り飛ばすかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に粉砕し、ただの無害な刈り草の山にしてしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ魔ツタ軍団ガ、タダノ『除草剤』ト『草刈り機』ノ前ニ、一瞬デただの草ノ山ニサレテイクゥゥッ!?」

 魔子爵は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただのゴミ」に変わり、庭の視界がクリアになっていく光景に、驚愕のあまり巨大な食虫植物の体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげで表面の草刈りと下地処理は完璧だね! あとは、あの一番デカくて根を張っている『ガンコな雑草の親玉プラント・ベリアル』の根元に、事象根絶の神仙草抜き鎌をザクッ!と挿し込んでテコの原理で根こそぎ引っこ抜き、平らになった地面に因果遮断の神仙防草シートを隙間なくピンで打ち込んで、最後に絶対防犯の神仙防犯砂利をザザーッ!と敷き詰めるだけだ!」

 アルドは、特製『事象根絶の神仙草抜き鎌』を魔子爵の巨大な本体(次元の浸食と根の中核)へと向けて構え、突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙草抜き鎌は星の因果の根源を物理的に引っこ抜いて絶つ絶対事象除草ツールであり、神仙防草シートと防犯砂利は大宇宙のいかなる次元の魔界の浸食や神話級の猛毒のツタすらも、物理的に『日光を遮断して発芽を抑える』だけで完璧に無害化し、極上の手入れ不要な庭を取り戻す『究極の造園メンテナンスツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ土台ヲ食イ破ル『終焉ノ絶対密林アビス・オーバーグロウス』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ根ノ底ニ沈メテクレルワ!」

 魔子爵が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを浸食する超巨大な猛毒の根と茨の波を放ってきた。

「うわっ! 地面から、すっごくガンコな太い根っこが押し寄せてきた! でも、この特製草抜き鎌と防草シートの前には、どんなに酷い雑草も一発で完全除草だ!」

 アルドが魔子爵の巨大な根元(世界の土壌の浸食点)に向けて神仙草抜き鎌を「ザクッ!」と深く突き立て、テコの原理で「フンッ!」と力強く押し下げる。すると、「ブチブチブチッ!」という音と共に、事象の根源(魔界の魔力圏)が土ごと綺麗にすっぽりと引っこ抜かれる。

 そして、平らになった地面に、因果遮断の神仙防草シートを「コロコロッ」と転がして隙間なく敷き詰め、専用のピンで「カンカンッ」と地面に固定する。

 仕上げに、軽トラの荷台から絶対防犯の神仙防犯砂利(歩くとキュッキュッと大きな音が鳴る特殊な白い石)を「ザザーッ!」と均等に敷き詰めると、こびりついた魔界の魔力ごと完璧に日光が遮断され、眩く輝く平和で雑草が一本も生えない美しい白砂利のクリーンガーデンへと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒浸食ガ、タダノ草抜キ鎌デ引ッ子抜カレ、防草シートデ因果ゴト日光ヲ遮断サレテ、一ミリモ世界ニ根ヲ張レナクナッタだトォォォッ!?」

「よし、ガンコな雑草は綺麗に引っこ抜けて、シートと砂利で二度と生えないすっごく綺麗なお庭になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域緑化&無限クリーンガーデンシステム』をカチッと取り付けて……あ、そうだ。この雑草の親玉、綺麗に引っこ抜いて砂利を敷いたら、凄く強力で絶対に雑草を生やさない、巨大な全自動の広域緑化・無限クリーンインフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、魔界の有害な浸食や毒草を完全に浄化して、代わりに極上の安全な景観と無限の美しい自然だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域緑化&無限クリーンガーデンインフラ』にできそうだよ!」

 アルドが魔子爵の本体であった場所に庭園灯を施し、事象調律のスイッチを「24時間景観維持・雑草ブロックモード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な造園施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた魔界の禍々しい浸食と毒草の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな緑化エネルギーと無限の景観維持機能へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ密林ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【家ノ庭オ綺麗ニ保ッテ雑草オ生ヤサナイ為ノ最新ノ防草シートト防犯砂利】ノヨウニ……!? イヤ、砂利オ敷カレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ防草力ト、極上ノ景観環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ浸食スルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ美シサト極上ノ自然オ提供スル「極上ノ全自動・神仙クリーンガーデン」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……! 男爵ガ浄化サレタ理由ガ、今ナラワカル……!!』

 かつて世界を脅かした浸食と毒草の化身たる魔界の魔子爵は、アルドの「雑草の草むしりと防草シート敷き」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を浸食する禍々しい魔界の庭は、気がつけば「世界の景観を美しく輝く巨大な造園施設に変え、魔界のどんな雑草や毒も一瞬で無害化し、極上の美しい自然を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域緑化・無限クリーンガーデンインフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の防犯砂利と手入れの行き届いた日本庭園)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌な雑草とツタの被害は片付いて、すっごく綺麗で歩くと音が鳴る防犯バッチリなお庭になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが草むしりの手間を気にせずに、いつでも美しい景観で笑顔で暮らせるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの綺麗なお庭と安全な防犯を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドが草抜き鎌を片付けて額の汗を拭うと、庭を覆っていたドス黒い瘴気は一瞬にして晴れ渡り、眼下には美しく輝く奇跡の白砂利と、澄み切った清らかな自然が広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域緑化・クリーンガーデンシステムは、これより大陸全土の造園・景観基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。魔界の子爵からの不法占拠に対する賠償金徴収も完了いたしました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。背後では、すっかり大家さんとして馴染んだ創造神たちが「ほら見ろ、子爵程度であの草むしりに勝てるわけないだろ……」とお茶を飲みながら頷いている。

「これからは、どんな魔界のバケモノやガンコな雑草が出ようが、社長の作業前に俺が全部『刈払機で粉砕』してやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで魔界側の造園と景観維持利権すら完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。魔界の子爵級による次元の浸食を「ガンコな雑草の草むしりおよび防草シート敷き」として処理完了。世界を密林と毒草に沈める魔子爵(魔界の貴族)を事象の草抜き鎌と防草シートで根絶・遮断させ、立派な特大全自動広域緑化・無限クリーンガーデンシステムへと改修。猛毒の浸食汚染と景観破壊の修復を完了し、大陸全土の環境保護と極上の美しい庭園の提供に貢献を果たした。

 魔界の階級社会など、社長の前では「雑草の種類の違い」程度の意味しか持たない。最底辺の男爵は這いずる虫として駆除され、その上の子爵は伸びきった雑草として引っこ抜かれた。大いなる魔界の侵攻作戦も、黄昏の守護者にとってはただの「草むしり案件」として処理簿に記載されるのみである。ワシはこの究極の平穏の歴史を、簡素に、かつ的確に記録し続ける。』

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、魔界の子爵すらも防草シートの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、お仕事お疲れ様! 今日の3時のおやつは、綺麗に敷き詰められた白砂利みたいに丸くて可愛い『特製・大精霊の白玉粉で作ったモチモチ三色団子〜星屑の特製みたらしタレを絡めて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるみたらし団子は、ことのほか甘辛いタレとモチモチ食感が五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただのガンコな雑草の草むしりと防草シート敷き」は、世界浸食の危機をただの造園メンテナンスとして解決し、魔界の子爵の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域緑化・無限クリーンガーデンインフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に魔界からの浸食防衛と景観環境の覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作 追放された絆紋使いの穏やかな冒険譚〜辺境の街ではぐれ者たちと最強の居場所を作ります〜

https://ncode.syosetu.com/n5506ma/

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