第194話:ただの換気扇の油汚れ分解洗浄と最新レンジフードへの交換と、竈門の炎神の強制全自動広域排煙・無限クリーン空気循環インフラ化(総合ライフサポート企業のキッチン・換気設備メンテナンス業務)
第194話:ただの換気扇の油汚れ分解洗浄と最新レンジフードへの交換と、竈門の炎神の強制全自動広域排煙・無限クリーン空気循環インフラ化(総合ライフサポート企業のキッチン・換気設備メンテナンス業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、極上のごま油が熱せられる香ばしい匂いと、鉄鍋で肉とニンニクが暴力的なまでに焼き上げられる爆音が漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大精霊の清冽な大地で育った『幻獣黒豚と天界ニラの極上羽根つきスタミナ餃子〜星屑の特製ラー油と黒酢ダレで〜』だ。まずは、粗挽きにした幻獣黒豚のバラ肉に、神仙岩塩、天界のすりおろしニンニク、そして生姜をたっぷりと加え、肉の粘り気が出るまで徹底的に練り込む。そこに、シャキシャキの天界ニラと幻獣キャベツを加え、旨味を一切逃がさないように神仙小麦で作った特製のモチモチ皮で、ヒダを美しく寄せながら一つ一つ手包みしていくんだ! 限界まで熱した極厚の鉄鍋に餃子を隙間なく並べ、数百年熟成させた幻獣ごま油を回しかけて底をカリッと焼き付ける。すかさず神仙の清流から汲み上げた熱湯と小麦粉を溶いた『羽根の素』をジュワァァッ!と流し込み、蓋をして一気に蒸し焼きにする! 水分が完全に飛び、鍋肌で羽根が黄金色にパリッと焼き上がった瞬間、大きな皿を被せて一気にひっくり返す。見事な円盤型の極上羽根つき餃子の完成さ! 付け合わせには、幻獣卵とキクラゲのフワフワ中華スープ。タレは、星屑の唐辛子で作った自家製ラー油と、芳醇な天界黒酢を合わせた特製ダレ。……熱々のうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、湯気と共に圧倒的なニンニクとごま油の香りを放つ特大の円盤餃子をダイニングテーブルに運ぶと、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、神竜ポチとモフモフの星狼シロがテーブルの下でちぎれんばかりに尻尾を振っていた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣黒豚の圧倒的なビタミンB1とニラのアリシンが全身の魔力回路を限界突破させ、黒酢のクエン酸とカプサイシンが血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の中華フルコース』である。
「うむ……! この黄金色のパリパリ羽根を箸で割り、タレをたっぷりと絡めて口に運んだ瞬間に響き渡る『サクッ!』という快音と、モチモチの皮から溢れ出す極上の肉汁ビッグバン! そして黒酢の酸味とラー油の鮮烈な辛味が、豚肉の暴力的な脂の甘みを極限まで引き上げ、すかさず炊き立ての神仙米をかき込めば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 溢れた肉汁をご飯で受け止め、熱々の中華スープで胃袋を温めれば、我が最高福利厚生責任者の職務が、路地裏の名店で至福のビールと餃子を貪る美食家のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、箸と茶碗を両手で震わせ、あまりの美味さにワナワナと肩を震わせて感涙に咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上烏龍茶が振る舞われた後。
アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える、大宇宙最強の経営陣。レイヴン、エルミナ、シノン、アーキヴァル。そして、歴史を刻むゾルタンと外交を司るレオハルト。
テーブルの中央には、天界や冥界の神々に続き、今度はドス黒い油汚れと焦げ跡に塗れた禍々しい『神々の挑戦状』が置かれていた。
「さて、みんな。今日も美味しいご飯を食べてエネルギー満タンだね!」
アルドはニコッと微笑みながら、ふと視線をキッチンのコンロ上部に取り付けられた、大型の換気扇の方へと向け、少しだけ眉をひそめた。
「……ねえ。餃子を焼いている時から気になってたんだけど、換気扇の吸い込みがすごく悪くて、部屋の中に油煙が充満しちゃってるんだよね。スイッチを入れると『ゴゴゴゴッ』って変な異音がするし、フィルターもシロッコファンも、ベトベトのガンコな油汚れで完全に目詰まりしてる。僕の全知全能のセンサーで見ると、それがはるか天空の『灼熱の大厨房(神々の祭壇)』から、神々の怒りを通じて伝わってきているのがわかる。『我ら竈門と炎を司る神群は、貴様らが神への供物(料理)を己の娯楽とし、快適な食生活を送っていることを許さない。世界を永遠の油煙と猛毒の煤で窒息させてやる』って書いてあるし、完全にタチの悪い換気扇の油汚れと排気不良だね」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「換気扇の異音と油汚れトラブル」。それはすなわち、かつてアルドたちが様々な神々をインフラ設備に改修した事実を受け、火と供物を司る『竈門の炎神・イグニス・グリース』率いる炎の神群が結集し、世界の大気をドス黒い油煙と猛毒のスモッグで覆い尽くし、全生命を窒息死させようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。
しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界を油煙や息苦しさのない、常にクリーンな空気の循環する居住空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。
「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた炎神群による大気汚染と換気機能の崩壊……間違いありませんね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「我が社の情報網にも、今朝早くから天上の『灼熱の大厨房』における、極めて深刻な油煙の蔓延と大気汚染の被害報告が届いております。社長の感知された通り、火の神々を統べる『竈門の炎神・イグニス・グリース』が、猛毒の油煙(致死のスモッグ)を撒き散らし、我々の世界の空気をドロドロに汚染して窒息させようとしているのです。さらにタチの悪いことに、その炎神が生み出す『油泥のギトギト魔獣ども(※触れるものの呼吸器と大気を油で塞ぐ魔獣群)』が換気口の裂け目から溢れ出し、人々の街に雪崩れ込んでは、全てを絶望の油汚れの底に沈めようと暴れ回っております」
「なるほど! やっぱり日頃の換気扇の掃除をサボったせいで、タチの悪い油汚れ(ギトギト魔獣)がこびりついて、排気不良で煙が逆流してきてるんだね!」
アルドはバインダーの報告書を見て、プロのキッチン・換気設備メンテナンス業者としての血を騒がせた。
「僕の力なら炎神なんて一瞬で吹き飛ばせるけど、換気扇のガンコな油汚れはやっぱり、専用の強力アルカリ性洗剤をスプレーして油をドロドロに溶かし、金ダワシとブラシで溝の奥まで削り落とし、最後に古くなったファンを最新の『全自動洗浄機能付き・超静音レンジフード』に丸ごと交換して、物理的に空気を綺麗に吸い上げるようにするのが一番確実で空気が美味しくなるからね! このまま放置すれば、家(世界)中がベタベタになって息もできなくなっちゃう。安全で快適な居住権を守るためにも、換気扇をキッチリ分解洗浄して、極上の空気循環システムにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。フィルターにこびりついた鬱陶しい油汚れども(魔獣の群れ)と、油で固まった古い部品の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のスクレーパーとワイヤーブラシで一つ残さず削ぎ落とし、完璧な『下地処理(固着油の粉砕)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型のスクレーパーのように構えて不敵に笑う。
「ええ。炎神が撒き散らすガンコな油臭さとスモッグの瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力消臭・空気清浄魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、清潔な作業環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、油汚れの洗浄で飛び散る真っ黒な汚水や洗剤の飛沫が周囲の壁やコンロに飛散しないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、現場の周囲に完璧なキッチン用養生シートとマスカーテープ(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 換気扇の掃除は強いアルカリ洗剤を使うから手が荒れるし、油が垂れてくるから、しっかりシートでコンロ周りを養生してくれると助かるよ!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の油煙とアルカリを完全に弾く特製キッチン清掃用・防汚エプロンと厚手ゴム手袋、ゴーグル)に着替え、手には巨大な「事象溶解の神仙アルカリ性洗剤スプレー」と、プロ仕様の「因果剥離の神仙金ダワシ」、そして「絶対排煙の神仙最新型レンジフード」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『キッチン・換気設備メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの油煙と息苦しさの悩みを解決するために、邪魔な汚れを洗い落として、換気扇を優良な空気循環システムにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、換気設備工事仕様に改造された魔導クレーン車(超大型換気ダクト搭載)に乗り込み、空間がドス黒い油煙とスモッグに覆われつつある天空の『灼熱の大厨房』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、天空の『灼熱の大厨房』の中心部。
世界の大気を油煙で汚染し、全ての存在を永遠の窒息とスモッグの地獄に沈める『竈門の炎神・イグニス・グリース』が、空を覆い尽くすほどの巨大な炎と油の玉座に座り、傲慢な轟音を響かせていた。
「ゴォォォォォッ!! 素晴らしいぞ! 我ら炎の神群の総意たるこの致死の油煙さえあれば、忌まわしいインフラ企業どもなど一瞬で肺を焼かれ、永遠の息苦しさに絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死のスモッグを!」
炎神は、巨大な口からドス黒い猛毒の油煙を放ち、無数の油泥のギトギト魔獣たちを次元の換気口へと放った。
「愚かな地上の生命どもめ。我ら神々が最後の供物を焦がしたからには、もはやこの世界のどこにも新鮮な空気を吸える場所などないと知れ! さあ、もっとだ! 全ての換気扇を目詰まりさせ、大陸全土を永遠の油汚れの底に変えよ!」
「我ら竈門の炎神の油煙は絶対だ! この灼熱の領域まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」
――キキィィィィッ!! ガチャンッ!!
炎神が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な油煙が吹き荒れる大厨房のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導クレーン車)が、神話級の猛毒とスモッグをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。
そして、クレーン車のドアが「ガラッ」と無遠慮に開け放たれ、強力洗剤と金ダワシを持った青年の明るくも呆れた声が、神々のノイズを完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 換気扇の油汚れ分解洗浄と、最新レンジフードへの交換工事に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどいフィルターの目詰まりっぷりと、ファンにこびりついてるタチの悪いギトギト油(魔獣)だね! 掃除をサボってこんなに油を溜め込むなんて、火災の原因にもなるし大迷惑だよ。こりゃ徹底的にアルカリ洗浄とファンの交換のしがいがあるや!」
アルドは、厚手のゴム手袋をキュッと締め直しつつ、プロの清掃業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対領域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」
炎神が驚愕の油煙ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながら油まみれの床へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しいフィルターにこびりついた油汚れども(魔獣の群れ)と、固まって動かなくなった古いファンの部品から、綺麗に『下地処理・削ぎ落とし作業』して差し上げましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の油煙の中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ炎神軍団ヲ『換気扇のギトギト油汚れ』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ油泥魔獣デ、貴様ラノ呼吸器ヲ永遠ニ塞イデクレルワ!」
炎神の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い油煙とネットリとした汚泥を纏った魔獣群が、一斉にアルドたちに向かって致死の大気汚染弾を放ちながら襲い掛かった。
「うわっ、この油汚れ、すっごく粘り気があって新しい壁紙まで黄色く染めようとしてる! 放置してたらキッチンがベタベタになっちゃうぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の群れを「長年放置されて固着したタチの悪い換気扇の油汚れ」と完全に認識し、神仙アルカリ洗剤のトリガーに指をかけた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『換気扇の故障と油煙被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は清掃業者として、こいつらを完璧に洗い落としてクリーンな空気にするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の換気扇清掃現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。油汚れの洗浄で飛び散る真っ黒な汚水や洗剤の飛沫が周囲の街に漏れないよう、まずは私が完璧にキッチン用養生シートとマスカーテープを張ります」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、大厨房と炎神の周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――ピィィィィンッ!
瞬間、大厨房全体をすっぽりと覆うように、透明で絶対的な強度を誇る『神仙のキッチン清掃用防護結界』が展開された。これで、致死の猛毒の油煙や汚水は一ミリたりとも外の世界へ漏れ出すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は炎神が撒き散らすガンコな油臭さとスモッグの瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に空気清浄・消臭処理いたしますわ!」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光空気清浄魔法』が、超強力なマイナスイオンの光の風となって周囲の狂気の油煙を包み込み、一気に浄化した。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を窒息させる猛毒の油煙は、その浄化の光の風を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害で爽やかな無臭の空気へと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただの油汚れや固まった部品など、ただのスクレーパーのマトだ! そして、邪魔なガンコ汚れは俺が綺麗に削ぎ落としてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「固着油泥魔獣解体削ぎ落とし斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、油泥魔獣ボディの「因果の隙間」を完璧に見切り、まるでシロッコファンの羽にこびりついた分厚い油を専用のヘラでゴリゴリッ!と綺麗に削り落とすかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に粉砕し、ただの無害な乾燥したゴミにしてしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ油泥魔獣ガ、タダノ『空気清浄機』ト『油削ギ落トシ』ノ前ニ、一瞬デただの乾燥シタゴミクズニサレテイクゥゥッ!?」
炎神は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただのゴミ」に変わり、大厨房の視界がクリアになっていく光景に、驚愕のあまり巨大な炎の体を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで表面の油削りと下地処理は完璧だね! あとは、あの一番デカくて油煙を撒き散らしている『ガンコな油汚れの親玉』の本体に、事象溶解の神仙アルカリ性洗剤をシュッシュッ!とスプレーして油をドロドロに溶かし、因果剥離の神仙金ダワシでゴシゴシ磨き上げ、最後に古くなったファンを絶対排煙の神仙最新型レンジフードに丸ごと交換してスイッチを入れるだけだ!」
アルドは、特製『事象溶解の神仙アルカリ性洗剤スプレー』を炎神の巨大な本体(次元の大気汚染と油煙の中核)へと向けて構え、突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙アルカリ洗剤と金ダワシは星の因果の汚れを物理的に分解し剥離する絶対事象清掃ツールであり、神仙レンジフードは大宇宙のいかなる次元の神々の油煙や神話級の猛毒のスモッグすらも、物理的に『強力に吸い込んでクリーンに排気する』だけで完璧に無害化し、極上の新鮮な空気を取り戻す『究極の換気メンテナンスツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ大気ヲ汚染スル『終焉ノ絶対油煙』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ窒息ノ底ニ沈メテクレルワ!」
炎神が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを汚染する超巨大な猛毒の油煙と炎の波を放ってきた。
「うわっ! 換気口から、すっごくガンコな油の煙が逆流してきた! でも、この特製強力洗剤と最新レンジフードの前には、どんなに酷い油汚れも一発でピカピカの深呼吸だ!」
アルドが炎神の巨大な顔(換気扇のコア)に向けて神仙アルカリ洗剤を当て、「シュッシュッ!」とたっぷりスプレーして数分置き、事象の油汚れ(神々の魔力圏)を茶色くドロドロに溶かす。そして、因果剥離の神仙金ダワシで「ゴシゴシッ!」と力強く擦って完全に汚れを落とし切る。
仕上げに、異音を立てていた古いファン(炎神の核)をドライバーで外し、絶対排煙の神仙最新型レンジフードを「ガチャン!」とはめ込み、スイッチを「強」に入れる。すると、「ゴォォォォン!」という力強いモーター音と共に、こびりついたスモッグの魔力ごと完璧に吸い込まれ、眩く輝く平和でクリーンな排気ダクトへと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒油煙ガ、タダノアルカリ洗剤デ溶カサレ、レンジフードデ因果ゴト吸イ込マレテ、一ミリモ世界ヲ汚セナクナッタだトォォォッ!?」
「よし、ガンコな油汚れは綺麗に落ちて、レンジフードも最新型になってすっごく空気が美味しくなったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域排煙&クリーン空気循環システム』をカチッと取り付けて……あ、そうだ。この油汚れの親玉、綺麗に掃除して換気扇を交換したら、凄く強力で絶対に目詰まりしない、巨大な全自動の広域排煙・無限クリーン空気インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、世界中の有害なスモッグや油煙を完全に吸い込んで浄化し、代わりに極上の安全な大気と無限の新鮮な空気だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域排煙&無限クリーン空気循環インフラ』にできそうだよ!」
アルドが炎神の本体であった場所にコントロールパネルを施し、事象調律のスイッチを「24時間自動換気・空気清浄モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な換気施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた神々の禍々しい油煙と大気汚染の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな空気エネルギーと無限の換気機能へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ窒息ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【部屋ノ空気オ綺麗ニ保ッテ煙オ吸イ込ム為ノ最新ノレンジフード】ノヨウニ……!? イヤ、スイッチオ入レラレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ換気力ト、極上ノ空気環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ汚染スルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ深呼吸ト極上ノ綺麗ナ空気オ提供スル「極上ノ全自動・神仙レンジフード」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』
かつて世界を脅かした油煙と大気汚染の化身たる竈門の炎神は、アルドの「換気扇の油汚れ分解洗浄と最新レンジフードへの交換」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を窒息させる禍々しい大厨房は、気がつけば「世界の大気を美しく輝く巨大な換気施設に変え、世界中のどんなスモッグや油煙も一瞬で無害化し、極上の安全な空気を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域排煙・無限クリーン空気循環インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白のステンレス製レンジフードと換気ダクト)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌な油煙と息苦しさの被害は片付いて、すっごく安全で空気が美味しいキッチンになったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちがスモッグや換気不良を気にせずに、いつでも安心な環境で笑顔で料理ができるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの健康と美味しい空気を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドが洗剤を片付けて額の汗を拭うと、大厨房を覆っていたドス黒い油煙は一瞬にして晴れ渡り、眼下には美しく輝く奇跡のレンジフードと、澄み切った清らかな青空が広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域排煙・クリーン空気循環システムは、これより大陸全土の環境・換気基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。炎の神々からの大気管理権の譲渡も完了いたしました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。
「これからは、どんな神話のバケモノや油汚れが出ようが、社長の作業前に俺が全部『固着した油の削ぎ落とし』してやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで全宇宙の空気循環と換気利権は完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。キッチンの換気扇における油汚れ分解洗浄、および最新レンジフードへの交換作業完了。世界を油煙と窒息に沈める竈門の炎神(神話の厄災)を事象のアルカリ洗剤とレンジフードで分解・排気させ、立派な特大全自動広域排煙・無限クリーン空気循環システムへと改修。猛毒の油煙汚染と大気被害の修復を完了し、大陸全土の大気保護と極上の安全な空気の提供に貢献を果たした。
……また、我が社のGAレオハルト閣下とCFOアーキヴァルの連携により、炎の神々すらも完全に当社の換気設備として吸収することに成功。
神々からの挑戦状。大家のクレームから始まり、ごみ投棄、騒音、スパム、押し売り、雨漏り、シロアリ、そしてついに「換気扇の油汚れ」にまで至った。もはや、神々がどのような壮大な災厄を企てようとも、それは「家事のログ」のバリエーションを増やすに過ぎない。宇宙の真理は、社長の洗剤一本によって完全に論破されるのだ。もはやワシが記録すべきは世界の危機ではなく、ただの完璧なハウスクリーニングの歴史である。
完全覚醒した神仙社長と、大宇宙最強の経営陣。この完璧な布陣の前に、もはや世界のいかなる絶望も、ただの「キッチン・換気設備メンテナンス業務」として処理される運命にある。ワシはこの究極の平穏の歴史を、永遠に記録し続ける。』
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、炎の神々すらもステンレス製レンジフードの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、お仕事お疲れ様! 今日の3時のおやつは、油っこいご飯の後にぴったりの、サッパリ爽やかな『特製・大精霊の柚子シャーベット〜星屑のミントを添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるシャーベットは、ことのほか柚子の酸味と冷たさが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただの換気扇の油汚れ分解洗浄と最新レンジフードへの交換」は、世界大気汚染の危機をただの換気メンテナンスとして解決し、竈門の炎神の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域排煙・無限クリーン空気循環インフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に全宇宙の大気循環と換気環境の覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
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