第193話:ただの床下のシロアリ駆除と基礎の補強工事と、奈落の冥神の強制全自動広域地盤安定・無限床下換気インフラ化(総合ライフサポート企業の害虫駆除・基礎メンテナンス業務)
第193話:ただの床下のシロアリ駆除と基礎の補強工事と、奈落の冥神の強制全自動広域地盤安定・無限床下換気インフラ化(総合ライフサポート企業の害虫駆除・基礎メンテナンス業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、極上の醤油と味醂が焦げる香ばしい匂いと、炭火でじっくりと焼かれた濃厚な脂の暴力的なまでの香りが漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大精霊の清冽な泥中で育った『幻獣ウナギと天界スッポンの極上スタミナひつまぶし〜星屑の特製粉山椒と黄金の極上出汁を添えて〜』だ。まずは、大人の太ももほどもある極太の幻獣ウナギを背開きにし、神仙の備長炭でじっくりと白焼きにする。余分な脂を落とした後、数百年熟成させた神仙醤油と和三盆、そして天界スッポンの濃厚なエキスを煮詰めた『究極の秘伝タレ』に三度潜らせ、皮はパリッと、身はフワフワにとろけるまで香ばしく焼き上げるんだ! 炊き立てでツヤツヤの神仙米を敷き詰めた重厚な木のおひつの上に、細かく刻んだこの極上ウナギの蒲焼きを、ご飯が見えなくなるほど隙間なく敷き詰める。一杯目はそのままウナギの暴力的な旨味を味わい、二杯目は天界ネギと星屑の粉山椒、幻獣ワサビを乗せてさっぱりと。そして三杯目は、天界スッポンと幻獣昆布を三日三晩煮出したコラーゲンたっぷりの『黄金の極上出汁』をジュワァァァッ!と熱々のまま注ぎかけ、極上の出汁茶漬けとしてかき込む! 付け合わせには、天界キュウリとミョウガの揉み漬け。……熱々のうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、湯気と共に圧倒的なタレの香りと炭火の風味を放つ特大のおひつをダイニングテーブルに運ぶと、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、神竜ポチとモフモフの星狼シロがテーブルの下でちぎれんばかりに尻尾を振っていた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣ウナギの圧倒的なビタミンとスッポンのアミノ酸が全身の魔力回路を限界突破させ、秘伝タレの酵素とワサビの刺激が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高のスタミナフルコース』である。
「うむ……! この香ばしいウナギに箸を入れ、タレの染みたご飯と共に口に運んだ瞬間に決壊する、濃厚な脂と炭火の香りの味覚的ビッグバン! そして二杯目でワサビとネギの爽やかさが加わると、ウナギのポテンシャルがさらに一段階跳ね上がり、三杯目で黄金のスッポン出汁を注げば、コラーゲンの海にウナギの旨味が溶け出し、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 薬味の香りと出汁の深みが口の中で奇跡のハーモニーを奏で、我が最高福利厚生責任者の職務が、老舗の料亭で至福の極上ランチを堪能する美食家のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、茶碗としゃもじを両手で震わせ、あまりの美味さにワナワナと肩を震わせて感涙に咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上ほうじ茶が振る舞われた後。
アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える、大宇宙最強の経営陣。レイヴン、エルミナ、シノン、アーキヴァル。そして、歴史を刻むゾルタンと外交を司るレオハルト。
テーブルの中央には、天界の神群に続いて、今度は地底深くから滲み出てきたような、土気色の禍々しい『呪詛の木札』が置かれていた。
「さて、みんな。今日も美味しいご飯を食べてエネルギー満タンだね!」
アルドはニコッと微笑みながら、ふと視線をリビングの床下、自分が踏みしめているフローリングの足元へと向け、少しだけ眉をひそめた。
「……ねえ。今朝からなんだけど、歩くたびに床が『ギシッ、ブカッ』って嫌な音を立てて少し沈むんだよね。それに、床下の通気口からジメジメしたカビの匂いと、木をガリガリ齧るような不気味な音が聞こえてくる。僕の全知全能のセンサーで見ると、それがはるか地底の『奈落の冥界』から、世界の土台(基礎)を通じて伝わってきているのがわかる。『天界の連中がやられたようだが、我ら冥神は下から貴様らの世界を食い破り、全てを奈落の底へ引きずり落としてやる』って書いてあるし、完全にタチの悪い床下のシロアリ被害と基礎の腐敗だね」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「床の軋みとシロアリの羽音」。それはすなわち、かつてアルドたちが天界の神々すらも防水インフラに改修した事実を受け、最後まで静観していた地下世界の支配者『奈落の冥神・アビス・ターマイト』が、無数の眷属を率いて世界の次元基盤を下から食い破り、世界を物理的に崩落させて滅ぼそうとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。
しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界をシロアリ被害や床の沈みのない、頑丈で風通しの良い居住空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。
「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた奈落の冥神による地盤沈下と次元の食い破り……間違いありませんね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「我が社の情報網にも、今朝早くから地下最深部『奈落の冥界』における、極めて深刻な次元基盤の崩落と魔獣の大量発生の被害報告が届いております。社長の感知された通り、冥界の全軍を率いる『奈落の冥神・アビス・ターマイト』が、猛毒の酸(致死の腐敗液)を撒き散らし、我々の世界の土台を腐らせて崩落させようとしているのです。さらにタチの悪いことに、その冥神が生み出す『奈落の暴食白魔蟲ども(※触れるものの次元と建材を微塵に食い尽くす魔獣群)』が床下の裂け目(基礎の隙間)から溢れ出し、人々の街の足元に雪崩れ込んでは、全てを絶望の陥没の底に沈めようと暴れ回っております」
「なるほど! やっぱり床下の湿気を放置したせいで、タチの悪い害虫(白魔蟲)が大繁殖して、家の土台(世界の基礎)をスカスカに食い荒らしてるんだね!」
アルドはバインダーの報告書を見て、プロの害虫駆除・基礎メンテナンス業者としての血を騒がせた。
「僕の力なら冥神なんて一瞬で消し炭にできるけど、シロアリ被害の対応はやっぱり、床下収納の点検口から潜り込んで、専用の薬剤で巣ごと徹底的に駆除し、腐って細くなった束柱の横に最新の『鋼製束(金属製のジャッキ)』をガチッと固定して基礎を補強し、最後に湿気を飛ばすための『全自動床下換気扇』を設置して、物理的に害虫が住めない環境にするのが一番確実で安心できるからね! このまま放置すれば、家(世界)が重みに耐えられなくなってペシャンコになっちゃう。安全で快適な居住権を守るためにも、床下をキッチリ点検・駆除して、極上の地盤補強システムにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。床下に湧いた鬱陶しい害虫ども(魔獣の群れ)と、食い荒らされてスカスカになった古い木材の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のハンマーとノコギリで一つ残さず切り落とし、完璧な『下地処理(不良木材撤去)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型の解体用バールのように構えて不敵に笑う。
「ええ。冥神が撒き散らすガンコな湿気と腐敗の瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力防湿・防腐魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、清潔な床下環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、床下工事で舞い上がる土埃や駆除剤の飛沫が居住空間に飛散しないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、現場の点検口の周囲に完璧な防護シートと室内養生(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 床下の作業は狭くて土埃がすごいし、強い薬剤を使うから、しっかり養生して室内を汚さないようにしてくれると助かるよ!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の酸と害虫を完全に弾く特製床下作業用・防護ツナギとヘッドライト付きヘルメット、防塵マスク)に着替え、手には巨大な「事象駆除の神仙シロアリ防除スプレー」と、プロ仕様の「因果補強の神仙鋼製束」、そして「絶対乾燥の神仙床下換気扇」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『害虫駆除・基礎メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの床の軋みと陥没の悩みを解決するために、邪魔な害虫を根絶やしにして、基礎を優良な地盤補強システムにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、害虫駆除仕様に改造された魔導作業車(超大型薬剤タンク搭載)に乗り込み、空間がドス黒い瘴気と害虫の羽音に覆われつつある地下深くの『奈落の冥界』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、地下最深部『奈落の冥界』の中心部。
世界の次元を食い破り、全ての存在を永遠の陥没と絶望の底に沈める『奈落の冥神・アビス・ターマイト』が、地底を覆い尽くすほどの巨大な顎と無数の蠢く足を持つ玉座に座り、傲慢な咀嚼音を響かせていた。
「ガチガチガチッ!! 素晴らしいぞ! 我ら冥界神群の総意たるこの暴食の魔蟲さえあれば、忌まわしいインフラ企業どもなど一瞬で足場を失い、永遠の奈落に絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の崩落を!」
冥神は、巨大な顎の隙間からドス黒い猛毒の酸を放ち、無数の暴食白魔蟲たちを次元の床下へと放った。
「愚かな地上の生命どもめ。我ら神々が最後の手を下したからには、もはやこの世界のどこにも安全に立てる場所などないと知れ! さあ、もっとだ! 全ての基礎を食い荒らし、大陸全土を永遠の陥没の底に変えよ!」
「我ら奈落の冥神の食欲は絶対だ! この絶対冥界まで潜り込める者など、この世界にはもはや存在し――」
――キキィィィィッ!! ドスゥゥゥンッ!!
冥神が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な瘴気が吹き荒れる冥界のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導作業車)が、神話級の猛毒と魔蟲の群れをものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。
そして、作業車のドアが「ガラッ」と無遠慮に開け放たれ、駆除スプレーと鋼製束を持った青年の明るくも毅然とした声が、神々のノイズを完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 床下の害虫さん(冥神)、シロアリ被害の駆除と基礎の補強工事に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい木材の食われっぷりと、床下に湧いてるタチの悪い虫(白魔蟲)だね! 湿気対策を怠って勝手に大繁殖するなんて、家屋へのダメージも甚だしいよ。こりゃ徹底的に薬剤散布とジャッキアップのしがいがあるや!」
アルドは、防塵マスクをカチッと装着しつつ、プロの害虫駆除業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対冥界ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」
冥神が驚愕の酸ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「施工・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながら地底の土へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい基礎に群がる害虫ども(魔蟲の群れ)と、食い荒らされてスカスカになった古い木材から、綺麗に『下地処理・撤去作業』して差し上げましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の陥没の中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ冥界軍団ヲ『床下のシロアリと腐った木材』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ白魔蟲軍団デ、貴様ラノ次元ヲ永遠ニ食イ尽クシテクレルワ!」
冥神の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い酸と強靭な顎を纏った魔蟲群が、一斉にアルドたちに向かって致死の次元崩落弾を放ちながら襲い掛かった。
「うわっ、この虫たち、すっごく食欲旺盛で新しい大引きまで齧ろうとしてる! 放置してたら床が抜けちゃうぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の群れを「暗くて湿った場所に大発生したタチの悪いシロアリ」と完全に認識し、神仙シロアリ防除スプレーのノズルを構えた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『シロアリ被害と基礎の劣化』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は床下業者として、こいつらを完璧に駆除して強固な土台にするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の床下メンテナンス現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。床下工事で舞い上がる土埃や薬剤の飛沫が地上の街に漏れないよう、まずは私が完璧に防護シートと室内養生を張ります」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、冥界と冥神の周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――ピィィィィンッ!
瞬間、冥界全体をすっぽりと覆うように、透明で絶対的な強度を誇る『神仙の床下工事用防護結界』が展開された。これで、致死の猛毒の酸や害虫は一ミリたりとも外の世界へ漏れ出すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は冥神が撒き散らすガンコな湿気と腐敗の瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に強制乾燥・防腐処理いたしますわ!」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光防湿魔法』が、超強力な床下調湿剤の光の粉となって周囲の狂気の湿気を包み込み、一気に乾燥させた。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を腐らせる猛毒の湿気は、その浄化の光の粉を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でカラカラの乾いた土へと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただの害虫や腐った木材など、ただのバールのマトだ! そして、邪魔な不良箇所は俺が綺麗に叩き壊してやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔蟲の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「食害腐朽基礎材解体撤去斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、魔蟲ボディの「因果の隙間」を完璧に見切り、まるでスカスカになった古い束柱を専用のバールでメキメキッ!と綺麗に叩き折って撤去するかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に粉砕し、ただの無害な木屑にしてしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ白魔蟲軍団ガ、タダノ『調湿剤』ト『不良木材撤去』ノ前ニ、一瞬デただの木屑ニサレテイクゥゥッ!?」
冥神は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただのゴミ」に変わり、冥界の視界がクリアになっていく光景に、驚愕のあまり巨大な顎を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで腐った木材の撤去と湿気対策は完璧だね! あとは、あの一番デカくて酸を撒き散らしている『シロアリの女王』の巣のど真ん中に、事象駆除の神仙シロアリ防除スプレーでプシューッ!と薬剤を注入して巣ごと根絶やしにし、沈んだ床の裏側に因果補強の神仙鋼製束をガチッと当ててジャッキアップし、最後に絶対乾燥の神仙床下換気扇を回して風通しを良くするだけだ!」
アルドは、特製『事象駆除の神仙シロアリ防除スプレー』を冥神の巨大な本体(次元の食害と崩落の中核)へと向けて構え、突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙スプレーは星の因果の害虫を物理的に死滅させ防除する絶対事象駆除ツールであり、神仙鋼製束と換気扇は大宇宙のいかなる次元の神々の崩落や神話級の猛毒の酸すらも、物理的に『ジャッキで支えて湿気を飛ばす』だけで完璧に無害化し、極上の強固な足元を取り戻す『究極の基礎メンテナンスツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ次元ヲ崩落サセル『終焉ノ絶対陥没』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ地底ノ底ニ沈メテクレルワ!」
冥神が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを食い破る超巨大な猛毒の酸と崩落の波を放ってきた。
「うわっ! 床下から、すっごくガンコな害虫の大群が押し寄せてきた! でも、この特製スプレーと鋼製ジャッキの前には、どんなに酷い食害も一発で完全駆除だ!」
アルドが冥神の巨大な顎(世界の基礎のヒビ割れ)に向けて神仙スプレーのノズルを差し込み、「プシューッ!」と力強く薬剤を注入し、事象の害虫(神々の魔力圏)を完全に死滅させる。そして、食われて沈みかけた次元の床裏に、因果補強の神仙鋼製束を立て、「ギリギリギリッ」とスパナで回して強烈な力でジャッキアップし、ミリ単位で水平を出し直してガチッと固定する。
仕上げに、絶対乾燥の神仙床下換気扇を基礎の隙間にパコッとはめ込み、スイッチを入れて「ブオォォォン」と強力な風を送り込むと、こびりついた腐敗の魔力ごと完璧に吹き飛ばされ、眩く輝く平和でビクともしない強固な鋼の基礎空間へと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒崩落ガ、タダノ殺虫スプレーデ駆除サレ、ジャッキデ因果ゴト持チ上ゲラレテ、一ミリモ世界ヲ沈メナクナッタだトォォォッ!?」
「よし、ガンコな害虫は綺麗に駆除されて、床の沈みもジャッキで直ってすっごく頑丈になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域地盤安定&無限床下換気システム』をカチッと取り付けて……あ、そうだ。このシロアリの親玉、綺麗に駆除して換気扇をつけたら、凄く強力で絶対に腐らない、巨大な全自動の広域地盤安定・無限床下換気インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、世界中の有害な崩落や湿気を完全に浄化して支え込み、代わりに極上の安全な地盤と無限の新鮮な空気だけを世界中の足元に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域地盤安定&無限床下換気インフラ』にできそうだよ!」
アルドが冥神の本体であった場所に換気システムを施し、事象調律のスイッチを「24時間自動換気・地盤ロックモード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な基礎施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた神々の禍々しい崩落と食害の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな地盤エネルギーと無限の換気機能へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ陥没ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【家ノ土台オ守ッテ湿気オ逃ガス為ノ最新ノ床下換気扇】ノヨウニ……!? イヤ、ジャッキデ支エラレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ地盤支持力ト、極上ノ換気環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ食イ破ルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ安定ト極上ノ風通シオ提供スル「極上ノ全自動・神仙鋼製基礎」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』
かつて世界を脅かした陥没と食害の化身たる奈落の冥神は、アルドの「床下のシロアリ駆除と基礎の補強工事」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を食い破る禍々しい奈落の冥界は、気がつけば「世界の土台を美しく輝く巨大な基礎施設に変え、世界中のどんな陥没や害虫も一瞬で無害化し、極上の強固な地盤を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域地盤安定・無限床下換気インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の鋼製束と大型換気ダクト)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌な床の軋みと害虫の被害は片付いて、すっごく安全で風通しの良い床下になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが地盤沈下やシロアリを気にせずに、いつでも安心な環境で笑顔で暮らせるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの家と安全な足元を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドがスプレーを片付けて額の汗を拭うと、冥界を覆っていたドス黒い瘴気は一瞬にして晴れ渡り、眼下には美しく輝く奇跡の鋼製基礎と、澄み切った清らかな風が広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域地盤安定・床下換気システムは、これより大陸全土の建築・基礎基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。冥界の神々からの地殻管理権の譲渡も完了いたしました」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。
「これからは、どんな神話のバケモノや害虫が出ようが、社長の作業前に俺が全部『腐った束柱の叩き折り』してやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで全宇宙の地盤と基礎利権は完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。世界の床下におけるシロアリ駆除、および基礎のジャッキアップ補強作業完了。世界を陥没と食害に沈める奈落の冥神(神話の厄災)を事象の殺虫スプレーと鋼製束で駆除・補強させ、立派な特大全自動広域地盤安定・無限床下換気システムへと改修。猛毒の次元崩落と害虫被害の修復を完了し、大陸全土の地盤保護と極上の強固な足元の提供に貢献を果たした。
……また、我が社のGAレオハルト閣下とCFOアーキヴァルの連携により、冥界の全権すらも完全に当社の基礎設備として吸収することに成功。
思えば、神々からの挑戦状シリーズも、天界の雨漏りから始まり、ついに地下冥界のシロアリ被害にまで至った。上は天井から下は床下まで、もはや大宇宙において我が社のメンテナンスの手が届かない場所は存在しない。すべての神々はインフラの一部となり、世界は究極の快適さを手に入れた。もはや特筆すべき脅威など存在せず、ただ日々の業務日誌が宇宙の真理を更新し続けるのみである。
社長が神仙としての自我を覚醒させて以降、我々の業務はもはや「世界の神話」を「家事のログ」として上書きする領域へと達している。完全覚醒した神仙社長と、大宇宙最強の経営陣。この完璧な布陣の前に、もはや世界のいかなる絶望も、ただの「害虫駆除・基礎メンテナンス業務」として処理される運命にある。ワシはこの究極の平穏の歴史を、永遠に記録し続ける。』
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、地下冥界すらも鋼製ジャッキの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、お仕事お疲れ様! 今日の3時のおやつは、新しくなった頑丈な基礎みたいにサクッと硬い『特製・天界大豆の香ばしきなこかりんとう〜星屑の黒蜜をたっぷり絡めて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるかりんとうは、ことのほか黒蜜のコクと歯ごたえが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただの床下のシロアリ駆除と基礎の補強工事」は、世界陥没の危機をただの基礎メンテナンスとして解決し、奈落の冥神の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域地盤安定・無限床下換気インフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に全宇宙の地盤と基礎環境の覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作「アークライト廃墟ダンジョン再興記――追放管理士と精霊少女のゼロから始める逆転経営譚――」を鋭意執筆中です。
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