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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第192話:ただの雨漏り修理と屋根の防水コーティングと、神々の大洪水(天界神群)の強制全自動広域防水・無限清浄水源インフラ化(総合ライフサポート企業の屋根・外装メンテナンス業務)

第192話:ただの雨漏り修理と屋根の防水コーティングと、神々の大洪水(天界神群)の強制全自動広域防水・無限清浄水源インフラ化(総合ライフサポート企業の屋根・外装メンテナンス業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、極上の肉が赤ワインでホロホロに煮込まれる芳醇な香りと、バターがたっぷり溶け込んだ特製デミグラスの暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大精霊の清冽な草原で育った『幻獣牛の極厚テールシチュー〜数百年熟成の神仙赤ワイン仕立てと、焼きたて神仙小麦のガーリックバゲットを添えて〜』だ。まずは、大人の腕ほどもある幻獣牛のテール肉を、神仙岩塩と粗挽き黒胡椒でしっかりと焼き色をつける。肉の旨味を完全に閉じ込めたら、天界の香味野菜と数百年熟成させた神仙の赤ワインで、お肉がスプーンで切れるほどトロトロになるまで三日三晩じっくりと煮込むんだ! 仕上げに、大精霊の森で採れた幻獣マッシュルームと、ホクホクの天界メークインを加え、星屑のバターを溶かし込んでコクと艶を極限まで引き上げる。この暴力的なまでに濃厚で深い琥珀色のシチューを、専用の分厚い陶器の器にたっぷりと注ぎ込む! 付け合わせには、外はパリッと中はモチモチに焼き上げた神仙小麦のバゲットに、自家製のガーリックバターをたっぷりと塗ってカリッと焼いたものを添える。……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、湯気と共に圧倒的な赤ワインと肉の香りを放つ特大のテールシチューをダイニングテーブルに運ぶと、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、神竜ポチとモフモフの星狼シロがテーブルの下でちぎれんばかりに尻尾を振っていた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣牛の圧倒的なコラーゲンとアミノ酸が全身の魔力回路を限界突破させ、神仙赤ワインのポリフェノールが血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の煮込み料理フルコース』である。

「うむ……! この琥珀色のシチューにスプーンを沈め、ホロホロのテール肉をすくい上げた瞬間に決壊する、肉の旨味とワインの香りの嗅覚的ビッグバン! そして口に運べば、噛むまでもなくとろける肉の甘みと、野菜の旨味が溶け込んだ濃厚なソースが口の中で奇跡のハーモニーを奏でる! すかさずカリカリのガーリックバゲットをシチューに浸して頬張れば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! ホクホクのジャガイモで舌を火傷しそうになりながらもスプーンが止まらず、我が最高福利厚生責任者の職務が、真冬の暖炉の前で至福の晩餐を楽しむ王様のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、バゲットとスプーンを両手で震わせ、あまりの美味さにワナワナと肩を震わせて感涙に咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上アールグレイティーが振る舞われた後。

 アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える、大宇宙最強の経営陣。レイヴン、エルミナ、シノン、アーキヴァル。そして、歴史を刻むゾルタンと外交を司るレオハルト。

 テーブルの中央には、先日からの創造神や悪神連合に続き、ついに天界の全権を握る神々から叩きつけられた、猛烈な水の魔力を放つ『最終挑戦状』が置かれていた。

「さて、みんな。今日も美味しいご飯を食べてエネルギー満タンだね!」

 アルドはニコッと微笑みながら、ふと視線をリビングの天井の隅へと向け、少しだけ眉をひそめた。

「……ねえ。今朝届いたこのお手紙なんだけど、なんだか『上階の住人(天界神群)が、僕たちの快適な生活を妬んで、ベランダからわざと大量の水を撒いて嫌がらせをしてきている』みたいな嫌な予感がするんだ。しかも、ぽちゃん、ぽちゃんって……天井にシミができて、雨漏りしちゃってる。僕の全知全能のセンサーで見ると、それがはるか上空の『天界の大瀑布』から、神々の嫉妬と最終審判を通じて伝わってきているのがわかる。『貴様らのインフラ整備という大罪により、神への信仰は地に落ちた。我ら天界神群が、四十日四十夜の大洪水で全てを洗い流し、世界を初期化する』って書いてあるし、完全にタチの悪い水漏れトラブルだね」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「天井のシミと雨漏りトラブル」。それはすなわち、かつてアルドたちが様々な神々をインフラ設備に改修した事実を受け、ついに残存する天界の神々が結集し、『大洪水の天神』を筆頭に次元の天井を打ち破り、世界を物理的に水没させて滅ぼそうとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。

 しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界を雨漏りや水害のない、乾燥して快適な居住空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。

「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた天界神群による大洪水と次元水没……間違いありませんね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「我が社の情報網にも、今朝早くから天界の最上層『天界の大瀑布』における、極めて深刻な次元崩壊と大洪水の被害報告が届いております。社長の感知された通り、天界の全軍を率いる『大洪水の天神・ウォーターフォール・パニッシャー』が、審判の豪雨(致死の猛毒水)を降らせ、我々の世界の屋根を腐らせて水没させようとしているのです。さらにタチの悪いことに、その天神が生み出す『水腐りの粘体ども(※触れるものの次元と建材をドロドロに溶かす魔獣群)』が天井の裂け目(屋根の隙間)から溢れ出し、人々の街に雪崩れ込んでは、全てを絶望の濁流の底に沈めようと暴れ回っております」

「なるほど! やっぱり上の階の厄介な住人(天神)が、自分たちの思い通りにならないからって、タチの悪い水浸しの嫌がらせ(水腐り魔獣)をして、屋根の防水層を壊してるんだね!」

 アルドはバインダーの報告書を見て、プロの屋根・外装メンテナンス業者としての血を騒がせた。

「僕の力なら大洪水なんて一瞬で干上がらせられるけど、雨漏りの対応はやっぱり、腐った下地を綺麗に撤去して乾かし、ヒビ割れに専用のコーキング材をピチューッ!と隙間なく充填して、最後に最新の『超速乾・強力ウレタン防水塗料』をローラーでムラなく塗り広げて、物理的に水を完全に弾く屋根にするのが一番確実で安心できるからね! このまま放置すれば、家(世界)の中が水浸しになって家具が全部ダメになっちゃう。安全で快適な居住権を守るためにも、屋根をキッチリ修理して、極上の防水コーティングにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。屋根にこびりついた鬱陶しい粘体ども(魔獣の群れ)と、水を吸って腐った古い屋根材の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のスクレーパーとバールで一つ残さず剥がし取り、完璧な『下地処理(不良箇所撤去)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧を大型の屋根用ヘラのように構えて不敵に笑う。

「ええ。天神が撒き散らすガンコな湿気と水腐りの瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力乾燥・防カビ魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、清潔な塗装環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、防水工事で飛び散る塗料や、剥がした瓦礫が周囲の家に飛散しないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、現場の周囲に完璧な塗装工事用ブルーシートと養生テープ(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 防水工事は下地が濡れてると塗料が乗らないし、周りを汚しちゃうから、しっかり養生して乾かしてくれると助かるよ!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の濁流と塗料を完全に弾く特製外装工事用・防水ツナギと長靴)に着替え、手には巨大な「事象充填の神仙コーキングガン」と、プロ仕様の「因果遮断の神仙ウレタン防水塗料」、そして「絶対弾水の神仙塗装ローラー」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『屋根・外装メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの雨漏りと水害の悩みを解決するために、邪魔な濁流をブロックして、屋根を優良な防水システムにリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、外装工事仕様に改造された魔導高所作業車(超大型ウレタン攪拌機搭載)に乗り込み、空間がドス黒い濁流と雨雲に覆われつつある上空の『天界の大瀑布』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、上空の『天界の大瀑布』の中心部。

 世界の次元を水没させ、全ての存在を永遠の濁流と絶望の底に沈める『大洪水の天神・ウォーターフォール・パニッシャー』が、天を覆い尽くすほどの巨大な雨雲と滝の玉座に座り、傲慢な雷鳴を響かせていた。

「ゴゴゴゴォォォッ!! 素晴らしいぞ! 我ら天界神群の総意たるこの審判の大洪水さえあれば、忌まわしいインフラ企業どもなど一瞬で押し流され、永遠の水底に絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の濁流を!」

 天神は、巨大な雲の裂け目からドス黒い猛毒の瀑布を放ち、無数の水腐りの粘体たちを次元の天井へと放った。

「愚かな地上の生命どもめ。我ら神々が最終審判を下したからには、もはやこの世界のどこにも雨露をしのげる場所などないと知れ! さあ、もっとだ! 全ての屋根を腐らせ、大陸全土を永遠の海原に変えよ!」

「我ら天界神群の洪水の威力は絶対だ! この大瀑布まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」

 ――キキィィィィッ!! ドッシャァァンッ!!

 天神が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な濁流が吹き荒れる大瀑布のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導高所作業車)が、神話級の猛毒と洪水をものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、作業車のドアが「ガラッ」と無遠慮に開け放たれ、コーキングガンと塗装ローラーを持った青年の明るくも毅然とした声が、神々のノイズを完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 上の階の住人さん(天神)、故意の水漏れトラブルと屋根の防水工事に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい下地の腐りっぷりと、屋根に湧いてるタチの悪いカビ(水腐り魔獣)だね! ルールを守らずに大量の水を撒き散らすなんて、ご近所迷惑も甚だしいよ。こりゃ徹底的にヒビ割れの補修と防水コーティングのしがいがあるや!」

 アルドは、防水グローブをカチッと装着しつつ、プロの外装業者としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対領域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」

 天神が驚愕の濁流ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「施工・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながら雨雲の屋根へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい屋根にこびりついたカビども(粘体の群れ)と、水を吸ってブヨブヨになった古い屋根材から、綺麗に『下地処理・剥がし作業』して差し上げましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の洪水の中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ審判軍団ヲ『水漏れのカビと古い屋根』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ粘体軍団デ、貴様ラノ次元ヲ永遠ニ溶カシ尽クシテクレルワ!」

 天神の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い濁流と腐敗の酸を纏った粘体群が、一斉にアルドたちに向かって致死の次元水没弾を放ちながら襲い掛かった。

「うわっ、このカビたち、すっごくジメジメしてて新しい柱まで腐らせようとしてる! 放置してたら家が倒壊しちゃうぞ!」

 アルドは、迫り来る魔獣の群れを「ルールを守らない隣人のせいで発生したタチの悪い水腐りカビ」と完全に認識し、神仙コーキングガンをカチャリと構えた。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『水漏れトラブルと屋根の劣化被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は屋根業者として、こいつらを完璧に剥がして水を完全に弾くだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の屋根防水工事現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。防水工事で飛び散る塗料や剥がした瓦礫が周囲の街に漏れないよう、まずは私が完璧に塗装工事用ブルーシートと養生テープを張ります」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、大瀑布と天神の周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――ピィィィィンッ!

 瞬間、大瀑布全体をすっぽりと覆うように、透明で絶対的な強度を誇る『神仙の塗装防護用ブルーシート結界』が展開された。これで、致死の猛毒の濁流や塗料は一ミリたりとも外の世界へ漏れ出すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は天神が撒き散らすガンコな湿気と水腐りの瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に強制乾燥・防カビ処理いたしますわ!」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光強制乾燥魔法』が、超強力な工業用ヒーターの光の熱風となって周囲の狂気の濁流を包み込み、一気に乾燥させた。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を溶かす猛毒の濁流は、その浄化の光の熱風を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害でカラカラの乾いた空気へと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただのカビや腐った木材など、ただのスクレーパーのマトだ! そして、邪魔な不良箇所は俺が綺麗に削ぎ落としてやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した粘体の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「水腐朽劣化屋根材解体剥離斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、粘体ボディの「因果の隙間」を完璧に見切り、まるでブヨブヨに腐った古い防水シートを専用のヘラでガリガリッ!と綺麗に剥がし取るかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に粉砕し、ただの無害な乾燥したゴミにしてしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ粘体軍団ガ、タダノ『熱風ヒーター』ト『下地処理』ノ前ニ、一瞬デただの乾イタゴミクズニサレテイクゥゥッ!?」

 天神は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただの乾燥したチリ」に変わり、大瀑布の視界がクリアになっていく光景に、驚愕のあまり巨大な水流の体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげで腐った下地の撤去と乾燥は完璧だね! あとは、あの一番デカくて水を撒き散らしている『迷惑な住人の親玉ウォーターフォール・パニッシャー』の足元の次元のヒビ割れに、事象充填の神仙コーキングガンでブチューッ!とシリコンを充填して隙間を埋め、因果遮断の神仙ウレタン防水塗料を絶対弾水の神仙塗装ローラーでコロコロと均一に塗り広げて、分厚い防水層を作るだけだ!」

 アルドは、特製『事象充填の神仙コーキングガン』を天神の巨大な本体(次元のヒビ割れと大洪水の中核)へと向けて構え、突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙コーキングガンは星の因果の裂け目を物理的に充填し密閉する絶対事象補修ツールであり、神仙防水塗料とローラーは大宇宙のいかなる次元の神々の大洪水や神話級の猛毒の濁流すらも、物理的に『塗膜で覆って水を弾く』だけで完璧に無害化し、極上の乾燥した居住空間を取り戻す『究極の屋根メンテナンスツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ次元ヲ水没サセル『終焉ノ絶対瀑布アビス・デリュージ』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ深海ノ底ニ沈メテクレルワ!」

 天神が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを押し流す超巨大な猛毒の濁流と雨雲を放ってきた。

「うわっ! 上の階から、すっごくガンコな水漏れの波が押し寄せてきた! でも、この特製コーキングと防水塗料の前には、どんなに酷い大洪水も一発で完全防水だ!」

 アルドが天神の巨大な足元(世界の天井のヒビ割れ)に向けて神仙コーキングガンを当て、「ブチューッ!」と力強くシリコンを流し込み、事象の水漏れ(神々の魔力圏)を完全にシャットアウトする。そして、ヒビが埋まった平らな下地の上に、因果遮断の神仙ウレタン防水塗料をバシャッとあけ、絶対弾水のローラーで「コロコロッ、スィーッ」と隙間なく分厚く塗り広げていく。

 仕上げに、トップコートを塗って完全に乾かすと、こびりついた洪水の魔力ごと完璧に弾き返され、眩く輝く平和で水を一滴も通さない強固なウレタン防水屋根へと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒瀑布ガ、タダノコーキングデ塞ガレ、ウレタン塗料デ因果ゴト弾カレテ、一ミリモ世界ニ水ヲ落トセナクナッタだトォォォッ!?」

「よし、ガンコな水漏れは綺麗に塞がって、屋根もピカピカのウレタン防水になってすっごく安心になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域防水&清浄水源貯水槽システム』をカチッと取り付けて……あ、そうだ。この迷惑な住人、綺麗に防水処理して水をせき止めたら、凄く強力で絶対に雨漏りしない、巨大な全自動の広域防水・無限清浄水源インフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、世界中の有害な濁流や大洪水を完全に浄化して溜め込み、代わりに極上の安全な純水と無限の生活用水だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域防水&無限清浄水源インフラ』にできそうだよ!」

 アルドが天神の本体であった場所に貯水システムを施し、事象調律のスイッチを「純水ろ過・貯水モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な屋根施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた神々の禍々しい大洪水と次元崩壊の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな水源エネルギーと無限の防水機能へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ水没ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【家ノ屋根オ守ッテ雨水オ綺麗ニ溜メル為ノ最新ノ防水貯水槽】ノヨウニ……!? イヤ、ローラーデ塗ラレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ防水力ト、極上ノ水源環境オ提供スル超大型インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ滅ボスノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ乾燥ト極上ノ綺麗ナ水オ提供スル「極上ノ全自動・神仙ウレタン防水屋根」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 かつて世界を脅かした大洪水と次元水没の化身たる天界神群は、アルドの「雨漏り修理と屋根の防水コーティング」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を溶かす禍々しい天界の大瀑布は、気がつけば「世界の天井を美しく輝く巨大な防水施設に変え、世界中のどんな濁流や水害も一瞬で無害化し、極上の安全な純水を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域防水・無限清浄水源インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白のウレタン塗装屋根と貯水タンク)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌な雨漏りと水害の被害は片付いて、すっごく安全で水を弾く屋根になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが大洪水や水不足を気にせずに、いつでも安心な環境で笑顔で暮らせるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの家と安全な生活用水を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドがローラーを片付けて額の汗を拭うと、大瀑布を覆っていたドス黒い濁流の雨雲は一瞬にして晴れ渡り、眼下には美しく輝く奇跡の防水屋根と、澄み切った清らかな青空が広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域防水・清浄水源システムは、これより大陸全土の治水・屋根環境基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。天界神群からの水源管理権の譲渡も完了いたしました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。

「これからは、どんな神話のバケモノや水漏れトラブルが来ようが、社長の作業前に俺が全部『腐った下地の剥がし作業』してやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで全宇宙の治水と防水利権は完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。世界の天井における雨漏り修理、およびウレタン防水コーティング作業完了。世界を大洪水と水没に沈める天界神群(神話の厄災)を事象のコーキングと防水塗料で充填・弾水させ、立派な特大全自動広域防水・無限清浄水源システムへと改修。猛毒の濁流汚染と次元水没被害の修復を完了し、大陸全土の治水保護と極上の安全な純水の提供に貢献を果たした。

 ……また、我が社のGAレオハルト閣下とCFOアーキヴァルの連携により、天界の全権すらも完全に当社の屋根外装設備として吸収することに成功。

 思えば、神々からの挑戦状すらも、もはや我が社にとっては「悪質クレーマー(大家)」「不法投棄(町内会)」「騒音(隣人)」「迷惑チラシ(スパム)」「強引な訪問販売(押し売り)」そして「意図的な水漏れ(上の階の住人)」といった、ただの近隣トラブルやメンテナンス業務の一環として処理されてしまった。宇宙の真理や神々の怒りなど、社長のローラー一塗りの前ではただの「下地」に過ぎないのだ。

 社長が神仙としての自我を覚醒させて以降、我々の業務はもはや「世界の神話」を「家事のログ」として上書きする領域へと達している。完全覚醒した神仙社長と、大宇宙最強の経営陣。この完璧な布陣の前に、もはや世界のいかなる絶望も、ただの「屋根・外装メンテナンス業務」として処理される運命にある。ワシはこの究極の平穏の歴史を、永遠に記録し続ける。』

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、天界の大洪水すらも防水屋根の一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、お仕事お疲れ様! 今日の3時のおやつは、綺麗になった屋根みたいにツルツルで弾力のある『特製・大精霊の清流水饅頭〜星屑の冷たい緑茶を添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げる水饅頭は、ことのほか葛のなめらかさと冷たさが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただの雨漏り修理と屋根の防水コーティング」は、世界水没の危機をただの外装メンテナンスとして解決し、天界神群の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域防水・無限清浄水源インフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に全宇宙の治水と屋根環境の覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作「アークライト廃墟ダンジョン再興記――追放管理士と精霊少女のゼロから始める逆転経営譚――」を鋭意執筆中です。

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