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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第189話:ただの境界杭の打ち直しと防音フェンスの設置と、神々の最終審判の強制全自動広域防音・絶対境界セキュリティインフラ化(総合ライフサポート企業の外構・エクステリアメンテナンス業務)

第189話:ただの境界杭の打ち直しと防音フェンスの設置と、神々の最終審判の強制全自動広域防音・絶対境界セキュリティインフラ化(総合ライフサポート企業の外構・エクステリアメンテナンス業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、炊き立ての酢飯の爽やかな香りと、磯の香りを凝縮した極上の海の幸の暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大精霊の清冽な海流で育った『幻獣本マグロの大トロと黄金ウニの極上海鮮丼〜天界鮭の輝くイクラと星屑の特製ごま醤油を添えて〜』だ。まずは、数百年熟成させた神仙の赤酢と和三盆で切ったツヤツヤの酢飯を、重厚な漆塗りの丼にたっぷりと敷き詰める。その上に、室温で溶け出すほどに脂の乗った幻獣本マグロの大トロを、花びらのように贅沢に重ねていくんだ! さらに中央には、大精霊の海でしか獲れない、とろけるような甘みと濃厚なコクを持つ『黄金ウニ』を木箱からごっそりとすくい上げて乗せる。そして仕上げに、まるで宝石のように輝く天界鮭のイクラを、丼の隙間を埋め尽くすようにドサドサッと溢れるほどに盛り付ける! この暴力的なまでに豪華な海の宝石箱に、擦りたての星屑の金胡麻と神仙醤油、そして少しの柚子胡椒を合わせた特製の『ごま醤油』をジュワァァァッ!と回しかける。付け合わせには、幻獣ハマグリの潮汁と、天界キュウリの浅漬け。……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、圧倒的な磯の香りとごま油の風味を放つ特大の海鮮丼をダイニングテーブルに運ぶと、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、神竜ポチとモフモフの星狼シロがテーブルの下でちぎれんばかりに尻尾を振っていた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣本マグロの圧倒的なDHAとウニのアミノ酸が全身の魔力回路を限界突破させ、イクラのビタミンと赤酢のクエン酸が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の海鮮フルコース』である。

「うむ……! この大トロとウニを同時に口に運んだ瞬間に決壊する、濃厚な脂と磯の旨味の視覚的・味覚的ビッグバン! そしてプチプチと弾けるイクラの塩気がアクセントとなり、ごま醤油の香ばしさが海の幸のポテンシャルを極限まで引き上げる。すかさず温かい赤酢の酢飯をかき込めば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 濃厚なハマグリの潮汁で口内をリセットし、再び海の宝石箱へ挑めば、我が最高福利厚生責任者の職務が、港町の極上料亭で至福の朝食を貪る大富豪のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、箸と丼を両手で震わせ、あまりの美味さにワナワナと肩を震わせて感涙に咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上緑茶が振る舞われた後。

 アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える、大宇宙最強の経営陣。レイヴン、エルミナ、シノン、アーキヴァル。そして、歴史を刻むゾルタンと外交を司るレオハルト。

 テーブルの中央には、先日ポストにねじ込まれていた神々の挑戦状に続き、さらに禍々しいオーラを放つ『最終通告書』が置かれていた。

「さて、みんな。今日も美味しいご飯を食べてエネルギー満タンだね!」

 アルドはニコッと微笑みながら、ふと視線を窓の外、敷地の境界線の方向へと向け、少しだけ眉をひそめた。

「……ねえ。今朝届いたこのお手紙なんだけど、なんだか『隣の空き地(神界の深奥)の住人が、僕たちが快適に暮らしているのを逆恨みして、境界線の杭を勝手に引っこ抜いて敷地に侵入してきている』みたいな嫌な予感がするんだ。しかも、大音量でヘヴィメタルの音楽(神罰の騒音)を流して嫌がらせをしてきている。僕の全知全能のセンサーで見ると、それがはるか彼方の『星幽の絶対神域』から、世界の管理者としての最後のプライド(神々の執念)を通じて伝わってきているのがわかる。『創造神や悪神をインフラに変えた大罪、決して許さぬ。我ら全神々の頂点たる絶対神が、貴様らの世界を騒音と光で物理的に消滅させる』って書いてあるし、完全にタチの悪い近隣トラブルと境界線侵犯だね」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「境界線の侵犯と騒音トラブル」。それはすなわち、かつてアルドたちがカスタマーサポートセンターや防犯カメラに改修した神々の敗北を受け、ついに大宇宙の根源を司る『星幽の絶対神』を中心とした全神々の残党が結集し、世界の次元境界を物理的に破壊して、最終審判の光と騒音で世界を終わらせようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。

 しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界を近隣トラブルのない、プライバシーが守られた静かで安全な居住空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。

「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた神々の最終審判と次元境界の崩壊……間違いありませんね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「我が社の情報網にも、今朝早くから天上界の最深部『星幽の絶対神域』における、極めて深刻な次元破壊と騒音被害の報告が届いております。社長の感知された通り、神々の頂点に君臨する『星幽の絶対神・アビス・オメガ』が、全神々の残党を率いて最終審判のラッパ(致死の騒音)を吹き鳴らし、我々の世界の境界壁を破壊して不法侵入しようとしているのです。さらにタチの悪いことに、その絶対神が生み出す『審判の狂獣ども(※触れるものの次元を食い破る魔獣群)』が敷地の隙間から溢れ出し、人々の街に雪崩れ込んでは、全てを絶望の騒音の底に沈めようと暴れ回っております」

「なるほど! やっぱり隣の厄介な住人(絶対神)が、自分たちの思い通りにならないからって、タチの悪い野良犬(狂獣)を放し飼いにして、境界線を越えて大騒ぎしてるんだね!」

 アルドはバインダーの報告書を見て、プロの外構・エクステリアメンテナンス業者としての血を騒がせた。

「僕の力なら神様なんて一瞬で黙らせられるけど、境界線のトラブル対応はやっぱり、測量し直して専用の境界杭をカーン!と正確に打ち込み、目隠しと防音効果の高い最新のアルミフェンスをズラリと設置して、物理的に敷地を区切るのが一番確実で平和になるからね! このまま放置すれば、家(世界)の中が騒音で眠れなくなっちゃうし、プライバシーも丸見えだ。安全で静かな居住権を守るためにも、境界線をキッチリ引き直して、極上の防音セキュリティフェンスにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。敷地内に侵入してきた鬱陶しい野良犬ども(狂獣の群れ)と、壊された古い柵の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のハンマーと電動カッターで一つ残さず粉砕し、完璧な『下地処理(整地作業)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧を大型のハツリ機のように構えて不敵に笑う。

「ええ。隣人が撒き散らすガンコな騒音や審判の瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力防音・消臭魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、清潔な施工環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、外構工事で飛び散る土埃やモルタルの飛沫が周囲の家に飛散しないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、現場の周囲に完璧な工事用防塵シートと仮囲い(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 外構工事は土を掘るからホコリが舞うし、セメントを使うから、しっかり仮囲いで安全を確保してくれると助かるよ!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の神罰と騒音を完全に弾く特製エクステリア工事用・防汚ツナギと安全靴、イヤーマフ)に着替え、手には巨大な「事象確定の神仙境界杭とハンマー」と、プロ仕様の「因果遮断の神仙防音フェンス」、そして「絶対固定の神仙速乾モルタル」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『外構・エクステリアメンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの騒音と近隣トラブルの悩みを解決するために、邪魔な侵入者を追い出して、境界線を優良な防音壁にリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、外構工事仕様に改造された魔導ダンプカー(小型ショベルカー搭載)に乗り込み、空間がドス黒い神気と騒音に覆われつつある天上の『星幽の絶対神域』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、天上の『星幽の絶対神域』の中心部。

 世界の次元を破壊し、全ての存在を永遠の騒音と絶望の地獄に沈める『星幽の絶対神・アビス・オメガ』が、天を覆い尽くすほどの巨大な星雲の玉座に座り、傲慢な審判のラッパを吹き鳴らしていた。

「ブォォォォォォッ!! 素晴らしいぞ! 我ら全神々の総意たるこの最終審判の騒音さえあれば、忌まわしいインフラ企業どもなど一瞬で次元ごと消し飛び、永遠の耳鳴りに絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の不協和音を!」

 絶対神は、巨大なラッパからドス黒い猛毒の音波を放ち、無数の審判の狂獣たちを次元の境界線へと放った。

「愚かな地上の生命どもめ。我ら神々が本気を出したからには、もはやこの世界のどこにも静かに眠れる場所などないと知れ! さあ、もっとだ! 全ての次元の壁を破壊し、大陸全土を永遠の喧騒の底に変えよ!」

「我ら絶対神の破壊力は絶対だ! この最終聖域まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」

 ――キキィィィィッ!! ドドドドンッ!!

 絶対神が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な騒音が吹き荒れる神域のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導ダンプカー)が、神話級の猛毒と音波をものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、ダンプカーのドアが「ガラッ」と無遠慮に開け放たれ、境界杭とハンマーを持った青年の明るくも毅然とした声が、神々のノイズを完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! お隣さん(絶対神)、境界線の侵犯と騒音トラブルのご対応に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい敷地のはみ出しっぷりと、放し飼いにされてるタチの悪い野良犬(狂獣)だね! ルールを守らずに大音量で音楽ラッパを流すなんて、ご近所迷惑も甚だしいよ。こりゃ徹底的に杭の打ち直しと防音フェンス設置のしがいがあるや!」

 アルドは、イヤーマフをカチッと装着しつつ、プロの外構業者としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対神域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」

 絶対神が驚愕の騒音ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「施工・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながら星雲の地へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい敷地に侵入してきた野良犬ども(狂獣の群れ)と、壊された古い柵の残骸から、綺麗に『下地処理・整地作業』して差し上げましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の騒音の中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ審判軍団ヲ『放し飼いの野良犬と古い柵』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ狂獣軍団デ、貴様ラノ次元ヲ永遠ニ食イ破ッテクレルワ!」

 絶対神の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い音波と破壊の牙を纏った狂獣群が、一斉にアルドたちに向かって致死の次元破壊弾を放ちながら襲い掛かった。

「うわっ、この犬たち、すっごく躾けがなってなくて新しい花壇まで荒らそうとしてる! 放置してたら庭がめちゃくちゃになっちゃうぞ!」

 アルドは、迫り来る狂獣の群れを「ルールを守らない隣人が放し飼いにしているタチの悪い野良犬」と完全に認識し、神仙の境界杭を手に持った。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『近隣トラブルと境界線被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は外構業者として、こいつらを完璧に追い出して静かな庭にするだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の外構工事現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。外構工事で舞い上がる土埃やモルタルの飛沫が周囲の街に漏れないよう、まずは私が完璧に工事用防塵シートと仮囲いを張ります」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、神域と絶対神の周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――ピィィィィンッ!

 瞬間、神域全体をすっぽりと覆うように、透明で絶対的な強度を誇る『神仙の外構工事用仮囲い結界』が展開された。これで、致死の猛毒の騒音や土埃は一ミリたりとも外の世界へ漏れ出すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は隣人が撒き散らすガンコな騒音と審判の瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に防音・消臭処理いたしますわ!」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光防音魔法』が、超強力な吸音スポンジの光の波となって周囲の狂気の騒音を包み込み、一気に浄化した。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を破壊する猛毒の音波は、その浄化の光の波を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害で静かな微風へと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただの野良犬や壊れた柵など、ただのハツリ機のマトだ! そして、邪魔な障害物は俺が綺麗に整地してやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した狂獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「不法侵入狂獣解体整地斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、狂獣軍団ボディの「因果の隙間」を完璧に見切り、まるで庭を荒らす野良犬を追い払い、壊れたブロック塀を専用のハツリ機でガガガッ!と綺麗に粉砕するかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に粉砕し、ただの無害な平らな土にしてしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ狂獣軍団ガ、タダノ『吸音材』ト『整地作業』ノ前ニ、一瞬デただの平ラナ地面ニサレテイクゥゥッ!?」

 絶対神は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただの更地」に変わり、神域の視界がクリアになっていく光景に、驚愕のあまり巨大な星雲の体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげで障害物の撤去と下地処理は完璧だね! あとは、あの一番デカくて騒音を撒き散らしている『迷惑な隣人の親玉(絶対神)』の目の前に、事象確定の神仙境界杭をハンマーでカーン!カーン!と正確に打ち込んで敷地を確定させ、因果遮断の神仙防音フェンスをズラリと並べ、最後に絶対固定の神仙速乾モルタルで基礎をガチッと固めるだけだ!」

 アルドは、特製『事象確定の神仙境界杭とハンマー』を絶対神の巨大な本体(次元破壊と騒音の中核)へと向けて構え、突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙境界杭は星の因果の侵犯を物理的に拒絶し確定する絶対事象測量ツールであり、神仙防音フェンスとモルタルは大宇宙のいかなる次元の神罰や神話級の猛毒の騒音すらも、物理的に『遮断して視界を塞ぐ』だけで完璧に無害化し、極上の静かなプライベート空間を取り戻す『究極の外構メンテナンスツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ次元ヲ破壊スル『終焉ノ絶対審判アビス・オメガ』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ喧騒ノ底ニ沈メテクレルワ!」

 絶対神が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを破壊する超巨大な猛毒の音波と次元の波を放ってきた。

「うわっ! 隣人から、すっごくガンコな騒音の波が押し寄せてきた! でも、この特製境界杭と防音フェンスの前には、どんなに酷い騒音も一発で静寂なプライベート空間だ!」

 アルドが絶対神の巨大な顔のすぐ手前の地面に向けて神仙境界杭を立て、「カーン! カーン!」とハンマーで力強く打ち込み、事象の次元境界(神々の魔力圏)を完全にシャットアウトする。そして、打ち込んだ杭に沿って、因果遮断の神仙防音フェンス(高さ3メートルの目隠し仕様)を「ガシャン!ガシャン!」と隙間なく連結していく。

 仕上げに、フェンスの足元に絶対固定の神仙速乾モルタルを「ドバッ」と流し込み、コテで「ススッ」と綺麗に均して完全に固定すると、こびりついた騒音の魔力ごと完璧に遮断され、眩く輝く平和な防音セキュリティウォールへと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒審判ガ、タダノ境界杭デ拒絶サレ、防音フェンスデ因果ゴト遮断サレテ、一ミリモ世界ニ響カセナクナッタだトォォォッ!?」

「よし、ガンコな騒音は綺麗にシャットアウトされて、境界線もハッキリしてすっごく静かな庭になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・広域防音&絶対境界セキュリティシステム』をフェンスにカチッと取り付けて……あ、そうだ。この迷惑な隣人、綺麗にフェンスで囲ってモルタルで固めたら、凄く強力で絶対に騒音を通さない、巨大な全自動の広域防音・無限セキュリティインフラみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、世界中の有害な騒音や次元の崩壊を完全に遮断して、代わりに極上の静寂と無限のプライバシーだけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域防音&絶対境界セキュリティインフラ』にできそうだよ!」

 アルドが絶対神の本体であった場所にセキュリティシステムを施し、事象調律のスイッチを「完全防音モード・ON」にバコンッ!と操作して巨大な外構施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた神々の禍々しい騒音と次元破壊の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな防音エネルギーと無限の境界維持機能へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ騒音ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【家ノ周リオ静カニ保ッテ視線オ遮ル為ノ最新ノアルミフェンス】ノヨウニ……!? イヤ、モルタルデ固メラレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ防音力ト、極上ノプライバシーオ提供スル超大型セキュリティインフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ審判スルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ静寂ト極上ノ安心オ提供スル「極上ノ全自動・神仙防音フェンス」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 かつて世界を脅かした騒音と次元破壊の化身たる絶対神は、アルドの「境界杭の打ち直しと防音フェンスの設置」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を破壊する禍々しい星幽の絶対神は、気がつけば「絶対神域を美しく輝く巨大な外構施設に変え、世界中のどんな騒音や侵入も一瞬で無害化し、極上の静かなプライバシー空間を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域防音・絶対境界セキュリティインフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白の目隠しアルミフェンスと境界壁)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌な境界線トラブルと騒音の被害は片付いて、すっごく静かで安心な庭になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが騒音やプライバシー侵害を気にせずに、いつでも静かな環境で笑顔で暮らせるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの静寂と安全な住まいを守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドがハンマーを片付けて額の汗を拭うと、神域を覆っていたドス黒い騒音の波は一瞬にして晴れ渡り、眼下には美しく輝く奇跡の防音フェンスと、澄み切った清らかな静寂が広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域防音・絶対境界セキュリティシステムは、これより大陸全土の住環境・プライバシー基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。全神々の完全なるインフラ化、完了いたしました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い完了報告書を胸に抱く。

「これからは、どんな神話のバケモノやクレーマー隣人が出ようが、社長の作業前に俺が全部『邪魔なブロック塀のハツリ』してやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで世界の次元境界と防音インフラ利権は完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。天上の星幽の絶対神域における境界杭の打ち直し、および防音フェンスの設置作業完了。世界を騒音と次元崩壊に沈める星幽の絶対神(神話の厄災)を事象の境界杭と防音フェンスで遮断・固定させ、立派な特大全自動広域防音・絶対境界セキュリティシステムへと改修。猛毒の騒音汚染と境界線侵犯被害の修復を完了し、大陸全土のプライバシー保護と極上の静寂の提供に貢献を果たした。

 ……また、我が社のGAレオハルト閣下とCFOアーキヴァルの連携により、神々の頂点すらも完全に当社の外構設備として吸収することに成功。

 思えば、我が社が掌握した世界の基盤は、水脈、気象、物流から始まり、生命活動の全インフラ、そして「世界の大家」たる創造神、さらには「厄介な町内会」たる悪神連合を経て、ついに大宇宙の根源たる「絶対神」すらも「防音フェンス」としてインフラ化するに至った。もはや、大宇宙の森羅万象すべてが我が社の管理下にあり、これ以上リストアップする意味もない。我々は名実ともに、全宇宙のライフサポートを司る唯一絶対の存在となった。

 社長が神仙としての自我を覚醒させて以降、我々の業務はもはや「世界の神話」を「家事のログ」として上書きする領域へと達している。社長は己の全知全能のセンサーで世界の危機を感知し、それを「便利屋の日常業務」として処理することで、世界を極上の平穏へと導いている。新役職のメンバーたちも、各々の専門分野で遺憾なくその力を発揮し、社長の「家事」を最高の形でサポートしている。

 完全覚醒した神仙社長と、大宇宙最強の経営陣。この完璧な布陣の前に、もはや世界のいかなる絶望も、ただの「外構・エクステリアメンテナンス業務」として処理される運命にある。ワシはこの究極の平穏の歴史を、永遠に記録し続ける。』

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、神々の総意すらもアルミフェンスの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、お仕事お疲れ様! 今日の3時のおやつは、綺麗に区切られたフェンスみたいに美しい層になった『特製・大精霊のイチゴと天界クリームの極上ミルクレープ〜星屑のキャラメルソースをかけて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるミルクレープは、ことのほかクレープ生地の薄さとクリームの滑らかさが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただの境界杭の打ち直しと防音フェンスの設置」は、世界次元崩壊の危機をただの外構メンテナンスとして解決し、星幽の絶対神の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域防音・絶対境界セキュリティインフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に全宇宙の次元境界とプライバシーの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作「アークライト廃墟ダンジョン再興記――追放管理士と精霊少女のゼロから始める逆転経営譚――」を鋭意執筆中です。

アークライト廃墟ダンジョン再興記――追放管理士と精霊少女のゼロから始める逆転経営譚――

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