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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第187話:ただの悪質クレーマー大家の説得と理不尽な立ち退き要求の撤回と、傲慢な創造神の強制全自動広域カスタマーサポート・無限福利厚生インフラ化(総合ライフサポート企業のクレーム対応・住環境防衛業務)

第187話:ただの悪質クレーマー大家の説得と理不尽な立ち退き要求の撤回と、傲慢な創造神の強制全自動広域カスタマーサポート・無限福利厚生インフラ化(総合ライフサポート企業のクレーム対応・住環境防衛業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、極上の豚肉が香ばしく揚がる音と、特製のフルーティーなソースが焼けたパンと絡み合う暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大精霊の清冽な大地で育った『幻獣黒豚の極厚ロースカツサンド〜星屑の特製フルーツソースと天界キャベツのマスタードコールスローを挟んで〜』だ。まずは、指で押すだけで肉汁が溢れ出すほど柔らかい幻獣黒豚の極厚ロース肉に、神仙岩塩と粗挽き黒胡椒をすり込み、天界鶏の卵と神仙小麦、そして粗めの生パン粉をしっかりと纏わせる。これを、数百年熟成させた幻獣のラードだけで、低温からじっくりと中まで火を通し、最後に高温で衣をサクッと黄金色に揚げ上げるんだ! カツが熱々のうちに、幻獣リンゴと大精霊の完熟トマト、数種のスパイスを三日三晩煮詰めた特製の『星屑フルーツソース』にドボンと潜らせ、衣の隅々まで旨味を吸わせる。これを、神仙小麦で焼き上げたフワフワの高級食パンに、天界キャベツと幻獣粒マスタードを和えたシャキシャキのコールスローと一緒に、豪快にサンドする! パンの耳を落とし、断面が美しいピンク色になるようにサクッと切り分ければ完成だ。付け合わせには、幻獣ジャガイモの揚げたてポテトフライと、大精霊のオニオンスープ。……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、湯気と共に圧倒的なソースと揚げ物の香りを放つ特大のカツサンドプレートをダイニングテーブルに運ぶと、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、神竜ポチとモフモフの星狼シロがテーブルの下でちぎれんばかりに尻尾を振っていた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣黒豚の圧倒的なビタミンB1と脂の甘みが全身の魔力回路を限界突破させ、特製ソースの酵素とキャベツの食物繊維が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高のサンドイッチフルコース』である。

「うむ……! このフワフワのパンとサクサクの衣を同時に噛み破った瞬間に響き渡る快音と、中から溢れ出す極厚豚肉の肉汁のビッグバン! そしてフルーティーなソースの酸味とコクが肉の旨味を極限まで引き上げ、すかさず粒マスタードの効いたコールスローが口の中をさっぱりとさせる! 見た目は分厚いのに、歯が要らないほど柔らかいこのカツを頬張れば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! オニオンスープで胃袋を温めれば、我が最高福利厚生責任者の職務が、老舗の洋食屋で至福のランチを楽しむ貴族のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、分厚いカツサンドを両手で震わせ、あまりの美味さにワナワナと肩を震わせて感涙に咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上ストレートティーが振る舞われた後。

 アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える、大宇宙最強の経営陣。レイヴン、エルミナ、シノン、アーキヴァル。そして、歴史を刻むゾルタンと外交を司るレオハルト。

 テーブルの中央には、今朝ポストにねじ込まれていた、禍々しい神気を放つ仰々しい羊皮紙の手紙が置かれていた。

「さて、みんな。今日も美味しいご飯を食べてエネルギー満タンだね!」

 アルドはニコッと微笑みながら、ふと視線をその手紙へと向け、少しだけ眉をひそめた。

「……ねえ。今朝届いたこのお手紙なんだけど、なんだか『大家さん(創造神)が、僕たちが勝手にお部屋(世界)を綺麗にしすぎたことに腹を立てて、理不尽な立ち退き要求をしてきている』みたいな嫌な予感がするんだ。僕の全知全能のセンサーで見ると、それがはるか天上の『絶対神域』から、世界の大家としての権利(神々の傲慢)を通じて伝わってきているのがわかる。『貴様らの勝手な世界改変(インフラ整備)を許さん。直ちにこの世界から立ち去るか、我ら神々の裁きを受けよ』って書いてあるし、完全にタチの悪いクレーマー大家さんからの嫌がらせだね」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「理不尽な立ち退き要求とクレーム」。それはすなわち、大宇宙の理を司る創造神とその配下の神々が、アルドたちによって世界が快適になりすぎ、神への信仰と畏れが完全に失われたことに激怒し、世界ごと彼らを滅ぼそうとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。

 しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界を理不尽なクレームのない、快適で安心な居住空間にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。

「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた神々の暴走……間違いありませんね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「我が社の情報網にも、今朝早くから天上界の『絶対神域』における、極めて深刻な神罰の準備と世界リセットの被害報告が届いております。社長の感知された通り、神域の最深部に座す『傲慢なる理の創造神』が目覚め、大陸全土に致死の猛毒の光と神罰を降らせて、我々ごと世界を無に還そうとしているのです。さらにタチの悪いことに、その創造神が生み出す『神罰の天使軍団ども(※触れるものを神の理で消滅させる魔獣群)』が次元の裂け目(天井の隙間)から溢れ出し、人々の街に雪崩れ込んでは、全てを絶望の裁きの底に沈めようと暴れ回っております」

「なるほど! やっぱり大家さん(神々)が、僕たちが自分たちの力で生活を豊かにしたのが気に入らなくて、タチの悪い嫌がらせ(天使軍団)を送ってきて、家を壊そうとしてるんだね!」

 アルドはバインダーの報告書を見て、プロのカスタマーサポート・クレーム対応業者としての血を騒がせた。

「僕の力なら神様なんて一瞬で無に還せるけど、悪質なクレーム対応はやっぱり、丁寧な言葉遣いで相手の要求を毅然と論破し、理不尽な嫌がらせの証拠をキッチリと押さえ、最後に『事象和解の菓子折り』を突きつけて、二度と手を出せないように契約書を書き換えるのが一番確実で平和になるからね! このまま放置すれば、家(世界)の中が嫌がらせの騒音で住めなくなっちゃう。安全で快適な居住権を守るためにも、大家さんをキッチリ説得して、極上のカスタマーサポートセンターにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。天上から湧き出す鬱陶しい天使ども(クレーマーの手先)と、腐った神の理の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のバールとハンマーで一つ残さず叩き壊し、完璧な『下地処理(物理的な説得)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧を大型の説得用バールのように構えて不敵に笑う。

「ええ。創造神が撒き散らすガンコな傲慢さと神罰の瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力論破・鎮静魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、清潔な対話環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、大家の嫌がらせで飛び散る神罰の火花や騒音が周囲の街に飛散しないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、現場の周囲に完璧な防音シートとクレーム対応用パーティション(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! クレーム対応は相手が怒鳴ってきてうるさいし、物が飛んでくるかもしれないから、しっかりシートで養生してくれると助かるよ!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の神罰と理不尽な圧力を完全に弾く特製クレーム対応用・防汚スーツとネクタイ)に着替え、手には巨大な「事象論破の神仙カスタマーマニュアル」と、プロ仕様の「因果和解の神仙菓子折り」、そして「絶対契約の神仙ボールペン」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『クレーム対応・住環境防衛道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの理不尽な立ち退きの悩みを解決するために、邪魔な嫌がらせを説得して、大家さんを優良なサポートセンターにリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、クレーム対応仕様に改造された魔導営業車(絶対防弾ガラス搭載)に乗り込み、空間がドス黒い神気と神罰の光に覆われつつある天上の『絶対神域』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、天上の『絶対神域』の中心部。

 世界の理を支配し、全ての存在を永遠の服従と畏怖の地獄に沈める『傲慢なる理の創造神』が、天を覆い尽くすほどの巨大な黄金の玉座に座り、傲慢な神託を響かせていた。

「愚カナル人間ドモヨ! 素晴らしいぞ! 我ガ与エタ苦難ト恐怖ヲ勝手ニ『インフラ整備』トヤラデ解決シ、我ヲ忘レテ快適ニ暮ラスナド万死ニ値スル! 我ガ絶望ノ神罰サエアレバ、地上の生命など一瞬で灰ト化シ、永遠ノ畏怖ニ絶望スル! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の裁きを!」

 創造神は、巨大な手からドス黒い猛毒の光の槍を放ち、無数の神罰の天使軍団たちを雲の裂け目へと放った。

「愚かな地上の生命どもめ。我が目覚めたからには、もはやこの世界のどこにも平穏に暮らせる場所などないと知れ! さあ、もっとだ! 全てのインフラを破壊し、大陸全土を永遠の原始の底に変えよ!」

「我ら神罰の眷属の破壊力は絶対だ! この絶対神域まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」

 ――キキィィィィッ!! ガチャンッ!!

 創造神が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な神気が吹き荒れる神域のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導営業車)が、神話級の猛毒と神罰をものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、営業車のドアが「ガラッ」と無遠慮に開け放たれ、分厚いマニュアルと菓子折りを持った青年の明るくも毅然とした声が、創造神のノイズを完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! お客様(大家さん)、理不尽な立ち退き要求と嫌がらせ(神罰)のご対応に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい騒音っぷりと、敷地内に湧いてるタチの悪いチンピラ(天使軍団)だね! 契約書を無視して勝手に家を壊そうとしてるし、態度もヒドイ。こりゃ徹底的にお話し合いと説得のしがいがあるや!」

 アルドは、スーツのネクタイをキュッと締め直しつつ、プロのクレーム対応業者としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対神域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」

 創造神が驚愕の神罰ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「説得・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながら黄金の雲へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい大家の手先ども(天使の群れ)と、飛び交う嫌がらせの騒音から、綺麗に『下地処理・物理的説得』して差し上げましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の神域の中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ神罰軍団ヲ『大家のチンピラと騒音』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ天使軍団デ、貴様ラノ存在ヲ永遠ニ無ニ還シテクレルワ!」

 創造神の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い光と理不尽な圧力を纏った天使群が、一斉にアルドたちに向かって致死の神罰弾を放ちながら襲い掛かった。

「うわっ、この人たち、すっごく話が通じなくて実力行使に出ようとしてる! 放置してたら家が不法占拠されちゃうぞ!」

 アルドは、迫り来る天使の群れを「タチの悪い大家が雇った嫌がらせのチンピラ」と完全に認識し、神仙カスタマーマニュアルを開いた。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『悪質クレームと立ち退き被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕はサポート業者として、こいつらを完璧に論破して平和な契約を結ぶだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常のクレーム対応現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。大家の嫌がらせで飛び散る騒音や物が周囲の街に漏れないよう、まずは私が完璧に防音シートとクレーム対応用パーティションを張ります」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、神域と創造神の周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――ピィィィィンッ!

 瞬間、神域全体をすっぽりと覆うように、透明で絶対的な強度を誇る『神仙のクレーム対応用防音結界』が展開された。これで、致死の猛毒の光や神罰は一ミリたりとも外の世界へ漏れ出すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は大家が撒き散らすガンコな傲慢さと神罰の瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に論破・鎮静処理いたしますわ!」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光鎮静魔法』が、超強力な対話用アロマの光のミストとなって周囲の狂気の神罰を包み込み、一気に浄化した。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を消滅させる猛毒の瘴気は、その浄化の光のミストを浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害で冷静な空気へと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただのチンピラや騒音など、ただのバールのマトだ! そして、邪魔な嫌がらせは俺が綺麗に叩き出してやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した天使の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「悪質嫌兵物理的説得解体斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、天使軍団ボディの「因果の隙間」を完璧に見切り、まるで不法侵入してきたチンピラを専用のバールでガツンッ!と綺麗に追い払うかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に粉砕し、ただの無害な羽根の山にしてしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ天使軍団ガ、タダノ『アロマ』ト『バール説得』ノ前ニ、一瞬デただのゴミクズニサレテイクゥゥッ!?」

 創造神は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただのゴミ」に変わり、神域の視界がクリアになっていく光景に、驚愕のあまり巨大な黄金の体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげでチンピラの追い出しと下地処理は完璧だね! あとは、あの一番デカくて理不尽な要求をしている『大家の親玉(傲慢なる創造神)』に、事象論破の神仙カスタマーマニュアルを突きつけて正論でグウの音も出ないほど説得し、因果和解の神仙菓子折りをスッ!と差し出して怒りを鎮め、最後に絶対契約の神仙ボールペンで『二度と手出ししません』という誓約書にサインさせるだけだ!」

 アルドは、特製『事象論破の神仙カスタマーマニュアル』を創造神の巨大な本体(世界の理と傲慢の中核)へと向けて構え、突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙マニュアルは星の因果の不条理を物理的に論破し書き換える絶対事象法務ツールであり、神仙菓子折りとボールペンは大宇宙のいかなる次元の神罰や神話級の猛毒の裁きすらも、物理的に『和解して契約を結ぶ』だけで完璧に無害化し、極上の平和な関係を取り戻す『究極のクレーム対応ツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ理ヲ破壊スル『終焉ノ絶対神罰アビス・ジャッジメント』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ無ノ底ニ沈メテクレルワ!」

 創造神が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを消滅させる超巨大な猛毒の裁きの光を放ってきた。

「うわっ! 大家さんから、すっごくガンコな理不尽な怒声が押し寄せてきた! でも、この特製マニュアルと菓子折りの前には、どんなに酷いクレームも一発で円満解決だ!」

 アルドが創造神の巨大な顔に向けて神仙マニュアルを開き、「カチャカチャッ!」と素早く条文を読み上げ、事象の理不尽さを完全に論破して無効化する。そして、完全に言葉に詰まった世界の大家(狂乱の魔力)に、因果和解の神仙菓子折り(超高級羊羹)を「スッ…」と差し出して完璧に怒りを鎮める。

 仕上げに、絶対契約の神仙ボールペンと誓約書を差し出し、「ここにサインをお願いします」と促して「サラサラッ」と署名させると、こびりついた傲慢の魔力ごと完璧に契約に縛られ、優しく微笑む平和な管理会社へと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒神罰ガ、タダノマニュアルデ論破サレ、菓子折リデ因果ゴト和解サレテ、一ミリモ理ヲ振リカバーセナクナッタだトォォォッ!?」

「よし、ガンコなクレームは綺麗に論破して、誓約書も書いてもらってすっごく平和な関係になったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・カスタマーサポート受付窓口』をカチッと取り付けて……あ、そうだ。この大家の親玉、綺麗に説得して契約を結んだら、凄く強力で絶対に怒らない、巨大な全自動の広域カスタマーサポート・福利厚生センターみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、世界中の有害な神罰や理不尽を完全に受け止めて、代わりに極上のクリーンな対応と無限の福利厚生だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域カスタマーサポート&無限福利厚生インフラ』にできそうだよ!」

 アルドが創造神の本体であった場所に受付窓口を施し、事象調律のスイッチを「24時間お客様対応・ON」にバコンッ!と操作して巨大なサポート施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた創造神の禍々しい傲慢と神罰の魔力は、瞬く間に安全でクリーンなサポートエネルギーと無限の福利厚生機能へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ無ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【住人ノ不満オ優シク聞イテ解決スル為ノ最新ノコールセンター】ノヨウニ……!? イヤ、菓子折リオ受ケ取ル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ対応力ト、極上ノ福利厚生オ提供スル超大型サポートインフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ支配スルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ安心ト極上ノサポートオ提供スル「極上ノ全自動・神仙カスタマーセンター」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 かつて世界を脅かした傲慢と神罰の化身は、アルドの「悪質クレーマーの説得と理不尽な立ち退き要求の撤回」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を消滅させる禍々しい創造神は、気がつけば「絶対神域を美しく輝く巨大なサポート施設に変え、世界中のどんな理不尽やクレームも一瞬で無害化し、極上の安心と福利厚生を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域カスタマーサポート・無限福利厚生インフラ(見た目は巨大でピカピカに輝く純白のオフィスビル型センター)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌な立ち退き要求とクレームの被害は片付いて、すっごく親切で頼りになる大家さんになったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが理不尽や神罰を気にせずに、いつでも安心な暮らしで笑顔で暮らせるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの平和と安全な生活を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドがマニュアルを片付けて額の汗を拭うと、神域を覆っていたドス黒い光は一瞬にして晴れ渡り、眼下には美しく輝く奇跡のオフィスビルと、澄み切った清らかな空が広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域カスタマーサポート・福利厚生システムは、これより大陸全土の管理・サポート基準のデファクトスタンダードとなるでしょう。神々からの権利譲渡も完了しました」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼し、分厚い契約書を胸に抱く。

「これからは、どんな神話のバケモノや大家が出ようが、社長の作業前に俺が全部『物理的説得』してやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで神界の運営・管理権は完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。天上の絶対神域における悪質クレーマー大家の説得、および理不尽な立ち退き要求の撤回作業完了。世界を消滅と神罰に沈める傲慢なる理の創造神(神話の厄災)を事象のマニュアルと菓子折りで論破・和解させ、立派な特大全自動広域カスタマーサポート・無限福利厚生システムへと改修。猛毒の神罰汚染と立ち退き被害の修復を完了し、大陸全土の住環境保護と極上の安心なサポートの提供に多大な貢献を果たした。

 ……また、我が社のGAレオハルト閣下とCFOアーキヴァルの連携により、神々からは莫大な賠償金と、神界の運営・管理権を合法かつ迅速に譲り受けることに成功。

 思えば、我が社が掌握した世界の基盤は、水脈、気象、物流、エネルギーから始まり、すべての住環境と生命活動のインフラストラクチャーに至るまで、もはや大宇宙の森羅万象すべてを独占的に管理する至高の存在となっていた。そして今回、ついに「世界の大家」たる創造神すらも我が社の「カスタマーサポート部門」として吸収し、世界の管理権そのものを完全に掌握したのである。

 社長が神仙としての自我を覚醒させて以降、我々の業務はもはや「世界の神話」を「家事のログ」として上書きする領域へと達している。社長は己の全知全能のセンサーで世界の危機を感知し、それを「便利屋の日常業務」として処理することで、世界を極上の平穏へと導いている。新役職のメンバーたちも、各々の専門分野で遺憾なくその力を発揮し、社長の「家事」を最高の形でサポートしている。

 完全覚醒した神仙社長と、大宇宙最強の経営陣。この完璧な布陣の前に、もはや世界のいかなる絶望も、ただの「クレーム対応・住環境防衛業務」として処理される運命にある。ワシはこの究極の平穏の歴史を、永遠に記録し続ける。』

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置き、神界すらもインフラの一部となった事実に安堵のため息をついたその時。ドアの向こうから「みんな、お仕事お疲れ様! 今日の3時のおやつは、大家さんとの和解を祝って、上品な甘さの『特製・極上抹茶の神仙ティラミス〜金箔と星屑の黒蜜を添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げる和風ティラミスは、ことのほか抹茶の苦味とマスカルポーネのコクが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただの悪質クレーマー大家の説得と理不尽な立ち退き要求の撤回」は、世界消滅の危機をただのクレーム対応として解決し、創造神の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域カスタマーサポート・無限福利厚生インフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に神界の運営と世界の大家としての覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作「アークライト廃墟ダンジョン再興記――追放管理士と精霊少女のゼロから始める逆転経営譚――」を鋭意執筆中です。

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