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辺境暮らしの便利屋冒険者、伝説のクランのリーダーに祭り上げられる 〜本人曰く「ただの日常」らしいです〜  作者: 盆ちゃん


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第184話:ただのトイレの詰まり修理と便器の防汚コーティングと、汚泥の腐海魔蟲の強制全自動広域下水浄化・無限魔力循環インフラ化(総合ライフサポート企業の水回り・サニタリーメンテナンス業務)

第184話:ただのトイレの詰まり修理と便器の防汚コーティングと、汚泥の腐海魔蟲の強制全自動広域下水浄化・無限魔力循環インフラ化(総合ライフサポート企業の水回り・サニタリーメンテナンス業務)

 黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。

 キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、極上の赤身肉がじっくりとローストされる芳醇な香りと、ニンニクと赤ワインが煮詰まった特製ソースの暴力的なまでの匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。

「よし! 今日のメインは、大精霊の清冽な草原で育った『幻獣和牛の極厚ローストビーフ丼〜星屑の特製オニオンガーリックソースと天界卵の黄身を添えて〜』だ。まずは幻獣和牛の最も柔らかく旨味が詰まった希少部位『シャトーブリアン』のブロック肉に、神仙岩塩と粗挽きの黒胡椒をしっかりと擦り込む。これを熱々に熱した極厚鉄板で表面をカリッと焼き固め、肉汁を完全に閉じ込めるんだ! その後、低温の魔法オーブンでじっくりと芯まで火を通し、美しいルビー色のグラデーションに仕上げる。焼き上がった肉を、少し厚めに贅沢にスライスしていく。炊き立てでツヤツヤの神仙米を敷き詰めた重厚な丼の上に、この極上ローストビーフをまるで大輪の薔薇の花のように美しく、隙間なく重ねていくんだ! そしてソースは、数百年熟成させた神仙醤油、赤ワイン、擦り下ろした幻獣玉ねぎ、そして天界のニンニクを限界まで煮詰めた特製の『星屑オニオンガーリックソース』。これを肉の山の上からジュワァァァッ!と滝のように回しかける! 中央には、天界鶏の産みたて卵の、箸で掴めるほど弾力のある濃厚な黄身をポトリと落とす。付け合わせには、大精霊の清流で育ったクレソンのサラダと、幻獣牛のテールを三日三晩煮込んだ黄金のコンソメスープ。……熱々のうちに完成だよ!」

 アルドがエプロン姿で、湯気と共に圧倒的なニンニクと肉の香りを放つ特大のローストビーフ丼をダイニングテーブルに運ぶと、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、神竜ポチとモフモフの星狼シロがテーブルの下でちぎれんばかりに尻尾を振っていた。

 この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣和牛の圧倒的な赤身の鉄分とアミノ酸が全身の魔力回路を限界突破させ、特製ソースの酵素と卵黄のレシチンが血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の肉食フルコース』である。

「うむ……! この黄金の卵黄に箸を突き立てた瞬間に決壊する、濃厚な黄身のマグマの視覚的ビッグバン! そして極厚のローストビーフにソースと卵黄をたっぷりと絡め、ご飯と一緒に大口で頬張れば、暴力的なまでの肉の旨味とオニオンガーリックのパンチが口の中で奇跡のハーモニーを奏でる! すかさずクレソンで口内をリセットし、再び肉の山へ挑めば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 濃厚なテールスープで胃袋を温めれば、我が最高福利厚生責任者の職務が、王宮の晩餐会で至福の肉料理を貪る暴君のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」

 【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、箸と丼を両手で震わせ、あまりの美味さにワナワナと肩を震わせて感涙に咽いでいた。

 賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上黒烏龍茶が振る舞われた後。

 アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える、大宇宙最強の経営陣。レイヴン、エルミナ、シノン、アーキヴァル。そして、歴史を刻むゾルタンと外交を司るレオハルト。

「さて、みんな。今日も美味しいご飯を食べてエネルギー満タンだね!」

 アルドはニコッと微笑みながら、ふと視線を廊下の奥、サニタリールーム(トイレ)の方向へと向け、少しだけ眉をひそめた。

「……ねえ。今朝からなんだけど、なんだか『トイレの水を流しても全然流れていかなくて、便器の奥からゴボゴボと嫌な音がして、下水みたいなドブの匂いが上がってきている』ような違和感を感じたんだ。僕の全知全能のセンサーで見ると、それがはるか南の『底なしの汚泥魔境』から、世界の下水管(排泄サイクル)を通じて伝わってきているのがわかる。配管の奥にトイレットペーパーの塊みたいなタチの悪いヘドロが詰まってて、便器の表面にも黒ずみ汚れがこびりついてる……そんな、早急なトイレの詰まり修理と便器の防汚コーティングが必要な嫌な予感がするんだよね」

 神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「トイレの詰まりと悪臭」。それはすなわち、大宇宙の浄化と排泄物循環を司る下水基盤そのものが破壊され、世界が猛毒のヘドロと絶望の瘴気に呑み込まれようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。

 しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界を悪臭のない、清潔で快適なサニタリー環境にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。

「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた下水浄化・衛生環境の異常……間違いありませんね」

 【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。

「我が社の情報網にも、今朝早くから大陸南部の『底なしの汚泥魔境』周辺における、極めて深刻な下水逆流と猛毒ヘドロの被害報告が届いております。社長の感知された通り、魔境の最深部に長年封印されていた『汚泥の腐海魔蟲・アビス・スラッジ』が目覚めかけ、大陸全土の水脈を致死の猛毒ヘドロで覆い尽くし、世界を悪臭漂う腐海へと変えようとしているのです。さらにタチの悪いことに、その魔蟲が生み出す『排泄のヘドロヒキガエルども(※触れるものをドロドロの汚泥に変換する魔獣群)』が下水管の裂け目(便器の奥)から溢れ出し、人々の街に雪崩れ込んでは、全てを絶望の汚物の底に沈めようと暴れ回っております」

「なるほど! やっぱり長年トイレ掃除をサボったせいで、下水の奥(汚泥魔境)にガンコな詰まりの親玉(腐海魔蟲)が居座って、そこにタチの悪い汚れ(ヒキガエル)が逆流してきて空気を汚してるんだね!」

 アルドはバインダーの報告書を見て、プロの水回り・サニタリーメンテナンス業者としての血を騒がせた。

「僕の力ならヘドロなんて一瞬で真水に変えられるけど、トイレのお手入れはやっぱり、専用のラバーカップで詰まりの奥をズボポポポッ!と一気に貫通させ、強力な酸性トイレクリーナーでこびりついた尿石や黒ずみをブラシでピカピカに磨き落とし、最後に防汚コーティング剤をスプレーして汚れを弾くようにするのが一番確実で清潔なトイレになるからね! このまま放置すれば、家(世界)の中が汚水まみれになって病気になっちゃう。安全で衛生的な住空間を守るためにも、トイレをピカピカに修理して、極上の下水浄化システムにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」

 アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。

「社長。配管から逆流してくる鬱陶しいヒキガエルども(魔獣群)と、こびりついたガンコなヘドロの解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のパイプクリーナーワイヤーとブラシで一つ残さず削ぎ落とし、完璧な『下地処理(配管清掃)』をしてご覧に入れましょう」

 レイヴンが、神具の斧を大型の配管清掃用ワイヤーブラシのように構えて不敵に笑う。

「ええ。ヘドロが撒き散らすガンコな下水臭や猛毒の瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力消臭・除菌魔法(※極大の聖水浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、清潔なサニタリー環境を整えて差し上げますわ」

 エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。

「……作業中、詰まり抜きで跳ね返ってくる汚水やクリーナーの飛沫が周囲の床に飛散しないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、現場の周囲に完璧なトイレ用防水養生シートと吸水マット(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」

 シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。

「うんうん、みんな本当に頼もしいな! トイレの修理は汚水が跳ねるし、強い酸性の洗剤を使うから、しっかりシートで床と壁を養生してくれると助かるよ!」

 アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒のヘドロと強酸を完全に弾く特製サニタリーメンテ用防水ツナギとロングゴム手袋、長靴)に着替え、手には巨大な「事象貫通の神仙ラバーカップ(スッポン)」と、プロ仕様の「因果溶解の神仙トイレクリーナー」、そして「絶対防汚の神仙コーティングスプレー」を握りしめた。

「よーし! それじゃあ僕は、この『トイレ・水回りメンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちのトイレの詰まりと悪臭の悩みを解決するために、邪魔なヘドロを貫通させて、トイレをピカピカにリフォームしてこよう!」

 こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、サニタリーメンテナンス仕様に改造された魔導バキュームカー(高圧洗浄機搭載)に乗り込み、空間がドス黒いヘドロと下水臭に覆われつつある大陸南部の『底なしの汚泥魔境』へと向けて出勤したのである。

 ***

 その頃、大陸南部の『底なしの汚泥魔境』の中心部。

 世界の水脈を汚染し、全ての存在を永遠の猛毒ヘドロと悪臭の地獄に沈める悪夢『汚泥の腐海魔蟲・アビス・スラッジ』が、山のように巨大なドス黒い粘液の体をうねらせながら、傲慢なノイズを響かせていた。

「ゴボボボッ……ブクブクゥゥッ! 素晴らしいぞ! この星の忌まわしい清らかな水を全てヘドロに染め上げ、我が汚泥の苗床に変える猛毒の瘴気さえあれば、地上の生命など一瞬で病に倒れ、永遠の腐海に絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の下水逆流を!」

 腐海魔蟲は、巨大な体表の無数の孔からドス黒い猛毒のヘドロを噴き上げ、無数の排泄のヘドロヒキガエルたちを下水管の裂け目へと放った。

「愚かな地上の生命どもめ。我が目覚めたからには、もはやこの世界のどこにも綺麗な水を使える場所などないと知れ! さあ、もっとだ! 全ての浄化機能を破壊し、大陸全土を永遠の肥溜めの底に変えよ!」

「我ら汚泥の眷属の汚染力は絶対だ! この猛毒とヘドロの領域まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」

 ――キキィィィィッ!! ドッシャァァンッ!!

 魔蟲が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な下水臭が渦巻く魔境のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導バキュームカー)が、神話級の猛毒と汚泥の沼をものともせずにドリフト着陸する音が響き渡った。

 そして、バキュームカーのドアが「ガラッ」と無遠慮に開け放たれ、巨大なラバーカップとトイレクリーナーを持った青年の明るい声が、魔蟲のノイズを完全に打ち破ったのである。

「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 各国の方々からご依頼いただいたトイレの詰まり修理と便器の清掃に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい下水管の詰まりっぷりと、便器の表面に湧いてるタチの悪い汚れ(ヒキガエル魔獣)だね! 匂いもヒドイし、完全に汚水が逆流しかかってる。こりゃ徹底的にお手入れと詰まり抜きのしがいがあるや!」

 アルドは、ロングゴム手袋をキュッと締め直しつつ、プロのサニタリーメンテナンス業者としてのダメ出しを開始した。

「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対汚泥ノ領域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」

 腐海魔蟲が驚愕のヘドロブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながらヘドロだらけの大地へと降り立ったのである。

「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい配管から逆流してきたヒキガエルども(魔獣の群れ)と、こびりついたガンコな尿石汚れから、綺麗に『下地処理・削ぎ落とし作業』して差し上げましょう」

 CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。

 総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死のヘドロの中で今まさに始まろうとしていた。

「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ汚染軍団ヲ『トイレの詰まりと尿石』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガヘドロヒキガエルデ、貴様ラノ血肉ヲ永遠ニ汚泥ニ変エテクレルワ!」

 魔蟲の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒いヘドロと悪臭を纏った魔獣群が、一斉にアルドたちに向かって致死の汚染弾を放ちながら襲い掛かった。

「うわっ、この汚れ、すっごくしつこくて新しい便器まで黄ばませようとしてる! 放置してたら家全体が下水臭くなっちゃうぞ!」

 アルドは、迫り来る魔獣の群れを「長年放置されて大繁殖したタチの悪い便器の黒ずみと尿石」と完全に認識し、神仙トイレクリーナーのボトルのフタを開けた。

(僕の神仙の力が、この世界の異常を『トイレの詰まりと悪臭被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕はメンテナンス業者として、こいつらを完璧に清掃して綺麗な水を流すだけだ!)

 自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常のトイレ修理現場」のルールへと書き換えられていく。

「社長、ここは我々『社員』にお任せを。詰まり抜きで跳ね返ってくる汚水やクリーナーの飛沫が周囲の街に漏れないよう、まずは私が完璧にトイレ用防水養生シートと吸水マットを張ります」

 CSOのシノンが音もなく跳躍し、魔境と魔蟲の周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。

 ――ピィィィィンッ!

 瞬間、魔境全体をすっぽりと覆うように、透明で絶対的な強度を誇る『神仙のサニタリー工事用防水結界』が展開された。これで、致死の猛毒ヘドロや汚水は一ミリたりとも外の世界へ漏れ出すことはない。

「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私はヘドロが撒き散らすガンコな下水臭と猛毒の瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に消臭・除菌処理いたしますわ!」

 CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖水除菌魔法』が、超強力なトイレ用消臭スプレーの光のミストとなって周囲の狂気のヘドロを包み込み、一気に浄化した。

「ギィヤアアアアッ!?」

 万物を汚染する猛毒の瘴気は、その浄化の光のミストを浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害で爽やかなミントの香りへと変わっていく。

「フンッ! 魔力を抜かれたただのヘドロや尿石など、ただのワイヤーブラシのマトだ! そして、邪魔なこびりつきは俺が綺麗に削ぎ落としてやろう!」

 CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。

「配管劣化汚泥魔獣解体剥離斬ィィィッ!!」

 放たれた一撃は、ヘドロヒキガエルボディの「因果の隙間」を完璧に見切り、まるで便器のフチ裏にこびりついたガンコな黒ずみを専用のブラシでゴシゴシと綺麗に削り落とすかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に粉砕し、ただの無害なチリにしてしまった。

「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノヘドロヒキガエルガ、タダノ『消臭スプレー』ト『トイレブラシ』ノ前ニ、一瞬デただの便器ノゴミクズニサレテイクゥゥッ!?」

 腐海魔蟲は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただのゴミ」に変わり、魔境の視界がクリアになっていく光景に、驚愕のあまり巨大な粘液の体を激しく震わせた。

「よし、みんなのおかげで表面の汚れ落としと下地処理は完璧だね! あとは、あの一番デカくて下水管を詰まらせている『配管の奥のガンコな詰まりの親玉アビス・スラッジ』に、事象貫通の神仙ラバーカップを押し当ててズボポポポッ!と一気に詰まりを貫通させ、因果溶解の神仙トイレクリーナーで便器をピカピカに磨き上げ、最後に絶対防汚の神仙コーティングスプレーをシュッ!と吹きかけて汚れを弾くようにするだけだ!」

 アルドは、特製『事象貫通の神仙ラバーカップ』を魔蟲の巨大な本体(下水管の詰まりの中核)へと向けて構え、突撃した。

 ――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙ラバーカップは星の因果の詰まりを物理的に吸引し貫通させる絶対事象配管ツールであり、神仙クリーナーとコーティング剤は大宇宙のいかなる次元の下水逆流や神話級の猛毒ヘドロすらも、物理的に『洗い流して汚れを弾く』だけで完璧に無害化し、極上の清潔なサニタリー空間を取り戻す『究極の水回りメンテナンスツール』である。

「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ水脈ヲ腐ラセル『終焉ノ絶対汚泥アビス・スラッジ』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ肥溜メノ底ニ沈メテクレルワ!」

 腐海魔蟲が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てをドロドロに溶かす超巨大な猛毒のヘドロの波を放ってきた。

「うわっ! 便器の奥から、すっごくガンコなトイレットペーパーの塊みたいなヘドロが逆流してきた! でも、この特製ラバーカップとクリーナーの前には、どんなに酷い詰まりも一発でスッキリ開通だ!」

 アルドが魔蟲の巨大な体に向けて神仙ラバーカップをピタッ!と密着させ、全身の力を込めて「ズボッ! ズボポポポッ!!」と限界まで上下に動かし、事象の詰まりを完璧に吸引し貫通させる。そして、開通して水が引いた空間(便器)に、因果溶解の神仙トイレクリーナーを「トロ〜リ」と回しかけ、ブラシで「キュッキュッ」と磨き上げて狂乱の魔力を完全に洗い流す。

 仕上げに、絶対防汚の神仙コーティングスプレーを空間全体に「シュッシュッ!」と吹きかけると、こびりついた汚泥の魔力ごと完璧にコーティングされ、美しく輝く純白の陶器のように水を弾く無菌空間へと姿を変えていった。

「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒ヘドロガ、タダノラバーカップデ貫通サレ、トイレクリーナーデ因果ゴト洗イ流サレテ、一ミリモ水ヲ汚セナクナッタだトォォォッ!?」

「よし、ガンコな詰まりは綺麗に貫通して、便器もピカピカにコーティングされて水を弾くようになったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・温水洗浄便座システム』をカチッと取り付けて……あ、そうだ。この詰まりの親玉、綺麗に掃除してコーティングしたら、凄く強力で絶対に詰まらない、巨大な全自動の広域下水浄化・魔力循環プラントみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、世界中の有害な汚水やヘドロを完全に浄化して、代わりに極上のクリーンな真水と無限の魔力エネルギーだけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域下水浄化&無限魔力循環インフラ』にできそうだよ!」

 アルドが魔蟲の本体であった場所に温水洗浄システムを施し、事象調律のボタンを「自動洗浄・大」にピッ!と操作して巨大な浄化施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。

 暴走していた魔蟲の禍々しい汚泥と悪臭の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな浄化エネルギーと無限の下水循環機能へと漂白・調律されていく。

『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ肥溜メニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【汚水オ綺麗ニ流シテ清潔ナ空間オ保ツ為ノ最新ノ水洗トイレ】ノヨウニ……!? イヤ、ラバーカップデ抜カレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ浄化力ト、極上ノ魔力循環オ提供スル超大型衛生インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ絶望ニ沈メルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ清潔ナ水ト極上ノ魔力エネルギーオ提供スル「極上ノ全自動・神仙サニタリープラント」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』

 かつて世界を脅かした猛毒ヘドロと下水逆流の化身は、アルドの「トイレの詰まり修理と便器の防汚コーティング」によって完全に浄化され、書き換えられた。

 万物を汚染する禍々しい腐海魔蟲は、気がつけば「底なしの汚泥魔境を美しく真っ白な巨大な浄化施設に変え、世界中のどんな汚水やヘドロも一瞬で無害化し、極上の真水と魔力を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域下水浄化・無限魔力循環インフラ(見た目は巨大でピカピカにコーティングされた純白の陶器製浄化タワー)』」へと姿を変えていたのである。

「よしよし! 嫌な悪臭と詰まり被害は片付いて、すっごく綺麗で水がスムーズに流れるトイレになったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが下水の逆流や病気を気にせずに、いつでも清潔な水回りで笑顔で暮らせるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの衛生と綺麗な水を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」

 アルドがラバーカップを片付けて額の汗を拭うと、魔境を覆っていたドス黒い悪臭は一瞬にして晴れ渡り、眼下には美しく輝く奇跡の純白タワーと、澄み切った清らかな水脈が広がっていた。

 その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。

「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域下水浄化・魔力循環システムは、これより大陸全土の衛生・水道基準のデファクトスタンダードとなるでしょう」

 CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼する。

「これからは、どんな神話のバケモノが出ようが、社長の作業前に俺が全部『便器のフチ裏の黒ずみ削り』してやりますよ」

 CDOのレイヴンが頼もしく笑う。

 大公レオハルトも「これで各国の下水浄化・衛生利権は完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。

 アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。

 ***

 数日後。大陸諸国を統べる王室や公衆衛生・水道ギルド本部。

 各国の王たちは、猛毒のヘドロ被害が完全に解消され、汚泥魔境の跡地に前代未聞の超巨大な広域下水浄化・魔力循環インフラが誕生したという報告書を見て震え上がっていた。

「ば、馬鹿な……。我が世界を肥溜めの海に沈めるはずだった汚泥の腐海魔蟲が、たった数時間で『完全なトイレの詰まり抜きと便器コーティング』をされ、あまつさえ魔蟲が『超巨大なサニタリーインフラ』に転職して、国中の下水と水脈の管理権を完璧に独占しているだと……!?」

 そこへ、アステリア王国の大公にして【最高渉外・政府関係公使(GA)】であるレオハルトが、圧倒的な威圧感と外交特権を纏って現れた。

「各国の代表諸君。我が国が誇る総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の『CSR活動(水回り設備メンテナンスと広域衛生インフラ整備業務)』をご利用いただき、誠に感謝する」

 レオハルトの重厚な声と共に、アーキヴァルが【完全なる水脈修復・浄化施設開発代金およびコンサルタント料の請求書】を王たちの目の前にドンッと突きつけた。

「社長(アルド様)の理念により、基本の詰まり抜き・防汚コーティング料金はサービスとさせていただく。……が、魔蟲の完全浄化、下水循環の再構築、そして『大陸全土に極上の安全な真水と衛生空間を供給する巨大システムの永続的な運用費』は、正当なビジネスとして請求させていただこう。支払いは、各国の年間衛生・水道事業収益の九割と、下水浄化ネットワークの独占プロデュース権で手を打つ。これは提案ではない、決定事項だ」

 レオハルトの政治的圧力とアーキヴァルの冷たい宣告と共に、王たちは完全に心をへし折られ、震える手で莫大な報酬の永続支払いにサインをするしかなかった。

 ***

 日だまり郷の黄金の城塞。

 静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。

『〇月×日。大陸南部の底なしの汚泥魔境におけるトイレの詰まり修理、および便器の防汚コーティング作業完了。世界を猛毒のヘドロと悪臭に沈める汚泥の腐海魔蟲アビス・スラッジ(神話の厄災)を事象のラバーカップと防汚コーティングで貫通・浄化させ、立派な特大全自動広域下水浄化・無限魔力循環システムへと改修。猛毒の汚泥汚染と下水逆流被害の修復を完了し、大陸全土の公衆衛生保護と極上の清潔な真水の提供に多大な貢献を果たした。

 ……また、我が社のGAレオハルト閣下とCFOアーキヴァルの連携により、世界各国からは莫大な賠償金と、下水浄化・衛生インフラの独占管理権を合法かつ迅速に譲り受けることに成功。これで我が社は、地下水脈、気象、海上物流、クリーンエネルギー、次元基盤、自然環境、信仰、光、交通・物流、情報・娯楽、資源循環、通信網、医療・甘味、睡眠・無意識、生命の息吹(農業)、食の鮮度(低温物流)、住環境からの防壁、生命の癒やし(温泉)、天蓋修復と気象防壁、次元境界修復と絶対防虫、物質修復と外壁防護、光明修復と電力供給、空間境界修復と絶対防犯、歴史因果修復と物資保管、水質衛生と癒やしの循環、大気環境と換気浄化、大地生態系と食糧生産、天候制御と清浄浄水、地殻構造と地熱エネルギー、次元外装と絶対防壁、光学透視と天蓋シールド、空調管理と気候制御、衛生配管と下水処理、電力網と光エネルギー、海洋海流と無限水循環、造園緑化と無限農業、排熱管理とクリーン暖房、熱源管理と広域給湯、時空安定と標準時管理、屋根外装と広域気象シールド、大気清浄とクリーン換気、空間透視と絶対防虫、地盤強化と無限資源採掘、空間浄化と無菌環境に続き、ついに「世界の下水浄化と衛生環境トイレ・サニタリーメンテナンス」の覇権すらも完全に掌握したことになる。

 社長が神仙としての自我を覚醒させて以降、我々の業務はもはや「世界の神話」を「家事のログ」として上書きする領域へと達している。社長は己の全知全能のセンサーで世界の危機を感知し、それを「便利屋の日常業務」として処理することで、世界を極上の平穏へと導いている。新役職のメンバーたちも、各々の専門分野で遺憾なくその力を発揮し、社長の「家事」を最高の形でサポートしている。

 完全覚醒した神仙社長と、大宇宙最強の経営陣。この完璧な布陣の前に、もはや世界のいかなる絶望も、ただの「水回り・サニタリーメンテナンス業務」として処理される運命にある。ワシはこの究極の平穏の歴史を、永遠に記録し続ける。』

 ゾルタンが深い満足感と共にペンを置くと、ドアの向こうから「みんな、お仕事お疲れ様! 今日の3時のおやつは、綺麗になった白い陶器みたいにツルツルの『特製・大精霊のパンナコッタ〜真っ赤なベリーの甘酸っぱいソースをかけて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。

 ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるパンナコッタは、ことのほかミルクの濃厚さとベリーの酸味が五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。

 最強の便利屋の「ただのトイレの詰まり修理と便器の防汚コーティング」は、世界汚泥化の危機をただの水回りメンテナンスとして解決し、腐海魔蟲の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域下水浄化・無限魔力循環インフラを誕生させてしまった。

 神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界の下水浄化とサニタリーの覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。

ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作「アークライト廃墟ダンジョン再興記――追放管理士と精霊少女のゼロから始める逆転経営譚――」を鋭意執筆中です。

アークライト廃墟ダンジョン再興記――追放管理士と精霊少女のゼロから始める逆転経営譚――

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