第182話:ただの床の軋み修理とシロアリ駆除と、奈落の崩界魔蟲の強制全自動広域地盤強化・無限資源採掘インフラ化(総合ライフサポート企業のフローリング・害虫駆除メンテナンス業務)
第182話:ただの床の軋み修理とシロアリ駆除と、奈落の崩界魔蟲の強制全自動広域地盤強化・無限資源採掘インフラ化(総合ライフサポート企業のフローリング・害虫駆除メンテナンス業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、極上の肉の脂が焦げる暴力的なまでの香ばしさと、スパイシーで食欲を掻き立てるカレーの濃厚な匂いが漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大精霊の清冽な草原で育った『幻獣牛の極厚ホホ肉と世界樹の完熟野菜の特製スパイスカレー〜星屑のナンと神仙サフランライスを添えて〜』だ。まずは幻獣牛の最高級ホホ肉を、数百年熟成させた神仙の赤ワインと特製ブイヨンで三日三晩、スプーンで切れるほどホロホロになるまでじっくりと煮込む。そこに、天界の秘境で採れた数十種類の生のスパイスを絶妙な黄金比で調合し、幻獣バターで香りが爆発するまで炒めたペーストをたっぷりと溶かし込むんだ! 具材には、素揚げして甘みを極限まで引き出した世界樹のナス、幻獣の森の肉厚パプリカ、大精霊の清流で育ったレンコンを惜しげもなくトッピングする。この暴力的なまでに濃厚でスパイシーなカレーを、専用の銀の器にたっぷりと注ぎ込む。主食には、神仙小麦をタンドール窯で外はカリッと中はモッチリと焼き上げた極大の星屑ナンと、香ばしいバターの風味がたまらない神仙サフランライスの両方を用意した! 付け合わせには、天界のヨーグルトで作った爽やかな酸味のライタと、幻獣玉ねぎのピクルス。……熱々のうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、湯気と共に圧倒的なスパイスと肉の香りを放つ特大のカレープレートをダイニングテーブルに運ぶと、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、神竜ポチとモフモフの星狼シロがテーブルの下でちぎれんばかりに尻尾を振っていた。
この極上モーニング、一口かぶりつけば幻獣牛の圧倒的なコラーゲンとアミノ酸が全身の魔力回路を限界突破させ、秘伝スパイスの薬効成分が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高のカレーフルコース』である。
「うむ……! この極厚のホホ肉をナンで包んで口に運んだ瞬間に決壊する、肉の旨味とスパイスの香りの嗅覚的・味覚的ビッグバン! そしてホロホロに崩れる牛肉の暴力的なまでのコクが、サフランライスの甘みと口の中で奇跡のハーモニーを奏でる! すかさずライタの爽やかな酸味で舌をリセットし、再びカレーの海へ飛び込めば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 額に滲む汗すらも心地よく、我が最高福利厚生責任者の職務が、異国の王宮で至福の晩餐を楽しむマハラジャのようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、ナンとスプーンを両手で震わせ、あまりの美味さにワナワナと肩を震わせて感涙に咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上チャイティーが振る舞われた後。
アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える、大宇宙最強の経営陣。レイヴン、エルミナ、シノン、アーキヴァル。そして、歴史を刻むゾルタンと外交を司るレオハルト。
「さて、みんな。今日も美味しいご飯を食べてエネルギー満タンだね!」
アルドはニコッと微笑みながら、ふと視線をリビングの足元、美しく磨き上げられたフローリングの床へと向け、少しだけ眉をひそめた。
「……ねえ。今朝からなんだけど、なんだか『床を歩くとギシギシと嫌な音が鳴って、壁の隅っこから木屑みたいなのがパラパラ落ちてきている』ような違和感を感じたんだ。僕の全知全能のセンサーで見ると、それがはるか地下の『底なしの奈落断層』から、世界の大地(床下の下地)を通じて伝わってきているのがわかる。床下の柱をタチの悪いシロアリが食い荒らしてて、床板のワックスも剥がれてカサカサになっちゃってる……そんな、早急なシロアリ駆除と床の軋み修理、それにワックスがけが必要な嫌な予感がするんだよね」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「床の軋みとシロアリの被害」。それはすなわち、大宇宙の大地と地殻を司る地盤基盤そのものが破壊され、世界が狂乱の地盤沈下と底なしの奈落への崩落に呑み込まれようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。
しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界を足元がしっかりした、安全で美しい床の住環境にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。
「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた地盤・地殻構造の異常……間違いありませんね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「我が社の情報網にも、今朝早くから大陸地下の『底なしの奈落断層』周辺における、極めて深刻な大地の崩落と地盤沈下の被害報告が届いております。社長の感知された通り、奈落の最深部に長年封印されていた『奈落の崩界魔蟲・アビス・クロウラー』が目覚めかけ、大陸全土の地下を食い荒らし、世界を崩壊する泥濘へと変えようとしているのです。さらにタチの悪いことに、その魔蟲が生み出す『貪食の土喰い蟻ども(※触れるものの質量と因果を食い尽くす魔獣群)』が地殻の裂け目(床下の隙間)から溢れ出し、人々の街に雪崩れ込んでは、全てを絶望の崩落の底に沈めようと暴れ回っております」
「なるほど! やっぱり長年床下の点検をサボったせいで、基礎の奥(奈落断層)にガンコな害虫の親玉(崩界魔蟲)が巣を作って、そこにタチの悪いシロアリ(土喰い蟻)が湧いて家を傾かせようとしてるんだね!」
アルドはバインダーの報告書を見て、プロのフローリング・害虫駆除メンテナンス業者としての血を騒がせた。
「僕の力なら地盤沈下なんて一瞬で隆起させられるけど、床のお手入れはやっぱり、専用の薬剤でシロアリを根こそぎ駆除し、床下の腐った木材を補強して、最後に床の表面に強力な樹脂ワックスをムラなく塗り広げるのが一番確実でピカピカになるからね! このまま放置すれば、家(世界)の中が傾いて歩けなくなっちゃう。安全で快適な足元を守るためにも、床下をピカピカに修理して、極上の地盤強化システムにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。床下に湧いた鬱陶しいシロアリども(魔獣群)と、腐ってボロボロになった古い根太の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のバールとハンマーで一つ残さず叩き壊し、完璧な『下地処理(腐朽部撤去)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型の解体用バールのように構えて不敵に笑う。
「ええ。害虫が撒き散らすガンコな腐敗臭や崩壊の瘴気(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力防虫・防腐魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごと中和し、清潔な床下環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、床下作業で舞い上がる土埃や駆除剤の飛沫が周囲の部屋に飛散しないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、現場の周囲に完璧な床下用防塵シートと養生テープ(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 床下の作業は土埃が舞うし、駆除剤の匂いがキツイから、しっかりシートで養生してくれると助かるよ!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の瘴気と泥汚れを完全に弾く特製床下メンテ用防汚ツナギとヘッドライト、防塵マスク)に着替え、手には巨大な「事象殺虫の神仙シロアリ駆除スプレー」と、プロ仕様の「因果補強の神仙床下ジャッキ」、そして「絶対光沢の神仙樹脂ワックスとモップ」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『フローリング・害虫駆除メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの床の軋みと害虫の不安を解決するために、邪魔なシロアリを退治して、床をピカピカにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、床下メンテナンス仕様に改造された魔導軽トラ(大型床下送風機搭載)に乗り込み、空間がドス黒い崩壊の瘴気とシロアリに覆われつつある大陸地下の『底なしの奈落断層』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、大陸地下の『底なしの奈落断層』の中心部。
世界の大地を食い荒らし、全ての存在を永遠の崩落と絶望の地獄に沈める悪夢『奈落の崩界魔蟲・アビス・クロウラー』が、山のように巨大な甲殻と無数の顎を蠢かせながら、傲慢な咀嚼音を響かせていた。
「ギチギチ……ボリボリッ! 素晴らしいぞ! この星の忌まわしい強固な地盤を全て食い破り、我が胃袋に収める暴食の顎さえあれば、地上の生命など一瞬で奈落へ転落し、永遠の暗闇に絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の地盤崩壊を!」
崩界魔蟲は、巨大な顎からドス黒い猛毒の崩壊液を垂れ流し、無数の貪食の土喰い蟻たちを地殻の裂け目へと放った。
「愚かな地上の生命どもめ。我が目覚めたからには、もはやこの世界のどこにも安心して足を踏み入れられる場所などないと知れ! さあ、もっとだ! 全ての大地を食い尽くし、大陸全土を永遠の奈落の底に変えよ!」
「我ら崩壊の眷属の貪食力は絶対だ! この猛毒と崩落の領域まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」
――キキィィィィッ!! ドスンッ!!
魔蟲が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な崩壊の嵐が吹き荒れる断層のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導軽トラ)が、神話級の猛毒と地盤の崩れをものともせずにドリフト着地する音が響き渡った。
そして、軽トラのドアが「ガラッ」と無遠慮に開け放たれ、駆除スプレーと巨大なモップを持った青年の明るい声が、魔蟲のノイズを完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 各国の方々からご依頼いただいたシロアリ駆除と床の補修に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい基礎の食い荒らされっぷりと、木くずに群がってるタチの悪い虫(土喰い蟻)だね! 床が完全に傾いてるし、カビの匂いもヒドイ。こりゃ徹底的にお手入れと駆除のしがいがあるや!」
アルドは、ヘッドライトの光量をカチッと上げつつ、プロの害虫駆除業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対奈落ノ領域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」
魔蟲が驚愕の崩壊ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながら崩れゆく大地の上へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい床下に湧いたシロアリども(魔獣の群れ)と、腐ってボロボロになった古い木材から、綺麗に『下地処理・撤去作業』して差し上げましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の奈落の中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ地盤軍団ヲ『床下のシロアリと腐った木材』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ土喰イ蟻デ、貴様ラノ足元ヲ永遠ニ食イ破ッテクレルワ!」
魔蟲の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い崩壊の瘴気と土煙を纏った魔獣群が、一斉にアルドたちに向かって致死の貪食弾を放ちながら襲い掛かった。
「うわっ、この虫、すっごく食欲旺盛で新しい柱まで食べようとしてる! 放置してたら家が倒壊しちゃうぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の群れを「長年放置されて大繁殖したタチの悪い床下のシロアリ」と完全に認識し、神仙シロアリ駆除スプレーのトリガーに指をかけた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『シロアリ被害と床の軋み』として認識させてるんだ。よし、ならば僕はメンテナンス業者として、こいつらを完璧に駆除して床を真っ直ぐにするだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の床下作業現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。駆除剤の飛沫や舞い上がる土埃が周囲の街に漏れないよう、まずは私が完璧に床下用防塵シートと養生テープを張ります」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、断層と魔蟲の周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――ピィィィィンッ!
瞬間、断層全体をすっぽりと覆うように、透明で絶対的な強度を誇る『神仙の床下工事用防護結界』が展開された。これで、致死の猛毒崩壊液や土埃は一ミリたりとも外の世界へ漏れ出すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は害虫が撒き散らすガンコな腐敗臭と崩壊の瘴気(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に防腐・換気処理いたしますわ!」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光防腐魔法』が、超強力な床下調湿・防カビ剤の光の風となって周囲の狂気の奈落を包み込み、一気に浄化した。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を崩壊させる猛毒の瘴気は、その浄化の光の風を浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害で乾燥した土の匂いへと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただの虫や腐った木材など、ただのバールのマトだ! そして、邪魔なこびりつきは俺が綺麗に引っぺがしてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「基礎木材腐朽害獣解体撤去斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、土喰い蟻ボディの「因果の隙間」を完璧に見切り、まるで腐った根太を専用のバールでメキバキッ!と綺麗に剥がし取るかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に粉砕し、ただの無害な木屑にしてしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ土喰イ蟻ガ、タダノ『防腐剤』ト『バール解体』ノ前ニ、一瞬デただの廃材ノゴミクズニサレテイクゥゥッ!?」
崩界魔蟲は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただのゴミの山」に変わり、断層の視界がクリアになっていく光景に、驚愕のあまり巨大な顎を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで腐った下地の撤去と虫取りは完璧だね! あとは、あの一番デカくて大黒柱を食い荒らしている『シロアリの女王』に、事象殺虫の神仙シロアリ駆除スプレーをプシュゥゥゥッ!と吹きかけて巣を完全に壊滅させ、因果補強の神仙床下ジャッキで傾いた床をグググッ!と持ち上げて真っ直ぐにし、最後に絶対光沢の神仙樹脂ワックスをモップでピカピカに塗り上げるだけだ!」
アルドは、特製『事象殺虫の神仙シロアリ駆除スプレー』を魔蟲の巨大な本体(崩落と貪食の中核)へと向けて構え、突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙駆除スプレーは星の因果の崩壊を物理的に死滅させる絶対事象殺虫剤であり、神仙ジャッキとワックスは大宇宙のいかなる次元の地盤沈下や神話級の崩落すらも、物理的に『持ち上げて表面を保護する』だけで完璧に無害化し、極上の強固な地盤を取り戻す『究極のフローリングメンテナンスツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ大地ヲ食イ破ル『終焉ノ絶対崩落』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ奈落ノ底ニ沈メテクレルワ!」
崩界魔蟲が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを崩壊させる超巨大な猛毒の地震波を放ってきた。
「うわっ! 床下の奥から、すっごくガンコなシロアリの巣が押し寄せてきた! でも、この特製スプレーと強力ジャッキの前には、どんなに酷い食害も一発で完全修復だ!」
アルドが魔蟲の巨大な顎(シロアリの巣)に向けて駆除スプレーをプシュワァァァッ!!と限界まで吹きかけ、事象の害虫を完璧に死滅させる。そして、傾いた地盤(狂乱の魔力)の下に因果補強の神仙床下ジャッキを噛ませ、「グググッ、ガチャン!」と力強くハンドルを回して、崩落しかけた世界を完全に水平へと持ち上げる。
仕上げに、絶対光沢の神仙樹脂ワックスをたっぷりと含ませた巨大なモップで、大地の表面を「スィーッ、スィーッ」と軽快かつ完璧に塗り広げていくと、こびりついた崩落の魔力ごと完璧にコーティングされ、美しく輝く強固な絶対地盤へと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒崩落ガ、タダノ殺虫スプレーデ死滅サレ、床下ジャッキデ因果ゴト持チ上ゲラレテ、一ミリモ大地ヲ崩セナクナッタだトォォォッ!?」
「よし、ガンコな害虫は綺麗にいなくなって、床も真っ直ぐ、ワックスでピカピカになったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の全自動・地盤強化&資源採掘ポンプ』をカチッと取り付けて……あ、そうだ。このシロアリの親玉、綺麗に駆除して床下を補強したら、凄く強力で絶対に崩れない、巨大な全自動の広域地盤強化システムと鉱石採掘機みたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、世界中の有害な地盤沈下や地震を完全に防いで、代わりに極上の強固な大地と無限のレアメタル資源だけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域地盤強化&無限資源採掘インフラ』にできそうだよ!」
アルドが魔蟲の本体であった場所に採掘ポンプを施し、事象調律のスイッチを「オート」にカチッ!と切り替えて巨大な地盤防護施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた魔蟲の禍々しい崩落と貪食の魔力は、瞬く間に安全で強固な地盤エネルギーと無限の資源採掘機能へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ奈落ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【家ヲ傾キカラ守ッテ足元オ綺麗ニ保ツ為ノ最新ノ床下補強材】ノヨウニ……!? イヤ、ジャッキデ持チ上ゲラレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ地盤強化力ト、極上ノ鉱物資源オ提供スル超大型地下インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ絶望ニ沈メルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ強固ナ大地ト極上ノ資源オ提供スル「極上ノ全自動・神仙地盤強化プラント」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』
かつて世界を脅かした地盤崩落と貪食の化身は、アルドの「床の軋み修理とシロアリ駆除」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を食い荒らす禍々しい崩界魔蟲は、気がつけば「底なしの奈落断層を美しく堅固な巨大な地下施設に変え、世界中のどんな地盤沈下も一瞬で補強し、極上の鉱物資源を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域地盤強化・無限資源採掘インフラ(見た目は巨大でピカピカにコーティングされた黄金のジャッキタワーと自動採掘ドリル)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌な床の軋みとシロアリ被害は片付いて、すっごく丈夫でピカピカのフローリングになったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが家の傾きや地震を気にせずに、いつでも安全な足元で笑顔で暮らせるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの住まいと安全な大地を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドがモップを片付けて額の汗を拭うと、断層を覆っていたドス黒い崩壊の土煙は一瞬にして晴れ渡り、眼下には美しく輝く奇跡の黄金タワーと、強固で安定した大地が広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域地盤強化・無限資源採掘システムは、これより大陸全土の建築・鉱業基準のデファクトスタンダードとなるでしょう」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼する。
「これからは、どんな神話のバケモノが出ようが、社長の作業前に俺が全部『腐った根太のバール剥がし』してやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで各国の地盤防衛・鉱物資源利権は完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
数日後。大陸諸国を統べる王室や建築・鉱業ギルド本部。
各国の王たちは、猛毒の地盤沈下被害が完全に解消され、奈落の跡地に前代未聞の超巨大な広域地盤強化・資源採掘インフラが誕生したという報告書を見て震え上がっていた。
「ば、馬鹿な……。我が世界を奈落の底に沈めるはずだった奈落の崩界魔蟲が、たった数時間で『完全なシロアリ駆除と床のワックスがけ』をされ、あまつさえ魔蟲が『超巨大な地盤強化インフラ』に転職して、国中の大地と鉱脈の管理権を完璧に独占しているだと……!?」
そこへ、アステリア王国の大公にして【最高渉外・政府関係公使(GA)】であるレオハルトが、圧倒的な威圧感と外交特権を纏って現れた。
「各国の代表諸君。我が国が誇る総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の『CSR活動(床下設備メンテナンスと広域地盤インフラ整備業務)』をご利用いただき、誠に感謝する」
レオハルトの重厚な声と共に、アーキヴァルが【完全なる地盤修復・採掘施設開発代金およびコンサルタント料の請求書】を王たちの目の前にドンッと突きつけた。
「社長(アルド様)の理念により、基本のシロアリ駆除・ワックスがけ料金はサービスとさせていただく。……が、魔蟲の完全浄化、地盤の再構築、そして『大陸全土に極上の安全な大地と無限の資源を供給する巨大システムの永続的な運用費』は、正当なビジネスとして請求させていただこう。支払いは、各国の年間建築・鉱業事業収益の九割と、地盤強化ネットワークの独占プロデュース権で手を打つ。これは提案ではない、決定事項だ」
レオハルトの政治的圧力とアーキヴァルの冷たい宣告と共に、王たちは完全に心をへし折られ、震える手で莫大な報酬の永続支払いにサインをするしかなかった。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。大陸地下の底なしの奈落断層における床の軋み修理、およびシロアリ駆除作業完了。世界を地盤崩壊と奈落に沈める奈落の崩界魔蟲アビス・クロウラー(神話の厄災)を事象の駆除スプレーと床下ジャッキで死滅・補強させ、立派な特大全自動広域地盤強化・無限資源採掘システムへと改修。猛毒の崩落と大地の貪食被害の修復を完了し、大陸全土の住環境保護と極上の安全な地盤の提供に多大な貢献を果たした。
……また、我が社のGAレオハルト閣下とCFOアーキヴァルの連携により、世界各国からは莫大な賠償金と、地盤防衛・資源インフラの独占管理権を合法かつ迅速に譲り受けることに成功。これで我が社は、地下水脈、気象、海上物流、クリーンエネルギー、次元基盤、自然環境、信仰、光、交通・物流、情報・娯楽、資源循環、通信網、医療・甘味、睡眠・無意識、生命の息吹(農業)、食の鮮度(低温物流)、住環境からの防壁、生命の癒やし(温泉)、天蓋修復と気象防壁、次元境界修復と絶対防虫、物質修復と外壁防護、光明修復と電力供給、空間境界修復と絶対防犯、歴史因果修復と物資保管、水質衛生と癒やしの循環、大気環境と換気浄化、大地生態系と食糧生産、天候制御と清浄浄水、地殻構造と地熱エネルギー、次元外装と絶対防壁、光学透視と天蓋シールド、空調管理と気候制御、衛生配管と下水処理、電力網と光エネルギー、海洋海流と無限水循環、造園緑化と無限農業、排熱管理とクリーン暖房、熱源管理と広域給湯、時空安定と標準時管理、屋根外装と広域気象シールド、大気清浄とクリーン換気、空間透視と絶対防虫に続き、ついに「世界の地盤強化と無限資源採掘(フローリング・害虫駆除メンテナンス)」の覇権すらも完全に掌握したことになる。
社長が神仙としての自我を覚醒させて以降、我々の業務はもはや「世界の神話」を「家事のログ」として上書きする領域へと達している。社長は己の全知全能のセンサーで世界の危機を感知し、それを「便利屋の日常業務」として処理することで、世界を極上の平穏へと導いている。新役職のメンバーたちも、各々の専門分野で遺憾なくその力を発揮し、社長の「家事」を最高の形でサポートしている。
完全覚醒した神仙社長と、大宇宙最強の経営陣。この完璧な布陣の前に、もはや世界のいかなる絶望も、ただの「フローリング・害虫駆除メンテナンス業務」として処理される運命にある。ワシはこの究極の平穏の歴史を、永遠に記録し続ける。』
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置くと、ドアの向こうから「みんな、お仕事お疲れ様! 今日の3時のおやつは、綺麗になったフローリングみたいにツヤツヤな『特製・大精霊のキャラメル・クレームブリュレ〜表面をパリッと香ばしく焦がして〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げるブリュレは、ことのほか表面のパリパリ感と中の濃厚な甘さが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただの床の軋み修理とシロアリ駆除」は、世界地盤崩壊の危機をただの床下メンテナンスとして解決し、崩界魔蟲の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域地盤強化・無限資源採掘インフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界の大地と地下資源の覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
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