第179話:ただの屋根の雨漏り修理と防水コーティングと、暴雨の酸海雲鯨の強制全自動広域気象シールド・無限浄水インフラ化(総合ライフサポート企業の屋根・外装メンテナンス業務)
第179話:ただの屋根の雨漏り修理と防水コーティングと、暴雨の酸海雲鯨の強制全自動広域気象シールド・無限浄水インフラ化(総合ライフサポート企業の屋根・外装メンテナンス業務)
黄金の城塞『日だまり郷』の朝。そこは、大宇宙の根源たる神仙へと完全覚醒したアルドが、あえて「ただの便利屋」としての日々を選択し固定したことで、もはや何者にも侵し得ぬ絶対的な聖域と化していた。
キッチンからは、魂の最深部を震わせるような、濃厚な魚介の出汁の香りと、ニンニク、サフランの妖艶な匂いが暴力的なまでに漂い、城塞の廊下を満たしていく。
「よし! 今日のメインは、大精霊の清冽な大海原で水揚げされた『幻獣伊勢海老と天界魚介の極上ブイヤベース〜星屑のガーリックトーストと特製アイオリソース添え〜』だ。まずは幻獣伊勢海老の殻と香味野菜をじっくりと炒め、数百年熟成させた神仙の白ワインでフランベして濃厚なアメリケーヌソースのベースを作る。そこに、天界の真鯛、大粒の幻獣アサリ、世界樹のイカを惜しげもなく投入し、神仙サフランと完熟トマトでコトコトと煮込んでいくんだ! 魚介の旨味が極限まで溶け出した黄金色のスープは、一口飲むだけで海そのものを丸ごと飲み込んでいるかのような錯覚に陥るほどの濃厚ささ。これを熱々の陶器のボウルにたっぷりと注ぎ、神仙小麦で焼き上げたバゲットに幻獣バターとニンニクをたっぷり塗ってカリッと焼いたガーリックトーストを添える。トーストには、卵黄とオリーブオイルで作った特製のアイオリ(ニンニクマヨネーズ)ソースをたっぷりと塗って、スープに浸して食べるのが最高なんだ! 付け合わせには、朝摘みハーブと大精霊のオリーブのマリネサラダ。……熱々のうちに完成だよ!」
アルドがエプロン姿で、湯気と共に圧倒的なサフランと磯の香りを放つ特大のブイヤベース鍋をダイニングテーブルに運ぶと、その暴力的なまでの食欲をそそる匂いに引き寄せられ、神竜ポチとモフモフの星狼シロがテーブルの下でちぎれんばかりに尻尾を振っていた。
この極上モーニング、スープを一口飲んだ瞬間に溢れ出す幻獣魚介の圧倒的なタウリンとアミノ酸が全身の魔力回路を限界突破させ、サフランの薬効成分が血中のあらゆる疲労物質や致死の呪いすらも瞬時にデトックスし、魂の底から尽きることのない多幸感と絶対的な活力を湧き上がらせる『究極の超覚醒・至高の海鮮フルコース』である。
「うむ……! この黄金に輝くスープを口に含んだ瞬間に押し寄せる、伊勢海老とアサリの旨味の視覚的・味覚的ビッグバン! そしてサフランの高貴な香りが鼻腔を突き抜け、すかさずアイオリソースを塗ったガーリックトーストを浸してかぶりつけば、美味さのあまり魂が魔界の果てまで吹き飛びそうになる無限の食欲ループ! 魚介の暴力的な旨味とニンニクのパンチが口の中で完璧なハーモニーを奏で、マリネの酸味でリセットすれば、もう手が止まらん! 朝からこれを食せば、我が最高福利厚生責任者の職務が、地中海の高級リゾートで至福の朝食を楽しむ貴族のようにフニャフニャに溶かされそうになるわい!」
【最高福利厚生責任者(CHO)兼・毒見役役員】の元・魔界大帝サタナスが、スプーンとバゲットを両手で震わせ、あまりの美味さにワナワナと肩を震わせて感涙に咽いでいた。
賑やかな朝食の喧騒が一段落し、食後の極上ハーブティーが振る舞われた後。
アルドは、防音・防諜の魔法結界が幾重にも張られたリビングの長テーブルの上座に座った。その周囲を囲むのは、完全覚醒した神仙社長を支える、大宇宙最強の経営陣。レイヴン、エルミナ、シノン、アーキヴァル。そして、歴史を刻むゾルタンと外交を司るレオハルト。
「さて、みんな。今日も美味しいご飯を食べてエネルギー満タンだね!」
アルドはニコッと微笑みながら、ふと視線をリビングの天井の隅へと向け、少しだけ眉をひそめた。
「……ねえ。今朝からなんだけど、なんだか『天井からポツッ、ポツッと変な水滴が落ちてきて、壁紙の裏からカビ臭い腐朽菌の嫌な匂いがしている』ような違和感を感じたんだ。僕の全知全能のセンサーで見ると、それがはるか上空の『慟哭の天海』から、世界の屋根(大気圏)を通じて伝わってきているのがわかる。屋根の瓦が割れて防水シートが破れてるし、そこからタチの悪い酸性雨が染み込んできちゃってる……そんな、早急な屋根の雨漏り修理と防水コーティングが必要な嫌な予感がするんだよね」
神仙としての自覚を完全に取り戻したアルドが感知する「天井の雨漏りと屋根の劣化」。それはすなわち、大宇宙の大気圏と環境保護を司る天蓋基盤そのものが破壊され、世界が猛毒の酸性雨と絶望の大洪水に呑み込まれようとしているという、世界滅亡レベルの緊急事態のサインである。
しかし、覚醒したアルドは一切パニックにならない。彼の「この世界を雨風から守る、安全で快適な住環境にする」という鋼鉄の意志こそが、大宇宙の絶対ルールなのだ。
「社長の『全知全能のセンサー』が捉えた天蓋・気象保護の異常……間違いありませんね」
【最高財務責任者(CFO)兼・グローバル戦略最高責任者】のアーキヴァルが、優雅に眼鏡を押し上げ、分厚いバインダーを開く。
「我が社の情報網にも、今朝早くから大陸上空の『慟哭の天海』周辺における、極めて深刻な酸性雨と大洪水の被害報告が届いております。社長の感知された通り、天海の最深部に長年封印されていた『暴雨の酸海雲鯨・アシッド・レヴィアタン』が目覚めかけ、大陸全土の空を猛毒の雨雲で覆い尽くし、世界を腐食する泥海へと変えようとしているのです。さらにタチの悪いことに、その雲鯨が生み出す『腐食の雨垂れスライムども(※触れるものをドロドロに溶かす魔獣群)』が雲の裂け目(屋根の隙間)から溢れ出し、人々の街に雪崩れ込んでは、全てを絶望の酸の底に沈めようと暴れ回っております」
「なるほど! やっぱり長年屋根の点検をサボったせいで、瓦の隙間(天海)にガンコな雨漏りの原因(雲鯨)が居座って、そこにタチの悪い腐り水が湧いて建物を溶かそうとしてるんだね!」
アルドはバインダーの報告書を見て、プロの屋根・外装メンテナンス業者としての血を騒がせた。
「僕の力なら酸性雨なんて一瞬で晴れにできるけど、屋根のお手入れはやっぱり、腐った下地を引っぺがして綺麗に掃除し、ひび割れた瓦の隙間に専用の防水コーキング材をガンで注入し、最後に強力な防水塗料をローラーでピカピカに塗り直すのが一番確実で雨漏りしなくなるからね! このまま放置すれば、家(世界)の中が水浸しになって柱まで腐っちゃう。安全で快適な暮らしを守るためにも、屋根をピカピカに修理して、極上の気象シールドにリフォームしてこよう! よーし、僕たちの『総合ライフサポート』の出番だ!」
アルドが立ち上がると、役員たちも一斉に凄まじい気合い(殺意)に満ちた表情で立ち上がった。
「社長。屋根裏に湧いた鬱陶しい雨垂れスライムども(魔獣群)と、腐った古い野地板の解体・撤去は、この【最高開発・解体執行責任者(CDO)】たる俺にお任せを。邪魔な障害物を専用のバールとハンマーで一つ残さず叩き壊し、完璧な『下地処理(腐朽部撤去)』をしてご覧に入れましょう」
レイヴンが、神具の斧を大型の解体用バールのように構えて不敵に笑う。
「ええ。雨漏りが撒き散らすガンコなカビ臭さや酸性の毒(※致死の瘴気)は、【環境浄化・概念調律最高責任者(CEO)】の私が、特製の強力中和・防カビ魔法(※極大の聖光浄化魔法)で一瞬にして概念ごとアルカリ中和し、清潔な下地環境を整えて差し上げますわ」
エルミナが、美しく銀髪を揺らしながら頷く。
「……作業中、屋根修理で落ちてくる腐った木材や塗料の飛沫が周囲の街に飛散しないよう、【絶対防壁・空間隔離最高責任者(CSO)】として、現場の周囲に完璧な屋根用ブルーシートと飛散防止ネット(※絶対封殺の空間隔離結界)を張り巡らせておきます」
シノンが短剣を弄びながら冷たく宣言する。
「うんうん、みんな本当に頼もしいな! 屋根の修理は高所作業で危ないし、塗料が飛ぶと大変だから、しっかりネットと足場で養生してくれると助かるよ!」
アルドは満足げに頷き、自身の作業着(猛毒の酸と暴風雨を完全に弾く特製外装メンテ用防水ツナギと滑り止め安全靴、ヘルメット)に着替え、手には巨大な「事象充填の神仙コーキングガン」と、プロ仕様の「因果修復の神仙防水シート」、そして「絶対弾水の神仙防水塗料ローラー」を握りしめた。
「よーし! それじゃあ僕は、この『屋根・外装メンテナンス道具一式』を持っていくよ! 世界の人たちの雨漏りと天井のシミの不安を解決するために、邪魔なひび割れを埋めて、屋根をピカピカにリフォームしてこよう!」
こうして、総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の社員一同は、外装メンテナンス仕様に改造された魔導軽トラ(高所作業用クレーン搭載)に乗り込み、空間がドス黒い雨雲と酸性雨に覆われつつある大陸上空の『慟哭の天海』へと向けて出勤したのである。
***
その頃、大陸上空の『慟哭の天海』の中心部。
世界の空を汚染し、全ての存在を永遠の酸の雨と腐食の地獄に沈める悪夢『暴雨の酸海雲鯨・アシッド・レヴィアタン』が、空を覆い尽くすほどの巨大なドス黒い雲の体をうねらせながら、傲慢な咆哮を響かせていた。
「ボオォォォォッ! 素晴らしいぞ! この星の忌まわしい晴れ間を全て塗り潰し、我が猛毒の雨に変える絶望の雲さえあれば、地上の生命など一瞬で溶け去り、永遠の洪月に絶望する! 見よ、我がもたらすこの圧倒的な死の酸性雨を!」
雲鯨は、巨大な潮吹き穴からドス黒い猛毒の雨を噴き上げ、無数の腐食の雨垂れスライムたちを雲の裂け目へと放った。
「愚かな地上の生命どもめ。我が目覚めたからには、もはやこの世界のどこにも雨宿りできる場所などないと知れ! さあ、もっとだ! 全ての大地を腐食させ、大陸全土を永遠の泥海の底に変えよ!」
「我ら暴雨の眷属の腐食力は絶対だ! この猛毒と酸の領域まで踏み込める者など、この世界にはもはや存在し――」
――キキィィィィッ!! ガシャンッ!!
雲鯨が勝利の宣言を口にしようとしたその瞬間、猛烈な暴風雨が吹き荒れる天海のど真ん中に、四つの車輪がついた奇妙な小型の鉄箱(魔導軽トラ)が、神話級の猛毒と暗雲をものともせずに空中の足場へドリフト着地する音が響き渡った。
そして、軽トラのドアが「ガラッ」と無遠慮に開け放たれ、コーキングガンと巨大なペイントローラーを持った青年の明るい声が、雲鯨のノイズを完全に打ち破ったのである。
「ちわーっす! 総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』です! 各国の方々からご依頼いただいた屋根の雨漏り修理と防水塗装に伺いましたー! ……うわぁ、こりゃひどい瓦の割れっぷりと、隙間に湧いてるタチの悪い水たまり(スライム)だね! カビの匂いもヒドイし、完全に下地まで水が回ってる。こりゃ徹底的にお手入れとコーティングのしがいがあるや!」
アルドは、ヘルメットのあご紐をキュッと締め直しつつ、プロの屋根メンテナンス業者としてのダメ出しを開始した。
「ナ、何奴ッ!? 我ガ絶対酸雨ノ領域ニ、地上ノ有機物ガ何ノ用ダ!」
雲鯨が驚愕の酸性雨ブレスを吹き上げる中、アルドの後ろから、レイヴン、エルミナ、シノン、そしてアーキヴァルが、それぞれの「清掃・解体用具(兵器)」を手にして、圧倒的な威圧感を放ちながら雲の足場へと降り立ったのである。
「さあ、社長。まずはこの鬱陶しい屋根裏に湧いたスライムども(魔獣の群れ)と、腐ってブヨブヨになった古い野地板から、綺麗に『下地処理・撤去作業』して差し上げましょう」
CDOのレイヴンが神具の斧を構え、凶悪な笑みを浮かべる。
総合ライフサポート企業の、完璧な役割分担による社会貢献(能動的な悪の粉砕)が、死の豪雨の中で今まさに始まろうとしていた。
「ナ、ナンダ貴様ラハ!? 我ガ絶望ノ酸雨軍団ヲ『屋根の雨漏りとカビ』ダト!? 舐メルナ地上ノウジ虫ドモッ! 我ガ雨垂レ雨スライムデ、貴様ラノ骨格ヲ永遠ニ溶カシ尽クシテクレルワ!」
雲鯨の怒号と共に、空間を覆うほどのドス黒い酸と雨水を纏った魔獣群が、一斉にアルドたちに向かって致死の腐食弾を放ちながら襲い掛かった。
「うわっ、この水たまり、すっごく酸性が強くて新しい柱まで溶かそうとしてる! 放置してたら家が倒壊しちゃうぞ!」
アルドは、迫り来る魔獣の群れを「長年放置されて大繁殖したタチの悪い雨漏りのカビと腐朽菌」と完全に認識し、コーキングガンのトリガーに指をかけた。
(僕の神仙の力が、この世界の異常を『屋根の劣化と雨漏り被害』として認識させてるんだ。よし、ならば僕は外装メンテナンス業者として、こいつらを完璧に修理して雨を防ぐだけだ!)
自覚を持ったアルドの明確な意志により、周囲の空間がぐにゃりと、より強固な「日常の屋根修理現場」のルールへと書き換えられていく。
「社長、ここは我々『社員』にお任せを。屋根修理で落ちてくる腐った廃材や塗料の飛沫が周囲の街に漏れないよう、まずは私が完璧に屋根用ブルーシートと飛散防止ネットを張ります」
CSOのシノンが音もなく跳躍し、天海と雲鯨の周囲を囲むように、無数の札(神仙の空間隔離結界符)を宙に投げ放った。
――ピィィィィンッ!
瞬間、天海全体をすっぽりと覆うように、透明で絶対的な強度を誇る『神仙の外装工事用防護結界』が展開された。これで、致死の猛毒酸性雨や飛沫は一ミリたりとも外の世界へ漏れ出すことはない。
「完璧な養生ですわ、シノンさん。では、私は雨漏りが撒き散らすガンコなカビ臭さと酸性の毒(致死の瘴気)を、環境浄化の力で綺麗に中和・防カビ処理いたしますわ!」
CEOのエルミナが白銀の杖を天に掲げると、大宇宙の理を内包した『極大聖光中和魔法』が、超強力なアルカリ性防カビ剤の光のミストとなって周囲の狂気の酸性雨を包み込み、一気に浄化した。
「ギィヤアアアアッ!?」
万物を溶かす猛毒の酸は、その浄化の光のミストを浴びた瞬間、身に纏っていた魔力ごと完全に無力化され、ただの無害で爽やかな真水へと変わっていく。
「フンッ! 魔力を抜かれたただの腐り水や古い板など、ただのバールのマトだ! そして、邪魔なこびりつきは俺が綺麗に引っぺがしてやろう!」
CDOのレイヴンが神具の斧を大上段に構え、無害化した魔獣の群れに向かって旋風のごとく突っ込む。
「屋根材腐朽汚泥解体撤去斬ィィィッ!!」
放たれた一撃は、雨垂れスライムボディの「因果の隙間」を完璧に見切り、まるで腐った木材を専用のバールでメキバキッ!と綺麗に剥がし取るかのように、シャリィィィン!と見事な手際で綺麗に粉砕し、ただの無害な木屑にしてしまった。
「ナ、何ィィィッ!? 我ガ無敵ノ雨垂レスライムガ、タダノ『アルカリ中和』ト『バール解体』ノ前ニ、一瞬デただの廃材ノゴミクズニサレテイクゥゥッ!?」
雲鯨は、自らの絶望の眷属がものの数分で「ただのゴミの山」に変わり、天海の視界がクリアになっていく光景に、驚愕のあまり巨大な雲の体を激しく震わせた。
「よし、みんなのおかげで腐った下地の撤去と掃除は完璧だね! あとは、あの一番デカくて雨を降らせている『雨漏りの大元のひび割れ(アシッド・レヴィアタン)』に、事象充填の神仙コーキングガンをブチュゥゥゥッ!と打ち込んで隙間を完全に塞ぎ、因果修復の神仙防水シートをピシッと貼り付け、最後に絶対弾水の神仙防水塗料ローラーでムラなくピカピカに塗り上げるだけだ!」
アルドは、特製『事象充填の神仙コーキングガン』を雲鯨の巨大な本体(酸性雨の噴出口)へと向けて構え、突撃した。
――当然ながら、その素材は常軌を逸している。神仙コーキングガンは星の因果の裂け目を物理的に塞ぐ絶対事象充填材であり、神仙防水シートと塗料ローラーは大宇宙のいかなる次元の洪水や神話級の酸性雨すらも、物理的に『隙間を埋めて水を弾く』だけで完璧に無害化し、極上の完璧な気象シールドを取り戻す『究極の外装メンテナンスツール』である。
「オノレェェェッ! 舐メルナ人間! 我ガ本気、世界ノ空ヲ汚染スル『終焉ノ絶対豪雨』デ、貴様ラノ存在ゴト永遠ノ酸ノ海ニ沈メテクレルワ!」
雲鯨が残された全ての魔力を暴走させ、周囲の空間ごと全てを溶かす超巨大な猛毒の豪雨を放ってきた。
「うわっ! 屋根のひび割れから、すっごくガンコな雨漏りが吹き出してきた! でも、この特製コーキングと防水塗料の前には、どんなに酷い雨漏りも一発で完全シャットアウトだ!」
アルドが雲鯨の巨大な潮吹き穴(雨漏りの隙間)に向けてコーキングガンをブチュゥゥゥッ!!と限界まで打ち込み、事象の裂け目を完璧に塞ぎ切る。そして、その上から因果修復の神仙防水シートをシワ一つなく「ピシッ!」と貼り付け、狂乱の雨水を完全に封じ込める。
仕上げに、絶対弾水の神仙防水塗料をたっぷりと含ませた巨大なローラーで、雲鯨の全身を「コロコロコロッ!」と軽快かつ完璧に塗り上げていくと、こびりついた酸性雨の魔力ごと完璧にコーティングされ、美しく水を弾く輝くような強固な防壁へと姿を変えていった。
「バ、バカナァァァッ!? 我ガ最大奥義ノ超絶猛毒豪雨ガ、タダノコーキング材デ塞ガレ、防水塗料デ因果ゴト水ヲ弾カレテ、一ミリモ雨漏リヲ起コセナクナッタだトォォォッ!?」
「よし、ガンコな隙間は綺麗に塞がって、塗料もピカピカになって完璧に雨を弾くようになったぞ! 最後に、仕上げの『因果調律の雨水浄化・自動開閉システム』をカチッと取り付けて……あ、そうだ。この雨漏りの親玉、綺麗に修理して防水コーティングしたら、凄く強力で絶対に酸を通さない、巨大な全自動の広域気象シールドと浄水タンクみたいになってるね。ちょっと魔力の流れを調整してあげれば、世界中の有害な酸性雨や悪天候を完全に弾き返し、代わりに極上のクリーンな純水と安全な日差しだけを世界中に供給してくれる『超巨大な全自動・神仙広域気象シールド&無限浄水インフラ』にできそうだよ!」
アルドが雲鯨の本体であった場所に自動開閉システムを施し、事象調律のスイッチを「オート」にカチッ!と切り替えて巨大な気象防護施設へとリメイクすると、大宇宙の法則が完全にひれ伏した。
暴走していた雲鯨の禍々しい酸性雨と洪水の魔力は、瞬く間に安全でクリーンな浄水エネルギーと無限の天候保護機能へと漂白・調律されていく。
『ア……ァァ……。我ノ、世界ヲ泥海ニ沈メルハズノ力ガ、マルデ都合ノイイ【家ヲ雨風カラ守ッテ綺麗ナ水オ貯メル為ノ最新ノ防水屋根】ノヨウニ……!? イヤ、ローラーデ塗ラレル度ニ、我ガ巨体ガ、異常ナマデニ心地ヨイ【絶対的ナ防雨力ト、極上ノ純水オ提供スル超大型気象インフラ】ニ変換サレテイクゥゥゥッ! 私ノ存在ガ、世界ヲ絶望ニ沈メルノデハナク、コウシテ大陸ニ永遠ノ安全ナ空ト極上ノ綺麗ナ水オ提供スル「極上ノ全自動・神仙気象シールド屋根」トシテ機能スルコトガ、コレホドマデニ満タサレルコトダッタトハ……!』
かつて世界を脅かした酸性雨と大洪水の化身は、アルドの「屋根の雨漏り修理と防水コーティング」によって完全に浄化され、書き換えられた。
万物を腐食する禍々しい酸海雲鯨は、気がつけば「慟哭の天海を美しく堅固な巨大な気象防護施設に変え、世界中のどんな悪天候も一瞬で弾き返し、極上の純水を24時間供給し続ける、超高性能な『永久・神仙全自動広域気象シールド・無限浄水インフラ(見た目は巨大でピカピカにコーティングされた純白のドーム型屋根と貯水タンク)』」へと姿を変えていたのである。
「よしよし! 嫌な雨漏りと酸の被害は片付いて、すっごく丈夫で水を弾くピカピカの屋根になったぞ! おまけに、これがあれば世界中の人たちが台風や酸性雨を気にせずに、いつでも安全な家の中で笑顔で暮らせるね。僕の神仙の力も、こうやってみんなの住まいと綺麗な空を守るために使えば、凄く素敵なことだよね!」
アルドがローラーを片付けて額の汗を拭うと、天海を覆っていたドス黒い雨雲は一瞬にして晴れ渡り、眼下には美しく輝く奇跡の純白ドームと、澄み切った清らかな青空が広がっていた。
その光景を見て、新役職のメンバーたちは、誇らしげに胸を張った。
「見事な現場指揮でした、社長。我が社の広域気象シールド・無限浄水システムは、これより大陸全土の建築・水資源基準のデファクトスタンダードとなるでしょう」
CFOのアーキヴァルが、うやうやしく一礼する。
「これからは、どんな神話のバケモノが出ようが、社長の作業前に俺が全部『腐った下地のバール剥がし』してやりますよ」
CDOのレイヴンが頼もしく笑う。
大公レオハルトも「これで各国の気象防壁・水資源利権は完全に我々のものだ」と悪徳代官のように頷いている。
アルドは、彼らの頼もしい姿を見て、心の底から嬉しそうに笑い返した。
***
数日後。大陸諸国を統べる王室や建築・水資源ギルド本部。
各国の王たちは、猛毒の酸性雨被害が完全に解消され、天海の跡地に前代未聞の超巨大な広域気象シールド・浄水インフラが誕生したという報告書を見て震え上がっていた。
「ば、馬鹿な……。我が世界を泥の海に沈めるはずだった暴雨の酸海雲鯨が、たった数時間で『完全な屋根のコーキングと防水塗装』をされ、あまつさえ雲鯨が『超巨大な気象シールドインフラ』に転職して、国中の空と水の管理権を完璧に独占しているだと……!?」
そこへ、アステリア王国の大公にして【最高渉外・政府関係公使(GA)】であるレオハルトが、圧倒的な威圧感と外交特権を纏って現れた。
「各国の代表諸君。我が国が誇る総合ライフサポート企業『黄昏の守護者』の『CSR活動(外装設備メンテナンスと広域気象インフラ整備業務)』をご利用いただき、誠に感謝する」
レオハルトの重厚な声と共に、アーキヴァルが【完全なる天蓋修復・気象シールド施設開発代金およびコンサルタント料の請求書】を王たちの目の前にドンッと突きつけた。
「社長(アルド様)の理念により、基本のコーキング・防水塗装料金はサービスとさせていただく。……が、雲鯨の完全浄化、天蓋の再構築、そして『大陸全土に極上の安全な空と純水を供給する巨大システムの永続的な運用費』は、正当なビジネスとして請求させていただこう。支払いは、各国の年間建築・水道事業収益の九割と、気象シールドネットワークの独占プロデュース権で手を打つ。これは提案ではない、決定事項だ」
レオハルトの政治的圧力とアーキヴァルの冷たい宣告と共に、王たちは完全に心をへし折られ、震える手で莫大な報酬の永続支払いにサインをするしかなかった。
***
日だまり郷の黄金の城塞。
静寂に包まれた書斎のデスクで、【最高情報・歴史管理責任者(CIO)兼・神仙社史編纂室長】の元・大賢者ゾルタンは、羽ペンをインク壺に浸し、新たな正史のページに文字を刻み込んでいた。
『〇月×日。大陸上空の慟哭の天海における屋根の雨漏り修理、および防水コーティング作業完了。世界を酸性雨と大洪水に沈める暴雨の酸海雲鯨アシッド・レヴィアタン(神話の厄災)を事象のコーキングガンと塗料ローラーで充填・防水させ、立派な特大全自動広域気象シールド・無限浄水システムへと改修。猛毒の酸汚染と家屋腐食被害の修復を完了し、大陸全土の住環境保護と極上の純水の提供に多大な貢献を果たした。
……また、我が社のGAレオハルト閣下とCFOアーキヴァルの連携により、世界各国からは莫大な賠償金と、気象防壁・水資源インフラの独占管理権を合法かつ迅速に譲り受けることに成功。これで我が社は、地下水脈、気象、海上物流、クリーンエネルギー、次元基盤、自然環境、信仰、光、交通・物流、情報・娯楽、資源循環、通信網、医療・甘味、睡眠・無意識、生命の息吹(農業)、食の鮮度(低温物流)、住環境からの防壁、生命の癒やし(温泉)、天蓋修復と気象防壁、次元境界修復と絶対防虫、物質修復と外壁防護、光明修復と電力供給、空間境界修復と絶対防犯、歴史因果修復と物資保管、水質衛生と癒やしの循環、大気環境と換気浄化、大地生態系と食糧生産、天候制御と清浄浄水、地殻構造と地熱エネルギー、次元外装と絶対防壁、光学透視と天蓋シールド、空調管理と気候制御、衛生配管と下水処理、電力網と光エネルギー、海洋海流と無限水循環、造園緑化と無限農業、排熱管理とクリーン暖房、熱源管理と広域給湯、時空安定と標準時管理に続き、ついに「世界の屋根外装と広域気象シールド(雨漏り修理・防水メンテナンス)」の覇権すらも完全に掌握したことになる。
社長が神仙としての自我を覚醒させて以降、我々の業務はもはや「世界の神話」を「家事のログ」として上書きする領域へと達している。社長は己の全知全能のセンサーで世界の危機を感知し、それを「便利屋の日常業務」として処理することで、世界を極上の平穏へと導いている。新役職のメンバーたちも、各々の専門分野で遺憾なくその力を発揮し、社長の「家事」を最高の形でサポートしている。
完全覚醒した神仙社長と、大宇宙最強の経営陣。この完璧な布陣の前に、もはや世界のいかなる絶望も、ただの「屋根・外装メンテナンス業務」として処理される運命にある。ワシはこの究極の平穏の歴史を、永遠に記録し続ける。』
ゾルタンが深い満足感と共にペンを置くと、ドアの向こうから「みんな、お仕事お疲れ様! 今日の3時のおやつは、朝の雨漏りを完全に防いだ記念に、プルプルで水を弾く『特製・大精霊のクリスタル水滴ゼリー〜星屑のきな粉と濃厚黒蜜を添えて〜』だよー!」というアルドの無邪気な声が聞こえてきた。
ゾルタンは「全知全能の神が仕上げる水ゼリーは、ことのほか喉越しの良さと黒蜜のコクが五臓六腑に染み渡ろう」とぼやきながらも、この上ない幸福な笑みを浮かべて立ち上がった。
最強の便利屋の「ただの屋根の雨漏り修理と防水コーティング」は、世界酸性雨化の危機をただの外装メンテナンスとして解決し、酸海雲鯨の脅威を完全に終わらせただけでなく、世界に最高の広域気象シールド・無限浄水インフラを誕生させてしまった。
神仙の力を自覚し、新役職で完全体となったクラン『黄昏の守護者』は、これより正式に世界の屋根と気象保護の覇権をも握り、いかなる邪悪も日常のメンテナンス業務として永遠に葬り去る、究極の平穏なる企業伝説の新たな1ページを、分厚い社史のページに深く刻み込んだのであった。
ここまでお読みいただきありがとうございます!少しでも面白いと感じたら、画面下から【ブックマーク】と【☆☆☆☆☆】の評価をいただけると、執筆の大きなモチベーションになります!尚、現在新作「アークライト廃墟ダンジョン再興記――追放管理士と精霊少女のゼロから始める逆転経営譚――」を鋭意執筆中です。
アークライト廃墟ダンジョン再興記――追放管理士と精霊少女のゼロから始める逆転経営譚――
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