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あれ? 俺……詰んでね?  作者: Aion
小悪魔天使、陥落編
35/41

天使を襲いし大罪人。 ⑧

あけましておめでとうございます!

……0時更新じゃなかったのは……そのう……忘れてました……!


 翌日。


 今日も香奈を陰から見守り、登校した。

 昼休みに香奈に会いに行こうとしたけど、またもや失敗した。

 帰りは昨日と同じく香奈を護衛した。

 加奈が帰宅するのを確信して、道を戻り、家に着くと鍵を開けて中に入る。

 この時間は両親が両方とも家にいるはずなのに、お帰りの声どころか電気すらついていない。

 

 おかしいな? 急な予定でも入ったのかな……。


 腑に落ちない面もあるが、とりあえず電気をつけて二階に鞄を置き、リビングをのぞいてみることにすると――。


 机の上に手紙のようなものが二枚置いてあった。

 父と母、それぞれの手紙のようだ。


 読んでみると、どうやら父の叔父が死んだらしく、翌日のお通夜から、葬式まで参加するので数日帰れないそうだ。

 それなりに遠いところみたいで、前日から向かったとのこと。

 そんなに遠いのなら、お通夜までは参加しなくてもいいんじゃないか? と思ってしまうが、父の恩人らしく絶対に参加すると言って聞かなかったと、母の手紙には書いてあった。

 食事は用意できていないので、机の上に置いてあるお金で買うか、自分で作るかしてねと母は書き残していった。

 父の手紙には、香奈の両親も参加するので何かあったときは香奈を守ってあげなさいと書かれていた。


 葬式って聞くと……どうしてもあの思い出が頭に浮かんでくる……。


 鬱屈した気分になってしまったので、気を紛らわすために出前でも頼むことにする。


 そうだ、どうせなら香奈も誘って、二人で食卓を囲もう。


 思い立ったが吉日とばかりに、すぐに香奈の家の電話番号にかける。

 数回コール音が鳴った後、ガチャという音とともに可憐な声が聞こえてくる。


「もしもし。東城ですが――」


 いつも通り、明るい声音に気分が多少良くなった。


「香奈? 父さんと母さんが出かけてて、出前でも取ろうかと思ってるんだけど一緒に食べない?」

「……わかった! そっちに向かえばいい?」


 香奈がどちらの家で食べるのか聞いてくる。


 春とはいえ、まだこの時間は明るいとはいいがたい。

 香奈が一人でうろつくなんて、カモがネギを背負っているようなものだよ。


「僕が香奈の家に行くよ」

「わかった! 待ってるね!」


 お金とコートを持って、家を出る。

 


 久しぶりに加奈と一緒に食事ができて、浮かれていたから家に戻るまで、スキップで歩いていた。

 家に着いてからもしばらくそのテンションは収まらず、終始小躍りしながら寝る準備を済ませてベッドに向かった。

 目を閉じて、おやすみ、加奈と言い眠りに落ちた。


 その翌日。


 アラームの音で目が覚めると、昨日の加奈と食卓を囲んだことを思い出して、思わず声が漏れる。

 が、今日は母がいないので朝食を用意する必要があるので、思い出に浸るのもそこそこにしてベットから降りる。

 僕は早めに起きれたのでいつもと同じ時間に家を出れたけど、香奈は起きれなかったのかいつもよりも遅い時間に焦りながら出てきた。

 それもそうだ。悠長に歩いていれば、まず間違いなく遅刻するだろう時間だから。

 香奈が転ばないか、ハラハラしつつも見守りながらついていくと、一生懸命走っていた甲斐があって遅刻せずに済んだ。

 ホッと胸をなでおろす香奈を目で愛でながら、僕も門をくぐる。

 その時に、体育教師が僕のことを目ざとく見つけて。


「おう、小町! 二日目から遅刻ギリギリか? 感心しないな」


 と言ってきた。

 僕は、本当のことを話すわけにもいかないので、適当な理由で濁す。


「すみません。ちょっと寝坊してしまって」

「そうかそうか、次からは気をつけろよ?」


 僕の返事を聞いて、そう返した体育教師はガッハッハと笑いながら、離れていき別の生徒へ声を掛けに行った。


 僕はもういないかな……と思いながらも、香奈がいた場所を見てみると――香奈と目が合った。

 僕が香奈に近づいていくと、香奈は気づかわしげな声で大丈夫? と聞く。


「ごめんね。昨日は早起きできるから大丈夫って言ってたけど、やっぱり引き止めないほうが良かったよね?」


 わざわざ心配して僕を待ってくれているなんて、やっぱり香奈は優しいな。


 香奈の優しさに打ち震えつつ、口を開く。


「全然大丈夫。間違えて、設定時刻が遅くなってただけだから」


 香奈を傷つけないため、そしてこれからの香奈と会える時間を減らさないためなら香奈に嘘を吐くことも辞さない。

 その覚悟の下、発した言葉に香奈は。


「良かった~! でも裕也君はすごいね! 私なんて、目覚ましで起きれなくて、遅刻しそうになって慌てて家を出たのに」


 と、香奈は僕に顔を近づけて、唇に人差し指を当てた状態で小声で恥ずかしいから他の人には内緒だよ? と前置きし、いつもはお母さんに起こしてもらってるの、と若干頬が赤くなった顔で言ってきた。


 可愛い!


 一瞬で僕の脳内がその一言で埋め尽くされる。

 勿論、僕の脳内メモリーに香奈の表情とセリフはしっかり焼き付けてあるが。


 香奈の可愛さに憤死しそうになっていると、じゃあね! と言って香奈は教室へ向かっていった。

 時計を見ると、もう5分前を切っているので僕も急いで教室の方へ走り出した。

 まだ二日目だからか、僕が遅刻ギリギリに来てもクラスメイトは特に何も言うことなく、流してくれた。



 今日の昼も香奈には会えなかった。

 この感じだと、2週間の期限の間は会いに行けないかもしれない。


 放課後。

 昨日と同じく香奈を後ろから見守っていると、校門を出たあたりで友達と別れずに家とは違う方向に向かっている。

 不思議に思いつつ、ついていくと二人はある家の前で止まった。

 一般的な一戸建てだ。

 すると、香奈の友達のほうが扉の鍵を開けて香奈を手招きした。

 香奈は楽しそうにおしゃべりしながら入る。

 その時に友達の母親が出てきて、香奈と話していたので、恐らくお泊り会でもするのだろう。


 香奈の護衛が不要と分かったので、帰路に着く。


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