天使を襲いし大罪人。 ②
50部投稿するか、ポイントが100にいったら、人物の情報を纏めた話を一番最初のところに割り込み投稿しようかなって思ってます。
といっても、まだ一文字もかいてないので、書き始めるというのが正しいのかもしれませんが……。
翌日。
僕は香奈の家の近くで物陰に隠れていた。
妻を守るのは夫の役目だからね。
香奈に悪い虫がついていたりしたら、大変だ。
とりあえずは2週間、登下校時の香奈を見守ることにする。
待機し始めてから5分ほど経ったころ、マンションのエントランスから香奈が出てきた。
今日も相変わらず香奈は可愛いなあ。
一瞬、香奈の天使ぶりに放心してしまうが、すぐに気を持ち直して香奈の後についていく。
僕が転入する学校は香奈と同じにしてもらったはずなので、結婚した暁には学校へ手をつなぎ、愛を囁きながら登校する、そんなプランも立てている。
しばらく香奈の後ろについて、歩いていると香奈がしきりに周囲を見回しているのが気になる。
……は! もしかして、香奈は僕がいることを感じ取っているのでは?
これが愛の力か……。だが、すまない香奈。
ピンチの時に颯爽と現れるのがかっこいいんだ。だから君の思いにはこたえられない。
涙を呑んで、香奈に見つからないようにより体を隠す。
そして、そのまま何事もなく学校に着いた。
このまま香奈に合流したい気持ちはやまやまだが、転入初日ということで職員室に行かなければならない。
後ろ髪をひかれるような気持ちのまま、下駄箱で香奈から離れる。
職員室までの廊下を歩いていると、前の学校の制服で校内にいるからか、視線を感じる。
僕の容姿が優れていることは自覚しているので、それも要因の一つではあるだろうが。
職員室の前に着く。
通りかかる教師たちがすれ違う時に、僕を凝視してくる。この時期の転入生が相当珍しいのだろう。
ちょうどクラスの人間関係が固まってくる頃合いだからね。
そう頭では分かっているが、じろじろ見られるのは不愉快だ。
と、それが顔に出てしまっていたのか今度は目が合わないように顔を伏せながらそそくさと横切っていくようになる。
若干嫌な空気が漂い始めたのを感じ取ったのか、職員室の中から一人の教員が出てくる。
「あっ! 君が小町裕也君だね。そんなところに立ってないで、入って入って」
僕に声をかけた後、彼は自分の机に戻っていった。
その後をついていく。
「よいしょっと。えーと……君の椅子がないね。どうしよう」
そこまで長居するわけでもないだろうから、断りの言葉を発する。
「大丈夫ですよ。そこまで長時間話し込むわけでもないですよね?」
「それはそうだけど……君がいいなら、このまま話させてもらうよ」
そこまで言ってから、男は言葉を一区切りする。
「改めまして、僕が君の担任になる不破 来道だよ。これから約一年、よろしくね」
不破の自己紹介を受けて、こちらも返すことにする。
「小町裕也です。よろしくお願いします」
不破から学校についての説明や、僕のクラスメートへの紹介の段取りについて聞かされる。
チャイムが鳴ると、不破は説明を切り上げ席を立つ。
彼について行って教室の前まで来ると、不破が僕にいったん扉の前に立っているように言う。
手持無沙汰なので香奈について思考を巡らせていると、いきなり中から歓声が聞こえた。
恐らく、中で転校生が来る的なことを言っているんだろう。
段々と小さくなっていって、声が完全に聞こえなくなって数秒立った後、扉が開き不破が手招きをする。
中に入れということか。
足を踏み出し、教室のレールをまたいで中に入ると――。
教室中のいたるところから舌打ちが聞こえてきた、と共に女子からの黄色い悲鳴が上がった。
少し煩わしく感じるものの、反応するほどではないと思い、無視して教壇のところまで歩いていく。
黒板に名前を書き、振り返って簡潔に名乗る。
「小町裕也です。この時期の転入は珍しいと思いますが、よろしくお願いします」
これを聞いて、教室が再びざわめきはじめる。
多種多様な会話が教室を飛び交う。
数秒たっても収まるどころか、どんどん大きくなっていくざわめきに不破がしびれを切らしてパンパンと手をたたき、注目を集める。
「はい! 静かに。ほかのクラスの迷惑になるからね」
場の雰囲気が落ち着いてくると、不破は僕を見た後教室に視線を巡らし、一つの席に目を止める。
「小町君、窓側の席の一番後ろが空いてるから、あそこに座ってね」
後から置いたのだろう、最後列にポツンと一つだけ並んでいる机を指して言われる。
わかりましたと不破に答え、机の間を通り後ろまで歩いていく。
僕が席に座ったのを見届けて、満足そうにうなずいた不破が口を開く。
「はい、ホームルームは終わり。一限目の準備を忘れないようにね」
不破が教室を出るとほとんど同時に、教室中の話し声が一気に膨れ上がった。
そして、僕の机の周りに沢山の人が集まってくる。
彼らは口々に僕への質問を投げかけてくる。
「前はどこの学校に通ってたの?」
「小町の趣味って何?」
「小町君って、もしかして……あの空手全国大会優勝の?」
「小町ってさ、どんな女がタイプ?」
僕は聖徳太子じゃないんだから……そんなに一気にしゃべりかけられても対応しきれないんだけどなあ……。
思わず苦笑してしまうが、彼らの気持ちも分からないわけでもないので、聞き取れた質問に順番に答えていくことにする。
■■:前回に引き続き、残念ながら秋人の痴態は見られなかったわけだが……。
秋人:おい! 残念ってなんだよ? そもそも痴態って言うな!
香奈:私はかっこいいと思ったけどなあ
秋人:ちょ! 香奈も恥ずかしいからやめてくれよ!
■■:話の続きだが、これよくよく考えると小町の席って窓際の最後尾ってことだよな。
■■:つまりさ、主人公席じゃね? こう……こいつの人生を見てるとさ、秋人よりも主人公っぽいって若干思うよな。
秋人:まあ……否定できないな。
香奈:私はそうは思わないけどな……。
■■:おっと、早く言わないとな。
■■:次回予告! 『実録! ストーカーの私生活に迫る!』




