それでも廻る世界の話。
次回も一週間後かな……。
ストーカーの話は、本編で言及していた日以外はスキップすることになると思います。
部屋の前に着くと、カバンから鍵を取り出して鍵を開ける。
扉を開くと、電気がつく……というか、最初からついてなかった?
変だな、と思い少し考えてみるものの肌に張り付く布の感触に気を取られて思考がまとまらない。
うーん。ちょっと気になるけど……。
今はとりあえず、早くお風呂に入りたい!
「あーベトベト……。すぐにお風呂に入りたい……」
私は思わず、口に出してしまう。
家に入ると、靴を脱いで雨がしみ込んだ靴下も脱いでしまう。
脱衣所の中に入ると、鞄を洗面台の中に置く。
そして、洗濯かごのなかに服を脱ぎ入れるとお風呂場の中に入る。
シャワーからお湯を出し、お湯が温まるまで待ってからシャワーを頭から浴びると――。
雨で体が冷えているからかな。お湯がちょっと熱い気がする。
そう思ったのもつかの間、すぐに体が温まってきて気にならなくなる。
シャワーを浴びて温まると、次第に思考がクリアになってきて今日一日の様々な出来事が頭に浮かぶ。
あー、もう! 来栖君、あんなに笑うなんてやっぱりひどいと思う。
私だって……ああいうのが着てみたいときだってあるし……。
どうせなら、綺麗だねとか言われてみたいもん。
って、これだと私が来栖君に綺麗だって言われたいみたいじゃない! 違うから!
……私、誰に言い訳してるんだろう。
はあ。私、やっぱり魅力ないのかな……。
私の下着姿を見ても、来栖君なんとも思ってなさそうだったし……。
いつの間にか来栖君のことばかり考えてる!
まるで私が来栖君のこと好きみたいじゃん!
デリカシーないし、顔がすごくいいわけでもない。
きっと、今まで私に告白してきてくれた人たちの中には、彼よりも気配りができて、彼よりもかっこよくて、彼よりも私に優しくしてくれる、そんな人もいたと思う。
なのに、私が来栖君のこと好きになるはずがない。
「別に! 来栖君のことなんて、好きじゃないから! ……多分」
別に誰かが聞いているわけでもないのに、口に出してしまう。
何してんだろ……私。
声にだして気持ちがはっきりしたはずなのに、なぜか胸のあたりがモヤモヤする。
考えてみてもよく分からなかったので、この思考を一旦頭の端に追いやる。
そして、軽く体を洗おうとお風呂場に持ち込んでいたタオルを手に取った、その瞬間。
音を立てて、お風呂場と脱衣所を隔てている扉が開かれた。
私は小さく悲鳴を上げて、とっさに左手でタオルで体を隠す。
「だれ?」
小さく誰何の声を上げて、恐る恐る顔を上にあげると――。
そこには、裕也お兄ちゃんがいた。
だが、いつもとは何か様子が違う。
いつもはいつでも笑顔を絶やさないのに、今は能面のような表情をして顔を少しうつむき加減にしながら立っている。
「裕也お兄ちゃん? どうしたの? 何か変だよ?」
どうしてシャワーを浴びている途中に入ってきたのか、普通はそう問いただすとことだろう。
だが、この時の私にはそんな考えは一切浮かんでいなかった。
きっと何か理由があるのだろう。大丈夫、きっとすぐに優しいお兄ちゃんに戻る。
そう無意識のうちに思っていたのだろう。
それこそが、彼を狂わせてしまったのかもしれない。
しかし、今の私にその思考に至る術はない。
私が問いかけると、裕也お兄ちゃんはぶつぶつとつぶやきながらこちらへと歩いてくる。
その不気味さに、思わずひっという声をだし、彼から離れるように後ずさってしまう。
私の行動を見たお兄ちゃんはバッと顔を上げ、まるでどうして? とでも言いたそうな表情を浮かべて私へと素早く近づいてくる。
そして、私の右手をつかみ壁へと押し付けた。
元から少し濡れていたが、私が出しっぱなしにしているシャワーが体にかかりどんどん服などを濡らしていっている。
彼は、そのことを気にしていない様子で血走った目で私を見つめてくる。
「ああ香奈。可愛いし、美しい僕の天使……僕の妻。なのに、どうしてあの男と一緒にいるんだい? 脅されているのかい? ああ、きっとそうに違いない。いや、もしかすると香奈は優しいからあの哀れな男の誘いを断り切れないのかな? でも駄目だよ。君は僕のもの、僕だけのものだ。ねえ香奈、僕はね君のため――」
話に集中し始めたのか、手をつかむ力が少し緩む。
今だ!
私は、足を上げて彼のお腹に思いっきり蹴りを叩き込む。
そして、彼が倒れている隙に助けを呼ぼうとお風呂場から逃げ出す。
「きゃあああああ!」
一時的とはいえ、危険な状況から逃げ出せたからか、悲鳴が口をついて出る。
そして、私が扉へと近づこうと動き出した瞬間、彼が私の手をつかむ。
そのまま私を地面に転がし、今度は私が逃げないように私の上に馬乗りになる。
力を入れても、びくともしない。
焦った私は、あたりを見回し何か逃げるのに役立つものはないか探す。
廊下なので、近くにはほとんど物がない。
それでも、私が見つけたのは―――。
玄関で体育座りをしている後輩だった。
……どうでもいい話してもいいですか?
読み飛ばしてもらって、全然かまわないです。
最近、ちょっとだけですけど評価ポイントが上がってることがあってうれしいんですよね。
自分でも一応、投稿前に読んだりはしているんですが……やっぱり、自分の頭の中で補完して読んでるから話がスムーズでいい感じの幅が合って面白く感じるところって大きいと思うんですよ。
常々、もっと面白くならないかな? と考えてはいるんですけどね……。
ちょっと本編の話に行きますが、夜月ちゃんって覚えてますか?
読みにくいのは勘弁してください。
彼女は最初は京言葉にしようと思ったんですが、ちょっと無理そうだったので関西弁と混ぜったんですよね。
なので、ところどころ変な話し方をすると思いますが、ご容赦ください。




