ストーカーって怖いよなっていう話。 ⑩
次回は10/30の午前0時です。
一応、一週間で一周するように投稿しようとしたのですが……できてませんね(笑)
昼休みが終わり、五限目の須賀セン(須賀 孝史35歳、現国担当。生徒からは授業で眠くなるとの評判の教師)の授業で睡魔に勝った! と喜んでいたら、六限目で寝てしまった……。
しかも、世界史の授業だったから北篠先生(北條 冬華25歳。顔面偏差値ランキング上の上だが、生徒からの評判は『真面目すぎるし、ちょっと近寄りがたい』)に怒られた。
放課後、先輩を迎えに行く。
今回は、きちんと下駄箱に行って靴を履き替えてから、マンションに向かう。
その途中、ストーカー事件について聞いてみる。
「先輩、ストーカー事件の詳細について伺ってもよろしいでしょうか?」
それを聞いて、香奈先輩はふふっと笑う。
「なんで敬語なの?」
「いや……その……話したくないデリケートな問題とかあるかなって思って……」
「ふふっ! なにそれ!」
俺のなけなしの気遣いですけど?
そんな笑う?
「ごめんごめん! そんなむくれないでよ!」
は? むくれてませんけど何か?
「ストーカーの話だったよね! それで何が聞きたいの?」
先輩がそう問いかけてくる。
やっぱり、重要なのは時期かな?
いつから始まったのか? とか、だいぶ大きな情報だろうし。
「まず、ストーカー事件が始まった、もしくはストーカーに気付いたのはいつぐらいですか?」
少し考えて、先輩は答える。
「んーと……始まったのは、多分九日前ぐらいかな? ただ、はっきりとストーカーされてるって確信したのは、その二日後だね」
わりと長い期間、ストーカーされてたんだな。
ストーカーが後ろにいると分かってる状況で、一人で帰るとかどれだけ怖かったことか……。
ん? ストーカーがいると確信したのは、一週間前なのか?
「一週間前に、何かあったんですか?」
「うん。その日は、私も帰るのが遅くて、両親も親戚の法事で帰るのが遅くなっちゃったんだけど……その日、私が帰ってきたとき家に入られていた形跡があったの」
え? 怖!
ストーカーが家に入ってきてたの?
「あっ、別に何か物がなくなってたわけじゃないんだけど……私の部屋のクローゼットとかが開けられてて、中のものの配置が変わってたりしたんだ……」
まてよ? ストーキングは続いてたってこと?
それなら、ストーカーは複数犯ってことになるんだけど……。
「その……先輩? その日って、ストーカーの視線とか感じてましたか?」
悩むようなそぶりを見せ、先輩は答える。
「そういえば……感じなかったかも。多分、ストーキングと家への侵入は同時にはできなかったんだと思う……」
なるほどなるほど。
それなら、ストーカーは単独犯で、社会人もしくは学生の可能性が高いな。
法事はたいてい午前中に行うし、午後三時くらいになれば解散する。
それなのに、帰るのが遅くなるという場合はおそらく遠い場所なのだろう。
つまり、前日からその法事をする家に泊まっていたはず。
仮に、昼間に時間が取れるなら、昼間に侵入すればストーカーもできる。
それができないということは、昼間に仕事をしているか勉学に励んでいる、つまり社会人か学生だといえるはず。
ただ、二つ疑問がある。
まず、犯人はどうやって先輩の両親の予定を知ったのかということだ。
先輩がいつも帰りが遅いのは簡単に予想できるが、ご両親の法事の予定はそうそう知りようがない。
もう一つは、仮に家に誰もいないとして、どうやって中に侵入したのか? ということだ。
窓を割ったりして、鍵を開けたとかは先輩が言ってないから違うだろうし、ピッキングは……今の鍵なら、そうそうできたりしないはずだ。
このマンションの鍵は、ピッキングされにくいタイプのものだしな。
「それで……? どう? 何かわかった?」
先輩が聞いてくる。
しばらく考え込んでしまったみたいだ。
とりあえず、今の段階での予想について話す。
「おそらくですけど、学生か社会人で先輩にある程度近しい人ですね。まだ予想なので……絶対ではないですが、誰か心当たりとかあります?」
「……いないと思う」
そうか……。
ここで、ふと昨日、先輩の家に行ったときに抱いた疑問を思い出す。
そのことについて、ついでに今、話を聞いて生じた疑問についても先輩に聞いてみる。
「そういえば、先輩。ストーカーのことはお母さんというかご両親? に話してるみたいですが……侵入された件や偽彼氏についてってどう話してますか?」
「どっちも言ってないよ! 彼氏ができたとは言ったけどね!」
まあそうだよな。
情報がどこから漏れるかわからないし、妥当だな。
彼氏がいるっって言っておいたら動きやすくなるだろうし。
そろそろマンションが近づいてきたので、話をやめる。
ストーカーには話している内容は聞こえてないだろうが、先輩のご両親にバレるとちょっと面倒くさいだろうからな。




