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あれ? 俺……詰んでね?  作者: Aion
小悪魔天使、陥落編
19/41

ストーカーって怖いよなっていう話。 ⑧

次回は10/28の午後4時です。


 ストーカーの話を考えるのは後にして、今はまずどうやって誤魔化すかを考えないとな。

 ストーカー事件のことや、偽彼氏のことをいうか?

 でもなあ……もし、この中にストーカーがいたら香奈先輩に迷惑がかかるし、軽々しくは口外できないよなあ。


 俺が必死に言い訳を考えていると、親衛隊どもがせかしてくる。


「おい! どうなんだ! 付き合っているのか、いないのか、どっちだ!」


 このまま黙っていても状況は好転しなさそうなので、しゃべりながら考えることにする。


「香奈先p……んん゛。……東城先輩とは――――」

「マテやコラ。お前今、香奈様を下のお名前で呼んだよな。言い直してもごまかされねえぞ!」


 チンピラ風の男が立ち上がり、ガンを飛ばしてくる。


 ミスった。

 名前呼びに慣れすぎたせいで、無意識に呼んでしまった……。

 どうしよう……ここから誤魔化すのは無理ゲーすぎると思うんだけど……。


「親衛隊の二桁ナンバー以上にしか香奈様を下のお名前で呼ぶのは許されねえのに!」


 それは知らん。

 いや、これはもう、ここで言っちまうか?

 もしストーカーが紛れ込んでいたら、香奈先輩に彼氏がいるって知ったら諦めるかもしれないし。


「わかった、言うよ、言いますよ。ただし、他の誰にも言わないでくださいよ!」


 俺はそう念押ししてから話そうとするが、そこでチンピラ君が待ったをかける。


「なんでだよ! 俺達には下位ナンバーの親衛隊に真実を話す義務がある!」


 また話が長くなりそうだな……と思っていると、マッチョ先輩が動いてくれる。


「まあ待て、西田。ここは一旦、彼の話を聞いてから決めてもいいだろう?」


 やはり、マッチョ先輩には従順なのか、チンピラ君もしぶしぶといった様子ながら納得し、俺の話を促す。

 それを確認してから、俺は再度口を開く。


「確かに、俺はおっしゃる通り香奈先輩と付き合ってますよ」


 俺としては、そこまでたいそうなことだとは思っていなかったし、今までも流れで少し面倒臭くなっていたのでので、少しぞんざいな感じになってしまった。

 だが、チンピラ君はそれが気に入らなかったのか、またしても嚙みついてくる。


「なんて言い方だ! 香奈様とお付き合いできることに感動し、むせび泣きながら話すべきだろ!」


 おめーらみたいに騒ぎ立てるやつがいるからだよ! と内心では思っていても、ここで俺もキレると収拾がつかなくなりそうなので、グッと我慢して小さい子をあやすような心持ちで説得をする。

 

「いや、本当に話すのは止めてもらえませんか? 騒ぎになったら嫌なんですよ」


 だが、俺のその態度がチンピラ君の神経を逆なでしたのか、チンピラ君が激高し、さっきよりもすごい剣幕で怒鳴ろうとした瞬間――マッチョ先輩の声が部屋に響く。


「なんだと! てめえ、香奈様とお付き合いしていることが知られるのが嫌だってのか? ふざk―――」

「そこでやめないか! ほまれある親衛隊ナンバー五とは思えない振舞いだぞ、西田!」


 マッチョ先輩の言葉に俺は驚く。


 えっ、あのチンピラ君そんなに偉いの?

 一学年分のファンだから……大体六百人中の五番目の偉さなのかよ!

 ええ……見えねえ……。


「すみません、剛田さん! でも! 俺はどうしても納得できなかいんです! 俺たちはあいつらの―――ナンバー二十台以降の気持ちを背負ってここにいるんだ! その思いには報いないといけねえ!」


 熱い、熱いよ。

 でも、その熱さはいらない。

 よそでやって。

 俺のいる場所で、俺を渦中においてしないで?


 チンピラ君はまだマッチョ先輩に言い募る。


「剛田さん! 俺はあんたの言ったこととはいえ、こいつと二十人で会うなんて案、いまだに納得してないんだぜ! せめて、ナンバー百のやつらまでは聞かせてやるべきだ!」


 この人数でも少ないの? マジで?


 さらっとチンピラ君が口にした言葉に戦々恐々としつつも、同時にマッチョ先輩の働きに感謝する。


 マッチョ先輩が少なくしてくれたのか! ありがとう!

 マジでいい人だな!


 俺は心の中でマッチョ先輩に感謝の言葉を唱えていると、チンピラ君の態度に我慢ならなくなったのかマッチョ先輩は一喝する。


「黙れ! 前々から思っていたが……もう我慢ならない! 我々は香奈様の一ファンである前に親衛隊だ! なのに……なんだお前らのその態度は! 俺たちはほかの親衛隊の手本になるべき存在であり、俺たちは香奈様の評判に影響を及ぼしうる存在だ! お前たちはそのことを理解していない!」


「そんなことはねえ! 俺たちは香奈様のために―――」


「そこが問題なのだ! お前たちは香奈様のためと言いながら、香奈様とお付き合いされている方にどんな態度をとった? 俺たちは香奈様の幸せを願い、そのために尽力する集団でなければならない! それができないなら、お前は今日をもって親衛隊をやめてもらう!」


 だ~か~ら、熱すぎるんだって。

 そういうスポコンドラマみたいなノリは後でやればいいじゃん。

 だから、俺を早く帰らせてくれ。


「ちっ、わかりましたよ剛田さん」


 納得いってないながらも、しぶしぶといった様子で従うチンピラ君。

 そして、俺の方へ向き直り、一応は俺にも謝る。

 

「わりいな怒鳴っちまってよお」


 でも、俺はこう思う。


 俺への敵意もっと隠そうぜ。

 目が明らかに殺意に満ちてるんだよな。

 

 が、ここでとやかく言っても仕方ないので、俺はチンピラ君の言葉を受け入れる。


「いや、気にしてないので大丈夫ですよ」

「こちらからも謝罪させてもらおう。これからはもうこんな事が起きないように対処していくつもりだ」


 マッチョ先輩は悪くないと思うけどなあ。

 まあ、ここは謝罪を受け取っておいたほうがいい場面だろう。


 そう判断し、俺は口を開く。


「いえ、これから気を付けてもらえるのであれば今回のことは水に流しましょう」


 それを聞いて、マッチョ先輩は芝居がかった動きで親衛隊の方を向く。


「聞いたか、みんな! 彼は、俺たちの仕打ちを快く許してくれた! 彼こそ香奈様にふさわしいと俺は思う!」


 俺の言葉を快くっていうのはどうかと思うよ。


 そんな俺の心境とは裏腹に、ほかの親衛隊からもマッチョ先輩に同意するような声が上がってくる。


「確かにな」

「ああ、俺も西田さんにビビらない度胸は認めてもいい」

「剛田さんがあそこまで言うんだ。俺は認めるぜ」


 親衛隊たちの言葉を聞いたマッチョ先輩が満足そうに頷き、俺のほうへ歩いてくる。

 肩にポンと手を乗せ、俺に言ってくる。


「来栖君、香奈様を頼むよ!」


 そして、離れる直前俺の方へ顔を近づけて耳元でそっと囁く。


「……香奈様が選んだからには、俺からしてみれば君以外に香奈様のお相手はありえないからな」


 ヤバい……偽彼氏とは打ち明けられそうにない雰囲気だ……。

 

隊長のキャラおかしいです。

ブレてます。

もっと寡黙な感じで行きたかった……。

気が向いたら直します。

感想で催促したら早くなるかも?


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