↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
円環記憶のエリナレース<-8周目の少女->  作者: ユーマヤ・バラッチ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/33

第五話 レフィアの研鑽

フィーヤ、師匠に付けて貰った名前だ。

師匠は何かよく分からないけど、村に来た婆さんだ。腰が曲がってたから婆さんだって分かったけど、私が親に売りつけられて村で仕事をしているって聞いて、凄い勢いで周りに怒鳴ってた。その時は腰曲がってなかった。その時は子供だったから何言ってるか分からなかったし怖かった。

その後、師匠は村から私を倍額で買い上げた。


「お前の名前はフィーヤだ。わかったかい?」

「はい」


師匠は私に名前を付けた。

師匠は薬師だった。でも、

師匠は私に錬金術を教えると言った。


「フィーヤ、私はね、もっと広い世界をあんたに見てほしいのさ。あんな村で奴隷みたいな生き方をするもんじゃあない。アンタには錬金術の基礎と考え方を教える。他の事も教えるが、おまけ程度に考えておきなさい」

「はい」


私は見るもの全てが新鮮だった。

私は買い物を覚えた。

私は1年で基礎を覚えた。


「アンタは集中力があるから、どんな事もすぐに覚えそうだね。それなら、私の夢を話そうかね」

「夢?」


師匠はスキルを封じる魔導具が欲しい。

師匠は同じ境遇の人を救いたい。

師匠は私の夢を聞いてきた。


「まだ、わかりません」

「だからこそ、世界を見て回るのさ」

「今は、ただ錬金術が楽しいです」

「なら、極めると良い。私が教えた事は取っ掛かりに過ぎない、何を成すかは案外終わった後で気付くもの。いつの間にか、やりたいと思った事が結果に繋がってるもんさ」

「はい、師匠!」

「よし、今日からあんたは一人前さ!レ・フィーヤ」


私は錬金術を極めた。

それが、きっかけで師匠は家から私を追い出した。


「あんたに教える事はもう無いよ!面倒を見る義理もない。……頑張んな」


師匠は私に世界を見てきなさいって言ったんだ。

認められるようになったら帰って来よう。


雪に閉ざされた国で私は火を起こす魔導具を造った。気休めにはなったものの原因の魔物を私の力では倒せない。無力を感じた。

魔導国という国家があった。入国審査で落ちた。

私の種族はこの国では嫌われているらしい。

熱帯雨林の中に巨大な貿易港があった。商機にすり寄ってきた人垣に囲まれた。そこで私は大量の魔導具を造った。

戦争に参加した。私の魔導具は大量の人を殺した。

しばらく暴力に使われる魔導具は造らなかった。

師匠……。

私は世界を見て、まだ未熟だなと思った。

私は冒険者になった。錬金術以外も出来ないと護れない。そう、思ったから……。

帝国で訓練場を造った。訓練する人の動きを見て盗んだ。私の集中力は師匠のお墨付きだ。私は弓の扱いを覚えた。


「元はレ・フィーヤだけど、この国の人は発音しにくいだろうし、師匠は相手に合わせる気概を持てとも言っていた。だから、冒険者登録したときの名前はレフィア」

「そうなのですね。今はクリスタリア・アルケミストという部分が吟遊詩人の間では誇張されがちですが、あなたの名前は思いやりの詰まったとても良い名前ですね、レフィア」

「ですです。師匠師匠って自慢げに言うから、どんな人なのか気になってしまったのですが、そんな経緯があったなんて、感動です!」

「2人とも……照れる。私が最近作ったアレは師匠が夢に見た『スキル封じ』シリーズ。だから、師匠に手紙をって思ったけど……」

「そうね、エルフのあなたが子供の頃って言うと180年くらい前って事よね?」


私は師匠に会いたかった。

冒険者の仲間達は優しかった。

仲間の1人は貴族の家の出で、名前はセレナ。

もう1人のですです言う娘はトルテ。

2人とはプラチナランクの昇格時に知り合った。

ギルドマスターのユウヒさんが引き合わせてくれた。新しくパーティ制度という仕組みを作るらしく、依頼を助け合って遂行できるということだ。

師匠も言っていた。

「1人で出来ないなら周りの人を頼りなさい」

魔導具を造って、2人に試して貰う。そういう形に落ち着いて、段々と中が深まって今に至る。

本当に私は、師匠に会えて、2人に会えて、皆に会えて、本当に、本当に、良かった。


「私、本当に今が幸せ!」


レフィアの言葉にセレナとトルテはただ笑顔で頷くのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。