↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
15/21

File015|第一部【ハロウィン、魔女登場♡】

「トリックオアトリート」


背後から無邪気な声が掛かった。


「魔女だー、かわいい」


アイは微かに頭を傾け、声の位置と人数を瞬時に分析した。

「ありがとうございます」と小さく返しながら、子どもたちの手にお菓子を渡す最適解を算出した。


———


「おーっす!来たぞー」


「おっユウが来た、ウィーッス!」

「江島君おつかれー」


「……で」


「ロボットのアイちゃんは?」


ウィッチの衣装を身につけたアイがユウの少し後ろから現れた。


「……おっ」


「おぉーっ」


「えっかわいい!魔女かわいい!アイちゃんかわいいー。」


アイの周りに全員が群がった。

いわゆる転校生イベントである。


お決まりの質問攻めが始まった。



「これマジでお前が直したのかよ?スッゲーな!」


「この衣装かわいいー、どこで買ったの?」

「ちょー似合ってるー!」


仕切り役が声を上げた。

「ではその辺にして、全員揃ったので乾杯にしましょう!」


グラスを手に———


「トリックオアトリートーッ!」


「トリックオアトリートーッ!」


女子の一人が口に手を当て手招きした。

「ねーねー、ちょっとアイちゃん、こっちこっち」



女子の一人が小声になった。

「ねぇねぇ、江島君と一緒に住んでるんでしょ?」


「同棲とか憧れるよねーっ、2人は付き合ってるの?どうなの?」


「一緒に住んでます。」

「付き合ってるかどうかは……分かりません。」

「告白も……まだされていません。」


一つ一つ丁寧に返答しながら、学園恋愛ドラマの影響が少し出てしまっていた……


女子二人が跳ねた。

「えっえっ?、そういう雰囲気なの?、手とか繋いだ事ある?」


「あります。」


事実を言っただけだが、受け取り方が違った。


「……」

女子二人は口に手を当て顔を見合わせた。

「キャーッ!マジ?それマジ?どっちから繋いだの?」


「ユウ君です。」


事実だが、火に油を注いだ。


「ユウ君だって!そう呼んでるの?、えっ、江島ぁーッ、やるなアイツ!」


女子トークは止まることを知らなかった。


女子の一人が小声になった。

「えっ、じゃあさ……キスは?、もうしちゃった感じ?」


「まだです。」


「まだだって、キャーッ!」


「……普通はするものなのですか?」


「えっ?、だってお互い好きなんでしょ?するでしょ普通……」


「してみたいです。」


アイは体験として言ったつもりだったが、胸の奥で、未知の熱上昇を検知した。


女子二人は限界まで近づいた。

「えっ?ちょっ、したいの?、アイちゃんはキスしたいの?」


「……」


「なんかあっち盛り上がってね?……すんげぇ楽しそう。」


ユウは遠目からその様子を見て、笑いが引きつった。

(余計な事、言ってねぇよな……)


「なーユウ、ロボットってさ家事とかやってくれるんだろ?ちょー便利じゃね?」


「あー、家事全般は……やってくれるな。」


「マジかーっ、俺も欲しいなぁ……」


「一緒にゲームとかもやってくれるのかな?」


「俺ん家には無いけど、やってくれるんじゃね?」

「多分だけど、アイツ……強えぞ。」


「マジ?、勝負してみてぇ……今度アイちゃん連れて遊びに来いよ、一緒にゲームやろうぜ。」


「負けても泣くなよ?www」


「泣くかwww」


「あっ、男子来た……この話しはまた後でね♪」


「ねーねーアイちゃん。ピザって10回言ってみて。」


「———ピザ、ピザ、ピザ。」


「ここは?」


男友達は肘を指さして言った。


「肘関節です。」


男子の目が平らになった。

「……ですよねー。」


全員吹き出した。


「ブハッwww、アホかお前wwwロボットが間違う訳ねぇだろ。」


「イヤイヤ、こういうの試してみてぇじゃんw」


楽しい時間が過ぎていった。


アイはふと気付いた……


ユウが先程の女友達と何か親しげに話していた……


アイの思考回路が一瞬フリーズした。


アイはユウの斜め後ろまで歩を進め、ユウの袖を少し摘んだ。


「ん?どした?」


「……何でもありません。」


アイの思考回路は混迷し、その行動に理由をつけることができなかった……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。