表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【外れスキル:デバッグ】追放された元ギルドメンバー、AIヒロインを救いながら最強配信者になる  作者: 雨音トキ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
26/32

第26章「ギルドの謝罪」

1週間が経った。

リョウとアリアは、招待状を受け取っていた。

差出人、桐谷。

「来てほしい場所がある」

二人は指定された場所へ向かった。

フロンティアギルドの旧本部。

かつてリョウが3年間所属していた場所。あの日、追放された場所。

建物は廃墟と化していた。壁は崩れ、窓ガラスは割れている。高峰が死に、組織が崩壊してから、誰も管理していない。

入口に、人影。

桐谷と、元ギルドメンバー全員。8名が待っていた。

「来てくれてありがとう」

桐谷が頭を下げた。

リョウは警戒した表情で聞く。

「……何の用?」

桐谷は真剣な顔で答えた。

「謝罪だ」

「謝罪?」

「正式な、謝罪をさせてくれ」

桐谷たちは、廃墟の前庭に移動した。

一列に並ぶ。桐谷を先頭に、8名全員。

そして、一斉に地面に膝をついた。

土下座。

額を、地面に押し付ける。

「リョウ、本当に申し訳なかった」

桐谷の声が震えている。

「お前のスキルを見誤った。お前自身の価値を、完全に見誤った」

他のメンバーも続ける。

「取り返しのつかないことをした」

「お前を傷つけた」

「お前の人生を狂わせた」

リョウは言葉を失った。

アリアがそっと、リョウの手を握る。

桐谷が顔を上げずに言う。

「許してくれとは言わない。俺たちがしたことは、許されることじゃない」

「でも……謝らせてくれ」

一人ずつ、顔を上げていく。

涙と鼻水でぐしゃぐしゃの顔。

「俺も、お前を笑ってた。ごめん」

「デバッグを馬鹿にした。最低だった」

「お前がいなくなって、初めて気づいたんだ。お前がどれだけ俺たちを支えてくれてたか」

「お前がいたから、俺たちは生きてこれた」

涙ながらの告白。

リョウの胸が痛んだ。

かつての仲間たち。確かに、傷つけられた。でも、彼らも苦しんでいる。

「もういい」

リョウが言った。

「立ってくれ」

全員が顔を上げる。涙でぐしゃぐしゃの顔。

「恨んでない」

リョウははっきりと言った。

「過去は過去だ。変えられない」

桐谷が立ち上がる。他のメンバーも。

リョウは続けた。

「俺も、成長できた。追放されたから、配信を始めた。配信したから、アリアに会えた」

アリアを見る。彼女が微笑む。

「だから……感謝してる」

桐谷の目が見開かれた。

「リョウ……」

リョウは手を差し出した。

「仲間、やり直さないか」

桐谷は手を見つめた。そして、握った。

「……ありがとう」

声が震える。

他のメンバーも駆け寄る。

全員で抱き合った。

「これからもよろしく」

「お前こそ」

笑顔と涙。

アリアも見守っている。微笑んで。

「みんな、優しいね」

リョウは頷いた。

「ああ、本当は」

完全なる和解の瞬間。

カタルシス。

全ての恨みが、許しに変わった。

しばらく、そのまま抱き合っていた。

やがて、全員が離れる。

桐谷が笑った。

「これから、配信見させてくれよ」

リョウも笑う。

「もちろん。今度は仲間として」

他のメンバーも口々に言う。

「応援してる!」

「頑張れよ!」

「また会おう!」

リョウとアリアは、廃墟を後にした。

振り返ると、桐谷たちが手を振っていた。

リョウも手を振り返す。

新しいスタート。

新しい関係。

過去との決別と、未来への希望。

二人は、街へ歩き出した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ