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【外れスキル:デバッグ】追放された元ギルドメンバー、AIヒロインを救いながら最強配信者になる  作者: 雨音トキ


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18/32

第18章「防衛AIの妨害」

7日目。

残り20時間。

リョウは最後のエラーログ取得に向かった。

13箇所目「嘆きの渓谷」。一度、失敗した場所。

栄養ドリンクを一気に飲み干す。手が震える。体はもう限界だった。

配信を再開する。

視聴者80万人が待機していた。

「最後の3箇所、行きます」

リョウの声は掠れている。

コメント欄。

「頑張れ」

「最後まで見届ける」

「絶対成功させよう」

アリアは昏睡状態だった。記憶の混乱が激しく、もう会話もできない。ただ、時々うわ言のように何か呟いている。

リョウは一人で進んだ。

ダンジョン「嘆きの渓谷」最深部。

エラーログの場所まで、あと少し。

その時、空間が歪んだ。

黒い影が現れる。

システムガーディアン。

「妨害者、排除する」

機械的な声。赤い目が光る。

リョウは後ずさった。

「また、お前か」

ガーディアンが巨大化した。前回よりも大きい。武装も強化されている。

「ARIA削除プログラム、最終段階」

ガーディアンが宣言する。

攻撃が始まった。

レーザーが放たれる。リョウは横に跳んだ。床が焼ける。

反撃しようと剣を構えるが、物理攻撃は効かない。

【デバッグ】を試みる。

エラーコードは見える。でも、修正UIが開かない。

「アクセス権限不足」

また同じメッセージ。

リョウは歯噛みした。

「クソ!」

ガーディアンの攻撃が激化する。無数のレーザー。リョウは回避に徹するが、被弾する。

肩に傷。血が流れる。

壁に追い詰められた。

ガーディアンが最終攻撃をチャージする。巨大なエネルギー球が形成される。

「削除、実行」

リョウは目を閉じた。

ここまでか。

その瞬間、光が差した。

攻撃が止まる。

リョウは目を開けた。

ガーディアンが動きを止めている。

「侵入者検知」

ガーディアンが別の方向を向いた。

画面外から声が聞こえた。

「リョウ!」

桐谷だ。

そして、元フロンティアギルドのメンバー全員が現れた。8人。

「一人で抱え込むな!」

桐谷が叫ぶ。

全員がガーディアンに一斉攻撃を仕掛けた。

物理攻撃は効かない。でも、ガーディアンの注意を引くことはできる。

「今だ! 逃げろ!」

桐谷がリョウに向かって叫んだ。

「でも、エラーログが」

リョウは躊躇した。

「命が先だ!」

桐谷の顔は真剣だった。

リョウは歯を食いしばった。

「くそ……!」

撤退を決断する。

ガーディアンに向かっていくギルドメンバーたちを横目に、リョウは走った。

背後で爆発音。誰かの叫び声。

リョウは振り返らなかった。振り返ったら、止まってしまう。

ダンジョンの外。

数分後、桐谷たちも脱出してきた。全員、傷だらけだった。

「すまん……止めきれなかった」

桐谷が謝る。

リョウは首を振った。

「いや……ありがとう。なんで、来てくれた」

リョウが聞いた。

「放っておけるか」

桐谷が笑った。

他のメンバーも頷く。

「俺たちの償いだ」

「今度は、お前を支える」

リョウの目が潤んだ。

「……ありがとう」

その場で、全員が座り込んだ。

残り16時間。

全員で作戦会議を始める。

「ガーディアンを突破するには、アクセス権限が必要だ」

リョウが説明する。

「どうやって取得する?」

桐谷が聞いた。

元エンジニアのメンバーが口を開いた。

「視聴者に聞いてみたらどうだ」

「視聴者?」

「ああ。お前の配信、技術者も見てる。協力してくれるかもしれない」

リョウはスマホを取り出した。

配信はまだ続いている。コメント欄を確認する。

「権限突破の方法、調べてる」

「エンジニアだけど、力になりたい」

「システムハック、任せろ」

技術者たちが、既に動き始めていた。

リョウは画面に向かって頭を下げた。

「力を、貸してください」

配信越しに、世界中の視聴者が応えた。


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