嘘(24)
検便って、大抵の場合、健康診断の前に容器を渡されて、当日に持参するものだと思う。それが、一旦健康診断した後に持っていくというのは、追加で検査するってことではないだろうか?彼女はどこか悪いんじゃないのか?という疑念が湧いた。何か違和感…と思いつつ、正月休みで夫の実家に帰省していて、それに気を取られていたのと、留守中に犬たちとヘルパーRが何事もなく過ごせるかだけしか頭に無かったので疑念をちょっと隅に追いやっていた。
検便提出の日は本人も言っていた通り、提出してすぐに帰宅したようだった。出かける時と帰った時の犬たちの写真を送ってきたので間違い無いだろう。そういうところはきちんとしているヘルパーR。今思うと、疑われたくないことの現れ。私はちゃんと検査に行ってます、嘘ついて遊びに行ったりしてませんよ、アピール。
正月3日に自宅へ戻り、犬たちも元気そうで安心した。次の日からいつもの日常に戻った。ヘルパーRにも簡単なお土産を渡し、留守を守ってくれてありがとうとお礼をいうと「いえいえ、私の仕事ですから!」なんて謙虚に言ったが、続けて
「Ma’am, 私は7日にドクターのアポイントがあります。先日の検査結果を聞きにいくためです。10時にアポイントがあります」
と言って、予約票を見せた。(え、また病院?やっぱり変だ。しかも、何回仕事抜け出すんだよ…)と思ったけど、予約票まで見せられて、行くなとも言えないのでOKした。
7日、予定通りに病院に行ったがすぐに帰ってきた。その時、私は家で むらさき のシャンプーしてドライヤー最中だったので、その音で全く聞こえていなかったのだが、急に後ろから肩を叩かれた。自分以外誰もいないと思っていたのに、さっき病院に行ったはずのヘルパーRが立っていたので、すごくびっくりしたのを覚えている。
「Ma’am,今日ドクターに会えませんでした。だから、9日にまたアポイントを取りました。」
私は、とりあえずトリミング終わらせるから後で、と言いながらドライヤーに戻った。そして何かが変だ、と、ずっと思いながらトリミングを終えると、家族のチャットにヘルパーRがメッセージを入れていた。
『今日病院に検査結果を聞きに行ったら、診察料が1000円から3000円に上がっていて、払うことができませんでした。なぜなら、私はフィリピンの家族に先月分の給料を仕送りしてしまったからです。今までは1000円だったからSirに請求せず、自分で払っていましたが、。3000円は払えません。今後は診察料を払ってください。』(あえて日本円表示にしています)
と書いてあった。ご丁寧に、病院の壁に貼られていた診察料値上げを知らせるポスターの写真まで添えて。夫はそのメッセージにまだ返信を入れていない。なんか直感的に、すんなり払ってはいけない気がした。なので、夫と私のチャットに『読んだよね?まだ返事しないで!ちょっと本当かどうか、周りでヘルパー雇ってる人に聞いてみるから!』とメッセージを入れると、すぐ既読になって『OK』と返事が来た。そのまま急いでヘルパーの達人へメッセージを入れた。この12月24日の検査から始まった一連の健康診断の件を簡単に説明しつつ
『前にも一度聞いたと思うんですが、本当に3〜4ヶ月毎に健康診断って受けるもんですかねぇ?達人のヘルパーも行ってます?』
『それは、絶対に嘘です!うちのヘルパー、雇ってから5年くらい経つけど、1回も健康診断なんて受けて無いです!』
(やっぱりそうか。。。)
念の為、あと2人の友人にもメッセージで同じことを聞いた。やはりどこのヘルパーもそんな検査には出かけたこともないし、そんな話聞いたこともないという返事。私はすぐに夫にメッセージで説明し、ヘルパーRを紹介したヘルパー紹介所にそんな決まりあるか聞いて欲しい、と入れた。達人や友人を信用してないわけじゃないが、ヘルパーRを紹介したところに聞くのが1番確実だと思えた。夫は仕事中にも関わらず、すぐに対応してくれてヘルパー紹介所からも返事が届いた。
『こんにちは。ヘルパーRは体調が悪く、医師の診察を受ける必要があるのでしょうか?そうでない場合、彼女に定期的に健康診断を受けさせる法的義務はありません。(以下略)』
はい、嘘確定。




